著者
杉森 一哉 沼田 和司 岡田 真広 二本松 宏美 竹林 茂生 前田 愼 中野 雅行 田中 克明
出版者
公益社団法人 日本超音波医学会
雑誌
超音波医学 (ISSN:13461176)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.225-236, 2019

<p><b>目的</b>:慢性肝疾患患者にガドキセト酸ナトリウム(gadolinium ethoxybenzyl diethylenetriaminepentaacetic acid: Gd-EOB-DTPA)での核磁気共鳴画像 (magnetic resonance imaging: MRI)(EOB-MRI)および造影超音波を施行して,早期肝細胞癌(early hepatocellular carcinoma: eHCC)や高度異型結節(high grade dysplastic nodule: HGDN)と再生結節(regenerative nodule: RN)の鑑別に有用な特徴的所見を調査した.<b>対象と方法</b>:最大径が1 cm以上でかつ病理学的に診断された平均腫瘍径がそれぞれ15.5 mm,15.1 mm,14.8 mmの早期肝細胞癌(100結節),HGDN (7結節),RN (20結節)を後ろ向きに検討した.これらの結節のEOB-MRI肝細胞相の信号強度所見と,造影超音波動脈相の所見を用い,RNに特徴的な所見について検討した.<b>結果</b>:早期肝細胞癌100結節中98結節は,EOB-MRIの肝細胞相で低信号(n=95),等信号(n=2),高信号(n=1)を呈し,HGDN 7結節は,低信号(n=6),または高信号(n=1)を呈し,造影超音波動脈相においてはいずれも求心性血管を認めた.早期肝細胞癌1結節では,EOB-MRI肝細胞相で低信号を呈し,造影超音波動脈相で遠心性血管と求心性血管の両方が観察された.RN 20結節中18結節と早期肝細胞癌の残りの1結節ではEOB-MRIで結節中心に小さな低信号域を伴い,周囲は高信号を呈した.残り2結節のRNでは肝細胞相で高信号のみを呈し,造影超音波動脈相で遠心性血管が観察された.結節中心部の小低信号域は,造影超音波動脈相では中央から辺縁に向かって走行する肝動脈とそれに伴走する門脈に一致していた.<b>結論</b>:EOB-MRI肝細胞相および造影超音波動脈相での中心部の血管構造所見は,RNに特徴的な所見である可能性がある.</p>
著者
当真 孝 山口 浩 森山 朝裕 前原 博樹 當銘 保則 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.56-59, 2019

<p>三角筋断裂を伴う広範囲肩腱板断裂の治療にはしばしば難渋する.我々は三角筋断裂を伴う広範囲腱板断裂の2例を経験したので報告する.症例1 69歳女性.5年前から右肩痛を自覚.1年前より近医受診で内服,ステロイド注射を行っていた.3カ月前に突然右肩挙上困難出現,MRIで三角筋断裂を合併した広範囲肩腱板断裂を指摘され当科を紹介.初診時身体所見は右肩痛を認め自動肩関節可動域屈曲20度,外旋30度,内旋Th8でJOAスコアは45点であった.腱板一次修復術と三角筋修復術を施行し,術後64カ月で自動肩関節可動域屈曲105度,外旋65度,内旋Th8,JOAスコア86.5点へ改善を認めた.症例2 82歳女性.3年前より右肩痛,可動域制限を自覚.1週間前より誘因なく右肩関節腫脹,皮下出血を認め近医受診.三角筋断裂を伴う広範囲腱板断裂を認め,手術目的に当院紹介.初診時身体所見は肩痛を認め自動肩関節可動域屈曲0度,外旋10度,内旋Hip,JOAスコアは25点であった.腱板修復術に大胸筋移行術を併用し,三角筋修復術を施行し,術後12カ月で自動肩関節可動域屈曲65度,外旋45度,内旋L1,JOAスコア58点へ改善傾向を認めた</p>
著者
森 重敏
出版者
教育心理学研究
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.1-11,60, 1969
被引用文献数
2

普通の1小学校における知的優秀児の検出によってその存在率を確認し,そこで試みたいろいろな調査によって,優秀児の発達的な特徴を検討した。それぞれの調査面において,少なからず知的優秀児の優位が認められたが,その他にも,傾向としてみられるかれらの優秀性が暗示された。と同時に,同等性も少なからず示された。そこには,調査法や実施面その他についての難点もいくらか反省点として見出されるのであるが,この調査を基礎として,残された次の課題,とくに性格特徴の把握へ進み・知的優秀児の本質の解明へ接近しようとするものである。付記:末尾ではあるが,本研究の遂行にあたってあたたかい御助言を賜わった山下俊郎先生,および調査実施に際して快く御協力くださった三光小学校校長遠藤五郎先生ならびに積極的に御尽力くださった外村近教諭その他の先生方に対して心から感謝の意を表したい。なお,実施に多大の労を要した諸種の検査および調査は,東京家政大学児童学研究室の上原万里子,伊藤礼子両助手の手によるものである。あわせて深謝したい。
著者
森田 順也 藤本 奈央 柳田 克巳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1M202, 2018 (Released:2018-07-30)

建設現場の品質管理は,現場監督員の熟練度により品質確認の結果に差が出やすく、精度担保が課題である.加えて,精度の高い品質確認を行うには,現場の状況に即して適切な「着眼点」を見出すことがポイントとなっているが,形式知化が難しいため,効率的なトレーニングや人材育成の難易度が高い.さらに,現在の首都圏建設市場の急拡大により,社員をバランス良い年齢構成で配置することができず,技術伝承の要となるOJT(On-the-Job Training)による適切な指導ができていない状態も続いている.そこで本研究では、ベテランの建設現場監督員が何を手掛かりにして「状況認識」し,その後どのような「判断」で「作業」をしているか,ウェアラブル機器で視線を計測することで一連の作業プロセスを明らかにする.そして,抽出される熟達者の行動プロセスをいかに未熟者に継承していくかについて,今後の展望を示す.
著者
山森 光陽 伊藤 崇 中本 敬子 萩原 康仁 徳岡 大 大内 善広
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.501-510, 2018

<p>児童の授業参加や課題従事行動を,観察対象学級の児童全員について即時的・経時的に把握するために,身体の揺れ,すなわち身体が1秒間に繰り返し運動する回数(周波数)を指標とすることが有効と考えられる.本研究は,授業参加や課題従事行動を加速度計で計測された3軸加速度から求めた周波数で把握できるようにするために,授業中の児童の様々な行動と,それらの行動に伴う身体の揺れの周波数との対応を示すことを目的として実施された.小学校第3,5学年を対象に授業を模した活動を実施し,一般的な授業に近い形で様々な行動を起こさせ,各々の動きに伴う身体の揺れを加速度計で即時的・経時的に計測し,それらの周波数を求めた.行動の種別ごとに,各々の児童がとり得る周波数の最大値の範囲を一般化極値分布に当てはめて検討した結果,当該行動をとっているかを判断するための周波数の範囲が示された.さらに,課題従事とは見なせない児童の行動の周波数はほぼ0Hz であるか2.5Hz を上回るかのいずれかになることも示唆された.</p>
著者
遠藤 敏成 久津間 信明 小林 大介 沼尻 幸彦 上田 秀雄 駒田 冨佐夫 齋藤 侑也 森本 雍憲
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.615-622, 2002-12-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
6

When a pharmacist informs a patient of premonitory symptoms to prevent any adverse effects of each prescribed medicine, such instructions are often to complicated to be understood by the patients, mainly due to the fact that numerous medicines have a wide range of adverse effects, and furthermore, an such adverse effects have many premonitory symptoms. We attempted to make a computer aided adverse effect informing program to assist pharmacists. This program arranges the symptoms according to their order of importance, and gives the probable information of adverse effect, which is not mentioned in the package leaflet. The most frequent and common premonitory symptoms of adverse effect were suggested to be fever and fatigue as a result of running the program when many individual patient prescription data were inputted.The incorporation of this program into the computer system that manages the patient's medicine history will be useful for pharmacists to inform patients of understandable premonitory symptoms and to monitor any potential adverse effect.
著者
小林 大介 久津間 信明 中山 惠 鵜近 篤史 鈴木 暢之 佐次田 優子 遠藤 敏成 上田 秀雄 沼尻 幸彦 駒田 富佐夫 齋藤 侑也 森本 雍憲
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.571-575, 2002-12-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

When a novel additional adverse effect is reported for a marketed medicine, the medical information leaflet has to be revised to inform physicians and pharmacists of this. Pharmacists are responsible for informing patients of early warning symptoms to avoid the subsequent appearance of severe adverse effects. However, at present, patients may suffer from severe adverse events because such symptoms may remain unrecognized until the medicine is on the market. As a result, investigations to predict and prevent novel additional adverse effects of medicines are required. In this study, we investigated a novel additional adverse effect classified as a pharmacological effect based on the drug safety update (DSU). As a result, skin disorders including toxic epidermal necrolysis and Stevens Johnson syndrome, and pseudomembranous colitis have become evident as additional adverse effects of antibiotics, with a high incidence. In addition, neuroleptic malignant syndrome and aplastic anemia have also been reported as adverse effects of central nervous system agents.Therefore, it is important to provide patients with information about the early warning symptoms related to such adverse effects, even though such adverse effects are not contained in the patient information leaflet.
著者
佐塚 泰之 廣津 祥代 広田 貞雄 金川 麻子 森田 哲生
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.415-421, 1998-11-10 (Released:2009-01-21)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

We prepared the liposomes, changed the entrapped amount of adriamycin (ADR) per the amount of liposome composing lipid, and after the addition of these liposomes with the same concentration of ADR(therefore, different dose of lipid), the tumor cell uptake of ADR was examined. The high entrapped amount of ADR demonstrated the usefulness in the tumor cell uptake of the ADR liposome in vitro. The cell uptake of the liposome depended on additional amount of ADR and liposomal lipid. Next, using ADR contained liposome and irinotecan contained liposome, its usefulness on tumor cell uptake by the polyethyleneglycol (PEG) modification of the surface on the liposome in vitro examined. In both liposome, PEG modification of the surface on the liposome facilitated the initial rate of the liposome uptake into the tumor cell. We have considered that this facilitation was attributed to the lipo-hydrophilic property of PEG and the fixed aqueous layer around the liposome. Therefore, PEG modification of the surface on the liposome, prevents the adhesion of serum opsonine and avoids reticuloendothelial system, does not inhibit tumor cell uptake rather facilitates. From the results of dextran sulfate contained liposome, it is expected that these liposome passed through the membrane of the tumor cell. Therefore, a higher entrapped amount of antitumor agents in the liposome and PEG modification have been confirmed to be beneficial in the tumor cell uptake.
著者
米森 敦也 近江 亮 二瓶 和喜 真木 健裕 金古 裕之 三栖 賢次郎
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.729-734, 2013 (Released:2013-09-25)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

症例は75歳,男性.腹痛,発熱にて救急搬送.急性虫垂炎による回盲部膿瘍の診断で当科入院.保存的加療で経過観察としたが,膿瘍が増大したため,13病日に膿瘍穿刺ドレナージ施行し,28病日に退院となった.その後の大腸内視鏡検査にて,虫垂開口部に突出する腫瘍が認められた.生検で管状腺腫の診断となり,腹腔鏡下回盲部切除術を施行した.虫垂内に15×10mmの有茎性腫瘍を認め,病理組織検査にて虫垂管状腺腫と診断された.術後に臍部創感染と後腹膜気腫がみられたが,保存的加療で軽快し,術後30日目に退院となった.虫垂原発の良性腺腫は非常にまれな疾患であるが,術前診断できれば腹腔鏡下手術の良い適応である.
著者
東 久美子 塚川 佳美 近藤 豊 Dallmayr Remi 平林 幹啓 尾形 純 北村 享太郎 川村 賢二 本山 秀明 的場 澄人 青木 輝夫 茂木 信宏 大畑 祥 森 樹大 小池 真 小室 悠紀 對馬 あかね 永塚 尚子 繁山 航 藤田 耕史
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

2014年春にグリーンランド氷床北西部のSIGMA-Dサイトで225メートルの深さまでのアイスコアが掘削された。積雪のアルベドに影響を及ぼす物質として注目されているブラックカーボン(BC)の変動を高時間分解能で復元するため、国立極地研究所で開発されたアイスコア連続融解析装置(CFA)を用いてこのコアの深度6~113mを高時間分解能分析した。CFAはアイスコアを融解しながら連続的に分析する方法であるが、融解部に接続したWide-Range SP2 (Single Soot Photometer)によりBCを分析した。コアの上部6mは空隙の多いフィルンであり、CFAを用いることができなかったため、約5cmの長さ毎に切り、試料表面の汚染を除去して融解した後、SP2で分析した。主としてナトリウムイオン濃度と酸素同位体比の季節変動を利用してこのコアの年代決定を行い、1年を12に分割して月毎の変化を調べた。ブラックカーボンの質量濃度と数濃度はともに1870年頃から増加し始め、1920~1930年頃にピークを迎えたが、その後減少に転じた。1870年頃からの濃度の増加は、化石燃料の燃焼によって発生する人為起源のブラックカーボンがグリーンランドに流入したためであると考えられる。化石燃料起源のBC濃度の増加に伴ってBCの粒径が大きくなる傾向が見られた。これはグリーンランドに到達する化石燃料起源のBCの粒径が森林火災起源のものよりも大きいことを示唆している。BC濃度の季節変動を調べたところ、BC濃度の増加は主に秋~冬に生じていることが分かった。また、人為起源のBCの影響がない時代にはBC濃度は夏にピークを示していたが、人為起源のBCが多量に流入した時代には冬にピークを示していたことも分かった。夏にはしばしばBCが短期間だけ50µg/Lを超える高濃度になることがあったが、これは森林火災によるものと考えられる。本発表では、SIGMA-Dコアの結果を他のグリーンランドコアと比較して議論する。
著者
内藤 大地 三浦 一喜 染谷 宏彦 五十嵐 進 栗本 佳典 下川 哲司 森田 裕一
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.72, pp.547, 2017

<p>j-parc加速器では主リングでの速い取り出しにおいて~400kWのビーム強度を達成している。一方で設計強度は750kWであり、ビームの加速・取り出しの高繰り返し化による高強度化を計画している。その際にはビームを偏向・収束させるための電磁石へ流す電流の時間変化を急峻にする必要がある。これによりビームダクト等に発生する渦電流が増加するが、それに伴い二つの懸案事項が考えられる。一つ目は磁石の励磁が妨げられる効果が大きくなる事である。二つ目はエミッタンス増大の原因となる非線形共鳴を励起する多極磁場成分の影響である。本講演では主に高繰り返し化の際のBM電磁石に発生する磁場の測定とシミュレーション結果について報告する。</p>
著者
山田 裕貴 金森 由博 福井 幸男 三谷 純
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.47-50, 2012
参考文献数
11

撮影時とは異なる照明下での照明効果を計算するリライティングは,これまで映像制作において用いられてきた.しかし,従来はリライティングに必要な物体の形状・反射率といった情報を得るために複雑なユーザ入力や特殊な撮影装置が必要であり利用できる場面が限られていた.そこで,本研究ではデプス情報を取得できる撮影装置の中でも比較的安価なKinectを使用したリライティングのシステムを提案する,Kinectで対象の物体を撮影することで物体の形状を計算し,さらに同じ場所で撮影した環境マップから計算される照明効果の情報を使って物体の反射率を推定する.物体の形状と反射率の情報を用いて撮影時と異なる照明でリライティングを行い,さらに照明の方向や強さをユーザ入力によって調整し任意のリライティング結果を得ることができる.このシステムによって,高いコストのかかる撮影装置も,複雑なユーザ入力も必要としないリライティングが可能になる.
著者
橋本 博之 山下 亜希子 藤田 孝輝 岡田 正通 森 茂治 園山 慶 北畑 寿美雄
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of Applied Glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.169-176, 2004 (Released:2008-03-24)
参考文献数
42

Oligosaccharides with α-D-galactosidic linkages, especially the positional isomers of α-galactobiose (α-Gal 2), participate in such biological processes as immunity and pathogen-to-cell adhesion on the basis of molecular mechanisms for ligand-receptor interaction. α-Linked galactooligosaccharide (α-GOS) containing positional isomers of α-Gal 2 produced from galactose by the reverse reaction of α-galactosidase, is a potential food for the prevention of infections by pathogens, neutralization of toxins, and regulation of immune system. α-GOS (7.5 kg) was produced from galactose (18 kg; prepared from lactose hydrolyzate) by the reverse reaction of α-galactosidase from Aspergillus niger APC-9319. α-GOS contained 58% disaccharide, 28% trisaccharide and 14% oligosaccharides larger than trisaccharide. The disaccharide in α-GOS consisted largely of α-1,6-galactobiose (73%). α-GOS was stable at neutral and acidic pHs, and high temperatures. The sweetness of α-GOS was 25% of that of sucrose. The taste of α-GOS was mild and mellow. α-GOS reduced acid taste, bitterness, astringency, and harsh taste without spoiling the original taste in various fruit juices, and emphasized the original flavor of food materials in various cooked foods. α-GOS was not hydrolyzed in an in vitro digestion method. In oral tolerance tests of α-GOS, the blood glucose level did not change at all. α-GOS had a strong selective growth activity for Bifidobacterium sp. and Clostridium butyricum. An α-GOS intake in rats made the contents of lactate and n-butyrate in the cecum higher, and pH in the cecum lower than for a control intake. The viable count of Candida albicans in cecum and colon of mouse was decreased by an α-GOS intake more than by a raffinose intake. Therapeutic oral treatment with α-GOS had a potent inhibitory effect on adjuvant arthritis in Wister rats and on type II collagen-induced arthritis in DBA/1 J mice. Dietary α-GOS ameliorated allergic airway eosinophilia at least partly via post-absorptive mechanisms in Brown Norway rats.
著者
谷口 順彦 森田 敏夫
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.37-41, 1979
被引用文献数
1 4

Lactate dehydrogenase (LDH) and malate dehydrogenase (MDH) of three related freshwater eels, <i>Anguilla anguilla, A. rostrata</i>, and <i>A. japonica</i> were examined by starch-gel electrophoresis using a citrate-aminopropylmorpholin buffer adjusted to pH 6.0. Five equal-spaced major bands were observed in LDH zymograms of the adult muscle exudation and the whole elver homogenate through the three species. The most anodal band was identified as the homotetramer of B subunits (B<sub>4</sub>), and the most cathodal as the homotetramer of A subunit (A<sub>4</sub>), based on the specificity of tissue distribution of these isozymes. These A<sub>4</sub>, and B<sub>4</sub> bands of the Japanese eel were different from those of the European and American eels in electrophoretic mobility. In the MDH zymograms of muscle, four major bands were observed in all the three species. One of these, the activity of which was especially intense with the liver, was identified as A<sub>2</sub>. The other two equal-spaced major bands of muscle were identified as AB and B<sub>2</sub>, and the remaining most cathodal one as C<sub>2</sub>. The European eel was distinguished from the American and Japanese eels by the A<sub>2</sub> band. The Japanese eel was also distinguished from the other species by the B<sub>2</sub> band. Although some variants were found in the LDH and MDH isozyme patterns of the respective species, their incidences were very low, and any alleles of these variants were not common among the three species.
著者
森 広子 小林 章子 吉川 沙苗 山下 仁
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.137-142, 2009 (Released:2009-11-11)
参考文献数
16

目的:精油が循環器系に与える影響に注目し,血圧と脈拍に対する効果を評価した. 方法:昇圧作用があるとされているローズマリーと,降圧作用があるとされている真正ラベンダーの 2 種類の精油を用いた.被験者 60 名を,ローズマリー群,真正ラベンダー群,およびコントロール群の 3 群に分け,2 分間の香り吸入前後に血圧・脈拍測定を行い,さらに香りに対する嗜好を 10 段階で評価し,香りの嗜好が血圧・脈拍に及ぼす影響も検討した. 結果:ローズマリー吸入後に有意な脈拍上昇を認めた.また,ローズマリーの香りに否定的な感情をもった被験者群では,吸入後の拡張期血圧上昇傾向を認めた.一方,真正ラベンダーの香りに否定的な感情をもった被験者群では,吸入後の脈拍上昇傾向を認め,「肯定群」「否定群」間で収縮期血圧と脈拍における吸入前後の変化のパターンに有意差が見られた. 結論:精油成分から想定される効果だけでなく,香りに対する好き嫌いが,生体反応に影響を与える事が示唆された.
著者
森田 直樹 安井 万奈 萩谷 宏
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

NPO法人Science and Artでは幼児期からの理科離れ対策として、2016年以来幼稚園における自然科学教育を展開し、年少児から小学校2年生まで毎週9クラス(幼児60名・小学生8名)の自然科学教室を展開している。本研究発表では以下の3つのプログラムとその教育効果について紹介する。1・化石発掘体験2・鉱物万華鏡3・恐竜カルタ化石発掘体験では実物のアンモナイトを石膏と砂を混ぜた土台に埋め込み、子供達に割り箸とゴムハンマーで発掘の感覚を味わってもらう。この際、子供のレベルに応じて土台の硬さを調節することにより醍醐味が変わってくる。模擬的に発掘された化石にはラベルをつけて自分の標本として自分で管理させる。鉱物万華鏡では水晶(石英・紫・ピンク)やカンラン石のなどの色石のさざれ石を利用して万華鏡を作る。石の観察を行いながら、その起源や産地の話題へと話を発展させる。恐竜カルタでは通常のカルタ遊びを行いながら、カルタに出てきた恐竜や海棲爬虫類の標本(レプリカ・実物化石)を見せたり触ったりさせる。図鑑も多用してカルタに書いてある文字以上の情報を図鑑から得る方法を教える。本プログラムのフィードバックを紹介することで、いずれも幼児期から楽しみながら地学に触れることができるだけでなく、その後の興味を伸ばす要素も含んでおり、幼児期からの地学教育において画期的なプログラムであると提案したい。