著者
小森 真樹
出版者
日本出版学会
雑誌
出版研究 (ISSN:03853659)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.47-68, 2012-03-20 (Released:2019-03-31)

1970年代の日本を代表する若者雑誌である『宝島』『ポパイ』などを事例として,日本のアメリカナイゼーションの変容を考察した.各編集関係者が雑誌に与えたコンセプトの違い,広告経営モデルが誌面に与えた影響,読者による読み替えなど,「送り手」と「受け手」のダイナミズムを分析することで,日本の「アメリカ」観が,対抗文化のような思想的理念から娯楽的な消費対象へと変容していく過程を明らかにした.
著者
福士 秀人 小川 晴子 森腰 俊亨 奥田 恭之 島倉 省吾 平井 克哉
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
no.50, pp.p259-263, 1985-12
被引用文献数
2

クラミジア補体結合抗体の保有状況を愛知および岐阜両県のウシ1,048頭,ブタ544頭,ならびに茨城県,岐阜県および東京都のウマ1,103頭について調査した。ウシの平均抗体保有率は30.2%で地域差が認められた。ウマでは茨城および岐阜両県で2.8%および1.0%にそれぞれ抗体が認められた。ブタでは主に種雄豚で0.7%が抗体陽性であった。このように,わが国の家畜にクラミジア感染症が存在することが示唆された。
著者
片岡 由行 森川 敦史 古主 泰子 牧田 正弘 吉永 亨二 木戸 直範
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.105, no.5, pp.560-565, 2019 (Released:2019-04-30)
参考文献数
4

An accurate quantitative analysis method including total iron had been proposed for the iron ore analysis by wavelength dispersive X-ray fluorescence spectrometry using fusion method and was accepted at ISO TC 102 meeting in 2010. The project has been proceeded in ISO TC 102/SC 2/WG54 as ISO/WD 9516-2 project. Number of covered elements is 19, and 14 elements among them including total iron are for referee analysis. The calibration discs are prepared only from reagents and the calibration equation includes coexisting component correction, overlap correction, flux/sample and oxidizer/sample mixing ratio corrections. The coexisting component correction method is based on the absorption/enhancement correction coefficients obtained by a FP (fundamental parameter) method so that LOI (loss on ignition) and GOI (gain on ignition) during fusion do not affect to analyzed results. In the verification experiments with 20 certified reference materials, the accuracy obtained by root mean square of the difference between certified values and analyzed values using proposed method was 0.14 mass%, which indicated analytical accuracy could be greatly improved compared with the existing method. For the other components, the values of accuracy obtained were almost same as the existing method. We are conducting final round-robin test in foreign laboratories and have a plan to set the method as an ISO standard.
著者
原田 理恵 田口 靖希 浦島 浩司 佐藤 三佳子 大森 丘 森松 文毅
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.73-78, 2002-04-10 (Released:2009-12-10)
参考文献数
22
被引用文献数
12 16

トリ胸肉より, ヒスチジン含有ジペプチドであるアンセリン・カルノシンを豊富に含むチキンエキスを調製し, マウスに投与した場合の体内動態および運動能力への影響について検討した。チキンエキスをマウスに経口投与すると, アンセリン・カルノシンは分解されずにジペプチドのまま吸収されて血流に乗り, その血中濃度は投与約30分後に最大に達した。また, チキンエキスを10% (固形分換算) 配合した飼料を継続投与することにより, 大腿四頭筋内にアンセリン・カルノシンの有意な濃度増加がみられた。このチキンエキスを投与したマウスは, 投与開始6日目以降, 速い水流 (10L/min) のあるプールにおける疲労困憊までの遊泳持久時間が対照群に比べて有意に向上していた。この持久運動能力向上効果の一因として, チキンエキスの経口摂取により, 生体緩衝能力をもつアンセリン・カルノシンが血流を介して骨格筋内に蓄積されることによって, 骨格筋内の緩衝能が高まったことが推察された。
著者
中村 裕義 木村 真春 山形 眞一 中村 均 大森 栄 北田 光一
出版者
一般社団法人 日本医療薬学会
雑誌
病院薬学 (ISSN:03899098)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.437-444, 1997-10-10 (Released:2011-08-11)
参考文献数
3

In the present study, we examined the effects of light, temperature and humidity on the residual rate of alfacalcidol in four commercially available preparations of alfacalcidol (Alfarol® capsules, Alfarol® powder, Warkmin® capsules and Onealfa® tablets). The tests were performed for up to 10 weeks with PTP seals, or without PTP seals. The changes in residual rate of alfacalcidol in Alfarol® powder packaged with cellophane-laminate paper, and Onealfa® tablets packaged with cellophane-laminate paper after crushing were also examined.The residual rate of alfacalcidol decreased in Alfarol® capsules packaged with PTP seals under fluorescent lighting (1000 lux) and in Alfarol® powder without an aluminum seal under all conditions. There were no changes in the contents of alfacalcidol in Alfarol® capsules with PTP seals and Alfarol® powder packaged by aluminum seal. A slight decrease in the residual rate of alfacalcidol in Warkmin® capsules was found under fluorescent lighting. The residual rate of alfacalcidol decreased in Onealfa® tablets under high temperature and/or high humidity. Alfarol® powder packaged with cellophane-laminate paper and Onealfa® tablets packaged with cellophane-laminete paper after crushing were found to be unstable, indicating that long-term storage should be avoided when these formulations are prepared.
著者
永井 哲夫 角田 博之 宮岡 等 高森 康次 岩渕 博史 角田 和之 片山 明彦 片山 義郎 海老原 務 藤野 雅美
出版者
Japanese Society of Psychosomatic Dentistry
雑誌
日本歯科心身医学会雑誌 (ISSN:09136681)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.143-148, 2000-12-25 (Released:2011-09-20)
参考文献数
15

In order to characterize the severity of psychosomatic features of the patients who maintain the false conviction of the foulness of their own breath, thirty subjects (10 men and 20 women, aged 13 to 66) were interviewed by trained dentists and psychiatrists.The patients were classified in three types (Class 1 to 3) according to the degree of their cognition of foul breath, ideas of reference, delusion of reference and social adaptation. Class 1 patients were those who were cocerned about foul breath but showed no idea or delusion of reference and had good social adaptation. Class 2 patients were convinced of the foulness of their breath and had idea of reference and problems of social adaptation. The patients most strongly convinced of the foulness of their breath were placed in Class 3.The patients in this criteria had idea of reference, delusion of reference, and hallucination indicating poor social adaptation. The role of dentists in the treatment plan for imagined foul breath can be decided by the classification of the severity of the syndrome. Class 1 patients who sometimes need anti-anxiety drugs can be treated by dentists, but treatment of Class 2 patients who need antipsychotics should be conducted in cooperation with psychiatrists. The treatment of Class 3 patients should be mainly conducted by psychiatrists, but dentists can provide support for the continuation of the treatment.
著者
森本 史郎 安部 りょう子 福原 厚子 松村 靖夫
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.239-249, 1978

ラットにおけるmetolazone(MET)の利尿作用についてhydrochlorothiazide(HCT)と比較検討し,次の結果を得た.1)雄性ラットにおいて,METは0.O1mg/kgの経口投与から有意な利尿作用を示し,尿中Na排泄の増加をきたした.このNa利尿作用は,投与量0.01~0・5mg/kgまではほぼ用量依存的に増強されたが,さらに1~5mg/kgに増量しても作用強度に増大が認められなかった.尿中K排泄の増加も0.01mg/kgの投与から有意に増加したが,Naに比べて軽度であり,尿中Na/Kの上昇が認められた.METによる最大利尿効果は,対照尿量と比較して約2.5倍で,HCTよりやや強い程度であったが,最小有効量からみるとHCTの20倍強力であった.2)雄性ラットにおけるMET腹腔内投与による利尿作用は,最小有効量,作用強度ともに経口投与の場合とほぼ同じで,HCT腹腔内投与群に比べてやや強いNa利尿作用を示した.最少有効量から比較すると,METはHCTより10倍強力であった.3)これらMETおよびHCTの利尿作用には,雌雄両性ラットの間で有意差が認められなかった.4)METの経口投与あるいは腹腔内投与で,電解質排泄増加に一致して滲透圧クリアランスは著明に増加した.自由水再吸収量には増加傾向が認められたが有意なものではなかった.5)METは腎血漿流量,糸球体濾過量に明らかな影響を与えず,腎尿細管に直接作用し,電解質の再吸収を抑制することにより利尿作用を発揮するものと考える.
著者
堤 圭佑 森川 弘二 秋本 晃 保坂 浩
出版者
Society of Automotive Engineers of Japan
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.635-640, 2010

車両で実走行中の瞬時燃料流量と筒内圧計測による全気筒全サイクルの図示平均有効圧を高精度で計測できるようにした。これにより、モード走行時の図示仕事と図示燃費率から燃費を診断・改善するシステムを開発した。このシステムを使い、4AT車と5MT車と比較したCVT車の燃費改善を定量的に解析した。
著者
金子 晋丈 林素娟 森川 博之 青山 友紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.147-152, 2003-11-18
参考文献数
8

コンピューティングデバイスやネットワークリソースが遍在する環境,積極的に通信のエンドポイントを切り替えていくサービスモビリティが望まれる.サービスモビリティを実現するためには,通信を安全に切りることが必須となる.筆者らは,サービス移動をセキュアに行うための機構として,端末固有情報に依存しない通信インタフェースを提供するセッションレイヤモビリティサポートを用い,これにKey-insulated公開鍵暗号方式を適用することによって端末に依存しない通信の移動を実現しようと考えた.Key-insulated公開鍵暗号方式は,秘密鍵を安全でないデバイス上で利用することを考え,ステージに分けて秘密鍵が管理されているため,端末に依存しない認証処理を可能とする.本方式では,1つのセッションに1つのKey-insulated公開鍵を割り当て,ユーザの移動にステージを対応付けることにより,Key-insulated公開鍵のセッションレイヤモビリティサポートへの適用を実現している.In the environment where the computing devices and access links are ubiquity it is desired to switch the resources according to our context (Service mobility). In order to realize service mobility, security consideration is indispensable. First, we use session layer mobility support which provides an interface independent of the lower layer details and enhance it to realize secure service migration using Key-insulated public-key cryptosystems. Key-insulated cryptosystems have developed for using the private key on insecure device. Therefore, they use the private key refreshed at discrete time periods and realize terminal independent public-key cryptosystems. We enable the secure service migration using the key-insulated private key corredpondent to every migration.
著者
森雄材
雑誌
THE KANPO
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, 1986
被引用文献数
1
著者
藤森 秀美
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 言語・文化篇 (ISSN:1344364X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.63-73, 2008

本稿は「結ぶ」の意味分析である。 本稿では「結ぶ」を多義語であると捉え,6つの別義に分けて分析し,多義構造を示した。 6つの別義は,〈結び目を作ることで離れなくする〉という意味成分を共通に持つもの4つと,〈構造物を作る〉という意味成分を共通に持つもの2つに大きく分けられることがわかった。 多義化の起点である意味から5つの意味が派生しており,それを動機づけるのは,メトニミー,メタファーであるという仮説を提示した。
著者
関 桂子 小野 知二 中村 佳菜恵 森下 聡 村越 倫明
出版者
日本プロテオーム学会
雑誌
日本プロテオーム学会誌 (ISSN:24322776)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.25-35, 2016 (Released:2018-05-21)
参考文献数
47

ラクトフェリンは哺乳類の乳中に豊富に含まれる糖タンパク質であり,感染防御,免疫賦活など,様々な生理機能を持つことが知られている.我々は腸溶化したラクトフェリンに内臓脂肪低減効果という新機能を見出したことから,その機能性食品への展開と作用機序解明に向けて様々な検討を行ってきた.特に,脂肪分解促進効果の作用機序解析においては,プロテオーム解析技術を活用することで変動因子の抽出やラクトフェリン受容体の同定を行い,分子生物学的な解析による裏付けを重ねることで詳細な分子機構を解明することができた.2015年の「機能性表示食品」制度のスタートなど,近年の食品業界を取り巻く環境は刻一刻と変化しており,より高いレベルの研究成果が求められるようになってきている.今後も,人々の健康の維持・増進に貢献できる,確固たるエビデンスを持った製品を開発すべく,学際領域の知識・技術との連携を活かして取組んでいきたい.
著者
清野 修 難波 俊章 大森 康弘 栗木 実
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.1307-1313_1,a1, 1999-12-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
11

岡山海岸保全事業では, 児島湾締切堤防にある2カ所の旧樋門部の閉塞盛立工事を行った。旧樋門は, 厚さ15-20mに達する軟弱な海成粘土層の上に築造されており, 高圧電力ケーブル, 管理橋などといった許容変位量の小さい重要施設が添架されていた。こうしたことから本工事では, 旧樋門と堤体の変位計測を行い, その情報を工事に反映する情報化施工を行った。旧樋門の変位計測結果は, 水平変位が約9mm, 沈下が約26mmで管理基準値以内であった。また, 堤体についても, すべり破壊するような変位過程の兆候も見られず, 安定を保持した状態で工事を終えた。本稿は, 重要施設に近接して軟弱地盤上で盛土した, 旧樋門閉塞盛立工事の情報化施工について報告するものである。
著者
大坪 志子 森 康 森 未来
出版者
熊本大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2009

縄文時代後期後葉(太郎迫式期)に、九州に出現・盛行するクロム白雲母製の石製装身具は、後期末~晩期にかけて東日本に拡散する。悉皆調査の結果、中部地方が主要分布圏の東限とみられる。クロム白雲母製装身具の東進の背景は、韓半島からの初期農耕の受容と拡散に関連があると想定したが、太郎迫式期に近畿地方での加工が確認され、関東にも数例の類例があることが判明した。東進の背景は、太郎迫式期の土器の動態とより関連が強い可能性がある。