著者
井上 加奈子 森田 敏子
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.13-36, 2016-09

Objective: This study aims to clarify the following aspects when students meet patients during their participation in nursing practicum: what they experience (their awareness) "in the here and now;" the significance they place on their own practicum experience; and how they attain, form, and deepen their clinical knowledge which consists of situational knowledge, embodied knowledge, and knowledge of relations. Methods: A semi-structured interview was conducted with seven 4th-year students who had completed their nursing practicum at a nursing university, with the interview content qualitatively analyzed. Results: The interview time was 70±31 minutes. The subjects were aged 22±1 years. Although the students had experienced feelings of perplexity and confusion concerning nursing practicum and their patients' states at the beginning of the practicum, the study found that they were ultimately able to form and deepen their clinical knowledge through their relationships with the patients. Discussion: At the beginning of the students' nursing practicum, they felt perplexed at various situations around them. Then, bolstered by their desire to become involved with the patients, they focused on their patients present with them "in the here and now." By getting closer to the patients' worlds, the students assimilated clinical knowledge. When the students were liberated from their own operative emotions in their interaction with the patients, their clinical knowledge deepened. This study suggests that students' growth can be enhanced if support is provided, allowing students to become aware of their sensation of being together with the patients "in the here and now" and to form their "clinical knowledge." This process, in turn, deepens their clinical knowledge and mode of formation and deepening.
著者
庵 功雄 イ ヨンスク 松下 達彦 森 篤嗣 川村 よし子 山本 和英 志村 ゆかり 早川 杏子 志賀 玲子 建石 始 中石 ゆうこ 宇佐美 洋 金田 智子 柳田 直美 三上 喜貴 湯川 高志 岩田 一成 松田 真希子 岡 典栄
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の成果は次の3点に要約される。第1点は公的文書の〈やさしい日本語〉への書き換えに関わる諸課題の解決、第2点は外国にルーツを持つ生徒に対する日本語教育に関する実証的な取り組みであり、第3点は各種メディアを通じた〈やさしい日本語〉の理念の普及活動である。第1点に関しては、横浜市との協働のもと、行政専門用語562語についての「定訳」を作成し、書き換えに際し有用な各種ツールとともにインターネット上で公開した。第2点に関しては、新しい文法シラバスを公刊する一方、JSL生徒向け総合日本語教科書の試行版を完成した。第3点に関しては、書籍、講演等を通して〈やさしい日本語〉に関する理念の普及に努めた。
著者
中川 麻子 森田 舞 嶺野 あゆみ 浅田 晴之 前田 明洋 大澤 清二
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.26, pp.535-541, 2016 (Released:2016-11-26)
参考文献数
9

女性の選好からみたオフィス環境およびアメニティ空間における家具に関して,「かわいい」の語をキーワードとし調査研究を行った.326脚の椅子のサンプル写真から,印象・形態・所有意識に関する37項目を設定し女子大学生による評価を行い,結果を統計的手法によって分析した.その結果,評価項目「かわいい」と「座りやすそう」の双方の評価が高い椅子は見ることはできなかった.またサンプル写真の評価を集計し,クラスター分析したところ,6つのクラスターを構成することが明らかとなった.「くつろぎ感」と「ボリューム感」の2軸を用いて,椅子の位置付けをポジショニングマップに示すことができた.

1 0 0 0 数学と教育

著者
斎藤正彦 廣瀬健 森毅編
出版者
日本評論社
巻号頁・発行日
1980
著者
塩崎 宏子 星野 茂 押味 和夫 溝口 秀昭 続木 千春 肥田野 信 森 茂郎
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.374-378, 1984
被引用文献数
7 12

Neoplastic angioendotheliosisは血管内控に異常細胞が栓塞し,主に皮膚および中枢神経系の症状をきたすまれな疾患である,現在,本邦の3例を含め, 20例足らずの報告があるにすぎず,生前の診断が困難で有効な治療法が確立されていない.われわれは,皮膚症状を呈した本疾患に,多薬併用療法を行ない,寛解を得た症例を経験したので報告する.症例は64才,女性.主訴は発熱,下肢の紅斑および浮腫.現病歴は入院6ヵ月前より,めまい,悪心,意識消失発作,下腿の紅斑.浮腫,汎血球減少症,レイノ-現象が徐々に進行し,全身状態の悪化を伴つた.入院時現症では,眼底の出血および白斑,甲状腺腫大, 1横指の脾腫,腋窩リンパ節腫大を認めた.入院時検査成績では,汎血球減少症,単球の増加および単球類似の異型リンパ球増加, LDHの増加, CRP陽性, T<sub>3</sub>の減少とrT<sub>3</sub>の増加, BMGの増加が認められた.皮膚病変部の生検からneoplastic angioendotheliosisと診断した.本疾患では,従来試みられてきたステロイドホルモンや抗生物質が無効であることが多く,生検にて認められた血管内異常細胞が,悪性リンパ腫の腫瘍細胞に類似したものであることより,悪性リンパ腫に用いられるサイクロホスファミド,アドリアマイシン,ビンクリスチン,プレドニゾロンの多薬併用療法すなわちCHOP療法を施行したところ,寛解を得た.本報告では特にneoplastc angioendotheliosisの治療に関して文献的考察を加えた.
著者
森上 亜城洋 西田 裕介 三谷 美歩 中村 昌樹
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.1027-1031, 2014

〔目的〕排泄行為と下腿最大周径,身体組成および栄養状態の間の関係性ならびに影響度から排泄行為能力に与える要因を把握することとした.〔対象〕後期高齢入院患者66名.〔方法〕排泄行為(バーサルインデックス)と,下腿長を100%とする腓骨頭下端から26%の部位での下腿最大周径,身体組成(予測身長,体重,BMI,筋肉量),および医科健診での栄養状態(血清アルブミン)との間の関係性を,相関および回帰分析により調べた.〔結果〕排泄行為は下腿最大周径と身体組成と栄養状態との間に有意な相関関係を示した.重回帰モデルにおいて排泄行為に影響する要因として下腿最大周径とAlbが選択された.〔結語〕下腿最大周径とAlbにより排泄行為能力を予測できる. <br>
著者
内山 恵典 森上 亜城洋 西田 裕介
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.A0042-A0042, 2008

【はじめに】理学療法の対象となる高齢者の栄養問題の1つに蛋白質・エネルギー低栄養状態(PEM)が挙げられる。PEMは創傷治癒の遅延を招くだけでなく、入院期間の延長や死亡率にまで関係するとされている。これまでの研究で、日常生活動作(ADL)と血清データやBody Mass Index(BMI)との間に関係性は確認されている。一方、高齢者は脊柱の変形などの身体特性から身長を正確に測定することが困難であることが多い。また、ADL状況による栄養状態の変化は、対象者の生活の質にも大きく関わってくると考えられる。そこで本研究では、身長の予測式を用いてBMIと血清アルブミン値との関係性について、ADLの指標であるBarthel Index (BI)を用いて重症群と軽症群に分類し、比較検討した。<BR><BR>【対象と方法】対象は、65歳以上の磐田市立総合病院および公立森町病院における入院患者24名(男性10名・女性14名、平均年齢80.7±6.6歳)とした。対象者(家族含む)には本研究の同意を文書及び口頭で得た。また、本研究は、それぞれの病院に設けられた倫理委員会により承認を得て実施した。主な測定項目は、栄養状態の把握に血清アルブミン値(Alb)をカルテより調査した。また、栄養状態を反映する身体組成の評価として予測身長を用いたBMIを算出した。予測身長は、久保らによる回帰式「身長=2.1×(前腕長+下腿長)+37.0」を用いた。前腕長は、肘90度屈曲位で肘頭部近位部から尺骨茎状突起遠位部を計測し、下腿長は、腓骨頭近位部から外果遠位部までを測定した。データの比較には、対象者をADLの状態からBIが60点未満の者を重症群、60点以上の者を軽症群の2群に分類し、それぞれの群においてAlb、BMIの関係性をピアソンの積率相関を用いて分析した。また、各測定項目の群間の比較には、対応のないt検定を用いて比較した。有意水準はともに5%未満とした。<BR><BR>【結果とまとめ】BIの平均は、全体で60.6±33.4点、重症群で27.0±19.0点、軽症群で84.6±15.4点であった。Alb値の平均値と標準偏差は、全体で3.3±0.53g/dl、重症群で3.09±0.50g/dl、軽症群で3.57±0.47g/dlであった。BMIの平均値と標準偏差は、全体で20.8±3.4、重症群で20.1±3.0、軽症群で21.2±3.6であった。群間の比較では、BIが重症群で有意に低くなった以外は、全ての項目で有意差は認められなかった。一方、AlbとBMIとの関係性ついては、軽症群で、r=0.47と有意な関係性が認められ(p<0.05)、全体と重症群での関係性は、それぞれr=0.2、r=0.36と有意性は認められなかった。以上のことから、栄養状態を評価する際、予測身長を用いたBMIは軽症例に対して応用することが可能であると考えられる。
著者
森上 亜城洋 内山 恵典 西田 裕介
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, 2008-04-20

【はじめに】理学療法評価での栄養評価は、対象者の全身状態を把握すると共に、活動度の把握やプログラムの作成において重要となる。また、理学療法評価の中で広く応用されている栄養評価に Body Mass Index(BMI)がある。しかし、高齢者では脊柱の変形や活動度の低下により適切な身長を計測することは困難なことが多い。そこで本研究では、予測身長を用いてBMIを算出し、身体組成における栄養指標の1つである下腿周径との関係を検討した。さらに、下腿周径は活動度と関連することが知られていることから、Barthel Index(BI)との関係性についても検討した。<BR><BR>【対象と方法】対象は、65歳以上の入院患者24名(男性10名・女性14名、平均年齢80.7±6.6歳)である。対象者(家族含む)に研究内容と倫理的配慮について文書及び口頭にて説明し、研究参加の同意を得た。また、本研究は各施設の倫理委員会の承認を得て実施した。予測身長は、久保らによる回帰式「2.1×(前腕長+下腿長合計)+37.0」を用いた。前腕長は、肘90度屈曲位で肘頭から尺骨茎状突起遠位部までを計測し、下腿長は、膝90度屈曲位で腓骨頭近位部から外果遠位部までを測定した。体重は立位もしくは車椅子対応型体重計にて測定し、予測身長と合わせてBMIを算出した。下腿周径は、腓骨頭から外果中央部の腓骨頭から26%の膨隆部位を測定した。日常生活活動ならびに障害の程度を把握するためBIを用いた。統計的手法にはピアソンの相関係数の検定を行い、5%未満を有意と判定した。<BR><BR>【結果】各項目の平均値を示す。前腕長は22.5±1.8cm、下腿長は29.5±2.2cm、予測身長は146.5±8.1cmであった。BWは45.0±9.8kgであり、BMIは20.8±3.4(男性54±31.4、女性65±35.1)であった。26%下腿周径は28.4±3.8cmであった。相関係数ではBMIと26%下腿周径下腿最大周径はr=0.9であり、男性の26%下腿周径とBIはr=0.64と有意な関係を認めた(ともにp<0.05)。<BR><BR>【まとめ】本研究の結果より、栄養評価であるBMIと26%下腿周径との間には有意な関係性が認められた。このことは、脊柱の変形や活動度の低下等により身長の測定が困難な対象者においても、予測身長を用いることで栄養評価が可能になることがわかる。また、下腿周径は、体重やADLとの相関が高いことが報告されている。本研究においても、男性では26%下腿周径と身体活動状況を反映しているBIとの間に相関関係が認められた。以上のことより、予測身長を用いたBMIは栄養状態を反映し、男性においては26%下腿周径と身体活動状況との間に関係性があることから、26%下腿周径は栄養状態に加え、身体活動状況も反映する指標として、有効な理学療法評価指標になると考えられる。
著者
豊田 和弘 池田 聡子 森川 淳一 稲垣 善茂 一瀬 勇規 山本 幹博 白石 友紀
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, 2003-02-25

エンドウ褐紋病菌Mycosphaerella pinodesのマメ科植物に対する病原性が調べられた結果,本菌は自然宿主であるエンドウの他に,赤クローバー,ナツフジ,キハギ,アルファルファに感染する.これら植物における感染は,同菌の生産するサプレッサーによるナシ黒斑病菌に対する受容性誘導の程度と一致し,サプレッサーが本菌の宿主範囲を決定する因子であることをすでに報告した(Oku et al.,1980).ここでは,植物疾病の分子機構の解明に向けた新たなモデルシステムの開発を目的として,アルファルファに近縁であるMedicago truncatulaに対する褐紋病菌の病原性について調べた.この結果,各国より集められた18種のエコタイプの全てに感染し病斑が誘導されたが,うち2種では柄子殻の形成が認められた.M.truncatulaは,ゲノムサイズが小さく,遺伝子地図・ESTの充実,形質転換の容易さなどから,近年,マメ科のモデルとして選定されている.M.truncatula-M.pinodesの相互作用のモデル化は,病原性・共生といった多様な微生物との相互作用の理解につながる格好のモデルになるものと考えられる.
著者
臼田 信光 深澤 元晶 森山 陽介 厚沢 季美江 橋本 隆 山口 清次 深尾 敏幸 田中 雅嗣 下村 敦司
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

高脂血症による引き起こされる動脈硬化と脂肪肝は、虚血心疾患や肝硬変などの重篤な生活習慣病のリスクファクターとなる。細胞内における脂質代謝の改善により、高脂血症の予防と治療が行える可能性がある。ミトコンドリア脂肪酸β酸化系は全ての脂肪酸を異化し、エネルギー産生で中心的な役割を演ずるが、未解明の部分が多い。全身臓器・培養細胞を材料として、分布とPPARを介する代謝制御について調べ、生理的な意義を研究した。
著者
定森 許江
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.371-373, 1967

1 家鴨卵白の起泡力は、砂糖添加によって低下し、添加量80%以上においては、特に著しかった。<BR>2 砂糖を添加起泡した家鴨卵白泡は、安定度を増し添加量の増加は、安定度を高めた。<BR>3 酒石酸水素カリウムの添加は、家鴨卵白の起泡力を増し、1.5%で最大であった。<BR>4 酒石酸水素カリウムを添加起泡した家鴨卵白泡は安定度が低下したが、添加量2%においては、無添加泡と大差を認めなかった。<BR>5 家鴨卵白を用いたエンゼルケーキは質が粗、かつもろいが、砂糖と酒石酸水素カリウムの添加量を増すことによって、良質のものが得られた。
著者
中森 建夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.504-507, 2005

国立大学が独立法人化され,労働安全衛生法の適用を受け,化学実験などの事故に対する考え方も変わりつつある。そんな中で大学に入って初めて化学実験を体験する学生も増えている。そこで東工大2年次学生実験,特に合成実験での事故事例を基に,初心者向けの器具・薬品の安全指針なるものをまとめた。