著者
奈良 美夫 柴田 治雄 森岡 俊夫
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.443-448, 1978 (Released:2010-10-28)
参考文献数
19

蔗糖56%含有のdiet #2000で長期間飼育されたハムスター (実験群) は, 普通飼料で飼育されたハムスター (対照群) と比較して, 全身の発育や糖代謝にどのように影響があるかを血液, 尿, 唾液などの検査によって検索した。一般発育は実験群が劣り, 血球成分では白血球が実験群に少ないことを除き両群間に差異はなかった。血液生化学検査では実験群に血中Ca++, およびグルコース値が高く, 尿酸が低かった他は有意差が認められなかった。血液ガス測定結果は両群に有意差はなく, 実験群に酸血症の傾向がみられた。空腹時血糖は両群に差はなく, 飼料摂取時血糖は実験群が有意に高かった。なお唾液および尿中の糖量は両群共極めて低く差異は認められなかった。糖負荷試験では60分値が実験群に有意に高く, 120分値も同群に高かった。このことは実験群において明らかに糖代謝異常があることを示唆するものである。
著者
森谷 友昭 金子 裕哉 新井 崇博 清水 宣寿 青木 香織 高橋 時市郎 木口 実 片岡 厚 石川 敦子 松永 正弘 小林 正彦 森田 珠生 山口 秋生
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.69-79, 2017 (Released:2017-06-03)
参考文献数
11

本論文では,暴露試験により計測された木材表面の色を基に,木材画像の色の経年変化シミュレーションを高速に行う手法を提案する。暴露試験は,約1年間計測したデータを基に木材表面の色と試験実施場所の気候の関係性を明らかにした。求められた関係性により,提案する手法は温度,雨量,日射量を入力することで任意の地点での木材表面の色変化をシミュレーションすることができる。また,提案手法は建築物の外壁に取り付けられた木材表面の色変化シミュレーションができる。建築物の3D モデルを用意し,事前に遮蔽計算を行う。遮蔽計算の結果を基に提案手法への入力である,温度,雨量,日射量を各箇所で増減させることで,例えば,地面近くの木材では降雨の跳ね返りにより色変化が速い,というように,木材の周囲環境を考慮した木材表面の色変化シミュレーションができる。
著者
森脇 亮 石井 宏明 神田 学
出版者
日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会年会講演論文集 (ISSN:13428004)
巻号頁・発行日
vol.2000, pp.221-222, 2000-07-25
参考文献数
3

Field observation and numerical simulations were performed to investigate the atmospheric structure and distribution of air pollutants over Tokyo Bay. The following results were obtained : 1) Observed diurnal variation of potential temperature over Tokyo Bay is different from over the land or the sea. 2) There is a descending flow over Tokyo Bay. and it is the compensation for the divergent flow pattern. The peak value of descending flow exits at the height of 300-500m. 3) The rise in potential temperature in the daytime is caused by the adiabatic heating of descending flow. 4) Vertical gradient of CO_2 is positive over the bay. It suggests that CO_2 is transported over Tokyo Bay from surrounding high emission area.
著者
矢野 育子 井関 健 東海林 徹 青山 隆夫 木津 純子 中村 均 藤井 俊志 渡邊 美智留 野田 幸裕 脇屋 義文 森田 邦彦 手嶋 大輔 二神 幸次郎
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.43-49, 2009 (Released:2010-02-07)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

With the introduction of 6-year pharmacy educational program in 2006,a provision was made to assign pharmacist faculties having working experience as pharmacists in pharmacy schools.In October 2007,we conducted a survey to investigate the situation of pharmacist faculties.We sent a questionnaire to 247 pharmacist faculties in 66 pharmacy schools and the response rate was 84.9%.The faculties consisted of professors (43%),associate professors (23%) and lecturers (23%),and 77% of them had a Ph.D.degree.In a typical week,the major activities they engaged in were educational activities (20.6 hrs),research (12.2 hrs) and management (9.6 hrs).While the average time they were occupied by clinical practice was 3.5 hrs,67% of them did not do any.Half of the faculties did not conduct any research with students or graduate students in their own schools,and in 2007 only 55% applied for Grant-in-aid for Scientific Research from the Ministry of Education,Culture,Sports,Science and Technology of Japan.Twenty-six percent said they were very satisfied or satisfied with their work on a five-point scale,and 44% rated their degree of satisfaction as fair.In conclusion,our survey showed that most pharmacy faculties are not sufficiently engaged in clinical practice and do not spend much time in clinical research.We hope that its results will promote discussions among pharmacy personnel concerning the role of pharmacist faculties so that even better clinical pharmacy education may be provided to students in pharmacy schools.
著者
小倉 幸雄 井上 芳光 内之宮 愛子 北村 優佳 大森 隆裕 大上 安奈 Jason Kai Wei Lee 近藤 徳彦
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.607-619, 2016 (Released:2016-12-14)
参考文献数
41

We examined the effects of different fluid temperatures of 5, 15, 25, and 35℃ on thermoregulatory responses during prolonged exercise in the heat because it is speculated that fluid at temperatures of between 5 and 15℃, as recommended by the Japan Sports Association, would have different effects on thermoregulatory parameters. Six men from an university track and field team performed 4 sets of cycling exercise (one set=15-min exercise with a 5-min rest period) at 50%VO2max under conditions of 32℃ and 60% relative humidity. The volume of water provided was 80% of the total sweat rate in the non-drinking (control) trial divided by 4 equal aliquots. The increase in rectal temperature, mean skin temperature and mean body temperature during exercise showed no significant differences across all the fluid temperatures. Similarly, local sweat rate, skin blood flow and cutaneous vascular conductance were similar among the conditions. These results suggest that iso-volumetric fluids with varying temperatures (5-35℃) have no effect on rectal temperature and heat loss responses during prolonged exercise in a hot environment.
著者
森田 良 稲田 文夫 内山 雄太 梅沢 修一 石橋 雅裕 舩木 達也
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.849, pp.16-00526-16-00526, 2017 (Released:2017-05-25)
参考文献数
15
被引用文献数
3

In industrial fields, as the steam is commonly utilized for heat supply, drying process and so on, it is important to be aware of the steam flow rate in the view point of energy management. However, the steam utilized in the factory is usually wet steam condition. Though it is well known that the wetness affects the flowmeter reading, it is difficult to clarify the effects of the wetness in the steam flow quantitatively in actual plants and factories, and thus far, there has been no established method for estimating the error caused by the wetness of steam flow. In this paper, the difference of ultrasonic flowmeter reading due to wetness of the wet steam flow was clarified experimentally. Ultrasonic flowmeter reading in the wet steam flow was compared with Coriolis flow meter installed after heat exchanger in the steam apparatus. As a result, we clarified the flow rate difference of those two flowmeters was increased with increasing wetness, and the ultrasonic flowmeter reading was almost the same as the value of steam phase flow rate in the wet steam flow. We also proposed the correction method of the ultrasonic flowmeter reading by using density correction in the flow rate formula of the ultrasonic flowmeter. And finally, we clarified the uncertainty of the measured flowrates and their differences were less than 1.0%.
著者
久行 智恵 三原 鉄也 永森 光晴 杉本 重雄
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

マンガの持つ意味的な情報を機械的に抽出する研究が行われているが、マンガは絵や記号、文字といった表現が多様に組み合わさった表現であり、そこから意味情報を抽出、利用することは困難である。本研究ではマンガのシーンの自動抽出を目的としてコマの属性をLinked Open Dataに基づくメタデータとして記述し特徴量に変換して機械学習を行い、その結果をマンガ画像と紐付けて提供するシステムを構築した。
著者
高見澤 幸子 森野 道晴
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.705-711, 2015 (Released:2015-10-25)
参考文献数
9
被引用文献数
3

難治性てんかんに対する迷走神経刺激療法は, 比較的手術手技が容易であるが, 迷走神経の正確で迅速な同定が重要である. 迷走神経とその周囲の総頚動脈 (CCA) および内頚静脈 (IJV) の解剖学的位置関係にはバリエーションが多く, 症例によっては迷走神経の同定に難渋することがある. われわれは, 頚部迷走神経の走行をCCA, IJVとの位置関係から5つのタイプに分類した.  Type 1 : IJV内側でCCA腹側, Type 2 : IJV内側でCCA外側, Type 3 : IJV内背側でCCA腹側, Type 4 : IJV内背側でCCA外側, Type 5 : CCA背側.  最も頻度が高いのはType 3である. Type 1から5になるにしたがい, 手術手技が煩雑になり, 難易度も高くなる. このような解剖学的バリエーションを念頭に置いてVNS手術に臨むことは, 初心者でも安全で正確な手術を行ううえで効果的である.
著者
野田 真 宮森 恒
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.75, pp.13-18, 2012-05-29
参考文献数
8

近年では日々の食事においてレシピを考える際,Web上のレシピ検索サイトが広く用いられている.それらのサイトにおける検索では,指定した料理名やキーワード,調理時間,カロリーなどの条件から,レシピを大量に取得することができるが,各レシピは,ユーザの調理熟練度や利用可能な調理環境とは関連付けられておらず,これら技能や環境を考慮したレシピを,効率よく取得することは困難である.そこで本稿では,熟練度や環境を考慮したレシピ検索を行なう為に,料理レシピにおける調理動作の難易度を道具別に付与する方法について検討する.具体的には,各調理動作について共起する道具を抽出し,その種類や傾向を観察することで,道具による調理動作の難易度のあり方について分析する.得られた結果をもとに,難易度を自動付与するアルゴリズムについても検討する.このような難易度は,簡単に調理可能な料理レシピを検索する際の一要素として役立つことが期待される.
著者
田宮 誠司 森 一幸 草原 典夫
出版者
長崎県総合農林試験場
雑誌
長崎県総合農林試験場研究報告 農業部門 (ISSN:03888398)
巻号頁・発行日
no.34, pp.91-115, 2008-03

「西海31号」は、アントシアニンを含み、肉色が赤色で、利用適性の高い品種の育成を目標として1999年秋に、高でん粉の「96016-8」を母、赤皮・赤肉で大いもの「長系115号」を父として交配し、交配種子を得た。2000年春作から交配種子を播種し選抜を開始し、2003年春作で「長系118号」の系統名で、収量性、病虫害抵抗性、系統適応性について検討し、2003年秋作から「西海31号」の地方番号を付し、さらに特性調査、加工試験などを実施し、その結果、2006年に品種登録の出願を行った。出芽期は春作・秋作とも「デジマ」より早く、初期生育も「デジマ」より早い。茎葉の黄変時期は春作・秋作ともに「デジマ」よりも早い。上いも数は春作・秋作ともに「デジマ」よりも多く、平均1個重は「デジマ」よりも小さい。上いも重は春作で「デジマ」の87%程度、秋作で72%と少ない。でん粉価は春作・秋作とも「デジマ」よりも高い。塊茎の皮色は赤、形は楕円〜長楕円で揃いが良い、目が浅く、生理障害が少ないため、外観が良い。肉色は淡赤で、赤い色が均一に分布する。蒸しいもの肉質は中〜やや粉で食味は中である。ポテトチップやフライドポテトなどの油加工に適する。
著者
高垣 達也 藤森 和博 佐薙 稔 野木 茂次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, no.1, pp."S-5"-"S-6", 2006-03-08

マイクロ波による無線電力伝送は,宇宙空間で発電しマイクロ波によって地上へ送電する宇宙太陽光発電システム(SSPS)[1]ばかりではなく,SuicaやICOCAに代表される電子タグ(RFID)等の小電力伝送用途への応用でも非常に重要である.RFID等の用途では,人体や周囲環境への影響を配慮し,小電力のマイクロ波で動作する高効率の伝送システムの実現のために,RF-DC変換回路を受電アンテナと一体化したレクテナ[2]の高効率化が望まれる.これまで著者らは,マイクロストリップラインで構成されたレクテナのRF-DC変換回路において,ダイオード実装部のアノード,カソードに接続された線路長によりマイクロ波(RF)-直流(DC)変換効率が変化し,これらを最適化することで63%程度の変換効率が得られることを報告している[3].ダイオードの非線形特性による高調波発生については,スプリアスの抑制やRF-DC変換上のロスという観点では扱われていたが,高調波がレクテナ・RF-DC変換回路の効率に与える影響については論じられてこなかった.本稿では.ダイオードで発生する高調波で最も影響が大きいと考えられる2次高調波が,変換効率に与える影響について実験的に検討し,効率を改善することができたので報告する.
著者
金子 大輝 大知 正直 森 純一郎 坂田 一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

分散表現を用いることで、単語の意味の時系列での変化を分析する研究が行われてきた。本研究では企業名に注目して、word2vecによって日本経済新聞の記事データから企業名ごとに分散表現を獲得した。不祥事や経営危機などの事象の前後での分散表現の変化について分析を行い、また、分散表現と企業の業績に相関関係についても検証した。