著者
窪薗 晴夫 梶 茂樹 岩田 礼 松森 晶子 新田 哲夫 李 連珠
出版者
大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究の目的は世界の諸言語(とりわけ韓国語諸方言、中国語諸方言、アフリカのバンツー諸語)と比較することにより類型論的観点から日本語諸方言のアクセントを考察し、その特質を明らかにすることである。この目的を達成するために年度ごとに重点テーマ(借用語のアクセント、疑問文のプロソディー、アクセント・トーンの中和、アクセント・トーンの変化)を設定し、それぞれのテーマについて諸言語、諸方言の構造・特徴を明らかにした。これらのテーマを議論するために4回の国際シンポジウムを開催し、海外の研究者とともに日本語のアクセント構造について考察するとともに、その成果をLingua特集号を含む国内外の研究誌に発表した。
著者
真田 香澄 島本 真里 影山 真理 平田 祐一 白川 敦史 岡田 雄介 中瀬 浩二朗 萬代 晃一朗 鈴木 安曇 森川 宗一郎 河村 卓二 河端 秀明 盛田 篤広 宮田 正年 田中 聖人 宇野 耕治 安田 健治朗
出版者
京都第二赤十字病院
雑誌
京都第二赤十字病院医学雑誌 = Medical journal of Kyoto Second Red Cross Hospital
巻号頁・発行日
vol.33, pp.39-45, 2012-12

総胆管結石のため当院に入院し内視鏡的結石除去術あるいは内視鏡的胆管ステント留置術を試みた85 歳以上の182 例について検討した.内視鏡的に完全切石した症例(66 例)を完全切石群とし,完全切石を行わず,胆管ステントを留置して経過観察している症例(116 例)をステント留置群とした.両群の平均入院期間は19 日および16 日であった.経過観察が可能であった症例での検討では,両群ともに約半数に再発を認めた.完全切石群では平均551 日,ステント留置群では平均313 日での再発であり,再発率にも有意差は認めなかった.内視鏡的治療は有効かつ安全に施行できた.なかでもステント留置は完全切石と遜色ない長期予後を得られる治療法であり,さまざまな背景因子をもつ超高齢者においては有効な選択肢であると考えられた.
著者
松本 一弥 斎藤 良夫 松井 知子 川森 正夫
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業医学 (ISSN:00471879)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.184-193, 1980-05-20

The present survey was carried out on the service of guards in the form of night duty in the shift system in order to elucidate the problems involved. Number of subjects was 148. Out of these, 85 worked under the alternate-day shift system whose average age was 42 years, 47 worked under the permanent night duty system of average age of 50 years, and the remaining 16 were on the normal duty of the average age of 45 years. Under the alternate-day shift system, the portal-to-portal time is 24 hours from 10:00a.m. to the same time of the next day from which about 3.O-3.5 hours are exempted for taking a nap. In the permanent night duty it is from 18:00 or 19:00 to 09:00 or 10:00 of the next day, the portal-to-portal ranging 13-16 hours, usually 15-16 hours. The normal duty covers 8 or 9 hours from 10:00 to 17:00 or 18:00, but with incidental night duty of several hours per month. The problems of the alternate-day shift system and of the permanent night duty system were as follows: (1) Under those two systems, the total monthly portal-to-portal time was 312 hours with additional overtime, the mean becoming 397 hours a month in the alternate-day shift system and 405 hours in the permanent night duty system. These are considerably longer than the working time (249 hours) of the normal duty. (2) As for the frequency of the consecutive night shift, it occurred more than twice at the rate of 23% a month in the alternate-day shift system, and some experienced even 7 consecutive night shifts. Under the permanent night duty system, night duty occupied the greatest part in a month (97%), 3 to 5 consecutive night duties being most usual with an exceptional case of 19 consecutive night duties. (3) Number of night duties per month is 16.1 per month on the average under the alternate-day shift system, while 23.2 under the permanent night duty system. (4) The incidence of the spell of the portal-to-portal exceeding 24 hours was 43% per month under the alternate-day shift system. The longest was 72 hours. Under the permanent night duty system, the incidence of the spell of 19 hours or more was about 15%, and the spell of 24 hours or more occurred at the rate of 9%. (5) From the shift formation point of view, the interval between the preceeding or succeeding spell was sometimes null, but it was usually 8-10 hours. The incidence of the former per month was 4.7 times under the alternate-day shift system and 2.7 times under the permanent night duty system. Incidences of the latter under the two systems were 2.0 and 15.1 times, respectively. (6) Number of holidays per month was 3.0 under the alternate-dayshift system, and, 1.1 under the permanent night duty system. Under the normal duty system, it was 4.6. (7) Number of sick absenteeism with medical certificate was 13 in a year (15.3% of the total employees) under the alternate-day shift system, and 7 (14.9% of the total) under the permanent night duty system. As regards diseases which were the reason of absenteeism, 6 were circulatory, 4 respiratory, 4 digestive, each 1 was musculoskeletal, of connective tissue, hepatic, hemopoietic and mental. Except one patient suffering from a respiratory disease and another suffering from a musculoskeletal disease, all were aged 40 years or over. Under the normal duty system there was no sick absenteeism. (8) Number of workers retired in the past one year was 30 under the alternate-dayshift system, 43 under the permanent night duty system, and 1 under the normal duty system. Ratios of the number of retired workers against those in service were 35, 91 and 6% under the three systems, respectively. In the alternate-day shift and permanent night duty systems, and especially in the latter, the number of retired workers tended to be larger among the middle- and old aged. From these results the following items were considered important: Introduction of such countermeasures as reasonably controlling the total work hours, decrease in the number of days of night duty, reor
著者
森田 成也
出版者
一橋大学
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.133, no.6, pp.670-693, 2005-06-01
著者
森 健太郎 松村 純 藤井 亮介 清水 砂希 宮地 諒 西 祐生 中野 希亮 米倉 佐恵 出口 美由樹 荒木 茂
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】我々は石川県で活動しているスポーツ選手を対象に身体機能チェック,セルフエクササイズの指導を平成25年4月より行っている。今年度からはGrayCookが考案したFunctional Movement Screen(以下FMS)を用い,評価した。FMSとは7つの動作パターンをスクリーニングすることにより,動きの制限や非対称性を特定し,ランク付けが可能となるもので,トレーニングを行う選手の障害リスクを予測するための指標となると提唱している。今回そのFMSで得られた結果について報告する。【方法】対象は,石川県で活動している実業団や高校部活動などの現役選手74名(平均19.5±6.5歳。男性47名,女性27名)であった。競技種目別人数はレスリング14名,ハンドボール11名,卓球7名,アルペンスキー7名,テニス6名,ソフトテニス6名,自転車競技6名,ソフトボール5名,フットサル3名,人力飛行機2名,その他水泳,バスケットボール,バレーボール,スキージャンプ,ダンス,マラソン,バドミントンが1名ずつであった。選手の運動パターンの質を評価するためFMSを実施した。FMSは選手に7つの動作をしてもらい,それぞれ0から3点で点数化する。採点基準として3点はFMSのテスト基準に沿った正しい動作パターンを行うことができる場合。2点は動作パターンを行うことができるが,代償や誤ったフォーム,アライメント不良が認められる場合。1点は動作パターンが不完全でFMSの基準に沿った動作ができない場合。ただし痛みがある場合はすべて0点となる。Gray Cookは不良なパターンがみられる1点以下の被験者は障害のリスクが高い可能性があると述べており,今回は3点と2点をリスク無し群,1点と0点をリスクあり群とした。7つの動作は,基礎的な動作パターンとして主に可動性を評価するショルダーモビリティリーチング,アクティブストレートレッグレイズの2種目,主に安定性を評価するトランクスタビリティプッシュアップ,ロータリースタビリティの2種目の計4種目を挙げており,さらに応用的動作パターンとしてディープスクワット,ハードルステップ,インラインランジの3種目を挙げている。【結果】結果①:7つの動作テストを通してリスクあり群は63名(85.1%)であり,そのうち痛みがあった選手は22名(29.7%)であった。結果②:7つの動作テストの内訳をみると,リスクあり群が最も多かったテストは,トランクスタビリティプッシュアップで40.5%。2番目はロータリースタビリティで37.8%。3番目はディープスクワットで31.1%。以下ショルダーモビリティリーチングは27.0%。ハードルステップは16.2%。アクティブストレートレッグレイズは12.2%。インラインランジは5.4%。の順であった。結果③:リスクあり群を動作テスト項目ごとにみていくと,基礎的な動作パターンの可動性の項目,安定性の項目,応用的動作パターンの項目の中では安定性の項目が62.2%で最も多かった。可動性の項目の中では,ショルダーモビリティリーチングでリスクあり群が最も多かった。結果④:基礎的な動作パターンの中ではアクティブストレートレッグレイズが応用動作パターンの中ではインラインランジで最もリスクなし群が多かった。【考察】結果①より,現在は診断名がついておらず,医療的介入を受けていないにもかかわらず,動作テストによって痛みが出る選手が29.7%おり,現役の選手でも痛みのある中,トレーニングを続けていることがわかった。さらに現在,痛みはないが将来的に障害を起こす可能性のある選手が55.4%いることがわかった。この選手たちはパフォーマンスに関しての指導は受けていたが動作の質への意識や,基本的な運動に関しては指導を受けていないため,理学療法士の個別の介入の必要性があると考えられる。結果②,③,④から体幹やコアの反射的な安定性が低下した選手が多かったことが考えられる。近年,コアエクササイズがよく推奨されているが,今回のスクリーニングでは点数が低かったテストでは肩甲帯の安定性も必要となるため肩甲帯,コア,骨盤を反射的に安定させながら動作を行う能力の低下も問題に繋がると考えられる。【理学療法学研究としての意義】スポーツ現場では筋力やスピードなどパフォーマンスの量的評価が重要視されているが,FMSは運動パターンの質を評価することにより障害のリスクを予測するものである。動作をスクリーニングすることにより,将来の障害のリスクの可能性がある選手を発見するための標準化されたテストとして有用であると考え,予防を目的とした理学療法を実施するための一助となり得るのではないかと思われる。
著者
宮本 淳 久留 友紀子 仙石 昌也 橋本 貴宏 山森 孝彦
出版者
愛知医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

医学部初年次チュートリアル教育においてクラウドを用いたレポート課題を課し,剽窃行為を中心に,学生のレポート作成過程の調査を続けている。レポートの作業過程を確認していくと,一見して質の低いと思われるWeb上の情報をコピペによって組み合わせ,体裁を整えただけのレポートが少なからず存在する現状が依然としてある。先行研究では,このようなレポートについて学生がどの程度コピペ剽窃をしているかについて,文字数の増加やコピペの頻度などの量的なデータに注目して調査を続けてきたが,コピペ剽窃情報の質については検討してこなかった。どのような教育的介入がコピペ剽窃だけに頼らないレポートの質の向上に繋がるかを考える上で,学生がどのような質の情報に頼ってレポート作成しているのかを調査することは非常に重要な視点であろう。そこで平成28年度の研究では,初年次学生がどのような情報に依拠してレポートを作成しているか,特に情報源の信頼性に着目して調査した。その結果,初年次学生のレポートにおいては情報源として書籍よりもWebを数多く引用していること,Web資料については,四次資料,すなわち三次資料にも該当しない,大学生以上のレポートの根拠として利用できる信頼性を有していないと考えられる資料を多くの学生が利用していることが明らかになった。平成29年度の研究では,こういった問題のあるWeb上の資料をどのように引用,あるいは「コピペ」しているかについてプロセス分析での調査をした。その結果,一次・二次・三次資料からのコピー&ペーストの場合にはその殆どが正しい形式で引用されているのに対して,四次資料の場合は半数以上がその出典は「不記載」であった。レポートを作成する際に,四次資料に依拠する場合には Webページ上の情報をそのままコピペして使用されることに繋がりやすく,その出典は明記されない傾向が明らかになった。
著者
中本 敦 木田 浩司 森光 亮太 小林 秀司 岸本 壽男
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.107-115, 2013 (Released:2013-08-13)
参考文献数
45

岡山県全域を対象とした小型哺乳類の捕獲調査を2010年10月~2011年12月にかけて実施した.齧歯目6種,トガリネズミ型目2種の計130個体が捕獲された.小型哺乳類の8種すべてで生息密度が非常に低かった.アカネズミApodemus speciosusの捕獲数が最も多く,捕獲場所も県内全域の様々な環境に及んだ.これに対してアカネズミ以外の種では,植生や標高などの生息環境に選択性が見られた.アカネズミの生息密度に最も大きな影響を与えたのはハビタットタイプではなく,年2回の繁殖による個体数の増加であった.岡山県では何らかの理由で小型哺乳類の生息密度が非常に低くなっていると思われるが,特にこれまで普通種と思われていたヒメネズミA. argenteusとハタネズミMicrotus montebelliの生息数の減少が懸念された.他県においても普通種を含めた小型哺乳類の生息密度の再評価が必要な時期に来ていると思われる.
著者
鈴木 浩太 小林 朋佳 森山 花鈴 加我 牧子 平谷 美智夫 渡部 京太 山下 裕史朗 林 隆 稲垣 真澄
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.283-288, 2015 (Released:2015-11-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1

【目的】自閉症スペクトラム (autism spectrum disorder ; ASD) 児・者をもつ母親において, 養育困難があるにも関わらず, 良好に適応する思考過程を養育レジリエンスと考えて, その構成要素を明らかにすることを目的とした. 【方法】16歳以上のASD児 (者) をもつ母親23名に半構造化面接を行い, 乳幼児期から現在までの子育てについて聴き取りを行った. 音声データから得られた逐語記録を元に修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて質的に分析した. 【結果】5つのカテゴリ, すなわち, ①意識, ②自己効力感, ③特徴理解, ④社会的支援, ⑤見通し, で構成される養育レジリエンスのモデルが想定できた. 発達障害児 (者) の養育において, 母親は親意識と自己効力感によって動機づけられ, 子どもの特徴理解を踏まえて対応策を考え, 社会的支援を活用し, 子どもの特徴や社会的支援に基づき成り行きを見通すことで, 子どもを取り巻く問題に対する適切な対処を導き出していると考えた. 【考察】理論の一般化には更なる検討が必要であるものの, 養育レジリエンスの概念を通してASD児 (者) をもつ母親を理解することが, 発達障害の医学的支援に欠かせない視点になり得ると考えられる.
著者
清水 康敬 堀田 龍也 中川 一史 森本 容介 山本 朋弘
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.115-123, 2010
参考文献数
13
被引用文献数
2

教員のICT活用指導力を向上させる教員研修Web統合システム(TRAIN)を開発した.このTRAINでは,教員のICT活用指導力の向上や校内でのICT活用の普及促進に役立つことを意図した短時間のビデオ・モジュール218本をストリーミング視聴ができるようにした.また,全ビデオ・モジュールのタイトルと内容説明,画面の一部,説明者名をA4版半ページ程度で分類整理したハンドブックを作成し,これを参考に視聴することができるようにした.さらに,TRAINを利用した自己研修,校内研修,神合研修への支援を強化するために,ビデオ・モジュールの中から50の実践事例を選んで,アドバイス付き事例を作成した.これらと関連した指導場面,実践事例とともにTRAINから提供した.教員のICT活用指導力に関する234件のFAQを提供し,このFAQを利用した学習も可能とした.このTRAINに関する教育委員会対象の評価を実施した.
著者
浅川 大樹 森 邦彦 平岡 賢三
出版者
日本質量分析学会
雑誌
Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan (ISSN:13408097)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.127-135, 2007 (Released:2007-06-15)
参考文献数
35
被引用文献数
4 4

A new ionization method, electrospray droplet impact ionization (EDI), has been developed for matrix-free secondary-ion mass spectrometry (SIMS). The charged droplets formed by electrospraying 1 M acetic acid aqueous solution are sampled through an orifice with a diameter of 400 μm into the first vacuum chamber, transported into a quadrupole ion guide, and accelerated at 10 kV after exiting the ion guide. The droplets impact on a dry solid sample (no matrix used) deposited on a stainless steel substrate. The secondary ions formed by the impact are transported to a second quadrupole ion guide and are mass-analyzed by an orthogonal time-of-flight mass spectrometer. EDI/SIMS was found to be an easy to operate and versatile method for molecular-level surface analysis.
著者
森田 和夫 Kazuo MORITA
出版者
駒沢女子大学
雑誌
駒沢女子大学研究紀要 (ISSN:13408631)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.181-193, 2004-12-24

There is the man who enjoys it more than 40 minutes while watching fish inside a big water tank of an aquarium, like a man in the song that is "The fool on the hill" written by Lennon & McCartney. The song said, "Day after day, alone on a hill, the man with the foolish grin is keeping perfectly still..." Of course the man in the aquarium is not a fool. So why is not he tired from it? The reason is because the big water tank shows his subconscious image to himself, like a mirror of magic. An aquarium resembles an abstract animation film. It resembles pleasure of playing with toys. For example it is maybe the same as playing with toy blocks. I wished to make such animation films since I was a student. There is the application named Flash. As a trial of abstraction expression in new Epoch, I examined early abstract animation films for significance of abstract animation films of the present day. Then I made a sample data of the Toy-Animation by ActionScript included in Flash. I showed the process that made the Toy-Animation in the following.

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著者
森林太郎 著
出版者
籾山書店
巻号頁・発行日
1913
著者
川西 直 川原 圭博 坂生 知子 森川 博之 青山 友紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.73-78, 2003-11-18
被引用文献数
2

来るべきユビキタスコンピューティング環境では,センサや無線通信技術により実空間と仮想空間とが密に相互接続されることにより、実空間情報を利用したエンターテインメントアプリケーションを提供することが可能になると考えられている.我々は,このようなアプリケーションがユビキタスコンピューティング環境におけるキラーアプリケーションの一つになりうると考え,実空間情報を元に動的に構築される仮想空間上に自律分散的に生息するモンスターを,実空間を移動して収集するゲームとして,実空間指向エンターテインメントアプリケーション「ユビキタスモンスター(Ubiquitous Monster)」を提案し,適応型サービスプラットフォーム「Jack-in-the-Net(Ja-Net)」上への試作を進めている.本稿では,ユビキタスモンスターのモンスターをJa-Netの自律分散コンポーネントであるCyber-Entity(CE)として設計し,実空間情報を元に自律分散動作させる機構について述べる.Ubiquitous computing environment will converge real and virtual worlds and serve as a platform for real-world oriented, entertainment applications that use various sensor data.With this vision, we propose a new monster-collection game called "Ubiquitous Monster" where many autonomous entities called monsters live in networked computer-nodes, autonomously migrate among nodes, and interact with other monsters. Mobile users collect monsters that appear at each environment as they travel among these environments. Different monsters may appear in different environments depending on local sensor data. We have been developing Ubiquitous Monster using an adaptive networking service platform called Ja-Net where monsters are implemented as Ja Net's autonomous service components called "cyber-entities". In this paper, we describe a mechanism to achieve autonomous and distributed behavior control of monsters based on real-world sensor data.
著者
生駒 俊明 森塚 宏平
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.205-209, 1982-02-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
12
被引用文献数
4

電子線超音波顕微鏡は,電子ビーム照射により発生する超音波を用いて像を得る新しい顕微鏡である.試料の弾性的性質や熱的性質がとらえられるので,電子線超音波顕微鏡は,半導体材料やデバイスの評価手段として有望である.特に集積回路等の内部構造を観察できるので,今後種々の応用が期待される.ここでは,筆者らの研究結果を基に動作原理,観察例を解説している.
著者
森田 学 丸山 貴之 竹内 倫子 江國 大輔 友藤 孝明
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

高齢者をターゲットとした研究は、日本をはじめとする先進国の喫緊の課題である。これまでの歯科領域における研究対象としての“高齢者”は、主に“要介護高齢者”あるいは“要支援高齢者”である。これに対して近年、“オーラルフレイル(口腔機能の虚弱)”という口腔機能の軽微な衰えを表す概念が注目されている。現実には、日常生活で口腔機能に不自由を感じていない高齢者(前オーラルフレイル期高齢者)は多数存在する。しかし、このような高齢者を対象に歯・口の機能の継時的変化(機能の衰え)を追跡した研究は少ない。本研究では、オーラルフレイルに関連する要因とオーラルフレイルに至るまでのプロセス(パス)を解明することとした。岡山大学医療系部局研究倫理審査専門委員会で承認を得たのちに大学病院外来患者を対象に、オーラルフレイルと関連する身体的、精神的、社会的指標を調査した。オーラルフレイルの判定には、オーラルディアドコキネシス、舌圧、口腔乾燥、咀嚼能力、咬合接触面積、細菌検査、質問票の結果から総合的に判定した。オーラルフレイルと関連している可能性のある指標として、全身の老化指標(BMI、栄養状態、日常生活動作)、生活のひろがり(活き活きとした地域生活を送っているか否か)、精神・心理状態(WHO Five Well-Being Index)など調査した。総計150名の患者が調査に参加した。現在35名(平均年齢74.3±5.0歳、男性10名、女性25名)について入力し、分析を開始している。舌圧、口腔乾燥、咀嚼能力、質問票については正常の者が多かった。しかし、細菌検査、咬合接触面積、オーラルディアドコキネシスについては、正常以下の者が多かった。総合的に判断した口腔機能低下症が認められる群(6名)と認められない群(29名)との間で、全身の老化指標、生活のひろがり、精神・心理状態を比較したところ、2群間で有意に異なる指標はみられなかった。
著者
森下 正康
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.145-152, 1979
被引用文献数
1

A hypothesis was tested that an affectionate bond with parents (parental affiliation) makes a child to take in the attitude and behavioral pattern of the parents (anaclitic identification). Eighty-five female students in a college and their parents were asked to answer a questionnair on value judgement, personality, and parental affiliation. The children had value system and personality similar to those of their parents as they perceived, rather than the actual parents themselves. There was a correlation between the degree of resemblance (between a child and the parents) and the degree of parental affiliation, partly supporting the hypothesis.