著者
杉本 沢民 横山 みさと
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 = Journal of the Society of Project Management (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.23-28, 2014-10

インフォメーションテクノロジー(IT)の発達とともに,ソフトウェア産業は大きな成長を遂げた.ほぼすべての企業が何らかの「ITシステム」を利用して業務を遂行している.これらのシステムは,業務を遂行するための機能を有することは必須であり,さらには,信頼性,使用性,保守性といった品質特性を満たすことをも求められている.しかし,この数十年間の間,ソフトウェアは品質向上において,大きな進歩を見せていない.QCDのうち,定量化しにくいという「品質」要素は軽視され続けている.その結果,システムのパフォーマンス低下によるサービス提供の遅延,システムの突然の停止による商機の損失,システムの誤作動による生命と財産への脅威などが顕在化している.企業は限られたコストの中で,いかにシステムの品質を向上させるかが大きな課題となっている.中でも,コストをかけてテストを実施したにもかかわらず,期待した効果があげられていない企業にとっては,暗中模索の状態が続いている.われわれの調査では,こういったシステムの多くは,正しいテストの実施がなされていないことに原因があると分析した.また,テスト担当者が仕様書からテストケースを作成できないということもしばしば見られることである.この論文では,静的テストの意義を振り返り,システムの「テスタビリティ」という検証項目にフォーカスし,特に上流工程で作成した要件定義書,設計仕様書などから,テスト実施へとつなげていくための方法を紹介する.
著者
鈴木 裕 中里 徹矢 横山 政明 阿部 展次 正木 忠彦 森 俊幸 杉山 政則 土岐 真朗 高橋 信一
出版者
日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.102-105, 2012 (Released:2012-05-15)
参考文献数
12

急性膵炎の重症化と合併症発生に対する肥満の影響について概説した.肥満の影響を考えるに当たり,多くはBMI(Body mass index)を用いているが,近年はCTを用いて内臓脂肪や皮下脂肪をパラメーターとしている報告も散見される.各報告をみると重症化や合併症発生に肥満は何らかの影響があると予想される.BMIでは,欧米では多くの肥満例が重症化と全身合併症に相関し,全身合併症の多くは呼吸不全である.本邦ではBMIは有意な重症化の危険因子とはならず人種差の可能性はある.しかし,日本人でも内臓脂肪の増加は急性膵炎重症化や合併症の発生に影響する可能性があり,肥満のタイプが重要であると思われる.今後は内臓脂肪面積などを画像診断による肥満のタイプをパラメーターとして詳細な検討を行う必要があると思われた.その際は,可能な限り発症早期の画像を用いるべきであり,理想は膵炎発症直前の測定が望まれる.
著者
板川 暢 樋口 陽平 一ノ瀬 友博 横山 勝英
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究(オンライン論文集) (ISSN:1883261X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.37-46, 2017-02-09 (Released:2017-02-24)
参考文献数
32
被引用文献数
1

This survey monitored the quantity and distribution of egg clutches of Tohoku salamander (Hynobius lichenatus) in the tsunami inundated lowland area from the period 2012 to 2015, looking at the case of Moune district, Kesennuma city, Miyagi prefecture, Japan. After the 2011 Tohoku Earthquake, lowland area almost changed into wetlands by erosion and land subsidence, and seawater ran into a part of the lowland. Lots of egg clutches were found in the whole area in 2012. However several egg clutches deposited in brackish-water were dead. After 2013, the number of egg clutches declined, and the distribution moved inland. The number of egg clutches roughly increased in 2015, indicating the meta-population of Tohoku salamander’s resilience against temporary disturbance caused by the tsunami. Models of relations analyzed between the numbers of egg clutches in each year showed larger population had higher resilience and the numbers of dead egg clutches had negative correlation to the total numbers of egg clutches in late years. Results indicated that the environmental changes after the tsunami had more severe impacts on the population’s survival. However the population of Tohoku salamander had resilience under the natural state. This resilience may be weakened by man-made induced environmental changes and habitat loss from the tsunami recovery and reconstruction works. Hence, the need for conservation and monitoring was suggested.
著者
横山 隆三 白沢 道生 菊池 祐
出版者
一般社団法人 日本写真測量学会
雑誌
写真測量とリモートセンシング (ISSN:02855844)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.26-34, 1999-09-02 (Released:2010-03-19)
参考文献数
9
被引用文献数
17 19

Overground-openness and undergroundopenness are defined for a grid point on digital elevation models. The former is a characteristic quantity to describe sky extent over the point within a distance L and takes large values for convex landf orms. The latter is to describe underground extent and takes large values for concave landforms. These concepts are applied to 50m-mesh digital elevation model of Mt. Iwate to make openness maps of L=5km and L=0.5km. The maps were found useful to represent topographical features such as the lines of ridge and valley.
著者
宮島 清富 横山 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.488, pp.33-38, 2002-11-22
参考文献数
7
被引用文献数
1

近年,低電圧で動作する電子回路を搭載した家庭用電気製品やパーソナルコンピュータが広く普及し,雷発生時,配電線やその他から侵入する雷サージにより機器の誤動作や破壊が生じる事例が多数報告されている.しかし,これらの原因となる雷サージの侵入経路や発生頻度,電圧は十分には解明されておらず,落雷との関係も明らかではない.本報告では,落雷が原因と思われる電子機器の故障が高頻度で発生している会社事務所を対象に,低圧配電線から引き込まれる電源電圧の連続測定から得られたインパルス性の過電圧の測定結果とその特徴を明らかにする.そして,落雷位置標定システムのデータとの比較から,雷放電と雷過電圧の関係を明らかにする.
著者
横山青娥 著
出版者
新陽社
巻号頁・発行日
1936
著者
横山 知子 鶴川 俊洋 川平 和美 田中 信行
出版者
社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.399-404, 1999-06-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
16
被引用文献数
2 2

脳卒中を中心とした神経系疾患患者25例を対象として,8週間の運動訓練のみを行った群(通常のリハ訓練+サイベックスを使用した膝の屈伸運動)と,4~8週目に蛋白同化ホルモン(オキシメトロン10あるいは20mg/日を内服)を併用した群の2群に無作為に分けて,非麻痺側下肢の筋力及び筋肥大に対する蛋白同化ホルモンの効果を検討した.下肢の運動訓練は両群ともサイベックス6000を用いて,座位で等速性(60°あるいは180°/秒)の膝屈伸運動を,適宜休憩を入れながら,1日100~200回,週5日,8週間行わせた.蛋白同化ホルモン併用群では,非投与時に比べて等速性筋力は低速度・高速度ともに,また伸筋,屈筋とも筋力の増加は有意に大きかった.等尺性筋力も伸筋,屈筋ともに増加し,またCT上での大腿筋断面積も有意に増加していた.一方,筋力トレーニング単独群では,全般的に筋力の増加傾向は認められたが,ほとんどの場合で有意ではなく,大腿断面積も明らかな増加を認めなかった.副作用として,AST,ALTの上昇がAS併用した13例中5例,Kの上昇を2例に認めたが,全例で薬剤中止後,正常に戻った.
著者
中村 昇平 松尾 直人 部家 彰 山名 一成 高田 忠雄 福山 正隆 横山 新
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.359, pp.17-20, 2014-12-05

DNA(チャネル)/SiO_2/Si(ゲート)構造において,DNAのキャリアの振る舞いを調べた.シリコン基板を使って電極間に120nmのギャップを作り,DNAはギャップの間に作製した.dI_D/dV_Dは0.7Vで極値を示ており,この理由はDNA中のトラップとデトラップが関与していると考える.電子はグアニンにトラップされ,チャネル部における電圧によってデトラップが引き起こされる.p^+Siの場合多数キャリアのホールはDNAチャネル中の電子と再結合し,質量作用の法則により,トレイン電極からチャネルに注入される.
著者
横田 誠 加藤 佳仁 横山 未希子 小川 哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-08-13

人間の感性機能, 特に情報的感性系のモデル回路システムを考え, その構成成分システムの一つとして, 内外種々のフローに関する市場交渉的処理システムを考えている。ある楽曲パタンが生成されたとすると, 個人または集団の人々の感性処理システムに入力され, そこでは市場的判断機能が発揮される。内在的に慰撫とか鎮魂等の厚生的, あるいは宣揚, 鼓舞等の活性的要求があるところに, それに応ずる楽曲が生成されたとすると, 流行が盛んとなり, 音楽的景気空間が活性化する。 一方, その楽曲パタンの生成系は, いわゆる文化的(遺)伝系列上系でもあるが, これは又, 音楽的遺伝アルゴリズムの問題系でもある。ここでは種族的楽曲パタンの生成系として, その成分系としての遺伝的条件パタン系や, 生成の為の栄養素的部分要素パタン系等と, それ等の結合系を考える。 これ等についても, やはりいずれも, 音楽的伝子工学系の問題系としての線路系としての正規化楽曲パタン系と, そのパタンに関する音楽的意識(対応機能)系としての回路系を考えてゆくことになる。
著者
山本 潤 西山 伊佐 横山 浩
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 2003年 日本液晶学会討論会 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
pp.283-284, 2003-10-14 (Released:2017-01-10)

Chiral TWIN molecules are consists of two equivalent monomer liquid crystal molecules connected by hydrocarbon spacers. In case that the spacer length is just twice as side-chain length of the monomer, the mixture of chiral twin/monomer system has complete spatial commensurability. We have found for the first time that the mixing of the small amount of the TWIN molecules strongly destabilize the smectic phase of the monomer and induce new types of TGB modulated phases, because the TWIN molecules strongly freeze the fluctuation motions of the monomer molecules, which is the origin of the excluded volume interaction to stabilize the smectic layers themselves. Spatial commensurability and strong lateral attractive interaction play important roles to the fluctuation freezing effect. We have investigated the chiral twin/monomer by polarizing microscope, X-ray diffraction, viscoelastic measurement and dynamic light scattering.
著者
加瀬 裕子 久松 信夫 横山 順一
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.3-15, 2012

認知症の行動・心理症状(Behavioural and Psychological Symptoms of Dementia ;以下,BPSD)が改善した204事例を収集し,行われた介入・対応についての記述データをカテゴリー化することで,BPSDへの効果的アプローチの構造を探索的にモデル化することを試みた.[介護側のコミュニケーションの改善][健康面への介入・対応][環境面への介入・対応][能力を維持するための課題への介入・対応][家族・介護者状況への介入・対応][事業マネジメントの改善]の6つのカテゴリーが生成された.効果が認められたBPSDの心理社会的要因へのアプローチでは,利用者の役割や社会性を強化するための「場」を調整することの重要性が示唆された.
著者
横山 重俊 浜元 信州 政谷 好伸 合田 憲人
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2016-IOT-34, no.11, pp.1-6, 2016-06-18

群馬大学では,授業などで利用する Linux サーバ専用に準備して運用している.このサーバに教育用端末 (Thin-Client) や学内から ssh クライアントを用いて利用できるし,教育用端末からはXウィンドウ接続できる環境を持っている.授業の際には一斉にアクセスがあるための用意しているマシンは比較的大規模なものとなっている.しかし授業が無い多くの期間は部分的にしか使われていない状態になっておりリソースの有効活用の観点から課題がある.さらに,この環境をいくつかの講義で共用しているため,それぞれの講義に合わせたカスタマイズに手間がかかり,その管理・運用が難しくなっている.また,学生間でも環境を共有しているために思い切った実験ができないことも解決したい課題である.加えて構築した講義・演習環境を他の教員との間で流通させることも難しく,それぞれが個別に対応しなければならないことも課題である.本研究では,これらの課題を解決するためにクラウド基盤間の可搬性を持つクラウドアーキテクチャー Overlay Cloud を活用し,その仮想クラウド上に Linux 講義・演習環境を構築する手順書を Jupyter notebook で記述するという手法を提案する.くわえて群馬大学での講義に適用して実施している実験についても現状を報告する.
著者
横山 重俊 松本 敦嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SC, サービスコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.50, pp.5-9, 2014-05-16

コンテナ技術を活用したDistributed Cloudアーキテクチャを提案する.Distributed Cloudを実現する上の課題の一つは,分散したリソースの上にどう効率的にソフトウェアを配備するか,と言うことである.筆者らのソリューションは,既存のクラウド基盤を使ってその上にリソースを配置し,その上にコンテナ基盤を構築し,それら分散したコンテナ基盤群をL2トンネルで接続することで,分散アプリケーションが効率的に配備できるVirtual Cloud Providerを実現する方式である.本論文では,提案するアーキテクチャについて述べ,そのアーキテクチャに沿ったプロトタイプについて紹介する.
著者
横山青娥 著
出版者
交蘭社
巻号頁・発行日
1931
著者
横山 智哉 稲葉 哲郎
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.92-103, 2016

<p>Recent studies find that political talk influences political participation. However, as of yet, there has been no clear demonstration of how political talk translates into increased political participation. This study proposes a bridging effect, which reduces the perceived psychological distance between citizens and politics. In order to test this explanation, we collected panel data on an online national volunteer sample in November 2012 and January 2013. Findings suggest that the direct relationship between political talk and participation in governmental politics may be mediated through perceived psychological distance to politics. These findings support the bridging effect explanation.</p>
著者
宮原 ひろ子 門叶 冬樹 堀内 一穂 横山 祐典
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

マウンダー極小期(西暦1645-1715年の黒点消失期)において発生していた約28年に一度の宇宙線の1年スケールの異常増加の正確な年代を決定するため、山形大学高感度加速器質量分析センターに導入された加速器質量分析計を用いて、樹木年輪中の炭素14の測定精度を向上させるための基礎実験を行った。多重測定によって加速器質量分析計の安定性の検証と測定精度向上のためのメソッド開発を行い、従来の1/4以下の測定誤差を達成することに成功した。