著者
河野 崇 荒川 真有子 横山 正尚
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.408-411, 2014 (Released:2014-06-17)
参考文献数
9

近年,ロクロニムによるアナフィラキシーに対してスガマデクスの投与が有効であった症例がいくつか報告されている.スガマデクスの投与は,手術室において容易に行うことができることから,試みる価値がある治療選択肢の一つと考えられる.しかし一方で,スガマデクス投与後の筋弛緩作用の必要性を考慮する必要がある.今回われわれは,麻酔導入時にロクロニウムが原因と推測されたアナフィラキシーに対してスガマデクスを投与後に喉頭痙攣を生じた症例を経験した.本症例を通してロクロニウムアナフィラキシーに対するスガマデクス投与の注意点を考察したい.

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著者
[横山由清, 黒川真頼] [編]
出版者
須原屋松成堂
巻号頁・発行日
1916
著者
横山 彰仁
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.280-283, 2012-12-28 (Released:2016-04-25)
参考文献数
13

近年の吸入ステロイド薬の普及に伴い,気管支喘息は慢性疾患のなかで最も死亡率が減少した疾患となっている.一方では,喘息による死亡の9割近くが65歳以上の高齢者であり,本邦の高齢化率は年々増加している点から,高齢者喘息への対処が重要となっている.高齢者は加齢変化や多彩な併存症,個人差が大きい点で若年者とは異なる対応が必要となる.個人の身体機能,併存症,内服薬,認知機能,精神心理,社会機能,栄養といった生活機能を総合的に評価することも必要であり,多職種による対応が重要となる場合も少なくない.治療方針の第一は治療の個別化であり,ガイドラインどおりの診療が必ずしも可能でないことも多い.吸入に固執せず,また副作用を極力避けつつ,内服薬や貼付薬による治療がより良いコントロールにつながる場合も少なからずある.本稿では高齢者の特徴に基づいた喘息診療のポイントについて述べた.
著者
小川原 純子 横山 祐子 森下 勇 一條 智康 加藤 直子 山岡 昌之
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.1335-1342, 2015-12-01

思春期には体も心も大きく変化する.身体的発達のみならず,自我同一性(identity)の確立などこの時期の正常な心の発達を知ることは,思春期のうつ病や,摂食障害などの心身症を診察する際,その病態の基本的理解として欠かすことができない.また,思春期の患者がもつ生来の言語能力や社会適応力・認知力といった各人の能力を見極めることは,患者の感じている困難感の分析に有用である.さらに思春期に至るまでの生育環境や養育者との基本的信頼関係の構築の有無などの情報は,思春期の患者の心の発達過程での問題点を推測する重要な手掛かりとなる.
著者
横山 大輔 瀧川 円 小野 しずか 新井 紀子 古吉 三紀 古吉 直彦
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.161-166, 2014 (Released:2015-03-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1

【目的】糖尿病眼筋麻痺は予後が比較的良好といわれているが微小な偏位や自覚症状の残存する症例をしばしば経験する。今回当院の糖尿病眼筋麻痺について臨床所見ならびに予後とその関連因子について検討した。【対象と方法】対象は2004~2013年に糖尿病眼筋麻痺と診断した14例である。発症年齢33~91歳。検査は交代プリズム遮閉試験、Bagolini線条鏡を用いた融像野試験、眼球運動検査、ヘモグロビンA1c(HbA1c)等を行った。深井らの後天性眼球運動障害の治癒基準に従った8)。経過観察期間は1か月~2年である。【結果】眼筋麻痺は全例が一側の単独神経麻痺を生じ、3例に他の神経に再発を認めた。内訳は動眼神経7眼、滑車神経4眼、外転神経6眼であった。治癒例は14例中10例(71%)であった。治癒までの期間は平均2.6か月であった。残存例は4例(29%)であった。残存例は、発症から5か月以上経過しており、動眼神経麻痺の上下筋障害が多かった。発症時のHbA1c7%以上は14例中11例(79%)に認めた。発症時のHbA1cが7%以上、血糖コントロール不良例、糖尿病罹病期間5年以上の症例に残存が多かった。また2例は眼筋麻痺発症が糖尿病発見の契機になった。【結論】糖尿病眼筋麻痺で残存例を29%に認めた。血糖コントロールは予後に影響を及ぼすことが示唆された。
著者
横山 一真 山岡 俊樹
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.90, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究では情報機器のGUI画面を構成する要素の操作順序によって,ユーザの操作のナビゲーションを示すレイアウトパターンを構築した.まず,現在利用されている情報機器のGUI画面サンプルを収集した.次に,ユーザビリティチェックリストを利用しユーザにとって使いにくいGUI画面サンプルを分析対象から外したのち,GUI画面サンプルにおける構成要素の機能を定義した.次に,あるタスクを行う1画面において,GUI構成要素の機能の包含関係を形式概念解析で分析した.分析によって得られたコンセプトラティス図から,機能の流れを特定し,これを基本レイアウトパターンとした.
著者
小野 恭裕 本田 透 桑嶋 博史 菰渕 真紀 山田 耕平 横山 茂樹
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8-9, pp.550-554, 2015 (Released:2015-08-29)
参考文献数
12

目的:当院で急性期リハビリテーション(以下,リハ)を行った脳卒中患者の血清アルブミン値の継時的変化を病型別に解析し,転帰との関係を検討した.方法:2008 年から2014 年の急性期リハを行い,リハ連携病院での転帰情報が得られた295 名を対象とした.血清アルブミン値を当院入院時から経時的に調査し,連携病院退院時のfunctional independence measure(FIM)を患者転帰の指標として,両者の関連性を調べた.結果:病型は脳梗塞170 名,脳出血105 名,くも膜下出血20 名であった.入院中に血清アルブミン値は全病型で低下し,最低アルブミン値は脳梗塞で3.1±0.6 g/dl,脳出血で3.1±0.6 g/dlと同程度であった.くも膜下出血は2.6±0.4 g/dlまで大きく低下したが,その後の回復は他の病型と同様であった.脳梗塞と脳出血においては最低アルブミン値と退院時FIM間に正相関がみられたが(p<0.001),くも膜下出血では関連性は認められなかった.結論:脳卒中リハ患者の血清アルブミン値と転帰は病型によって異なり,病型別解析の必要がある.
著者
高嶋 和毅 藤田 和之 横山 ひとみ 伊藤 雄一 北村 喜文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.176, pp.49-54, 2012-08-11
被引用文献数
2

本研究では,複数人会語中に話者が感じる場の盛り上がり「場の活性度」を自動的に推定する手法の確立を目指し,会話中の発話量,手の動き,頭部方向や身体の移動などの非言語情報と,場の活性度との相関を実験的に調査した.実験では,初対面で同世代の6人(男3,女3)による会話を扱い,非言語情報は各種センサにより取得した.重回帰分析を用いて,参加者が主観的に評定した場の活性度と取得した非言語情報との関連を調査したところ,発話時間,クロストーク,手の加速度,会話の輪の大きさ,等が強く場の活性度に影響することが分かった.また,これを用いてモデル化を行い,3人会話におけるモデルと比較を行った.
著者
横山 大作 近山 隆
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
日本ソフトウェア科学会大会講演論文集 日本ソフトウェア科学会第19回大会 (ISSN:13493515)
巻号頁・発行日
pp.2A3, 2002-09-11 (Released:2003-10-28)

近年、計算機のメモリ階層は深化し、RAM モデルと現実との乖離は著しいものがある。また、クラスタや大規模分散計算等、各計算機間の通信遅延やその違いを無視できない並列環境が一般的になっているが、現状の並列計算コストモデルは、通信遅延の差異を考慮しないものや特定のネットワークトポロジに特化したものしか存在しない。我々は、単一計算機内のメモリ階層から計算機間のネットワーク遅延の差異までを統一的に記述できる計算量モデル、「計算連続体モデル」を提案した。本稿では、このモデルの検証の基礎となる仮想機械の仕様について述べる。
著者
車井 浩子 横山 由紀子
出版者
兵庫県立大学
雑誌
商大論集 (ISSN:02862174)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.81-90, 2008-12-26
著者
古屋 温美 中泉 昌光 横山 真吾 長野 章
出版者
日本地域学会
雑誌
地域学研究 (ISSN:02876256)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.761-776, 2008 (Released:2009-04-14)
参考文献数
4
被引用文献数
1

The diet and advancement of fishing villages are supported by the production and distribution of fishery products, so the control of quality and hygiene for these products is very important. In docking areas, infrastructures and countermeasures for quality and hygiene control such as traceability systems have been established by governments and regional HACCP. However, food poisoning incidents caused by fishery products and rumors of food poisioning have brought serious economic damages to the industry and consumers. Countermeasures are needed to reduce the losses. In order to confront those conditions, the following four topics were investigated and the results are reported in this paper: (1) Analysis of economic damages caused by shellfish poisoning accidents and rumors—Case study of oysters in Akkeshi town, Hokkaido; (2) Development of scenarios for the economic damages from the accidents and the rumors; (3) Expectations of the direct economic impacts, and spread of economic impacts on the gross domestic products and analysis of damages and losses to both docking and consuming areas; (4) Consideration of the issues and ways to analyze, evaluate and control the risks in quality and hygiene of fishery products. The results of this paper are as follows. (1) By the shellfish poison accidents occurred in Akkeshi town in April, 2005, the economic impacts such as the direct expense for recall and disposal of oysters continued for one month, and the loss of crops and the decrease in shipping also continued for one month. Equally, by the rumor in December, 2006, the three month decrease in shipping oysters was reported.; (2) Three scenarios were supposed. The first scenario is based on the accident in April, 2005, and the second one is based on the rumor in December, 2006. The last one is the most serious scenario.; (3) The direct economic impacts caused by each scenario were estimated. The economic spreading impact and the gross domestic product were calculated by the I-O table. In the most serious scenario, the amount of the direct economic impact and economic spreading impact was 27 hundred million yen in Hokkaido and 14 hundred million yen in the whole of Japan except Hokkaido. The decrease of the gross domestic product was 12 hundred million yen in Hokkaido and 5 hundred million yen in the whole of Japan except Hokkaido.; (4) The economic spreading impacts in region and the outside of it were proved. And, in order to reduce the impacts toward both landing and consuming areas, important things are the strict control in the quality and hygiene of fishery products, the provision of the correct knowledge, and the risk management for the accidents.JEL Classification: R15
著者
久田 孝 庄田 麻美 森村 奈々 横山 理雄
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.1053-1059, 1998-11-15 (Released:2008-02-29)
参考文献数
18
被引用文献数
6 9

Microflora of Kaburazushi (fermented turnip and yellowtail with malted rice) and Daikonzushi (fermented radish and Pacific herring with malted rice), traditional fermented food in Kanazawa, Japan, were surveyed by a simple method using several selective media and non-selective media. In the case of the Kaburazushi or Daikonzushi made by four factories, predominant bacterial groups were lactic acid bacteria (lactobacilli and/or lactococci), however samples obtained from the different factories showed different numbers of lactic acid bacteria (104 to 108/g) and the numbers did not correlate with the concentration of lactic acid and the pH value. In the case of the homemade samples, the numbers of lactic acid bacteria increased to about 108/g in three days and correlated with the increase of lactic acid concentration and the lowering of pH value. The numbers of yeast decreased about from 105 to 102/g during seven to 14 days' fermentation. The numbers of halophilic bacteria and contaminants, such as bacilli and coliforms, were decreased with the fermentation. These results indicate that the character of the microflora and fermentation of some Kaburazusi and Daikonzushi made by factories differs from that of the homemade variety.
著者
吉岡 大貴 横山 諒平 劉 傅軍 小野寺 武 内田 誠一 中野 幸二 林 健司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.409, pp.53-56, 2014-01-17

匂いは目に見えないが,危険信号として重要な情報を持つ.匂いは気体であるため,匂い情報として匂い物質の種類,濃度,空間分布が考えられる.本研究では匂い物質を可視化するために蛍光物質を混ぜたアガロースゲルフィルムを蛍光プローブとして用い,匂い情報を蛍光変化として取り出している.本稿では,蛍光物質を複数用いたマルチ蛍光プローブを用いてマルチスペクトルイメージングを行い,匂い物質の識別を行っている.また,混合匂いに対するマルチ蛍光プローブの反応は各匂い物質毎の各単一蛍光プローブの反応に分割できるため,混合匂いを含めた匂い濃度の空間分布を識別することができる.
著者
長宗 留男 横山 博文 福留 篤男
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-8, 1992-04-01
被引用文献数
2

Earthquake swarms which have frequently occurred off the east coast of the Izu Peninsula since 1978 are investigated, and the relationships between the swarms and the submarine volcanic eruption at Teisi Knoll in 1989 are discussed. The results are summarized as follows: 1) Shapes of epicentral areas of the earthquake swarms can be classified into the following two types, Type I and Type II. The former is an ellipse elongated NE-SW; the latler, an eilipse elongated approximately NW-SE. The swarms in the early years are of Type I, and those in the later stage (in particular, since 1984), for the most part, are of Type II.2) The largest earthquakes in the respective swarms for Type I are located along a straight line in the NE-SW direction, and those for Type II, along a curve line in the E-W to NW-SE directions. These two lines are probably indicative of active tectonic lines. 3) The epicentral areas for Type I and Type II, migrate periodically with a recurrece time of 6-7 years along the tectonic line in the NE-SW direction, and with a recurrence time of about 3.7 years along the tectonic line in the E-W to NW-SE directions, respectively. 4) Teisi Knoll where the submarine volcanic eruption took place on July 13, 1989, is situated in the northwestern part of the tectonic line trending E-W to NW-SE. The eruption was triggerd by the largest shock in the swarm which occurred around the northwestern end of the line.