著者
豊田 正武 伊藤 誉志男 一色 賢司 大西 和夫 加藤 丈夫 神蔵 美枝子 白石 美子 原田 行雄 深澤 喜延 横山 剛 米田 孟弘 平山 佳伸 山本 芳子 藤井 正美 慶田 雅洋
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.489-497, 1983 (Released:2009-11-16)
参考文献数
13
被引用文献数
3 4

1) 1982年11月上旬~中旬に, 厚生省の食品添加物1日摂取量調査方式 (マーケットバスケット方式) に従い, 各種食品を, 東京で大手スーパーより, 東京, 大阪で中堅スーパーより, 仙台, 和歌山, 北九州で中小スーパーより, 札幌, 山梨, 長野, 島根で地元小売店より購入し, 1人1日喫食量に相当する試料量を採取し, 8食品群ごとに集め, 各種食品添加物含量を分析し, 1日摂取量を求めた。2) 48品目の各種食品添加物の10機関の平均1日総摂取量は119.8mgであり, 個々の食品添加物の平均1日摂取量は, プロピレングリコール43mg, ソルビン酸36.3mg, 硝酸35.5mg, 安息香酸1.44mg, グリチルリチン酸1.39mg, サッカリンナトリウム0.91mg, プロピオン酸0.60mg, パラオキシ安息香酸エステル類0.23mg, デヒドロ酢酸0.19mg, 合成着色料0.096mg, 亜硫酸0.073mg, BHT0.023mg, 亜硝酸0.018mg, BHA0.001mgであった。3) 各種食品添加物の1日摂取量のADIに対する割合は, 天然由来も含む硝酸以外0~3%の範囲内にあり, 購入先の規模別では, 地元小売店の食品で保存料, 甘味料が多く, 中堅スーパーでは添加物含量が若干低い傾向が見られた。
著者
横山
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.44-44, 1892-01-25 (Released:2010-12-22)
著者
横山 幹子
出版者
三田図書館・情報学会
雑誌
Library and information science (ISSN:03734447)
巻号頁・発行日
no.71, pp.75-97, 2014

原著論文【目的】本論文の目的は, 哲学と図書館情報学(LIS)の関係を検討することである。【方法】本論文は, 哲学とLISの間の関係について, 文献に基づく分析を行う。LIS分野での哲学に関係する最近の重要な論文(2003年5月~2013年4月に刊行)が集められ, それらの論文の内容の特徴が検討される。【結果】LIS分野での哲学に関係する最近の論文のほとんどは, LIS研究のために, 哲学(たとえば, ネオプラグマティズム, 現象学, 解釈学, ポスト構造主義など)を使っている。これらの論文は, 哲学がLISの発展に寄与することができると論じている。しかし, これらの論文は, LIS研究の基礎として哲学を使おうとしているのではない。言い換えるならば, 哲学が合理的方法についてのものであり, その合理的方法がLISに取り込まれ, もしくは, 応用され, それによってLISが科学になると主張しているのではない。そうではなく, 哲学は, LIS研究への存在論的, もしくは, 認識論的アプローチとして現れている。これらの論文は, どのような存在論的・認識論的アプローチがLISの発展に寄与することができるかを論じているのである。そして, そのような議論は, LIS研究における具体的な例を使うことによって説明されている。ある存在論的・認識論的アプローチがLISの発展に寄与しうるかどうかをそのように論じることは, LIS研究にとって重要であるだけでなく, 哲学の研究にとっても重要である。なぜなら, 何らかの存在論的・認識論的アプローチがLIS研究にとって有効であるならば, そのことは, その存在論的・認識論的アプローチが適切であるということを示すことになるからである。そのように, 哲学とLISは相互に関係している。Purpose : This article discusses the relationship between philosophy and library and information science(LIS).Method : The study uses a literature-based analysis of the relationship between philosophy and LIS. Important recent articles (published from May 2003 to April 2013) about philosophy in the field of LIS are collected, and their contents are analyzed.Results : Most of the recent articles about philosophy in the field of LIS use philosophy (for example, neo-pragmatism, phenomenology, hermeneutics, and post-structuralism) to study LIS. These articles argue that philosophy can contribute to the development of LIS, but do not use philosophy as a foundation for LIS studies. That is, they do not claim that philosophy involves rational methods; rational methods are imported or applied to LIS, thereby making LIS a scientific field. However, philosophy appears in ontological or epistemological approaches to LIS studies. These articles argue the kind of ontological or epistemological approaches that can contribute to the development of LIS, using concrete examples from LIS studies. Examining whether an ontological or epistemological approach can contribute to the development of LIS is important not only for studies of LIS but also for studies of philosophy. Showing that such an approach is useful involves proving the appropriateness of the approach. Hence, philosophy and LIS are closely related.
著者
横山 幹子
出版者
三田図書館・情報学会
雑誌
Library and information science (ISSN:03734447)
巻号頁・発行日
no.71, pp.75-97, 2014

【目的】本論文の目的は, 哲学と図書館情報学(LIS)の関係を検討することである。【方法】本論文は, 哲学とLISの間の関係について, 文献に基づく分析を行う。LIS分野での哲学に関係する最近の重要な論文(2003年5月~2013年4月に刊行)が集められ, それらの論文の内容の特徴が検討される。【結果】LIS分野での哲学に関係する最近の論文のほとんどは, LIS研究のために, 哲学(たとえば, ネオプラグマティズム, 現象学, 解釈学, ポスト構造主義など)を使っている。これらの論文は, 哲学がLISの発展に寄与することができると論じている。しかし, これらの論文は, LIS研究の基礎として哲学を使おうとしているのではない。言い換えるならば, 哲学が合理的方法についてのものであり, その合理的方法がLISに取り込まれ, もしくは, 応用され, それによってLISが科学になると主張しているのではない。そうではなく, 哲学は, LIS研究への存在論的, もしくは, 認識論的アプローチとして現れている。これらの論文は, どのような存在論的・認識論的アプローチがLISの発展に寄与することができるかを論じているのである。そして, そのような議論は, LIS研究における具体的な例を使うことによって説明されている。ある存在論的・認識論的アプローチがLISの発展に寄与しうるかどうかをそのように論じることは, LIS研究にとって重要であるだけでなく, 哲学の研究にとっても重要である。なぜなら, 何らかの存在論的・認識論的アプローチがLIS研究にとって有効であるならば, そのことは, その存在論的・認識論的アプローチが適切であるということを示すことになるからである。そのように, 哲学とLISは相互に関係している。Purpose : This article discusses the relationship between philosophy and library and information science(LIS).Method : The study uses a literature-based analysis of the relationship between philosophy and LIS. Important recent articles (published from May 2003 to April 2013) about philosophy in the field of LIS are collected, and their contents are analyzed.Results : Most of the recent articles about philosophy in the field of LIS use philosophy (for example, neo-pragmatism, phenomenology, hermeneutics, and post-structuralism) to study LIS. These articles argue that philosophy can contribute to the development of LIS, but do not use philosophy as a foundation for LIS studies. That is, they do not claim that philosophy involves rational methods; rational methods are imported or applied to LIS, thereby making LIS a scientific field. However, philosophy appears in ontological or epistemological approaches to LIS studies. These articles argue the kind of ontological or epistemological approaches that can contribute to the development of LIS, using concrete examples from LIS studies. Examining whether an ontological or epistemological approach can contribute to the development of LIS is important not only for studies of LIS but also for studies of philosophy. Showing that such an approach is useful involves proving the appropriateness of the approach. Hence, philosophy and LIS are closely related.原著論文
著者
Manalo Emmanuel 鈴木 雅之 田中 瑛津子 横山 悟 篠ヶ谷 圭太 Sheppard Chris 植阪 友理 子安 増生 市川 伸一 楠見 孝 深谷 達史 瀬尾 美紀子 小山 義徳 溝川 藍
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

3年目である本年は、21世紀型スキルの促進ということに焦点を当てて研究を行った。この結果、様々なワークショップや授業を開発した。具体的には、大学教員の質問スキルの向上を目指すワークショップの開発、小学校教員による効果的な学習法指導の開発、高校生の批判的思考と探究学習を促進する実践の提案などを含む。さらに、教育委員会と連携した実践なども行った。こうした研究の結果、研究代表者であるEmmanuel Manaloと分担研究者である植阪友理を編者に含む、英語の書籍を刊行した。この書籍は、自発的な方略を促進するためのあり方を具体的に提案するものであった。この本の論文はいずれも、査読付きであり、このうち9本は本プロジェクトに関わるメンバーが執筆している。のこり10本は海外の研究者が執筆している。海外の著者にはアメリカのUCLA (University of California Los Angeles) やPurdue University、スイスの ETH Zurich、ドイツの University of Munster (Germany) 、University of Hong Kongなどといった一流大学の研究者が含まれており、国際的な影響力も大きなものとなったと考えられる。さらに、日本心理学会、教育工学会などといった国内学会において発表を行った。さらに、EARLI (European Association for Research in Learning and Instruction) やSARMAC (Society for Applied Research in Memory and Cognition) といった国際学会においても発表した。
著者
横山 寛
出版者
慶應義塾大学大学院法学研究科内『法学政治学論究』刊行会
雑誌
法学政治学論究 : 法律・政治・社会 (ISSN:0916278X)
巻号頁・発行日
no.104, pp.155-184, 2015

挿表一 はじめに二 議院法における両院協議会関係規則 (一) 両院協議会制度の導入 (二) 両院協議会の性質三 議院規則における両院協議会関係規則 (一) 衆議院規則と両議院関係規則の起草 (二) 総裁修正から確定まで四 第一議会における議院規則の制定 (一) 衆議院規則と貴族院規則の審議 (二) 両院協議会規程の成立五 おわりに

1 0 0 0 IR トピックス

著者
市浦 淳 横山 広美 小澤 岳昌 久保 健雄 邑田 仁
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.3-5, 2014-09

理学部オープンキャンパス2014報告/理学部イメージコンテスト2014優秀作品/2014高校生のための夏休み講座報告/東大理学部で考える女子中高生の未来2014/「高い研究倫理の精神風土」を保つために―「研究倫理」講義の新規開設―/NHKEテレ2355で放映されたおやすみソング「小石川植物園に行ってみました」
著者
横山 美江
出版者
医学書院
雑誌
保健師ジャーナル (ISSN:13488333)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.598-604, 2015-07-10

はじめに フィンランド(図1)は北欧型福祉国家として,母子保健をはじめとした社会サービスが広く行き届いた国である。このような社会環境を反映してか,フィンランドはさまざまな指標で世界の上位にランクされており,セーブ・ザ・チルドレンの「お母さんに優しい国ランキング2014」でも世界第1位を獲得した1)。 このように,フィンランドでは,妊娠期から子育て期に至るまで切れ目ない支援がなされている。この切れ目ない子育て支援の中核をなしているのがネウボラである。 「ネウボラneuvola」とは,フィンランド語で「アドバイスの場所」を意味している(ネウヴォneuvoがアドバイス・情報の意味)。ネウボラは,妊娠期から就学前にかけての子どもと家族を支援するための地域拠点(ワンストップ)であり,かかりつけ保健師(担当保健師)が中心となって支援にあたっている。 今日,このようなフィンランドの子育て支援が,日本においても注目されてきており,「日本版ネウボラ」をめざした母子保健システムを構築する自治体も出てきている2)。 筆者(横山)は,フィンランドのヘルシンキ大学との共同研究を10年近く実施している。その関係で,フィンランド国立健康福祉研究所(National Institute for Health and Welfare)とも共同研究を始めており,フィンランドの母子保健について学ぶ機会を得た。このフィンランド国立健康福祉研究所は,研究機関であると同時に,母子保健をはじめとした国の健康政策に関するガイドラインの作成も担っている機関である。 共同研究者である同研究所のTuovi Hakulinen-Vitanenは,フィンランドにおける母子保健のガイドライン作成にも携わっており3-6),フィンランドの母子保健の専門家である。 本稿では,フィンランドの母子保健の専門家とともに,フィンランドの母子保健システムと切れ目ない子育て支援の中核をなしている「ネウボラ」について紹介する。
著者
小山 尚美 流石 ゆり子 河野 由乃 村松 照美 郷 洋子 林正 健二 小野 興子 横山 貴美子 伊藤 健次 城戸 裕子 波木井 昇
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学看護学部紀要 (ISSN:18806783)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.27-37, 2009-02-27
被引用文献数
1

過疎農山村地域の独居後期高齢者の現在・今後の生活への思いを明らかにすることを目的にA町の6名に半構成的面接を行った。【猿や猪が農作物を喰い荒らして困る】【欲を言えばもう少し交通の便を良くして欲しい】と山間部特有の問題【年々歳をとってこのまま元気でいられるかどうか先のことはわからず不安だ】【みんな歳をとり昔のようにいかなくなり悔しい】【災害や跡継ぎがないことが心配だ】等の加齢変化の実感と不安を抱えていた。これらに【みんなとの交流は楽しみだ】【みんなが支えてくれてるので安心して生活できる】と田舎ならではの良さが勝り【ここでの今の生活は幸せだ】【子供の所へ行くより住み慣れたここに最期までいたい】と自ら今の生活を選択し【今の生活を維持する為にいろんなことを心掛けている】と日々努力をしていた。鳥獣被害対策、交通サービスの充実、現存の住民支援ネットワークの活用、役割保持の支援の必要性が示唆された。
著者
横山 美樹 小澤 道子 香春 知永 大久保 暢子 佐居 由美
出版者
聖路加看護大学
雑誌
聖路加看護大学紀要 (ISSN:02892863)
巻号頁・発行日
no.29, pp.40-46, 2003-03
被引用文献数
1

本学では現在,2年次に看護における基礎技術であるフィジカルアセスメント技術,基礎看護援助技術に開しての科目を開講し,2年終了時に5日間の基礎実習(臨地実習)を行っている。技術に関しては,実施・経験の有無が習得に大きく関係するため,今回学生が初めての基礎実習で既習のフィジカルアセスメント技術,看護援助技術をどの程度実施しているのか,また自己評価をどのように行っているのかの実態調査を行った。167名に調査を依頼し139名から回答を得た。その結果,以下のことが明らかになった。1.フィジカルアセスメント技術に関して:バイタルサインは全員が行っており,自己評価も高かった。その他の項目では,胸部・肺の視診,聴診,腹部のアセスメントが多く行われていた。自己評価は全体に3以上と高かったが,心臓のアセスメント,筋骨格系,神経系のアセスメントで低い傾向であった。2.看護援助技術に関して:環境整備,ベッドメーキングは全員が実施していた。その他寝衣交換,陰部洗浄,移動,オムツ交換,全身清拭,体位変換等日常生活援助の項目の実施率が多かった。逆に処置系の項目は実施率が少なかった。自己評価に関しては,どの項目も平均3以上と高かったが,清潔の援助,排泄の援助,体位変換,移動等が低い傾向であった。今回の結果より,できるだけ学生が自分の技術に対して客観的な自己評価を行えるような教員側のフィードバック,また限られた臨床実習期間で基礎看護援助技術をより実施・体験できるような工夫が必要だと考える。
著者
横山 佳子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.21-27, 2013-06-30 (Released:2013-07-26)
参考文献数
16
被引用文献数
1

本研究では, 野菜サラダの加工過程および冷蔵保存を含め, 大量調理施設衛生管理マニュアルに基づき7工程 (原材料, 水洗・下処理, 中性洗剤・すすぎ, 殺菌・すすぎ, 試料の切断・混合, 冷蔵保存10°C, 24時間後, 冷蔵保存10°C, 48時間後) を設定し, 一般細菌数と細菌叢の変化について検討した。特に野菜に多く分布しているNFGNBの消長について検討した。野菜を7つの全工程に従って処理した結果, 一般細菌数および細菌叢に大きな変化は認められなかった。野菜には多くのNFGNBに分類される菌種が分布していた。野菜サラダを作成し, 10°C, 48時間冷蔵保存をすると, 腸内細菌科の細菌割合が増加する傾向が見られた。全工程で検出回数が多かったのは, 芽胞形成・桿菌およびBurkholderia cepaciaであった。また検出された菌種の多くがNFGNBに属するものであった。NFGNBは一般的にヒトへの病原性は低いが易感染性宿主には重篤な感染症を起こし, また常用抗菌薬に対する耐性を有することが知られていることから, 易感染性宿主や在宅介護を受けている者に対しては, 野菜を加熱調理して提供することおよび生での提供が必要な場合は調理後速やかに食することでリスクが緩和されることが示唆された。

1 0 0 0 OA 薩摩と琉球

著者
横山健堂 著
出版者
中央書院
巻号頁・発行日
1914
著者
横山 裕樹 浅田 稔
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

TD学習は価値関数の学習に広く用いられているが,状態空間が連続である場合や環境が非マルコフ的である場合における最適性について,多くの解析がなされていない.本研究では,木村ら(2000)の提案したactor-criticアルゴリズムをもとにして,criticの学習にTD誤差ではなく新たな基準を用いることで,より頑健性の高いアルゴリズムを提案する.また,その有用性について実験的,解析的に評価する.
著者
野川 敏史 高山 芳幸 齋藤 正恭 横山 敦郎
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.170-178, 2015

<b>目的</b>:部分欠損症例において,インプラント支持補綴装置(ISFP)と部分床義歯(RPD)が欠損隣接歯の予後に及ぼす影響を比較・検討することを目的として後ろ向きコホート研究を行った. <br><b>方法</b>:北海道大学病院歯科診療センター義歯補綴科にて,2003年から2011年の間に,ISFPまたはRPDを装着し,補綴治療終了後1年以上経過し,年1回以上のリコールに応じている患者を対象とした.全部床義歯装着者や診療録の不備により不適当と判断したものは除外した.調査項目は,性別,年齢,補綴方法,残存歯数とし,欠損隣接歯では,歯種,根管治療の有無,歯冠補綴・修復の有無,同名対合歯の有無を調べた.エンドポイントは抜歯,および何らかのトラブル(破折,脱離,齲蝕,根尖性歯周炎,辺縁性歯周炎)があった時点としてKaplan-Meier法により生存率,トラブル未発生率を算出した.補綴装置間の比較にはlog-rank検定を用い,有意水準は0.05とした.<br><b>結果</b>:対象患者は501名(ISFP:41名,RPD:460名)であった.欠損隣接歯の5年生存率は,ISFPで97.5%,RPDは90.9%であり有意差は認められなかった(<i>P</i>=0.060).トラブル未発生率は,ISFPで89.3%,RPDは70.5%であり有意差が認められた(<i>P</i>=0.008).<br><b>結論</b>:本研究において,補綴装置の選択が欠損隣接歯の予後に影響を及ぼすことが示唆された.