著者
良永 早耶佳 大坪 敦 橋本 大和 廣重 法道 鶴田 直之
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.523-524, 2018-03-13

マーケティング情報として、安価で手軽な方法で、かつプライバシーを考慮しながら入退室者数を計測したいというニーズは高い。そこで、本研究では、Raspberry PiとUSBカメラを用い、顔が映らないように出入り口を真上から撮影した画像のフレーム間差分により、リアルタイムに計測するというシステムの開発を行っている。本稿では、システムの概要と性能評価について報告する。性能評価は、福岡県筑豊地方にある平成筑豊鉄道における列車の乗降者数の計測と、福岡市内で行われた室内イベントの来場者数の計測で行った。精度はそれぞれ約70%と80%であった。また、列車の乗降者数計測では、HoG特徴量を用いた人物検出法との比較を行い、提案手法の優位性を示す。
著者
藤本 貴子 橋本 陽
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.31-36, 2019 (Released:2020-05-26)
参考文献数
16

文化庁国立近現代建築資料館では,保存・活用のため所蔵資料のデジタル化を行っている.本報告では,データの仕様や長期保存といった建築資料館の抱える課題を共有する.また,採用を検討しているデータベースシステムAtoM,そしてこれと連動させることのできるシステムArchivematicaによるOAIS参照モデルに準拠したデジタル・データ保存の試行を紹介する.
著者
笠松 隆洋 吉村 典子 森岡 聖次 橋本 勉
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.19-26, 1996-02-01 (Released:2010-11-26)
参考文献数
24
被引用文献数
4 4

和歌山県民栄養調査に参加した世帯の調理担当者769人について, 1日の摂取食品数を調査し, 摂取食品数と栄養素等摂取状況及び肥満との関連性について検討した結果, 以下のことが明らかになった。1) 1日の摂取食品数を12食品未満, 12~17食品, 18~23食品, 24~29食品, 30食品以上の5群に分けたところ, 18~23食品群が最も多く41%を占めていた。平均摂取食品数は, 20.2食品であった。2) 摂取食品数の増加に伴い, 栄養素等充足率は高くなる傾向を認めた。摂取食品数が18~23食品群ではカルシウムと鉄のみが不足し, 24~29食品群ではすべての栄養素が充足された。一方, 30食品以上群では, たんぱく質の充足率は142%, 脂質の充足率は125%にも達していた。脂肪エネルギー比は25%を超えていた。3) 摂取食品数の増加に伴い, いも類, 菓子類, 油脂類, 豆類, 果実類, 野菜類, 海草類, 魚介類, 肉類, 卵類, 乳・乳製品の摂取量は増加していた。4) 摂取食品数の増加に伴い, たんぱく質, 脂質, ビタミンB1, ビタミンB2は, 肉類, 卵類, 乳・乳製品といった動物性食品からの摂取割合が増加していた。5) 肥満者の割合は, 摂取食品数が24~29食品群で最も低かった。以上, 和歌山県民栄養調査の結果から, カルシウム所要量を充足させることに重点を置いた栄養指導を行うことを前提にすれば, 1日の摂取食品数は25食品程度を目標に摂取するとよいことが推察された。
著者
渡邊 趣衣 八巻 ゆみこ 富澤 早苗 増渕 珠子 上條 恭子 中島 崇行 吉川 聡一 山本 和興 髙田 朋美 小鍛治 好恵 大澤 佳浩 大塚 健治 橋本 常生
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.247-253, 2020-12-25 (Released:2020-12-25)
参考文献数
7

LC-MS/MSによる乾燥唐辛子中残留農薬分析法の開発を行い,その妥当性評価を実施した.分析法はマトリクス効果を抑制するため,LC条件,精製カラムおよび試験溶液の希釈倍率を検討した.精製カラムはENVI-CarbIITM/PSA (300/600 mg,6 mL)を使用した.さらにマトリクス効果を抑制するため試験溶液の検討では,マトリクス効果および一律基準値相当の測定感度の観点から,8倍希釈液を採用した.これらを元に107農薬について2濃度(0.01および0.1 μg/g)で2併行5日間の妥当性評価を実施した結果,96農薬で真度70.1~112.6%,併行精度11.5および3.4%以下,室内精度24.3および19.9%以下となり,ガイドラインの基準に適合した.また不適合であった主な原因はマトリクス効果と抽出での低回収であると示唆された.
著者
林 真輝 田村 康宏 大谷 陽範 森岡 みほ子 笹本 剛生 橋本 常生
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.223-228, 2020-12-25 (Released:2020-12-25)
参考文献数
20

魚介類中のトリブチルスズ化合物(TBT)およびトリフェニルスズ化合物(TPT)の高速溶媒抽出装置(ASE)およびLC-MS/MSを用いた分析法を開発した.LC分離は,コアシェル性オクタデシル化シリカゲルカラムを用いて0.1%ギ酸70%メタノール溶液によるアイソクラティック移動相条件で行った.試料を抽出温度125℃,抽出溶媒n-ヘキサンの条件でASE抽出し,フロリジルカートリッジカラムを用いて精製した.これらにより,脂質が多い魚介類に対しても適用可能となった.定量は重水素標識したTBTおよびTPTを用いたサロゲート法により行い,検量線は0.2~250 ng/mLの範囲で直線性が得られた.本法による定量下限値はTBT,TPTともに0.8 ng/gであった.本法を用いて,TBTおよびTPTの認証値が付与されたホタテ貝柱の環境標準物質の分析を行ったところ,分析値は認証値と有意差がない結果が得られた.スズキ,ボラ,アナゴ,カレイ,アサリを対象に2併行,5日間の添加回収試験を行った結果,真度89.3~105.3%,併行精度(RSDr) 1.0~4.5%,室内精度(RSDwr) 1.3~7.6%の良好な結果が得られた.
著者
吉田 精作 渡邊 美咲 橋本 多美子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.218-222, 2020-12-25 (Released:2020-12-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

精白米の調理過程における有機リン系難燃剤(PFRs)の消長を検討した.精白米にPFRsを添加(500 ng/g)した後,水洗および炊飯を行い,PFRsの減少を観察した.3回の水洗において,観察した7種類のPFRsでは添加量の68~86%が除去された.最初の水洗において,添加量の約50~70%のPFRsが除去されていた.水洗および炊飯後の飯中PFRsの除去率は,電気炊飯器では74~94%,電子レンジ炊飯器では78~96%であった.水洗なしの無洗米(500 ng/g)での除去率は水洗および加熱をした場合より低く,電気炊飯器では10~50%,電子レンジ炊飯器では10~70%であった.精白米からのPFRs摂取量の低減には,炊飯前の水洗が効果的である.
著者
長坂 健二郎 小崎 丈太郎 橋本 宗明
出版者
日経BP社
雑誌
日経バイオビジネス (ISSN:13464426)
巻号頁・発行日
no.16, pp.70-73, 2002-09

創薬技術の変化が大規模企業をますます有利に。ゆえに規模拡大競争はエンドレスに続く。ただ恐竜には大きなエサが必要。中小製薬は市場の小さいニッチ分野に活路がある、と見る。「製薬再編の遅れは薬価制度のせい」と行政をばっさり。
著者
橋本 秀樹 大石 向江 三栗谷 久敏 佐々木 由紀子 中川 順一 鎌田 国広 阿部 則雄
出版者
特定非営利活動法人 化学生物総合管理学会
雑誌
化学生物総合管理
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.89-96, 2010

食品衛生検査施設における業務管理、いわゆるGLPに基づき、東京都食品衛生検査施設に対して内部点検を実施した。合計43施設を対象に内部点検を実施し、6施設に対し改善要請を行った。その内容は検査結果通知書の誤記や誤転記,検査実施標準作業書の未整備などに対するものであった。これら施設に対しては改善措置報告を受けた後、確認点検を実施し、その改善状況を確認した。あわせて、精度管理の実施状況についても点検を実施し、各施設の精度管理の状況について確認し、助言等を行った。
著者
勝浦 美沙子 岸 崇之 橋本 和典 石黒 久美子 小美野 勝 佐藤 和樹 阿部 和大 永井 智仁 西村 和幸 長原 光 永田 智
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.65-69, 2020-06-25 (Released:2020-06-25)
参考文献数
16

We report the clinical course of coronavirus disease 2019 (COVID-19) caused by severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) in two Japanese teenagers.Patient 1: :A 17-year-old girl complained of a fever, sore throat, and back pain for 2 days. A nasopharyngeal swab polymerase chain reaction (PCR) test for SARS-CoV-2 revealed positivity on the 17th day after the onset of symptoms. There was no remarkable change in complete blood count (CBC) and biochemical data. The virus tested negative on day 23. Patient 2: A 14-year-old girl, the sister of patient 1, complained of cough alone, and a nasopharyngeal swab PCR test revealed positivity for SARS-CoV-2 on the first day of the onset of symptoms. Her symptoms improved 3 days later. There were no remarkable changes in CBC and biochemical data on a blood test or findings of chest X-ray screening. The virus tested negative on day 10.Both patients exhibited mild symptoms for only a few days. Neither of the patients developed severe pneumonia or acute respiratory distress syndrome. However, it took 23 days for patient 1 and 10 days for patient 2 from the onset of the first symptoms for the virus to test negative on nasopharyngeal swab PCR testing. These cases indicate that patients with mild symptoms may spread the SARS-CoV-2 for the same duration as that of symptomatic patients. Hence, infection control among asymptomatic patients is very important to avoid human-to-human transmission in families or communities.
著者
菱木 麻美 橋本 博
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.286-291, 2009-10-31 (Released:2010-12-01)
参考文献数
26

TransLesion Synthesis (TLS) is a DNA damage tolerance mechanism that allows continued DNA synthesis, even in the presence of damaged DNA templates. In response to DNA damage, TLS polymerases are recruited to replication forks via interactions with ubiquitinated Proliferating Cell Nuclear Antigen (PCNA) involving PCNA-interacting protein box (PIP-box) and ubiquitin-binding domains (UBDs). We now report the first crystal structures of human PCNA in complex with three TLS polymerase peptides containing the non-canonical PIP-box. TLS polymerases interact with PCNA in different ways, both from one another and from canonical PIP-box peptides. Furthermore, we discuss these TLS polymerases interact with ubiquitinated PCNA.
著者
橋本 博 菱木 麻美 原 幸大 菊池 壮太郎
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.015-019, 2017 (Released:2017-01-26)
参考文献数
20

DNA damage tolerance (DTT) is a cell function to avoid replication arrest by DNA damage during DNA replication. DTT includes two pathways, translesion DNA synthesis (TLS) and template-switched DNA synthesis (TS), regulated by various molecular interactions. TLS is transient DNA synthesis using a damaged template by error-prone DNA polymerases specialized for DNA damage (TLS polymerases). TS, in which one newly synthesized strand is utilized as an undamaged template for replication by replicative polymerases, is error-free process. This review article describes recent progress in structural studies of proteins involved in TLS and TS.
著者
松川 周 橋本 保彦
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.307-312, 1995-03-20

Q1 ウィーニングとは? ウィーニング(weaning)とは,もともと“離乳あるいは離乳させること”であり,機械的人工換気を受けている患者の換気条件を変えていって最終的に自発換気に移行させる過程が,乳児の離乳の過程を連想させることから,患者が人工呼吸器から離脱していく過程を“ウィーニング”と呼びならわすようになった.しかし,ここで注意しなければならないのは,乳児の離乳が時期が来なければ開始できないように,何らかの機械的人工換気の補助を受けている患者を人工呼吸器から離脱(ウィーニング)させる場合も,それなりの条件が整わなければ不可能な点である. 患者が機械的人工換気を必要とするのにはそれぞれに理由・原因があり,根本原因が解決されていなければ人工呼吸器からの離脱の試みは患者にとって侵襲そのものになってしまう.われわれはしばしば“人工呼吸から離脱する”あるいは“ウィーニングを図る”といった表現をしがちだが,より正確には“患者の状態が改善して機械的人工換気を必要とする度合いが少なくなるのを見定めて,換気条件をより自発換気に近づけていく”のがウィーニングであるといってもよいであろう.さらに踏み込んでいえば,患者が人工換気を必要とする要因を1つ1つ無くしていく治療過程そのものがウィーニングであるともいえる.
著者
橋本 隆志 濱田 郷子 羽渕 琢哉 杉山 和雄 古屋 繁
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.61, 2014

本研究ではサービスを増幅させるための、5つの方法を考えた。<br>サービス工学の分野において、サービスの増幅方法は「強化」と「増殖」の2パターンが存在すると定義されている。<br>「強化」では、プロダクトライフサイクルにおける、様々なサービスを複合的に組み合わせて提供する方法を"サービスのカプセル化"と定義し、製品を持続させる10個の提供方法を考えた。<br>また、既存のサービスを発展させる"ホリスティックサービス"では、周囲の環境を利用して、共有サービスの本来の価値を高めることがわかった。<br>「増殖」では、使い手を増殖させるサービスを"カスタマイゼーション"と定義し、個別サービスのレベルを3段階に分けた。<br>ニーズに合った提供方法でサービス増殖させる"機器の目的"では、委託,代役,適応の3つの拡大方法を示した。<br>情報の窓口を増殖させる"ポータルサービス"では、既存の共有サービスのwebサイトを解析し、再分類をおこなった。
著者
中村 啓二 松本 範裕 黒田 晃 小牧 正子 野村 央文 大西 良祐 高瀬 裕章 松村 洋一 永畠 秀樹 橋本 良一 武田 康一 小林 大樹
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.7-10, 2010-03-31 (Released:2017-03-02)
参考文献数
1

「山田錦」並の酒造適性をもち,石川県で安定生産可能な早生品種「石川酒52号」を,「予236(五百万石/フクヒカリ)」を母本,「新潟酒28号(後の「一本〆」)」を父本とする交配組合せから育成した.出穂期および成熟期は,それぞれ「五百万石」とほぼ同じである.稈長は「山田錦」よりも20cm程度短く,収量性は「五百万石」並である.耐倒伏性は「五百万石」にやや優り,穂発芽性は「山田錦」の"やや易"に対して"中",脱粒性は「山田錦」の"易"に対して"難"である.玄米千粒重は「五百万石」並,心白発現率は「山田錦」より高い.試験醸造による酒造適性評価は「山田錦」並に高い.現在,「石川門」の愛称で流通している.