著者
朴 武田
出版者
The Society of Life Support Engineering
雑誌
ライフサポート (ISSN:13419455)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.119-124, 2000-12-30 (Released:2010-07-21)
参考文献数
5

Non-Invasive Blood Pressure Monitor(NIBP)is widely used in the clinical fields, as one of the most important vital sign monitors. Monitoring of blood pressure will suffer from the body movement of patients by spontaneity or medical treatments. Further more these devices utilize pulsation caused by the heartbeats cannot work in case of weak heartbeats. This study has given an answer to the above problems by using 6, 000 data taken from NIBP devices in the clinical fields.
著者
石井 大輔 齋藤 淳美 宮川 和也 辻 稔 武田 弘志
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.66-74, 2016-03-31

がん患者の代表的な身体的苦痛である慢性疼痛が,患者の精神症状を増悪することが懸念されている.「痛み」の伝達経路は,情動調節に重要な脳部位である帯状回や扁桃体に直接的または間接的に入力しているため,痛み刺激自体がストレスへの対処(ストレスコーピング)に影響を及ぼす可能性が示唆される.本研究では,慢性疼痛がストレスコーピングに及ぼす影響について,マウスの強制水泳試験を用いて行動学的に検討した.その結果,炎症性慢性疼痛は,ストレスコーピングに影響を及ぼさなかった.一方,神経障害性慢性疼痛は,強制水泳試験における無動時間の短縮,すなわち,ストレス刺激に対する受動的コーピングの障害を惹起した.なお,この条件下において,オープンフィールド試験における探索行動およびロータロッド試験における運動協調性には特筆すべき変化は認められなかった.また,神経障害性急性疼痛は,ストレスコーピングに影響を及ぼさなかった.これらの所見から,神経障害性慢性疼痛は,ストレス刺激に対する受動的コーピングに影響を及ぼすことが考えられる.
著者
武田 憲昭
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 補冊 (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.Supplement41, pp.197-207, 1991-02-05 (Released:2012-11-27)
参考文献数
85
被引用文献数
1

Though many different pathologies cause vomiting, they can be divided into three categories. The first is vestibular vomiting such as that caused by motion sickness. The second is vomiting mediated by chemoreceptor trigger zone (CTZ) in the area postrema, such as that seen in poison-induced vomiting. The third is vomiting from the gastro-intestinal tract. Vestibular stimuli, signals from the CTZ, and afferent signals from the gastro-intestinal tract stimulate the vomiting center in the medulla to cause vomiting independently.Histamine H1-blockers (diphenhydramine, promethazine) prevent vestibular vomiting selectively. Dopamine D2-blockers (metoclopramide, domperidone) act on the CTZ to inhibit CTZ-mediated vomiting. Serotonin 5-HT3-blockers block afferent signals from the stomach induced by cisplatin. Diphenidol may inhibit the vomiting center because diphenidol prevents both motion and cisplatin-induced vomiting.
著者
両角 國男 武田 朝美
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.001-005, 2014-03-10 (Released:2014-05-12)
参考文献数
7

Standardization of renal allograft biopsy interpretation is necessary to guide therapy. This manuscript describes milestones of the Banff classification for renal allograft pathology developed by an international investigators conference.From small beginnings in 1991, the Banff working classification of renal allograft pathology has grown to be a major force for setting standards in renal transplant pathology. The meeting, classification, and consensus process have a unique history.Semiquantitative scorings of key lesions, such as tubulitis, interstitial inflammation, capillaritis, arteritis, and others, make a central core of the Banff scheme. The Banff classification proposed many new concepts related to pathogenesis of rejection. There are many important issues, including T-lymphocyte related rejaction, antibody-mediated rejection (ABMR), chronic active rejection, and C4d negative antibody-mediated rejection. ABMR is associated with heterogeneous phenotypes even within the same type of transplant.The willingness of the Banff process to continually adapt in response to new research and to improve potential weaknesses led to the implementation of six working groups in the following areas: isolated v-lesion, fibrosis scoring, glomerular lesions, molecular pathology, polyomavirus nephropathy, and quality assurance. Furthermore, compelling molecular research data led to the discussion of incorporation of omics technologies and the discovery of new tissue markers with the goal of soon combining histopathology and molecular parameters within the Banff working classification.
著者
三浦 拓也 山中 正紀 武田 直樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101189, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】体幹の安定性は従来,腹直筋や脊柱起立筋群などの体幹表層筋群の同時収縮により提供されると考えられてきた.しかしながら近年,これらの筋群の過剰な同時収縮はまた腰椎にかかる圧迫力を増加させ,腰痛発症のリスクとなり得るということも報告されており,体幹表層筋への依存は腰椎の安定性に対して負の影響をもたらす可能性が示唆されている.対して,腹横筋や腰部多裂筋を含む体幹深層筋群は直接的に,もしくは筋膜を介して間接的に腰椎に付着するため,その活動性を高めることで腰椎安定性を増加させることが可能であると言われている.しかしながら,増加した体幹深層筋群の活動性が表層筋群の活動性にどのような影響を与えるかについて同一研究内で報告したものは見当たらない.本研究の目的は,体幹深層筋群の活性化が表層筋群の活動性に与える影響について筋電図学的に調査することである.【方法】対象は,体幹や下肢に整形外科学的または神経学的既往歴の無い健常者6名(22.4 ± 1.1歳,166.9 ± 2.0 cm,60.5 ± 3.6 kg)とした.筋活動の記録にはワイヤレス表面筋電計(日本光電社製)を周波数1000 Hzで使用し,対象とする筋は右側の三角筋前部線維,腹直筋,外腹斜筋,内腹斜筋-腹横筋,脊柱起立筋,腰部多裂筋とした.実験プロトコルに関して,立位姿勢にて重量物(2,6 kg)を挙上させる課題を異なる条件にて実施した.条件は特に指示を出さずに行う通常挙上と,腹部引きこみ運動(Abdominal drawing-in maneuvers;ADIM)を行った状態での挙上の2つである.各条件において測定は計5回ずつ行い,得られた筋電データはband-pass filter(15-500 Hz)を実施した後にroot-mean-square(RMS)にて整流化した.全課題を終えた後に各筋における5秒間の最大等尺性収縮(MVIC)を取得し,これを用いて筋電データの標準化を行った.重量物挙上のonsetを加速度計にて決定し,その前後200 ms間の筋電データを解析に使用した.統計解析は各課題(2-N;2 kg-通常挙上,2-A;2 kg-ADIM挙上,6-N;6 kg-通常挙上,6-A;6 kg-ADIM挙上)の比較に一元配置分散分析(SPSS Advanced Statistics 17,IBM 社製)を使用し,post-hocにはFisher’s LSDを用いた.有意水準は5%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】本研究の被験者には事前に書面と口頭により研究の目的,実験内容,考えられる危険性,データの取り扱い方法等を説明し,理解と同意を得られた者のみ同意書に署名し,実験に参加した.本研究は本学保健科学研究院の倫理委員会の承認を得て行った.【結果】外腹斜筋は6-A挙上時,6-N挙上と比較して有意に活動量が減少し(p<0.05), 2-N挙上と比較して6-N挙上では有意に活動量が増加した(p<0.05).内腹斜筋-腹横筋では2,6 kgのそれぞれでADIM挙上時,通常挙上と比較して有意に活動量が増加した(p<0.05).脊柱起立筋では6-A挙上時,6-N挙上と比較して有意に活動量が減少し(p<0.05), 2-N挙上と比較して6-N挙上では有意に活動量が増加した(p<0.05).腹直筋および腰部多裂筋においては有意差は認められなかった.【考察】ADIMを行った状態での挙上課題において,外腹斜筋および脊柱起立筋では筋活動量の減少が認められた.このことは重量物挙上による体幹動揺に抗するための体幹表層筋群への努力要求量が減少したことを示唆するかもしれない.この努力要求量の減少は,ADIMにより体幹深層筋群が活性化され,これに伴う体幹安定性の増加がもたらしたものと推察される.実際に内腹斜筋-腹横筋ではADIM挙上時に有意にその活動量が増加している.腹直筋や腰部多裂筋において有意な差が認められなかったことについては,主に体幹伸展モーメントを必要とする本研究の課題特性が影響したものと考えられる.体幹深層筋群の筋活動計測に対してはこれまでワイヤー筋電計などの手法が用いられてきたが,本研究結果はそれら先行研究と同様の結果が得られたため表面筋電においても体幹深層筋群の活動性を捉えることが可能であると示唆された.また,体幹表層筋群の同時収縮は腰椎に対して力学的負荷増加といったリスクを伴う可能性があるため,その活動性を減少させる体幹深層筋群の活性化は腰椎の安定性に対して重要な働きを持つものと考えられる.この体幹深層筋群の活性化による腰椎安定性増加は,将来的な腰痛発症を予防するという観点から臨床家が取り組むべき課題であると思われる.【理学療法学研究としての意義】本研究により,体幹深層筋群の活性化が体幹表層筋群の活動性を減少させることが示唆された.本所見は将来的な腰痛発症を防ぐためにも重要な知見であり,腰痛に対するリハビリテーションの一助となるものと考える.
著者
武田 昌之
出版者
北海道東海大学
雑誌
北海道東海大学紀要. 人文社会科学系 (ISSN:09162089)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.109-123, 1991

The pacifists in the Weimar Era often disputed about the military execution of the League of Nations. Hans Wehberg, a scholar of international law and some other pacifists regarded it as the emergency measure, which could abolish the right of the self-defence. In other words, they criticized the inordinate expansion of the sovereignty in the modern nation states.
著者
福島 晟 武田 育郎 森 也寸志
出版者
島根大学
雑誌
島根大学生物資源科学部研究報告 (ISSN:13433644)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.41-46, 2001-12-20

This study aims to propose a procedure of a flood runoff analysis by the distributed runoff model using point rainfall data which are observed by the rain gages of tipping-bucket type . The previous study proposed two runoff routing models. The first one is a modfied model from the Long- and Short-Terms Runoff Model(LST-II model). The other is developed for the Kinematic Wave Storage Model(KiWS model). The proposed models have the advantage of possibility as a practical one to analyze a runoff phenomena considering the spatially distributed precipitation measured by radar rainfall measurement system. The present study is taken into acount for the input rainfall sequence calculated at the the grid cell, in which the observed ground raifall data in the watershed are converted to mesh data on the plane constructed by triangle network. In the same manner as the runoff analysis by the distributed model using radar rainfall data, it is shown that the runoff analysis is possible by applying the proposed input rainfall sequence to the previous runoff model proposed as the distributed type of KiWS model.13;13;従来の分布型流出モデルによる洪水流出解析では、流域平均雨量を入力降雨として雨水流モデルあるいは貯留関数法の適用が行われてきたが、現在では集中豪雨のような局地的な上に短時間に急変する降雨情報を分布型流出解析法に組み込むことの検討が可能となってきた。すなわち、レーダ雨量計情報を活用した水文観測システムが日本全国すべてを覆うように整備され、流域内の降雨域の移動、成長、減衰の様子が定量的に把握できるようになったことから、いわゆる降雨の時空間的分布特性を分布型流出モデルへの入力情報として反映させうる洪水流出解析法の開発・検討が可能となる環境が整ってきたといえる。13; そして、レーダによる観測降雨情報を活用した洪水予測システムの構築が注目されている。たとえば、気象庁では、山崩れ、がけ崩れの予測精度を向上させるために、「タンクモデル」と「レーダ・アメダス解析雨量」を組み合わせ、土壌水分量から土砂災害の危険度を見積もる「土壌雨量指数」を開発し、これを大雨注意報・大雨警報の発表基準に活用している。また、レーダ雨量データを活用し、国土地理院発行の数値地図に基づく疑似河道網と修正合理式を用いた流出解析法が検討され、洪水予測支援システムの開発が進められている。13; 前報では、こうした背景を踏まえ、レーダ雨量計で観測される流域内の降雨情報を活用した中小河川流域、あるいは河川上流域での洪水予測システムを構築することを基本目標に着手した検討の一部を報告した。もっとも、レーダ雨量計によるレーダメッシュ時間雨量値は、メッシュ直下の単独の地上転倒ます時間雨量値と比較した場合、平均雨量値に対して、±50% 程度の平均的な差異を有しているのが一般的とされている。したがって、現時点では、レーダ雨量計による面積雨量評価精度に問題が残されているといえ、この点は洪水流出予測精度に関係することにもなる。13; そこで、本報告では分布型流出モデルへの入力降雨系列の算定に流域内での地点雨量データを活用した手法を導入した流出解析を行い、入力降雨系列にレーダメッシュ雨量値を用いた流出解析との比較検討を行うための基礎入力降雨系列の算定的資料を得ることを目的に若干検討したことを述べる。
著者
村瀬 将隆 中島 勇介 武田 誠 川池 健司 松尾 直規
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_1441-I_1446, 2017

近年,東日本大震災による津波災害や,平成27年の鬼怒川破堤による洪水災害など,大規模な浸水災害が生じている.地下鉄や地下街など高度に地下空間が活用されている都市域に対して大規模な浸水災害が生ずれば,その氾濫形態は複雑化することが考えられ,地下空間の浸水被害のみでは無く,地下鉄の線路が新たな水路となり,他地域への浸水を広めることも考えられる.本研究は,名古屋と大阪の地下鉄を有する都市域を対象に,洪水破堤による大規模な浸水解析を行い,地下鉄の有無による浸水被害の違いや地域による浸水特性を明らかにする.
著者
前久保 博士 松嶋 喬 長瀬 清 小林 紀夫 大屋 隆介 白井 修 柏木 道彦 大谷 宣人 平井 堅博 武田 茂 田村 康史 上畠 泰 洞田 克己 武田 良一 小林 正伸 小山 稔 吉田 義一 山崎 康夫 斉藤 永仁 吉田 純一 白石 忠雄 岡田 文彦
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.20, no.9, pp.912-918, 1979
被引用文献数
1

肝予備能力判定のための検査法として注目されつつあるグルカゴン負荷後の血漿cAMP濃度の経時的変動な観察した,グルカゴンは生理食塩水に溶解後1μg/kgな経静脈的に投与し,投与前,10, 15, 20, 30分後に採血し血漿cAMP濃度を測定した.健康成人,回復期の急性肝炎,慢性肝炎,肝硬変とも負荷10分後に血漿cAMP濃度は最高となり以後漸次低下した.空腹時血漿cAMP濃度は健康成人に比べて肝硬変で高く,慢性肝炎でも高い例が多かったが,各症例の差が大きく診断的意義は少なかった.グルカゴン負荷後の血漿cAMP濃度は,肝硬変で10分後健康成人に比べて上昇は少なかったがその差は有意でなく,また慢性肝炎では健康成人に比べて高い例が多かった.したがってグルカゴン負荷10分後の血漿cAMP濃度の空腹時濃度に対する比を算出すると肝硬変では健康成人に比べて有意に低く慢性肝炎では高かったので,両疾患の鑑別に本試験が有用と考えられた.
著者
武田 香陽子 石突 諭 大野 裕昭 島森 美光
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.161-170, 2015-04-25 (Released:2017-03-03)
参考文献数
18
被引用文献数
1

目的 : 卒業基準を満たさなかった学生の学習状況の実態を把握し学習支援の在り方を検討する.方法 : 学習状況のアンケート調査を行い, その内容を成績別で比較した. さらに支援期間中の成績変化を解析した.結果 : 成績下位者は授業が理解できないため自習を希望していた. また, 卒業延期決定後から次年度授業開始までの顕著な成績低下が認められた.考察 : 授業が理解できず自習を希望する成績下位者に対しては授業前後の個別指導が必要と考えられた. また, 短期間で成績低下しないような分野 (領域) 横断型の勉強法の指導が有効と考えられた.
著者
武田 孝太 八馬 智
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.157, 2015 (Released:2015-06-11)

近年、土木構造物を観光資源として活用する「インフラツーリズム」という新しい旅行形態が注目を集めている。このインフラは大量生産品ではなく、地域の実情に合わせて一番最適な解を導きだしている。それは地域の特性を反映しているため、インフラを知る事で地域を理解する事が出来ると推測される。地域を理解することは地域活性化の手掛かりになると考え、このテーマを研究する事にした。 本研究では、インフラツーリズムが年間を通した地域固有の観光対象にするために、各地域で提案、実証し、一つの方法を示す事を目的とする。二つの地域で、産業観光のモニターツアーとインフラツーリズムの提案を行い、以下の成果が得られた。まず、福島県いわき市の産業観光のモニターツアーでは、その地域の産業施設などを実際に視察する事で、その地域がどういった経緯や文化を経て、形成されたのかを体感することができ、それによって地域の理解が深まるということがわかった。そして、立山インフラツーリズムでは、インフラは地域住民が気付いていなかった地域固有の観光資源に成り得る価値が潜んでいるという事がわかった
著者
杉原 敏道 有馬 慶美 郷 貴大 三島 誠一 武田 貴好
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.159-162, 2003 (Released:2003-08-13)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1 1

適切なメタ認知能力を兼ね備えた学生は問題を適切に感知することが可能となるため学力は高いと予想される。本研究では,理学療法における学生教育の一助とすべく,メタ認知能力と学力の関係について検討を行った。その結果,両項の間に有意な相関関係が認められた(r=0.95,p<0.01)。このことは,学力へのメタ認知の関与を明らかにするとともに,教授方略としてのメタ認知能力獲得の重要性を示唆するものと考えられた。したがって,学内教育においては,単に知識を伝授するような教授方略を用いるのではなく,メタ認知能力を促すような教授方略を用いることが重要であると考察された。
著者
武田 一哉
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2016-MUS-111, no.3, pp.1, 2016-05-14

机の前の本棚の目に着く場所に 2 つの学位論文を置いている.一つは学生時代の指導教官であった池谷和夫先生の論文 「形成振動板に関する研究」 もう一つは,若手教員時代の上司であった板倉文忠先生の論文 「統計的手法による音声分析合成系に関する研究」 だ.共に電電公社の研究所で執筆された 2 つの論文である.物理数学の集大成のような前者と,確率数理を駆使した後者.おなじ 「音学」 の論文でありながら,この 2 つの論文のアプローチには,12 年間という出版年の違い以上に本質的な違いがある.物理学としての音学から,情報学としての音学へ,我々はそんな変化の中で音学を研究して来たのだ.そして思い返せば,この音学の変化こそ,データサイエンスという巨大なパラダイムシフトの前兆であったのだ.