著者
武田 尚子
出版者
武蔵社会学会
雑誌
武蔵社会学論集 : ソシオロジスト : Journal of the Musashi Sociological Society (ISSN:13446827)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.15, pp.47-94, 2013-03-22

本稿は,イギリスのB.S.ロウントリーが1836年に着手した第二次ヨーク貧困調査の特徴と意義について探る。B.S.ロウントリーは第一次ヨーク貧困調査(1899年)で,絶対的貧困(第1次貧困=貧困線以下の身体的・生理的維持が不可能な貧困)概念を提示したが,「絶対的貧困」の境界線を貧困線とすることに拘泥し続けたわけではない。第二次ヨーク貧困調査では,「余裕費」を組み込んだ「人間的必要基準」という概念を示し,「人間的必要基準」線を境界線にした。このアイデアはベヴァリッジに影響を与え,1942 年12 月に公表されたベヴァリッジ委員会による『社会保険とサービスに関する報告書』(ベヴァリッジ・レポート)の最低生活費の算定に反映された。「ベヴァリッジ・レポート」の理念は第二次大戦後,国家による社会保障制度の整備につながってゆくが,初期の成果として挙げられるのが家族手当である。B.S. ロウントリーは,第二次ヨーク貧困調査の知見に基づき,家族手当の実現に尽力した一人であった。
著者
小俣 正輝 武田 行生 ツォイ ユン ホー
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
機素潤滑設計部門講演会講演論文集 (ISSN:13483919)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.10, pp.181-182, 2010-04-18

This paper presents the peg-in-hole task by a position-orientation decoupled parallel manipulator. This manipulator can achieve fast and accurate positioning and fine orientation adjustment of the platform. In order to enable the peg-in-hole task by this manipulator without force sensor on the platform for reduction of cost and moving mass, impedance control system with estimation of external force on the platform by measuring motor torque has been constructed. Controller design taking into account the allowable limit of position error and contact force has been presented. Experimental result of peg-in-hole task illustrates that the proposed impedance control system was properly designed.
著者
小田 亮 大 めぐみ 丹羽 雄輝 五百部 裕 清成 透子 武田 美亜 平石 界
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.28-36, 2013 (Released:2013-07-01)
参考文献数
30
被引用文献数
11 28

This study describes the development and evaluation of the Self-Report Altruism Scale Distinguished by the Recipient (SRAS-DR). The relationship between an actor and a recipient is important for evolutionary studies of altruistic behavior. However, the existing scale for Japanese undergraduates does not distinguish recipients of altruistic behaviors. We developed a new self-report altruism scale based on an evolutionary viewpoint. In Study 1, undergraduate students described their altruistic behaviors in daily life, which we classified according to the recipients (family members, friends or acquaintances and strangers). Then we chose 21 items (7 items for each recipient class) to construct the SRAS-DR by using exploratory factor analyses. In Study 2, we investigated validity and reliability of the scale. The scores were significantly correlated with other relevant scales as well as with behavioral indicators. Test-retest reliability was high. These results indicate that the SRAS-DR has acceptable reliability and validity, and can be used in evolutionary studies of human altruism.
著者
吉田 克志 武田 善行
出版者
農業技術研究機構野菜茶業研究所
雑誌
野菜茶業研究所研究報告 (ISSN:13466984)
巻号頁・発行日
no.3, pp.137-146, 2004-03

チャの重要病害である炭疽病の抵抗性検定法を確立するため,付傷接種による抵抗性検定法を検討した。ジャガイモ蔗糖液体培地にメチルセルロース400cPを最終濃度3%(w/v)になるように混合し,これに炭疽病菌分生子を加え,最終濃度が1×10 7個/mlになるように調整した分生子懸濁液を検定に供試した。チャ炭疽病菌分生子懸濁液を付着させた,3mm幅のマイナスドライバーを用いて,充分に硬化したチャ成葉を十字型に付傷すると同時に接種を行った。その後,湿室・暗黒下で26℃,18時間静置した後,オアシス(R)育苗成型培地に接種葉を挿し,湿室条件下で2週間培養すると,その品種の炭疽病拡大抵抗性の強さを反映した,炭疽病の病斑形成が認められた。炭疽病抵抗性の強さを病斑の大きさにより,極強(3mm未満),強(3-5mm未満),中(5-8mm未満)および弱(8mm以上)の4段階に類別した。また,成葉の供試時期の違いにかかわらず再現性の高い結果が得られた。本検定法はチャの拡大抵抗性を調査するもので,圃場抵抗性を直接反映するものではないが,圃場における炭疽病自然発生の程度と本検定法の結果は類似性が高いこと,幼木から採取した成葉も検定法に供試できることから,本検定法はチャ育種における炭疽病抵抗性系統の早期選抜に利用可能であると考えられる。
著者
武田 秀樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

KIBITはFRONTEOが独自に開発したテキスト解析の特化した人工知能エンジンです。比較的少量のデータから「価値観」(暗黙知・判断基準)を学習し、大量のデータからその「価値観」に沿って情報を抽出したり、分類することができるという特長をもっています。その適用範囲は広く、マーケティングをはじめとして、実際にさまざまな分野での利用が広がっています。分野によっては、KIBITの抽出したデータをもとに、将来の行動を予測するという活用をされている例もあります。今回はKIBIT開発の背景、KIBITの特長、実際の導入事例などをご紹介させていただきます。人工知能関連ビジネスの現場から「世界価値観とマーケティング」というテーマに繋がるヒントをご提供できればと考えています。
著者
臼井 陽一郎 市川 顕 小山 晶子 小林 正英 小松崎 利明 武田 健 東野 篤子 福海 さやか 松尾 秀哉 吉沢 晃
出版者
新潟国際情報大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

(1)先行研究のレビューを進めるとともに、海外学会(英国EU学会など)に参加、さらにブリュッセルなどヨーロッパ諸国で実務者および海外研究者にアクセス、インタビューを実施するなかで、本研究課題に関わる研究状況をサーベイし、<EUの規範パワーの持続性>という研究テーマの意義およびアクチュアリティについて再確認できた。規範パワー論はEU政治研究においていまだ<終わった>研究課題ではなかった。(2)研究会を3回実施(関学大・東海大・新潟国際情報大)、理論枠組と役割分担の微調整を行った。また4名の研究協力者に参加してもらい、理論枠組と実証事例の整合性について批判的視点を加えてもらった。この一連の研究会の結果、規範パワーたろうとする加盟国首脳の政治意思と、EUの対外関係にみられる4つの制度的特徴(マルチアクターシップ・シンクロナイゼーション・リーガライゼーション・メインストリーミング)の関係性をどう理論的に突き詰めていくかについて、メンバー間に意見の不一致があることが分かり、今後の理論的討究の課題が浮き彫りとなった。それは大きくは、合理主義アプローチに依拠した因果関係として仮説化していくべきか、それとも構成主義アプローチに依拠した構造化プロセスの把握を目指していくべきなのか、という二つのアプローチの対抗関係であり、次年度の研究会で詰めていくべき課題となった。なお4年後の研究成果発表のため、メンバーそれぞれの研究課題を仮題として章立てを作り、出版社を決め、出版へ向けた交渉に入った。
著者
武田 文男 竹内 潔 水山 高久
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.17-02, 2017-04

大規模な災害は発生自体が稀有であり,実体験からの対策には限界があるため,地域内での世代を超えた伝承や他地域からの伝聞に頼らざるを得ない。東日本大震災後の災害対策基本法の大改正において,「災害教訓の伝承」についても明記されたが,その他の災害対策に関する取り組みに比べ研究が進んでいない。本研究では,地方自治体における災害教訓伝承の取り組みの実態を把握するため,全国の都道府県・政令指定都市・県庁所在市・特別区の合計121団体に対して調査票を送付し,87団体(72%)から回答を得た。その結果,特に近年の大規模な災害を経験している地域の取り組みが顕著であり,その他の地域との連携や情報共有が課題であることが浮き彫りとなった。わが国の防災・危機管理政策が進展することを心から願うとともに,本研究がその一助となれば幸いである。Large-scale disasters are rare, and countermeasures from actual experiences are limited, so we have no choice but to depend on tradition over generations in the region and hearings from other regions. In the revision of the Basic Act on Disaster Control Measures after the Great East Japan Earthquake, "Transfer of Lessons Learned from Disaster" was also stated, but research has not been advanced as compared with other disaster countermeasures efforts.In this research, a survey form was sent to a total of 121 authorities nationwide (47 prefectures, 20 ordinance-designated cities, 31 prefectural capital cities and 23 special wards in Tokyo) in order to grasp the actual situation of efforts for transfer of lessons learned from disaster in local governments, we eventurally got a response from 87 author-ities (72%). As a result, in particular, efforts in areas experienced large-scale disasters in recent years are notable, reveal-ing that cooperation with other areas and information sharing are issues.I sincerely hope that Japan's disaster prevention and crisis management policy will progress, and I hope this research will be of assistance.
著者
武田 紀久子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.765-771, 1992-08-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
18

小麦粉のケーキの膨化に対するエージング処理の影響を明らかにするために, 人工的にエージングさせた粉の脱脂・再構成粉を作製, 粉の特性およびスポンジケーキの品質を測定し, 次の結果を得た。(1) 小麦粉のエージングにより遊離脂質が減少し, その組成中遊離脂肪酸が増加した.粉一水懸濁液の室温時のかたさおよび粘度は粉のエージングにより大幅に増加した.(2) アミログラフによる最高粘度は, エージング粉をベースにした方が大きく, しかもエージング脂質を添加した方が大きかった.(3) エージング粉の冷却糊は, オリジナル粉よりもかたく付着性は小さかった.また, オリジナル脂質添加よりもエージング脂質添加の方が糊のかたさは柔らかく, 付着性は大であった.(4) 脱脂粉のケーキは最も比容積が小さいが, 脂質添加により比容積は大となった.また, オリジナル粉をベースとした場合, ケーキの膨化にエージング脂質の添加が有効であったが, エージング粉がベースの場合, 添加脂質の種類によらず, ケーキの比容積はオリジナル粉よりも大であった.(5) 以上より, ケーキの膨化に対する小麦粉のエージング効果は脱脂粉成分 (ベース) と遊離脂質の両方の変化に起因すると考えられた.
著者
下尾 聰夫 早津 俊秀 成澤 雅紀 武田 道夫 市川 宏 瀬口 忠男 岡村 清人
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会学術論文誌 : Nippon Seramikkusu Kyokai gakujutsu ronbunshi (ISSN:18821022)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1180, pp.1379-1383, 1993-12-01
被引用文献数
10 10

The pyrolysis of the low oxygen (1.7% O) SiC fiber prepared by the electron-irradiation curing method has been investigated. The pyrolytic rate was measured with a thermobalance in Ar at temperatures from 1673 to 1973K. The pyrolyzed fiber was examined by X-ray diffraction, SEM observation, specific resistance measurement and tensile test. Lowering of oxygen content in the fiber was found to be effective for the suppression of pyrolysis. The pyrolyzed fiber was composed of β-SiC and amorphous carbon. The growth and coarsening of SiC crystals were observed on the skin of the fiber, while the core was smooth and remained in the microcrystalline state. The tensile strength of the fiber, which was heated at 1973K for 3.6ks, retained 34% of that of the original fiber. The strength was correlated closely with the size of the β-SiC crystal in the fiber.
著者
武田 真人 矢田 紀子 長尾 智晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.10, pp.1631-1639, 2011-10-01
被引用文献数
1

人は不審物に関する情報がなくても,普段見かけない物に注目し意識を向けることによって結果的に不審物を見つけることができる.このような検知が可能なのは,環境を繰り返し観測することによって次第に反応しなくなるように刺激が記憶されたり,反応しなくなるような領域が形成されたりすることで環境の通常状態といえるものが記憶されているためと我々は考えている.そこで本論文では,監視カメラに代表される固定カメラからの映像を用い,環境に応じてそのような通常状態を表現するネットワークモデルを提案する.実験では,車両や歩行者を検知対象の異常として定義した侵入物体検知問題を扱い,異常とされる領域への提案モデルの出力を評価することでその有効性を検証した.
著者
春原 浩樹 水山 高久 武田 文男
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.16-32, 2017-03

災害危険区域は昭和25(1950)年の建築基準法制定時に創設された制度で,これまでに22千箇所以上が指定され,区域外への移転を支援する制度も用意されているが,区域内にはまだ多数の住宅・建築物が存在する.本研究は,災害危険区域について,国会会議録に基づくこれまでの議論の整理,国土交通省の調査に基づくこれまでの指定状況の整理,関係県・市町村の条例に基づく現在の建築禁止・建築制限の内容の複数の指定理由にまたがる横断的な調査・分析を行うとともに,区域内の建築物の安全性向上のための改修支援策の事例を調査することにより,災害危険区域における今後の対応の可能性を検討しようとするものである.The disaster risk area designation was created when the Building Standard Law was enacted in 1950, and so far more than 22, 000 areas have received the designation. Assistance programs for reloca-tion to a non-designated area are available, but a large number of buildings, residential or otherwise, still remain in designated areas. This study aims to explore possible future policies for disaster risk areas by conducting a systematic review of past debates on the issue using the Diet records; an overview of past designations based on the survey conducted by the Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism; and a cross-sectional analysis of present prohibitions and restrictions on buildings imposed by the respective municipal and/or prefectural ordinances relative to the type of hazard identified for the designation. The study also includes a survey of the actual measures to promote renovation in disaster risk areas with the objective of upgrading the safety of buildings therein.
著者
鬼頭 慎司 若杉(佐藤) 奈緒 松本(武田) 忍 小田 昌史 田中 達朗 深井 康弘 時津 高俊 森本 泰宏
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
雑誌
歯科放射線
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.41-47, 2009

<B>Background:</B> To provide oral healthcare for patients of all ages, dental welfare environments and technical aspects of dentistry have evolved and developed and dental education must also diversify. Student-centered voluntary education and establishment of a life-long self-learning environment are becoming increasingly important in the changing world of dental education. In this article, we introduce a new process for the construction of a web-mediated database containing internet-based teaching files on the normal radiological anatomy of panoramic radiographs and CT images of the oral and maxillofacial regions, as well as a system for the delivery of visual learning materials through an intra-faculty local network. This process was developed by our 5<SUP>th</SUP>-year undergraduate students.<BR><B>Methods:</B> Animated CT scan images were produced using Macintosh Iphoto and Imovie animation software. Normal anatomical images of panoramic radiographs and CT scans were produced using Adobe Illustrator CS and Adobe Photoshop CS. The web database was constructed using Macromedia Dreamweaver MX and Microsoft Internet Explorer. This project was the basis of our participation in the Student Clinician Research Program (SCRP).<BR><B>Results:</B> At Kyushu Dental College, we developed a new series of teaching files on the web. Uploading these teaching files to the internet allowed many individuals to access the information. Viewers can easily select the area of study that they wish to examine.<BR><B>Conclusions:</B> These processes suggest that our laboratory practice is a useful tool for promoting students' motivation and improving life-long self learning in dental radiology. We expect that many medical and dental students, practitioners and patients will be able to use our teaching files to learn about the normal radiological anatomy of the oral and maxillofacial regions.
著者
マルタ ルーカス 宮島 千代美 伊藤 克亘 武田 一哉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.73, pp.19-24, 2006-07-07

運転者のブレーキ操作や発話内容から,運転中の危険な状況を検出する手法について検討した.ブレーキに基づく検出では,ペダル踏力とその時間変化の2次元ヒストグラムを用いて,通常と分布が異なる箇所を検出した.発話に基づく検出では,危険な状況で発すると考えられる単語を音声の書き起こしテキストから検出した.CIAIR対話音声・運転行動信号コーパスのうち,人間と対話中のテータ438名分に対して,人手でビデオ映像と運転行動信号を確認しながら危険なシーンのラベル付けを行った結果,計25箇所の危険なシーンが見つかった.これらのうち,ブレーキ信号,あるいは発話内容に何らかの異常を伴うシーンがそれぞれ17箇所,11箇所存在した.ブレーキ,発話それぞれに基づいて検出を行った結果,80%の正解シーンを検出するために必要な誤検出数はブレーキで473シーン,発話で33シーンであった.また,Wozシステム,音声対話システムの対話中のデータについても同様の実験を行った.We introduce a method for automatically detecting potentially dangerous situations in motor vehicle traffic using driving behavior signals. Our proposed approach focuses on changes in a driver`s behavior, which we detect through brake pedal operation as well as driver speech. Experiments were performed using a large multimedia driving database obtained from the CIAIR project at Nagoya University. We analyzed data from 438 drivers who interacted verbally with a human operator. In eleven of the 25 situations we hand labeled as potentially hazardous, drivers uttered expletive words to express nagative feelings. In 17, sudden and intense compression of the brake pedal was observed. For the detection of 80% of these 17 scenes, the proposed method based on 2D-histograms of brake pressure and its dynamics also detected 473 false positives. As for the other eleven scenes, using our lexicographical speech feature-based method, a detection rate of 80% was achieved for 33 false alarms. We also present an analysis of data recorded while drivers interacted with a machine and a Wizard of Oz system.
著者
尾崎 晃 マルタ ルーカス 西脇 由博 宮島 千代美 北岡 教英 武田 一哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.312, pp.33-38, 2008-11-13
被引用文献数
4

自動車の運転とそれに付随する音声対話を観測した,マルチメディア信号コーパスを構築している.広い範囲の人間の『行動』を,様々な視点から説明できるモデルの研究を推進することを究極の目的として,音声・映像により記録される自動車内外の状況に加え,動作,生理,心理といった運転者の状況,速度や車間距離といった自動車の状況を様々なセンサーにより計測している.さらに,米国,トルコ等との国際協調により,海外の2拠点ともほぼ同じ方法でデータ収集を行った.本稿では,コーパス構築の状況と収集されたデータについて概説するとともに,収集したマルチメディア信号を用いた研究の概要について報告する.

1 0 0 0 OA 新陸軍読本

著者
武田謙二 著
出版者
高山書院
巻号頁・発行日
1940
著者
比留間 伸行 橋本 佳三 武田 常広
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.1293-1300, 1994-10-20
被引用文献数
13

両眼融合式立体テレビの試作番組を観視している被験者の調節応答を, 眼球運動を追尾して測定可能なTDO III(Three-Dimensional Optometer III)で測定を行った.試作番組は, 2系統のハイビジョンカメラとVTRで制作してNTSCにダウンコンバートし, 液晶シャッタを用いた時分割立体ディスプレイで提示した.番組観視中は, 通常の平面のディスプレイの場合に比べ, 被験者の眼球の焦点位置が近方に調節される傾向があること, また, シーンのカット切り換えの直後に被写体が画面いっぱいに現われ, 距離感が急激に変化するような演出の立体画像や, 主な被写体がスクリーン面より手前にある画像では, この効果が強く現れることが計測された.これらの知見は, 立体画像の視覚への影響の解明や立体テレビ番組の制作に役立つであろう.
著者
川口 安郎 中村 芳正 佐藤 俊幸 武田 節夫 丸中 照義 藤井 節郎
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.98, no.4, pp.525-536, 1978
被引用文献数
8

After oral administration of 5-fluoro-1, 3-bis (tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (FD-1), the level of 5-fluoro-2, 4-pyrimidinedione (5-FU) was 5 to 7 times higher in the plasma and normal tissues and 8 to 12 times in tumor tissue than after administration of 5-fluoro-1-(tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (FT). Moreover, these levels were maintained longer than after administration of FT. In tumor tissue, the concentration of 5-FU was still as high as 1.42 &mu;g/g 12 hr after administration of FD-1. FD-1 was degraded to 5-fluoro-3-(tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (3-FT) by liver microsomal drug-metabolizing enzymes in vitro and to FT spontaneously. Subsequently, FT was converted enzymically to the active substance, 5-FU, and 3-FT changed to 5-FU spontaneously. Conversion of FD-1 to 5-FU via 3-FT was greater than via FT. It is concluded that a large amount of 5-FU formed after administration of FD-1 is formed via 3-FT. &gamma;-Hydroxybutyric acid was found to be formed in vivo and in vitro from the tetrahydrofuranyl group of FD-1.
著者
武田 清子
出版者
国際基督教大学
雑誌
国際基督教大学学報. I-A, 教育研究 (ISSN:04523318)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.73-143, 1955

I. Preface: The purpose of this study is to seek an insight on Christian Philosophy of Education in Japan relation to the conflict between the traditional and nationalistic concept of man and the Christian concept of man. II. The ethical question raised by the early Protestants. Criticism of the Confucian ethics on which the feudalistic and Tennoistic social and ethical structure was founded, at the same time introducing the points made by Hiromichi Kozaki's "New Essay on Politics and Religion," and Naomi Tamura's "Christianity and Politics." III. The Shimmin Education (education to mold the people. as the subjects of the Emperor) propagated by the nationalists. The educational thought of the leading nationalistic edu. cators (such as Arinori Mori, Nagazane Motoda and Shigeki Nishimura), who on the basis of Confucian ethical teaching sougnt to make the Emperor the ethical as well as political head. of paternalistic family-nation. IV. The controversy between national education and Christianity. 1) The criticism of Christianity made by the outstanding nationalistic scholar, prof. Tetsujiro Inoue of Tokyo Imperial University. 2) The criticism of Christianity made by Buddhists. 3) The refutation by the Christians, both the Catholics and the Protestants. V. Some problems of Christian Philosophy of Education in Japan. 1) Problem of the authority of nation and Emperor. 2) Loyal and filial piety as the foundation of ethics. 3) The problem of concept of man "to be as a part" or "to be as oneself."