著者
小川 和鋭 荒井 昌紀 長縄 博 池田 洋子 近藤 信一
出版者
The Japanese Society of Applied Glycoscience
雑誌
Journal of Applied Glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.325-330, 2001-08-20 (Released:2011-02-23)
参考文献数
21
被引用文献数
11 13

Chlorella vulgarisK22株(クロレラ工業)藻体より,中性多糖を得て,化学構造を検討した.部分酸加水分解法で,3種の新規な二糖,6-O-(3-O-methyl-β-D-galactopyranosyl)-D-galactopyranose,6-O-β-D-galactopyranosyl-3-O-methyl-D-galactopyranoseと6-O-(3-O-methyl--D-galactopyranosyl)-3-O-methyl-D-galactopyranose,およびβ-1,3-,β-1,6-結合のガラクトニ糖あるいは三糖を得たことから,この中性多糖は新規なβ-D-ガラクタンである.さらにこの中性多糖とその部分分解多糖のメチル化分析より,主鎖にβ-1,3-結合を,側鎖にβ-1,6-結合を含むこと,分岐領域にはβ-1,6-結合の3-O-メチル-D-ガラクトース残基をもつこと,また,側鎖の長さはこのモノメチル化糖を含めて14ガラクトース残基であることが示唆された.
著者
松元 俊 久保 智英 井澤 修平 池田 大樹 高橋 正也 甲田 茂樹
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.1-11, 2022-01-20 (Released:2022-01-25)
参考文献数
38

目的:日本においてトラックドライバーは脳・心臓疾患による過労死や健康起因事故が多い職種である.また,トラックドライバーは,脳・心臓疾患のリスクである高血圧症,肥満,高脂血症,糖尿病に関連する項目の定期健診での有所見率も高い.そこで,トラックドライバーの過労死防止策の立案に向けて,職種の特徴を踏まえた労働生活条件と,脳・心臓疾患に高血圧症,肥満,高脂血症,糖尿病を含めた健康障害,疾患前としての過労状態との関連について検討した.対象と方法:全国のトラックドライバーを対象として,上記の健康障害の既往歴および過労状態を含む,基本属性,生活習慣,働き方,休み方,運転労働の負担について質問紙調査を行った.47都道府県の1,082のトラック運送事業所に5部ずつ合計5,410部を配送し,1,992部を回収した(回収率36.8%).そのうち,女性41人および性別不明4件を除く男性1947人を解析対象とした.労働生活条件と各種健康障害との関連は多重ロジスティック回帰分析を用いて検証した.結果:解析対象トラックドライバーにおいて,肥満は22.2%,高血圧症は19.3%,高脂血症は8.5%,糖尿病は5.6%,心臓疾患は2.5%,脳血管疾患は0.7%,過労状態は6.0%に見られた.多重ロジスティック回帰分析の結果,健康障害の既往歴は,運行形態が長距離2泊以上と地場夜間早朝,勤務日の早朝覚醒有り,休日の過し方が不活発,夜間運転の重い負担と有意な関連が示された.また,過労状態は,勤務日の中途覚醒および睡眠不足感有り,休日の睡眠時間が6時間未満および睡眠不足感有り,ひと月あたりの休日数が0–3日,運転・夜間運転・作業環境の重い負担と有意な関連が示された.考察と結論:トラックドライバーにおける健康障害および過労状態と有意な関連は,夜間・早朝勤務への従事および夜間運転の負担が重いこと,また夜間・早朝勤務に付随する睡眠の量と質の低下に見られた.本研究より,過労死防止策を念頭に置いた勤務の改善点として,夜間運転の負担軽減や,十分な夜間睡眠取得および活動的に過ごすための休日配置の重要性が示唆された.
著者
吉松 孝 池田 美奈子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第68回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.286, 2021 (Released:2022-02-23)

筆者は,これまでの研究で,米中シットコムの笑い(ラフ・トラックの挿入ポイント)と言語的特性について,どういった要因が,シットコムの笑いの挿入ポイントの差異に影響を与えているのかを述べた.しかし,米中シットコムの笑いや作風の差異の背景は,言語的特性のみではない.とりわけ,制作者や視聴者といった国民性としての思考習慣(考え方)の違いも重要な要因と考えられる.そこで,本研究では,思考習慣を複数の視点に分け,米中シットコムのテキストを,分析的思考,全体的思考,演繹性,機能性,低コンテクスト,高コンテクストがどこに見られるかという視点から分析した.その結果,米国シットコムには,演繹性,分析性が見られ,中国シットコムから,帰納性は1例しか見られなかった.一つの事柄から分析的に話を展開していくのは,シットコムの特性でもあり,分析しながら話を進めていくような傾向は米中シットコムどちらにも見られた.思考習慣に関する先行研究では,中国人は分析的でないとされてきたが,中国シットコムでは,シットコムの特性から,分析的と解釈されるようなテキストも用いられていることが分かった.
著者
池田 浩 秋保 亮太 金山 正樹 藤田 智博 後藤 学 河合 学
出版者
産業・組織心理学会
雑誌
産業・組織心理学研究 (ISSN:09170391)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.133-146, 2021 (Released:2022-04-29)

Organizations require employees to work safely; they must perform their occupations in a safe manner in order to avoid human errors or incidents. However, there is a dearth of empirical research that examines the motivation to adhere to safety standards as an antecedent for employees’ safety behaviors. The purpose of this study was to develop a scale that would measure the motivation to work safely and examine the self-worth sufficiency model as a source of this motivation in medical and health organizations. Items associated with safety motivation were developed based on Neal and Griffin’s (2006) work on a prior scale. A survey (n = 558) in Study 1 demonstrated that an exploratory factor analysis revealed five factors: accomplishment, competition, cooperation, learning, and new safetyoriented motivation. These results suggested that safety-oriented motivation was distinct from achievement-oriented motivation. Furthermore, a different survey (n = 517) showed that pride and a sense of social contribution had a strong effect on the motivation to work safely. Study 2 evaluated the effect of the self-worth sufficiency model as a source of work motivation and identified that this effect was particularly salient in jobs in which the avoidance of failure is paramount. Taken together, this series of studies highlighted the self-worth sufficiency model’s potential in improving employees motivation to work safely, especially for jobs in which the avoidance of failure is paramount.
著者
池田 和子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.48-56, 2021 (Released:2021-03-02)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

本研究は,若者の「聖地巡礼」経験の実態を明らかにするため,小山工業高等専門学校1年次生205名へのアンケートを分析したものである.聖地巡礼経験は学生の約4分の1にみられ,未経験の学生も約3分の1は行ってみたいと考えていた.作品はアニメが中心だが,実写なども含まれた.訪問先は東京都区部が特に多く,次いで近隣の北関東が多いが,国外を含め広範囲にみられた.回答者の能動的な訪問では,効率よく回遊できる東京都心が選ばれる一方,地元への関心を背景とした訪問がある.訪問に至る過程は多様で,訪問意思の強さも一様ではない.訪問は作品の熱心なファンによるものだけでなく,他の目的のついでなどでも行われていた.また訪問には映像との関わりが強く,作品の映像美や聖地巡礼動画に触発されていた.若者の「聖地巡礼」は,幅広い関心度と多様な目的で行われる,身近な観光・レジャーといえる.
著者
有吉 美恵 池田 浩 縄田 健悟 山口 裕幸
出版者
産業・組織心理学会
雑誌
産業・組織心理学研究 (ISSN:09170391)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.3-14, 2018 (Released:2019-11-14)
被引用文献数
1

Conventional work motivation theories have focused on tasks that require a certain level of performance and achievement. However, it is not clear what kind of psychological process would improve work motivation for performing jobs in which such performances and achievements are not presupposed. By focusing on social contribution, this study aimed to clarify the psychological process to improve work motivation of jobs in which do not require objective or concrete performances and achievements. A survey was conducted on 179 operators from 6 call centers. The questionnaire comprised items on sense of social contribution, feedback from supervisor, work motivation, and work behavior with consideration for the customer. The results showed that the sense of social contribution to customers and to organization mediated the association between positive feedback from supervisors and work motivation. However, negative feedback from supervisors did not have a significant relationship with sense of social contribution and work motivation. These results suggest the importance of enhancing the experience of a sense of contribution to others through the provision of positive feedback while managing jobs in which do not require objective or concrete performances and achievements.
著者
池田 祥英
出版者
日仏社会学会
雑誌
日仏社会学会年報 (ISSN:13437313)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.61-80, 2000-10-20 (Released:2017-06-09)

On meconnaissait la sociologie de Gabriel Tarde a cause du caractere psychologique du mot <<imitation>>. Sans doute la theorie tardienne estelle souvent qualifiee <<psychologique>>, mais cette estimation nous empeche de comprendre pourquoi il a insiste sur l'etablissement de la nouvelle discipline, sociologie. Dans cet article, nous reconsiderons les significations du concept de l'<<imitation>> dans ses Lois de l'imitation. Nous clarifions que s'il a utilise le mot <<imitation>> ce n'etait pas qu'il a insiste sur le psychologisme, mais qu'il a vise a etablir la sociologie scientifique. Le concept de l'<<imitation>> a trois aspects: 1° l'hypnose, cote psychologique; 2° une forme de la repetition universelle que toutes les sciences doivent traiter; 3° la quantification de la sociologie par l'utilisation des concepts quantitatifs, <<croyance>> et <<desir>>. (Paragraphe I) Nous considerons que Tarde a vise a expliquer le changement social, qui est un phenomene macrosociologique, du point de vue microsociologique, c'est-a-dire de l'imitation. Il a explique que les initiatives individuelles creaient ou modifiaient la societe, et que les rapports entre les hommes passaient de l'unilateral au reciproque, en traitant les lois logiques de l'imitation et ses influences extra-logiques. (Paragraphe II) Nous envisageons la critique de la theorie du changement social d'Emile Durkheim par Tarde en la liant avec la theorie de ce dernier dans Les lois de l'imitation. Alors que Durkheim a presente la formule du passage de la solidarite mecanique, qui presuppose la ressemblance entre les personnes, a la solidarite organique, qui presuppose leur difference, c'est-a-dire la division du travail entre eux, Tarde lui, par contre a remarque que l'imitation unilaterale qui passe de la difference a la ressemblance se transformait en imitation reciproque qui passe inversement, conformement a ses lois de l'imitation. (Paragraphe III)
著者
松本 光司 今井 奈月 鶴森 熊子 谷為 昌彦 河村 光偉 池田 元子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第8回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.71-75, 2011 (Released:2011-10-14)
参考文献数
9

知的財産権に関する訴訟は、企業にとって大きなリスクを伴うものであり、権利情報の 1 つの側面でもあることから、企業の情報担当者または知財担当者はこれら訴訟情報にも精通していることが求められる。今回、日本と米国における訴訟情報について、『判例情報』と『経過情報』とに内容を分けて、それぞれの情報源および調査手法の検討を行ったので報告する。なお、本内容は平成 22 年度日本 FARMDOC 協議会 (JFA) での「日米における訴訟情報の調査手法研究会」の成果の一部である。
著者
池田 稜子 細井 陽子 原 敏夫
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.50-56, 2000-06-30 (Released:2011-01-31)
参考文献数
17

納豆糸引き度を低下させる要因物質を探るため, 大根を試料として検索し, 酵素的諸性質について検討した結果, 次の知見を得た.(1) 大西らの方法による納豆糸引き度低下活性と, より簡便な方法による納豆粘着度低下活性の間に, 正の相関関係が成立した.(2) 大根搾汁上清から納豆糸引き度低下要因物質を検出した.活性は加熱処理により失活した.(3) 糸引き度低下活性 (ΔL), 粘着度低下活性 (ΔW), 粘度低下活性 (ΔT) を測定した結果, いずれも大根の青首部分より先端部分に強い活性が認められ, その経時的な変化から納豆糸引き度低下要因物質は酵素である可能性が示唆された.(4) 大根搾汁上清の硫安塩析により調製した粗酵素液について, 基質γ-PGAの粘度低下活性を測定した結果, 納豆γ-PGA分解粗酵素の至適pHは5.5, 至適温度は37℃, pH安定性は, pH6.5~8.5, 温度安定性は, 35℃で約50%, 50℃ で大部分が失活した.(5) 市販プロテアーゼ (数種) によるγ-PGA溶液の粘度低下はほとんど認められなかった.本研究の概要は, 平成10年度日本食品科学工学会第45会大会において発表したことを付記します.
著者
池田 広昭 Hiroaki Ikeda
出版者
神奈川工科大学
雑誌
神奈川工科大学研究報告.A,人文社会科学編 (ISSN:09161899)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.59-72, 2000-03-20

The purpose of this paper is to present a comprehensive list of plant names, along with their frequences, which appear in Part B, Volume I of A Dictionary of British Folktales in the English Language by Katherine M.B riggs. How these plants are dealt with in the folktales is also described.
著者
小西 健太郎 シュエ ジュウシュエン 池田 心
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会 第49回GI研究発表会, 2023-3
巻号頁・発行日
2023-03-17

不完全情報ゲームにおいて,人間プレイヤがナッシュ均衡戦略を計算することは現実的に難しいため,予測される相手の情報や行動に対してアドバンテージを得られる行動を選択する「読み」を用いて意思決定を行う場合がある.人間プレイヤ同士が読みの思考に基づいて意思決定を行う場合や,相手が読んでくることを考慮して意思決定を行う「読み合い」は,一部のゲームでは主流な意思決定方法の1つであり,この特有の駆け引きはゲームを楽しむ上で重要な要素の1つといえる.本研究では,ポケモンバトルを簡略化したゲーム上で,人間のような読み合いを演出するAIプレイヤを提案した.読み合い演出の前提として,人間が自然に感じやすい着手戦略である,δ-ナッシュ均衡戦略というノイズを加えた利得行列を用いる手法の有効性を示した.また,δ-ナッシュ均衡戦略に人間プレイヤのような癖や傾向をバイアスとして付与し,多様な着手戦略が得られることを確認した.さらに,人間の読みを模倣した着手として,相手モデリングによって次の行動を予測し,搾取戦略を生成する手法についてアプローチを示した.
著者
松元 俊 久保 智英 井澤 修平 池田 大樹 高橋 正也 甲田 茂樹
出版者
独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.3-10, 2020-02-28 (Released:2020-02-29)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

本研究は,脳・心臓疾患による過労死の多発職種であるトラックドライバーにおいて,労災認定要件であ る過重負荷と過労の関連について質問紙調査を行った.1911人の男性トラックドライバーから,属性,健康状態, 過重負荷(労働条件:運行形態,時間外労働時間,夜間・早朝勤務回数,休息条件:睡眠取得状況,休日数),疲労感に関する回答を得た.運行形態別には,地場夜間・早朝運行で他運行に比して一か月間の時間外労働が 101時間を超す割合が多く,深夜・早朝勤務回数が多く,勤務日の睡眠時間が短く,1日の疲労を持ち越す割合 が多かった.長距離運行では地場昼間運行に比して夜勤・早朝勤務回数が多く,休日数が少なかったものの, 睡眠時間は勤務日も休日も長く,過労トラックドライバーの割合は変わらなかった.過労状態は,1日の疲労の持ち越しに対して勤務日と休日の5時間未満の睡眠との間に関連が見られた.週の疲労の持ち越しに対しては,一か月間の101時間以上の時間外労働,休日の7時間未満の睡眠,4日未満の休日の影響が見られた。運行形態間で労働・休息条件が異なること,また1日と週の過労に関連する労働・休息条件が異なること,過労に影響 を与えたのは主に睡眠時間と休日数の休息条件であったことから,トラックドライバーの過労対策には運行形態にあわせた休日配置と睡眠管理の重要性が示唆された.
著者
有家 尚志 東 裕一 中村 駿佑 池田 翔 平田 靖典
出版者
The Society of Japanese Manual Physical Therapy
雑誌
徒手理学療法 (ISSN:13469223)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.3-10, 2023 (Released:2023-04-20)
参考文献数
23

Lateral elbow tendinopathy(LET)に対する保存療法の一つに徒手療法があるが,効果について邦文で整理されたエビデンスは不十分である。本研究の目的は,LETを有する人々を対象に,徒手療法の効果を検証したシステマティックレビュー(SR)を網羅的に評価することとした。PubMed,CENTRAL,PEDroを用いて検索した(検索日2022年2月)。方法論の質評価には,A Measurement Tool to Assess Systematic Review 2を用いた。論文の選択,データ抽出,方法論の質評価は,2名の研究者が独立して実施した。最終的に3件のSRが該当し,質的に分析した。介入として検討された徒手療法は,mobilization,neural tension,deep friction massage(DFM),Mill’s manipulationが含まれた。3件ともに,研究計画の事前登録が不十分であった。エビデンスの確実性は,DFMが疼痛と機能のアウトカムに与える効果のみ検証されていたが,very lowであった。本研究の結果,LETに対する徒手療法の効果について検証するには十分なエビデンスがなかった。今後は,アウトカムを統一して検討することが重要である。
著者
池田 香菜子 長坂 水晶
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.178, pp.215-229, 2021-04-25 (Released:2023-04-26)
参考文献数
14

本稿では,非母語話者日本語教師を対象にした訪日研修における異文化理解能力育成を目指したプロジェクトワークの実践を報告する。まず,深層文化と異文化理解能力,及び教師の役割に言及した上で,プロジェクトワークに関するこれまでの実践報告を概観する。対象者の言語レベルや先行実践で得られた課題を踏まえ,①協働活動の生まれやすい環境づくり,②文化の観察眼を養う議論の場,③言語的な手当ての3点に重点を置いた段階的アプローチのもと,本実践におけるプロジェクトワークの手順と経過を報告する。アンケート,異文化理解能力に関する自己評価,発表成果物の分析結果から,研修参加者は,授業及びそれに伴う自己の変化を高く評価していることがわかり,発表からは,異文化理解に対する気づきが多く観察された。以上のことから,本実践における段階的アプローチによる活動デザインが有効に機能していたことが示された。