著者
中村 有光 池田 弘明 小林 信三 忍足 博
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.86-91, 1964-02-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
8

各種の超小形回路が開発されてきたが, これを使用すれば機器の信頼度を向上し, 機能ブロック化, 超小形化ができる.ここでは, 薄膜回路方式および固体回路方式によるモレクトロンを用いて映像機器のパルス回路の一例として, 同期信号分配器および同期信号発生器用計数回路を試作実験した.この結果, 特性, 構造, 電力消費の点から従来のプリント基板式トランジスタパルス回路より上まわることを確かめた.
著者
池田 徹 李 徳甫 宮崎 則幸
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.97-105, 2006-03-01 (Released:2014-12-31)
参考文献数
12
被引用文献数
3 2

接着剤厚みが接着継手の破壊靭性値にあたえる影響についての研究は少なくないが,そのメカニズムはいまだ明らかとは言えない。本研究では,様々な厚みの接着継手中のき裂先端付近の損傷域を光学顕微鏡を用いて観察した。0.7mmよりも薄い接着継手において,界面損傷域が観察された。特に最大の破壊靭性値を示した0.3mmの接着剤層厚みの場合は,大規模な界面損傷域が接着剤層中に観察された。このことより,界面損傷域の応力遮蔽効果がこの接着継手の破壊靭性値を上昇させているものと推定された。接着継手中のき裂先端近傍の損傷を有限要素法にGursonモデルを適用して解析したが,その結果は薄い接着剤層ほど応力と損傷が大きくなるというものであった。このことは,接着剤層が薄くなると単調に破壊靭性値が減少するということを示す。そこで,接着剤層と被着材の界面に人工的な損傷を導入して,有限要素法解析を行ってみた。その結果,約0.3mmの接着剤層厚さで最大の破壊靭性値を示し,界面損傷域の応力遮蔽効果を裏付けるものとなった。
著者
池田 大樹 久保 智英 井澤 修平 中村 菜々子 吉川 徹 赤松 利恵
出版者
独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
pp.JOSH-2023-0006-CHO, (Released:2023-07-19)
参考文献数
28

勤務間インターバルとは,勤務終了後から翌始業までの休息時間のことを言う.本研究は,勤務間インターバルと睡眠時間の組み合わせと職業性ストレスおよび病気欠勤の関連を検討した.本横断調査は,WEB形式で2022年2月に実施した.日勤労働者13,306名に対して勤務間インターバル,睡眠時間,職業性の高ストレス(職業性ストレス簡易調査票),病気欠勤について尋ねた.参加者を勤務間インターバルと睡眠時間に基づき14群に分類し,これを独立変数,高ストレス判定と病気欠勤を従属変数としたロジスティック回帰分析を実施した.その結果,短いインターバル(<11時間)と通常睡眠(≥6時間)や十分なインターバル(15時間)と短時間睡眠(<6時間)の組み合わせで,基準(十分なインターバルと通常睡眠)と比べてオッズ比が有意に高かった.これは,勤務間インターバルと睡眠時間を十分に確保することが職業性ストレスの低減に重要であり,勤務間インターバル制度によりインターバルが十分に確保されても,睡眠時間が短いと健康リスクが生じる可能性を示している.病気欠勤について,短いインターバルと短時間睡眠の組み合わせでオッズ比が有意に低かった.この原因として,勤務間インターバルが短い(長時間働かなければならない)人々は,忙しいために病気欠勤が必要な状況になっても休みを取れずあるいは取らず,結果的にオッズ比が低くなった可能性が考えられる.
著者
竹林 慎治 林 泰之 康本 明吉 籔内 咲 暁 久美子 大野 覚 池田 浩己 三浦 誠
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.65-69, 2015-03-31 (Released:2015-05-21)
参考文献数
17

魚骨異物は日常臨床でしばしば遭遇し, 診断・治療が容易な場合が多いが, 稀に困難な症例も存在する. 我々は, 3例の非典型的な魚骨異物症例を経験したので, 当院での頸部魚骨異物症例の検討を加えて報告する. 症例1は70歳の女性で, 舌筋層内に魚骨迷入し, 発症から受診まで半年を要し, 放線菌感染を伴う膿瘍形成を生じた. 症例2は68歳の女性で, 発症時近医喉頭ファイバースコープ検査で発見できず, 5日後右頸部膿瘍を生じ, 甲状腺右葉背側に迷入した魚骨を外切開により摘出した. 症例3は59歳の男性で, 舌扁桃内に埋没していたが, 経口腔的に摘出できた. 当院で4年半の間に60例頸部魚骨異物摘出術を施行し, CT 検査が有用であった.

1 0 0 0 OA 天理教処分論

著者
池田良吉 著
出版者
護法書院
巻号頁・発行日
1896
著者
池田 怜吉
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 (ISSN:24365793)
巻号頁・発行日
vol.125, no.2, pp.107-111, 2022-02-20 (Released:2022-03-10)
参考文献数
19

医師主導治験を経て, 難治性耳管開放症に対する耳管ピン手術が薬事承認ならびに保険適応となったので, その概要について述べる. 耳管開放症は, 耳管が常時あるいは長時間開放することにより, 自声強聴, 耳閉感, 自己呼吸音聴取などの不快な耳症状を呈する疾患である. 多くの症例では前述のように生活指導ならびに保存的治療にて症状がコントロールされるため, 第一選択となるが, 保存的治療にて改善し得ない難治性耳管開放症が存在する. 耳管ピン手術は, 最低6カ月以上の保存的治療にて症状が改善しない症例を対象としている. 2017年6月~2019年1月に薬事承認・保険医療化を目的として, 難治例を対象としたシリコン製耳管ピンの非盲検非対照多施設共同臨床試験を, 30症例を対象に医師主導治験として行った. 有効率は82.1%であり, 過去の臨床研究での報告とほぼ同等の成績であった. その後, 薬事承認を経て, 2020年12月に保険収載となった. 本手術は, 日本耳科学会「耳管ピン手術実施医」のもとで手術の施行が義務付けられている. 今回の耳管ピンの保険収載においては, 1. 長年にわたる耳管開放症に対する臨床研究の蓄積, 2. 多職種との連携・協力, 3. 全国の耳鼻咽喉頭頸部外科医の協力, 4. 全国の患者さんへ有益な治療を届けたいという思いが重要であった.
著者
池田 毅
出版者
日本弁理士会
雑誌
別冊パテント (ISSN:24365858)
巻号頁・発行日
vol.76, no.28, pp.93-106, 2023 (Released:2023-07-18)

わが国の独占禁止法は従来同じ取引段階の事業者間の水平的な競争にのみ注目してきたが、ビジネスの多様化を踏まえれば、サプライチェーン内で取引を行う異なる取引段階に属する事業者間においてマージン・付加価値を奪い合う垂直的な競争にも着目する必要がある。優越的地位の濫用の規制根拠についても、垂直的な競争を人為的な手段で歪めることを規制するものと捉える垂直的競争阻害説が、対消費者の優越的地位の濫用の説明に課題を有する間接的競争阻害説や、過剰な介入による弱者保護との批判を受けうる搾取説よりも合理的であり、近時の公取委の優越的地位の濫用の適用範囲の拡大もよりよく説明できる。仮に、標準必須特許の権利者がパテントプールの形成や内部的な合意の形成において、実施者との間の垂直的な競争を人為的に歪めていると評価される場合には、優越的地位の濫用を根拠として規制できる可能性がある。
著者
藤本 将志 伊藤 陸 小島 佑太 池田 幸司 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.33-39, 2022 (Released:2022-12-23)
参考文献数
5

We recommend performing a top-down physiotherapy evaluation rather than a bottom-up evaluation. During an assessment, it is desirable to detect problems at the impairment level and narrow them down to one problem in terms of order and relevance. By intervention for narrowed-down problems and re-evaluation of changes, a clearer physical therapy can be developed. In this study, we introduce abnormal postures and movements that are characteristics of patients with musculoskeletal diseases involving lumbar and hip joint impairment. Furthermore, we present one problem focusing on muscle weakness and decreased muscle tone as the possible underlying cause of impairment. We explain intervention methods for this impairment using kinematic and anatomical viewpoints and electromyography.
著者
池田 翔 松田 憲亮 池田 拓郎 永井 良治 中原 雅美 岡本 龍児
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.973-976, 2015 (Released:2016-01-09)
参考文献数
19
被引用文献数
6 1

〔目的〕転倒予測指標として応用歩行予備能力の有用性を検討する.〔対象〕二次予防事業対象者の高齢女性36名.〔方法〕運動機能評価,歩行周期変動,応用歩行予備能力,生活活動量,転倒恐怖感を測定し,転倒経験の有無でこれらの平均値を比較した.転倒予測因子を多重ロジスティック回帰分析から検討し,Receiver-Operating-Characteristic曲線からカットオフ値を求めた.〔結果〕転倒群では歩行周期変動が有意に増加し,応用歩行予備能力と生活活動量が有意に低下した.応用歩行予備能力は転倒予測因子として有用性は認められず,生活活動量と中等度の相関を認めた.〔結語〕応用歩行予備能力は生活活動量の評価と併用し,移動能力の補足的な値として利用できる可能性が示唆された.
著者
小野 三嗣 渡辺 雅之 長尾 憲樹 池田 道明 山本 隆宣 小野寺 昇 田中 弘之 原 英喜 湊 久美子 大橋 道雄
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.191-204, 1980-12-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
48

低糖高蛋高脂食をあたえた青年健康男子5名に20km走を行わせ, それが血圧, 心拍数, 体重, 皮脂厚, 血液成分, 尿所見の経過に如何に反映するかを見ると共に, タウリン投与がそれをどのように変動させるかを二重盲検法によって研究し, 概ね次のような所見を得た。1) 20km走による体重減少度はタウリン投与時の方がプラセボ投与時より多かった。2) 20km走による最大血圧上昇度はタウリン投与時の方がプラセボ投与時より少なかった。3) 20km走後に上昇してくるCK-MB/CK比はタウリン投与によって減少させることができた。4) 20km走によるLDHの増加率はプラセボ投与時よりタウリン投与時の方が小さい。5) プラセボ投与時には20km走によってトリグリセライドが上昇したが, タウリン投与時には減少した。6) タウリン投与は20km走による個々の脂肪酸構成比に大きな影響をあたえる。7) 20km走によるアドレナリン値はタウリン投与時の方が大きい。8) その他の血液成分や尿中カリクレインに対しては有意の変動が見られなかった。
著者
池田 紀子 奥野 茂代 岩崎 朗子
出版者
一般社団法人 日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.36-43, 2004-11-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
17
被引用文献数
2

本研究は死別した高齢女性のサポートグループにおける悲哀の仕事について,参加者の語りから明らかにすることを目的とした.夫と死別した高齢者女性に対し,1回2時間,計10セッションのサポートグループにおける参加者の語りの内容を分析した.その結果,大きく6カテゴリーに分けられた.(1)夫の介護と看取り,(2)夫への思慕,罪悪感,怒り,(3)抑うつ,(4)家族や友人の中での孤独と傷つき,(5)あきらめから受け入れへ,(6)これからの人生に向けての生活の再構築,であった.またこれらのテーマは死後数か月から1年以上を経ても,その量や質を変化させながらも,つねに同じように語り続けられ,これらは重層的に関連しつつ悲哀の仕事を促進させた.サポートグループにおいて自由に自発的に自らの悲しみについて語ることやファシリテ一ターや参加者同士の相互関係により悲哀の仕事が促進することが明らかになり,また仲間との出会いや,今後の地域での交流への発展の可能性が示唆され,グループの果たす意味を明らかにすることができた.
著者
藤枝 繁 池田 治郎 牧野 文洋
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.652-658, 2002-09-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
9 5

海岸に漂着散乱する発泡プラスチック破片の実態を明らかにするため,鹿児島県68海岸の砂を採取し,その中に含まれる漂着人工物の個数を求めた。漂着埋没物の総回収量は80,655個で,その99.9%がプラスチック類であった。また全体の92.6%を発泡プラスチック破片が占め,その9割が0.3~4.0mmの微小破片であった。同破片の漂着は65海岸で確認され,鹿児島湾中央部東海岸で最も多く平均290.4個/L,続いて同湾奥部海岸で平均176.1個/Lであった。漂着分布の特徴より,この破片の主な発生源は海上や海岸で大量に使用,放置されている発泡プラスチック製漁業資材であると推察した。
著者
田浦 智之 朝長 匡 飯岡 隆 池田 倫太郎 入江 準二 木下 直江
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.773-778, 2014-09-25 (Released:2014-11-11)
参考文献数
8

骨代謝回転過剰抑制が要因と思われる大腿骨転子下骨折の1例を経験したので報告する.症例は48歳,女性.屋外で突如右大腿部痛出現.体動困難となったため,当院救急搬送.X線上,右大腿骨転子下骨折を認めた.既往歴として17年前より全身性エリテマトーデスに対してステロイド内服しており,ビスフォスフォネート製剤内服歴は3年間であった.2週間前より右大腿部痛を自覚していた.骨折に対しては髄内釘による固定術を行った.ところが,術後仮骨形成不良であったため,骨代謝回転過剰抑制による非定型骨折が疑われた.ビスフォスフォネート製剤内服中止し,テリパラチド開始.しかし,今度は健側である左大腿部痛出現.X線上,左大腿骨転子下不全骨折を認めた.治療法に関して患者とのインフォームド・コンセントの結果,健側に対しては保存的療法,手術側に対しては遠位横止めスクリュー挿入術を行った.その後,両側とも仮骨形成を認めていたが,再度,手術側である右大腿部痛出現.X線上,髄内釘近位部の折損及び骨折部の再転位を認めた.そのため髄内釘による再固定術を行い,腸骨から骨移植術も併用.再々手術後9ヵ月現在,保存的療法を行った左側に関しては比較的経過良好であるが,手術的療法を行った右側は骨癒合遅延傾向であり,今後も引き続き厳重な経過観察が必要である.
著者
池田 幸恭
出版者
日本青年心理学会
雑誌
青年心理学研究 (ISSN:09153349)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.67-86, 2023-04-20 (Released:2023-05-13)
参考文献数
48

This study aimed to clarify the relations between awareness of and attitude toward parental aging from late adolescence to early adulthood in Japan. An online survey was conducted with 800 participants aged 20-39 years, and the data were analyzed by exploratory and confirmatory factor analysis. Awareness of “decline in parents’ activity” and “parents’ psychological maturation” were extracted for awareness of parental aging. Four attitudes toward parental aging were extracted: “caring about aging parents,” “sadness about parental aging,” “anxiety over parents’ old age,” and “generativity evoked by parental aging.” Structural equation modeling revealed that awareness of decline in parents’ activity was positively associated with sadness about paternal aging as well as anxiety over parents’ old age. Awareness of parents’ psychological maturation was positively associated with generativity evoked by parental aging. Additionally, awareness of parents’ psychological maturation was positively associated with caring about aging parents, except for women in their 20s and 30s regarding their fathers and mothers, respectively. These associations differed according to the type of parent-child relationship and the child’s age group.
著者
齋藤 和幸 大井 和起 稲葉 彰 小林 正樹 池田 昭夫 和田 義明
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.18-23, 2021 (Released:2021-01-29)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2

症例は49歳男性.2005年に気管支喘息重積発作による心肺停止状態となった.覚醒後に動作時のミオクローヌスが出現し,Lance-Adams症候群(LAS)と診断された.発症11年後にペランパネルを開始しミオクローヌスは著明に減少し,3年以上持続してactivities of daily lifeが改善した.近年進行性ミオクローヌスてんかん症候群にペランパネルが有効な報告があり,本例のようにLASのミオクローヌスに対してもペランパネルによる治療の余地がある.