著者
池田 真幸 永田 俊光 木村 玲欧 李 泰榮 永松 伸吾
出版者
一般社団法人 地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.103-111, 2021-11-01 (Released:2022-03-03)
参考文献数
18
被引用文献数
1

In this study, we collected disaster prevention education materials from all over Japan focusing on "guidance plans," and created 2,217 data with variables such as target disaster, subject, school type and grade, and learning contents. The data showed that current disaster prevention education programs are developed mainly for elementary and junior high schools, and that there is a lack of programs for learning about meteorological disasters and for understanding the phenomena and mechanisms of disasters. In addition, cluster analysis using variable of correspondence to the Courses of Study showed that the disaster prevention education plans could be classified into three perspectives and eight clusters, providing suggestions for the systematization of disaster prevention education programs in the future.
著者
菊池 太朗 中村 孝文 池田 天史 藤本 徹 坂本 吉弘 成尾 政一郎 高木 克公
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.515-519, 2000-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

Many authors have reported that disc herniation can be resorbed by monocytic phagocytosis. However, how the recruitment of monocytes is triggered is still unknown.We investigated monocyte chemoattractant protein-1 (MCP-1) by using the experimental rat model in vivo and rabbit model in vitro to ascertain the precise mechanism of macrophage recruitment in the early phase of disc resorption.The autologous intervertebral discs from tails of Wister rat were subcutaneously implanted into the abdomen. These discs were used for immunohistochemical study. Additionally, we employed tissue culture models of rabbit's discs, and the quantification of MCP-1 in these media was performed.MCP-1 positive disc chondrocytes were observed in the nucleus pulposus and the inner annulus fibrosis on the third day. Monocyte derived macrophages were considerably observed around the intervertebral disc by the seventh day. The MCP-1 induced by rrlL-1β or rrTNFα indicated its peak volume at 12 hours and at 18 hours after incubation.Our study suggests that intervertebral disc chondrocytes have chemotactic properties and play an active role in the recruitment of monocytes involved in disc resorption. Moreover, inflammatory cytokines induce and regulate the production of MCP-1 in the intervertebral disc cells.
著者
石倉 彰 池田 正人 田口 博基 高畠 靖志 泉 祥子
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.307-311, 1996-04-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
14

SCCFの治療には沢山の報告があるが, いまだ議論のあるところである. 3例について報告する. 第1例は57歳女性, 右脳血管写で低還流CCF(BarrowのType B)をみた. Matas手技のみで消失した. 第2例は62歳女性, 両側血管写で低還流CCFをみ(Type D), Matas手技, 左外頸動脈の塞栓, 結紮にて軽快した. 第3例は66歳女性, 両側血管写にて高還流CCF(Type D)をみた. Matas手技と経静脈的塞栓術を行った. 塞栓は白金コイルを内頸静脈, 下錐体静脈を経て海綿静脈洞に充填した. まとあると, SCCFの治療は, 最初Matas手技を2から4週間行い, 効果がみられない場合, 経静脈的塞栓術を施行する. カテーテルと塞栓物質の技術的進歩によって, 経静脈的塞栓術はSCCFにとって最も効果的, 安全な方法の1つと考えられる.
著者
池田 有光 村野 健太郎 畠山 史郎
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.102-108, 1994-06-20 (Released:2010-08-27)
参考文献数
8
著者
井上 和也 安田 龍介 池田 有光
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.282-301, 2002-09-10 (Released:2011-11-08)
参考文献数
28

霧が発生すると, 可溶性の物質は霧に溶け込み, 更に液相で化学反応を受けるなどして影響を受けることはすでに良く知られている。しかし, 霧が存在することによる大気汚染物質の挙動への影響はこれだけではないと考えられる。すなわち, 霧が生じることにより大気の成層状態が変化し, 乱流拡散能が変化することを通して, 大気汚染物質の物理的な挙動も影響を受けると考えられる。本研究では, 霧が存在することによる大気汚染物質の挙動への影響, 特に地表面への沈着量への影響について, 気象モデル, 沈着モデル, 液相化学モデルを組み合わせて数値シミュレーションを行うことにより調べた。対象とした期間は霧が頻発する夜間である。本研究で得られた主な結果は以下の通りである。(1) 霧が発現すると, 大気成層状態は霧層下層で不安定化, 霧層上部で安定化することが確認された。(2) 地表面への沈着量は, 霧への溶解や液相での酸化反応などしない物質でさえも (1) の効果によって増大する。(3) 総硫黄成分の沈着量も, 霧が出現する場合には増大し, 特に, 硫酸イオンの沈着量は, 霧粒への溶け込みや液相酸化反応などの影響に (1) の効果も加わり, 数十倍程度大きくなる。得られた結果は, 大気汚染物質の沈着量を推定する際には, 霧水による沈着, また, 霧が作り出す温度環境のもとで沈着が増大する効果も適切に取り入れる必要があることを示唆した。
著者
萩原 政夫 林 泰儀 中島 詩織 今井 唯 中野 裕史 内田 智之 井上 盛浩 宮脇 正芳 池田 啓浩 小沼 亮介 熱田 雄也 田中 勝 今村 顕史
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.3-8, 2023 (Released:2023-02-11)
参考文献数
19

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株流行期において,当院血液内科外来通院中に感染し,発症した11症例について報告する。化学療法が施行中の5例中4例が中等症-II以上となり,内2例はその後重症化し死亡に至った。一方で未施行の6例では1例のみが中等症-IIに進行するも重症化は免れ,残り5例は軽症から中等症-Iに留まった。モノクローナル抗体治療薬が発症から8日以内に投与された4例は全て生存し,投与がされなかった1例と投与が遅れた1例はSARS-CoV2 IgG抗体価が低値のまま死亡に至った。変異株の中では比較的重症化率の低いとされるオミクロン株の感染においても血液悪性疾患,特に化学療法によって免疫不全状態にある場合の重症化リスクは依然として高く,特異抗体の獲得が不十分あるいは大幅に遅延することがあり得るため,抗ウイルス薬に加えて積極的な抗体療法が予後を改善する可能性がある。
著者
川北 大 飯田 修平 内藤 秋光 藤田 拓也 小瀧 敬久 佐藤 絵美 岡田 雄大 池田 喜久子 玉利 光太郎 阪井 康友
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.56-62, 2023 (Released:2023-02-15)
参考文献数
28

〔目的〕回復期の片麻痺患者に対してロボット型短下肢装具(R-AFO)を用いたリハビリの効果を検討すること.〔対象と方法〕対象は24名の脳血管障害片麻痺患者.介入期間は10日間で,評価は介入前,介入後の2回実施した.R-AFO群は,通常の理学療法練習60分と,R-AFOを使用した起立や歩行練習を20分の計80分間,非実施群は,通常の理学療法練習を80分間行った.〔結果〕通常群よりもR-AFO群で有意に効果が認められた項目は,歩行速度,麻痺側片脚支持時間,片脚支持時間の左右対称性割合,機能的自立度評価法(FIM)であった.〔結語〕R-AFO装着下での麻痺側に荷重を促す歩行訓練を反復して行ったことで,麻痺側片脚支持時間の割合の増大による,歩行左右対称性の改善効果を有する可能性を示唆した.
著者
浅野 豊美 池田 慎太郎 金 敬黙 李 鍾元 木宮 正史 磯崎 典世 山内 康英 太田 修 林 夏生 吉澤 文寿 西野 純也 金 敬黙 小林 玲子 藤井 賢二 長澤 裕子
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

日韓米三国の資料からなる『日韓国交正常化問題資料集』を刊行し、また新規公開資料を利用した最初の本格的な実証研究を、法政大学出版局から『歴史としての日韓国交正常化』上・下、2分冊として、日本学術振興会の出版助成により刊行することが確定した。さらに、研究成果の社会的還元のため、「日韓国交正常化の現代的意味」と題した公開シンポジウムを、東京大学において朝日新聞・東亜日報の後援を得て開催した。また、2008年日本国際政治学会年次大会日韓合同部会の正式企画を担当・運営し、新たな問題提起と専門研究者との討論を行った。国外の国際学会であるアメリカアジア学会(AAS)では韓国の研究協力者と合同しパネルを組織し、日韓米三国の研究者による討論の場を作って報告した。
著者
清水 夕貴 池田 千紗
出版者
北海道教育大学
雑誌
北海道教育大学紀要. 教育臨床研究編 (ISSN:27583902)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1・2, pp.95-105, 2023-01

特別支援学校や特別支援学級では体力づくりとして毎日運動に取り組んでいることも少なくない。近年,運動が脳を活性化させる研究から短時間の運動で注意機能を向上させるという報告もあり,特別支援教育においても毎日の運動が注意機能へ影響していることが予想される。そこで本研究は,運動習慣のない成人に協力を依頼し,毎日2分間の運動を3週間行い,運動による注意機能への影響を検討し,教育現場で運動を導入する際の手掛かりを得ることを目的に実施した。本研究で実施したわらべ歌「おちゃらかほい」に合わせて全身を動かすじゃんけんは,運動直後の注意機能評価で課題達成時間や正確性に,個人差はあるものの好影響を与えることが示唆された。一部の研究協力者の注意機能に短時間の運動の効果が見られたことから,個々に合わせた難易度や強度などの運動内容をさらに検討することで,教育現場での新たな運動の選択肢を広げることに寄与できると考える。
著者
松田 晋哉 藤森 研司 伏見 清秀 石川 ベンジャミン 光一 池田 俊也
出版者
日本ヘルスサポート学会
雑誌
日本ヘルスサポート学会年報 (ISSN:21882924)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-10, 2018 (Released:2018-02-22)
参考文献数
10
被引用文献数
1

National Database( NDB)を用いて算出した標準化レセプト比SCR の在宅医療分をデータとして、在宅医療の推進に関連する要因の検討を行った。その結果、在宅医療(居宅)に関連する要因として、往診(.313)、訪問看護指示(.218)、緊急往診(.219)、在宅療養中患者_ 緊急入院受入(.049)、療養病棟入院基本料(-.078)、訪問薬剤指導の実施(.004)が在宅医療(居宅)のSCR に有意に関連していることが示された。この結果は、在宅医療(居宅)を進めるためには、訪問看護や訪問薬剤指導といった在宅のチーム医療提供体制に加えて、緊急往診や在宅療養中患者_ 緊急入院受入といった後方病院の役割が重要であることを示している。
著者
池田 裕子 岡本 真理子 山本 健 今村 武浩 山近 重生 斎藤 一郎 中川 洋一
出版者
日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.10-17, 2014-04-01 (Released:2014-09-05)
参考文献数
26
被引用文献数
4

Purpose: The purpose of this study was to investigate sleep quality and its related factors in dry-mouth patients. Subjects and Methods: A cross-sectional study was conducted in 362 patients who visited the Dry Mouth Clinic at Tsurumi University Dental Hospital with the complaint of oral dryness. Sleep quality was assessed using the Japanese version of the Pittsburgh Sleep Quality Index (PSQI-J), and factors associated with the PSQI-J global score were analyzed by multiple regression. The dependent variable was the PSQI-J global score, while age, gender, resting saliva flow rate (RSFR), stimulated saliva flow rate (SSFR), VAS score of nocturnal dry mouth sensation, the presence or absence of snoring, grinding, clenching, and mouth breathing, and anxiety and depression score in the Hospital Anxiety Depression Scale (HADS) were used as the independent variables. Results: The mean PSQI-J global score was 7.9±3.9, and 232/362 (64.1%) cases were considered to be poor sleepers who showed a score of less than 5.5. The multiple regression analysis showed that anxiety (standardizing coefficient 0.330) and depression score (0.151) in HADS, nocturnal dry-mouth sensation (0.165), and age (0.209) were significantly associated with the PSQI-J global score. Conclusion: Anxiety, depression, and sleep-related xerostomia were found to be factors closely associated with the risk of disturbance of good sleep quality.
著者
池田 裕
出版者
福祉社会学会
雑誌
福祉社会学研究 (ISSN:13493337)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.247-266, 2020-05-31 (Released:2021-06-23)
参考文献数
24

福祉国家に対する態度は,一次元的に測定されることが多い.一次元性の仮定は,特定の福祉国家プログラムの支持者が,他のすべての福祉国家プログラムをより強く支持すると予測する.しかし,いくつかの研究は,福祉国家に対する態度が多次元的であることを示唆している.すなわち,特定の福祉国家プログラムをめぐる対立は,他の福祉国家プログラムをめぐる対立と質的に異なるかもしれない.本稿は,国際社会調査プログラム(ISSP)のデータを用いて,日本の福祉国家に対する態度の構造と規定要因を検討する.福祉国家に対する態度の構造を正確に表現し,福祉国家をめぐる対立にプログラム間の差異があるかどうかを明らかにするのが目的である. カテゴリカル確証的因子分析によれば,福祉国家に対する態度は完全に一次元的ではなく,プログラム間の差異を考慮する必要がある.構造方程式モデリングの結果は,疾病と老齢に関する政策をめぐる対立が,失業と貧困に関する政策をめぐる対立と質的に異なることを示している.たとえば,疾病と老齢の次元では等価所得の効果が統計的に有意でない一方で,失業と貧困の次元では等価所得が有意な負の効果を持つ.低所得者が福祉国家をより強く支持するのは,彼らが疾病と老齢に関する政策ではなく,失業と貧困に関する政策をより強く支持するからである.このように,本稿の知見は,個人が福祉国家を支持する理由を理解するのに役立つ.
著者
丸田 雅樹 末盛 浩一郎 谷脇 真潮 村上 忍 福島 万奈 加藤 潤一 木原 久文 名部 彰悟 池田 祐一 越智 俊元 波呂 卓 谷本 一史 竹内 一人 山之内 純 宮本 仁志 竹中 克斗
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.96, no.4, pp.148-153, 2022-07-20 (Released:2022-07-20)
参考文献数
17

A 69-year-old male was admitted to Ehime University Hospital with bicytopenia. He was diagnosed with myelodysplastic syndrome (MDS) and was administered chemotherapy. He was a multimorbid patient with chronic kidney disease (CKD), chronic obstructive pulmonary disease (COPD), type 2 diabetes, and Sweet's disease resulting in a skin rash. The patient was treated with oral prednisolone for Sweet's syndrome, and cefepime infusions for pneumonia that arose during the first course of chemotherapy. Both of these complications were almost recovered on physical and image findings. During the second course of chemotherapy, he developed Kytococcus schroeteri bacteremia that was successfully treated with linezolid and meropenem infusions, but he died owing to Stenotrophomonas maltophilia bacteremia that occurred 6 h after the K. schroeteri bacteremia. Postmortem microbiology (PMM) proved his reservoir of S. maltophilia bacteremia as pneumonia. There are only 20 reports of K. schroeteri bacteremia in the Medline database. According to our knowledge, this is the first case that developed K. schroeteri and S. maltophilia bacteremia sequentially. In addition, this case highlights the importance of PMM in improving treatment of infectious diseases.
著者
佐古 順彦 耳塚 寛明 池田 輝政 牟田 博光 藤岡 完治 野嶋 栄一郎 浅田 匡
出版者
早稲田大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1992

日本で唯一の大規模総合選択制高校である伊奈学園を多面的に評価した。学校の設置計画と運営の実際を概観した後で、多様な教科の選択制、3300の生徒を収容する大規模、大規模を小規模に分割するハウス制(学校内学校プランあるいはキャンパスプラン)というこの学校の独自の特質の効果を検討した。主要な結果は以下のとおりであった。1.教科教室制と大規模な学校建築が教師の空間利用を制限している。2.大規模校の場面の匿名性と小規模校の部分(特にホームルーム)の親密性の均衡が重要である。3.教科選択と満足の関係に男女差や学系(コース)の差がみられる。4.卒業生の自己像に自己実現と同時にシニシズム(冷笑主義)の傾向がみられる。5.進路指導の事例調査によると、進学や職業希望の形成に加えて高校生活の指導が重要である。6.進路選択に関する他校との比較調査によると、大学進学希望の要求水準は他校のように学力によって高低に二極分化せず、比較的に高い水準を維持する。7.学校経営の財政基盤の分析によると、建築や設備などの資本的支出はやや大きいが、本務教員あたり生徒数や生徒一人あたりの支出や標準運営費は平均的である。8.教育情報処理システムは、この学校の大規模とカリキュラムの個別化に必須のものであるが、情報処理にともなう作業の多様さと作業量の多さが特徴である。教務関連、情報教育関連、教科教育関連のシステムの増強と人材の育成が必要である。
著者
池田 研
出版者
大阪歴史博物館
雑誌
大阪歴史博物館研究紀要 (ISSN:13478443)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.55-64, 2013 (Released:2022-06-11)

バイゴマは巻貝のバイの殻を素材にした独楽で、江戸時代には庶民の間で広く普及していたことが知られているが、考古学的には実態の不明な部分が少なくない。本紀要の第9号では大坂城下町とその周辺から出土したバイゴマの集成を行ない、文献史料と比較検討しながら年代、形状や作成技法、ユーザーの実態等について検討を加えた。本稿では、浪速区敷津東で出土した50点を超えるバイゴマや、難波宮・大坂城跡で出土したバイゴマ製造に係わる廃材など、新たに発見された資料をもとに、独楽の素材となるバイの選別基準や切断方法といった製造過程、製造業者の業態などについて検討した。その結果、大きさによって素材の選別が行われており、殻口側から連続して打ち欠くことで殻を切断したと考えられること、またバイゴマの製造業者が貝ボタンの製造を兼業していた可能性があることなどが明らかとなった。
著者
田中 孝治 水島 和憲 仲林 清 池田 満
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1-12, 2017-05-20 (Released:2017-05-26)
参考文献数
31
被引用文献数
7

多様化する仕事に適応できるように,企業の人材育成には,日常的に自ら育つ環境づくりが重要である.本研究では,分析過程が残る特徴と分析過程でストーリーラインが記述される特徴を持つ質的データ分析手法SCAT を用いることで,新入社員の学び方の学びとその指導にあたった指導員の支援方法の表出化を試みた.本研究では,新入社員研修で用いる週報を新入社員と指導員とが対話する学習環境として捉え,週報に5週間に渡って記述された新入社員の振り返りとその振り返りに対する指導員のコメントを分析対象とした.分析結果から,指導員が,経験の積み重ねによる知識構築のプロセスである経験学習サイクルに沿って,実習員の学び方の学びを支援することで,実習員の学び方の学びが深化していることが読み取れた.本研究では,週報の分析から得られた結果を基に,学び方の学びの経験学習サイクルを転回する実習員と指導員の相互作用モデルを作成した.
著者
池田 智明
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.4_8-4_14, 2010-04-01 (Released:2010-10-18)
参考文献数
15
著者
徳永 宗正 池田 学
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00185, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
27

鉄道連続桁式橋りょうにおいては,高速領域の動的応答に関する知見は体系的に整理されておらず,実用的な評価法による合理的な設計が難しかった.本研究では,一般的な鉄道連続桁の構造諸元について整理,一般化し,列車通過時の連続桁の包括的な動的応答解析を実施した.連続桁のたわみの衝撃係数においては,各固有振動モードの共振速度において複数の極大点が見られ,スパン数が奇数の場合は共振速度において1次,3次モードが増幅すること,スパン数が偶数の場合は共振速度において2次モードが増幅すること,スパン数およびスパン長の増加とともに励起される固有振動モードが不明確となり,列車速度が400km/h程度以下の領域ではたわみの衝撃係数は減少する傾向にあることなどを示した.さらに連続桁の動的応答特性を踏まえた衝撃係数の簡易評価法を提案し,400km/hまでの領域における妥当性を示した.