著者
花岡 輝彦 樋口 宗隆 梶本 貴紀 池田 卓 藤田 弘輝
出版者
マツダ株式会社
雑誌
マツダ技報 (ISSN:02880601)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.235-240, 2022 (Released:2022-12-26)
参考文献数
3

近年,電気自動車に搭載されるリチウムイオン電池は高エネルギー密度化,高出力密度化が進んでおり,それに伴い異常時の電池の発火リスクが高まるなどの安全性低下が懸念されている。特にLiNi0.8Mn0.1Co0.1O2等のニッケル比率の高い層状岩塩型の活物質を正極に用いた電池セルは,エネルギー密度が高い一方で,内部短絡などの異常発生時において発熱量が大きいため安全性が低下することが報告されており,これら材料を含む車載用電池パックの安全性の確保が課題となっている。この課題に対して,電池の安全性をシミュレーションモデルで検証することで開発の手戻り削減などの効率化が期待できる。そこで本研究では活物質の組成の違いがセル異常時の発熱量に及ぼす影響を明らかにし,異常時の電池セル及びモジュールの温度挙動を素早く計算できる1次元シミュレーション技術を確立した。また,モジュールの安全性の向上を目的に,構築したモデルを用いてモジュール部材の材質変更による温度上昇抑制の効果検証を実施した。本稿ではその取り組みについて報告する。
著者
池田 新介 康 明逸
出版者
特定非営利活動法人 横断型基幹科学技術研究団体連合
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集 第4回横幹連合コンファレンス
巻号頁・発行日
pp.45, 2011 (Released:2012-03-14)

ウェブによる全国規模の選好調査データを用いて、負債保有が双曲割引(現在バイアス)やせっかちさ(imaptience)の程度と正の相関をもち、符号効果(割引に関する利得損失の非対称性)と負の相関をもつことを示す。双曲割引との相関は、とくに単純な(ナイーブな)回答者に有意に検出され、深慮者(ソフィスティケイテッドな人)サンプルでは高々非有意な相関しか見られない。クレジットカード負債の保有や消費者金融の利用経験、債務不履行経験などの過剰債務傾向にも、双曲割引や忍耐力のなさと同様の相関が見られる。
著者
加藤 貴雄 八島 正明 髙橋 尚彦 渡邉 英一 池田 隆徳 笠巻 祐二 住友 直方 植田 典浩 森田 宏 平岡 昌和
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.5-13, 2021-02-26 (Released:2021-03-01)
参考文献数
40
被引用文献数
1 1

【背景】心電図自動診断はすでに半世紀を超える歴史があり,健診や臨床の場で広く用いられている.各心電計メーカーの汎用心電計には,それぞれ最新の自動解析プログラムが搭載されているが,その診断精度は決して十分とはいえず,実臨床の場ではいまだに専門医によるオーバーリードが不可欠である.【目的】近年,臨床的意義が高まっている心房細動を取り上げ,不適切自動診断の現状とその問題点ならびに不適切診断をもたらした要因について検討することを目的とした.【方法】有志の集まりである「心電図自動診断を考える会」会員から収集した,匿名化心房細動関連不適切診断心電図計145例について,世話人間で詳細解析を行った.【結果】①一般健康診断(会員A)における不適切自動診断は,健診心電図連続50,000例中1,108例(2.2%)に見られ,そのうち心房細動関連は54例(約0.11%,誤診43例,読み落とし11例)であった.一方,循環器専門外来(会員B)の調査では,さまざまな不適切診断連続272例中51例(18.8%)で心房細動の読み落としが見られた.②心房細動を読み落とした計62例では,f波を洞性P波と誤認したのが42例(67.7%),異所性P波としたのが5例(8.1%),心房粗動としたのが8例(12.9%),心房波を読み取れなかったのが7例(11.3%)であった.③心房細動と誤診した計83例では,洞性P波を見落としたのが38例(45.8%),異所性P波を認識できなかったのが37例(44.6%),粗動波をf波と誤認したのが8例(9.6%)であった.【結論】心房細動の不適切診断に関しては,誤診が不要な再検査や専門医受診を招く一方,読み落としによる治療の遅れが脳梗塞や心不全の発症など,重大な合併症を引き起こす危険性をもたらす.波形計測や診断アルゴリズムのさらなる改良に加え,適切な心電図所見のビッグデータを用いた人工知能(AI)の導入など,より精度の高い自動診断システムの構築が求められる.
著者
中村 充 水上 優子 青木 法明 梅本 貴之 日渡 美世 池田 達哉 荒木 悦子 船生 岳人 加藤 満 城田 雅毅
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.126-135, 2014 (Released:2014-04-21)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

米の澱粉組成タイプとその製粉特性および吸水特性との関係を解明するために,澱粉組成が異なる 「日本晴」 の準同質遺伝子系統を含む水稲27品種・系統の澱粉組成と製粉特性の米粉粒径,澱粉損傷度,米粉および精米の吸水性を調査し,さらに胚乳細胞組織の形態との関係を検討した.その結果,澱粉組成はDNAマーカー分析も併用して,アミロペクチン超長鎖比率による3タイプ(K,H,Y)と短鎖比率による2タイプ(S,L)の組合せから,KS,KL,HS,HL,YS,YL の6グループに大別された.米粉粒径中央値はアミロペクチン超長鎖比率の低いKタイプが,同比率の高いYタイプより有意に大きく,同比率が米粉粒径に関連していた.澱粉損傷度はYL<(HL,YS)<(KS,HS)のタイプ間で有意差が認められ,アミロペクチン短鎖比率が低くアミロペクチン超長鎖比率が高いと,澱粉損傷度が低くなることが明らかとなった.米粉の飽和吸水率は澱粉損傷度と正の相関があるだけではなく,アミロース含有率と負の相関のあることが精米の吸水性から確認された.澱粉組成の異なる「日本晴」の準同質遺伝子系統(KL,HS,HLタイプ)の玄米白色度を調査し,胚乳細胞組織の形態を走査型電子顕微鏡で観察したところ,KLおよびHLタイプの玄米白色度が高く,アミロプラストや澱粉粒の形態がタイプ間で異なっていた.このため,澱粉組成タイプによって澱粉の蓄積様式が異なり,それが製粉特性に影響している可能性が示唆された.
著者
池田 陽一 梅本 好日古 藤田 全基
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.192-197, 2023-08-31 (Released:2023-09-06)
参考文献数
29
被引用文献数
1

This report introduced the results of recent neutron scattering and X-ray absorption fine structure(EXAFS)experiments on a family of medium-entropy alloys(TrCoNi, Tr=Cr, Mn, and Fe). Neutron experiments revealed that the time-temperature-dependent short- and long-range structural transformation occurs in a medium-entropy alloy MnCoNi. Although a sign of short-range ordering was not clear in the EXAFS results, the mean-square relative displacement(MSRD)may catch the difference in local structures between medium-entropy alloys. The relatively large static MSRD of the MnCoNi sample can be interpreted as a sign of short-range tetragonal structural transformation, whereas the small value of the CrCoNi sample cannot be interpreted straightforwardly. A possible interpretation of the difference in MSRD was provided.
著者
池田 靖忠
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.43-49, 1996-02-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
3

山陽新幹線は阪神・淡路大震災により甚大な被害を受け, 80日間にわたり新大阪・姫路間が不通となった。本稿では, 新幹線の概要, 高架橋, 橋りょうの被害状況について述べた。ここで落橋の原因となった高架柱等の破壊は, せん断破壊によって生じたものと推定されている。また, 復旧方法として実施された鋼板被覆工法について延べ, この工法によりじん性率ならびに耐震性が向上していることを示した。復旧工事は, 高架橋床版, 橋げたを所定の位置に安全に戻すことがポイントとなったが, こう上するために採用された工法について解説し, 併せて鋼板被膜工法で用いられた鋼板形状, 注入工法について一覧表で示した。
著者
瞿 芳馨 池田 真利子
出版者
文化経済学会〈日本〉
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.10-22, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
27

本稿の目的は、金沢市民芸術村を対象に施設での活動および市民ディレクターの実態を分析することにより、その現状および課題を解明する。金沢市民芸術村は地域内部での文化交流のための創造の場として形成され、市民ディレクターは工房の活性化に重要な役割を果たす存在である。しかし,創造の場の持続にあたり、管理者側の役割不足、ディレクターの力の限界と、内部空間の分断、外部ネットワークの欠如など問題が明らかになった。
著者
豊田 和広 楠部 潤子 高橋 忠照 池田 昌博 徳本 憲昭
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.137-140, 2008 (Released:2008-10-02)
参考文献数
10

消化管のストーマはクリーブランドクリニックの原則に基づき臍を避けた下腹部に造設されることが多いが,臍部にストーマを造設し良好なケアができた症例を経験した.症例は74歳,女性.既往に慢性腎不全,貧血,洞不全症候群,慢性心不全,脳梗塞後遺症が存在した.横行結腸癌による大腸閉塞で入院となったが全身麻酔下に切除術を行うにはリスクが高いと判断し,局所麻酔下に横行結腸双孔式ストーマ造設術を行うこととした.患者は小柄痩せ型であり,面板が貼付できる平面を得ること,ほぼ寝たきり状態であることなどを考慮し臍部にストーマを造設した.術後経過は良好で,家族によるストーマケアができるようになり退院された.近年結腸ストーマを造設する機会は減少したが,症例によっては臍部がストーマ造設部位の良い選択肢になりうると考えられた.
著者
三嶋 和也 内海 友加利 池田 彩乃 安藤 隆男
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.185-196, 2018-03-31 (Released:2018-10-06)
参考文献数
11

本研究は、特定の地域における義務教育段階にある肢体不自由児の就学先ごとの彼らの障害の状態等の実態を明らかにした。肢体不自由特別支援学校とその通学区域にある小・中学校の通常学級、知的障害特別支援学級、知的障害特別支援学校を対象に質問紙調査を実施した。その結果、障害部位では、どの形態においても下肢障害の割合が最も高かった。移動の自立度が高い児童生徒が通常学級に多く在籍するのに対して、肢体不自由特別支援学校では、独歩や移動の自立度の割合が低かった。また、肢体不自由特別支援学校では、独歩の割合は中学部段階で増え、自立度も高くなる傾向があることから、小学校等から肢体不自由特別支援学校の中学部へと就学先を変更している可能性が示唆された。本研究において得られた結果は地域における肢体不自由児の多様な学びの場における指導の連続性を考究する基礎的な資料となると考えられる。
著者
池田 和夫
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.204-212, 1999-07-01 (Released:2010-02-25)
参考文献数
8
被引用文献数
2

下肢は「移動」が主目的であるのに対し, 上肢はより高度な「動作」が期待される. 上肢の動作は複雑かつ精巧であり, これを完全に模倣した義肢・装具の開発は現在のところ不可能であろう. しかし, 上肢の機能解剖を理解することは, 理想に近づく1つの手段と思われる. 筆者は, 義手あるいは上肢装具の作製・使用を念頭におき, 健常者の上肢の筋・骨格系の機能解剖について述べた. 上肢を近位から, 肩関節, 肘関節, 手関節, 指関節, 母指と分け, おのおのの主動作筋について起始・停止, 支配神経, 筋力について記載した. あわせて, 疾患や外傷によって喪失する機能および生じる変形についても述べた.
著者
池田 慎之介
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.254-260, 2023 (Released:2023-08-25)
参考文献数
30

Sato (2014) reported through three experiments (n = 10 for each) that the concept of time is distributed on our bodies and that associations are found between the right hand and the future and the left hand and the past. The present study replicated Sato’s experiment, and also added a condition in which only one hand was used, to examine whether associations with temporal concepts could also be found for the right and left fingers. The results showed that in Experiment 1 (n = 10), no associations with temporal concepts were found in either the two-handed or right-handed conditions, while in Experiment 2 (n = 20), which used twice the sample size, some associations with temporal concepts were found only in the two-handed condition. Furthermore, in Experiment 3 (n = 20), no associations with temporal concepts were found in either the two-hand or left-hand conditions. These results suggest that temporal concepts are not associated with fingers and that the association between the left and right hand may not be as robust as reported by Sato (2014).
著者
池田 涼子
出版者
仁愛大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

過去の研究で鉄欠乏ラットの血糖値が、同系統のII型糖尿病モデルラット(GKラット)と同程度まで上昇することを観察した。これより本研究では、II型糖尿病の特徴であるインスリン抵抗性の惹起に関連するアディポサイトカインの変動を介して、鉄欠乏が生活習慣病の危険因子となる可能性について検討した。2009年度の研究では、GKラットにおける食餌誘導性鉄欠乏による耐糖能異常の促進が示された。鉄欠乏では、肝臓のビタミンA放出障害により代謝性のビタミンA欠乏状態を呈することが知られている。ビタミンAとその輸送担体は、ともにエネルギー代謝に影響を及ぼすことから、2010年度は鉄欠乏ラットと食餌性ビタミンA欠乏ラットの血中アディポサイトカインの変動を比較し、鉄欠乏により誘導される耐糖能異常の機構について検討を行った。鉄欠乏ラットでは、インスリン抵抗性を促進する炎症性サイトカインの増加と、インスリン感受性促進因子であるレプチンとアディポネクチンの低下を観察した。これらは、鉄欠乏による脂質代謝の変動および生体内脂質過酸化の亢進を反映したものと考えられた。ビタミンA欠乏ラットでは、TNFαの増加傾向およびレプチンの低下が観察されたが、鉄欠乏群ほどの顕著な差ではなかった。インスリン抵抗性促進因子であるRBP4は、ビタミンAの利用低下を反映して、両群とも低値を示した。以上より、鉄欠乏およびビタミンA欠乏で、ともにインスリン抵抗性に関連するアディポサイトカインの変動がみられたが、その項目は完全には一致せず、それぞれが独自の要因により耐糖能異常を呈するものと考えられた。本研究から、糖尿病の栄養管理において、ビタミンAおよび鉄栄養の充足が重要であることが示された。
著者
宇田 宙照 福島 充也 後藤 康夫 池田 均 塚西 茂昭 信原 克哉
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.11-15, 1989-11-01 (Released:2012-11-20)
参考文献数
3

The clavicular movement during active elevation of the upper limb was analyzed in this study. Sixty right shoulders in normal sugjects were investigated by using “ Chneradiography” and the “ personal image analysis system”. The lateral lower margin and the conoid tubercle of the clavicle were measured as the points which demonstrate clavicular movement.During elevation of the upper limb in the scapular plane, the elevated ang l e s of the clavicle were calculated with the scapular movement in the following stages; “ setting phase”, the “ hanging joint” prase, “ transit zone”, and the “ joint needing support” phase.The results were as follows:1. The elevated angles of the clavicle increased gradually during elevation of the upper limb. Finally the average of maximum elevated angles of the clavicle was 41.5 degrees at 150degrees of the arm-trunk angle. We noticed the clavicular movement for every 10 degrees was uneven in this study.2. No remarkab l e elevation was noted in the “ setting phase”. The elevated angles of the clavicle reached 4.22 degrees during the setting phase. Clavicular movement is similar to scapular movement, however, it was slightly irregular and unstable.3. In the “ hanging joint” phase, the elevated angle of the clavicle was 3.69 degrees forevery 10 degrees.4. In “ transit zone”, the elevated angle of the clavicle was 4.02 degrees for every 10degrees. The ratio of clavicular movement was closest to the scapular movement in this phase. And this movement was the most characteristic.5. In the final stage, in the “ joint needing support” phase, the elevated angle of the clavicle increased 4.22 degrees of the elevation of the upper limb.6. The absolute relationship between scapular and clavicu l a r movements were obtained from these results.
著者
榎本 ヒカル 澤田 晋一 安田 彰典 岡 龍雄 東郷 史治 上野 哲 池田 耕一
出版者
独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.7-13, 2011 (Released:2011-09-30)
参考文献数
17
被引用文献数
4 2

熱中症予防のためには水分摂取が重要であることが指摘されているが,その水分補給量の目安は明確に定められてはいない.そこで,ISO7933に採用されている暑熱暴露時の暑熱負担予測のための数値モデルであるPredicted Heat Strain(PHS)モデルに着目し,暑熱環境における水分補給量の違いが人体に与える影響を検討し,PHSモデルから算出される水分補給量の妥当性を検証した.健常な青年男性8名を被験者とし人工気象室を用いて水分摂取条件を3水準(無飲水,PHSモデルによる飲水,ACGIHガイドラインに基づく飲水),運動条件を2水準(座位,トレッドミル歩行)設定し,生理的指標として皮膚温・体内温(直腸温,耳内温),体重,指先血中ヘモグロビン濃度,心電図,血圧・脈拍数,視覚反応時間,心理的指標として温冷感に関する主観的申告,疲労に関する自覚症しらべを測定した.その結果,暑熱環境での作業時には飲水しないよりも飲水するほうが体温や心拍数が上昇しにくく,生理的暑熱負担が軽減されることが示唆された.また,PHSモデルによる体内温と体重の変化量の予測値と本研究での実測値を比較したところ,PHSモデルは作業時の水分補給の目安の一つになりうることが明らかになった.
著者
池田 慎之介
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.423-444, 2018 (Released:2020-03-15)
参考文献数
179
被引用文献数
2

In this paper, the role of language in emotion experience and emotion perception was investigated by reviewing the theory and evidence. By referring to the model of emergence and perception of emotion, the developmental stage at which language would influence these processes was indicated. The developmental perspective, which has rarely been focused on, was investigated by reviewing studies of infants and children. For emotion experience, our findings suggested that the inner conditions can be represented in two dimensions. For emotion perception, crude information such as information associated with “positive” or “negative” can be decoded without language. However, categorical recognition of emotion in experience and perception may require language.