著者
原口 裕次 清水 達也 大和 雅之 菊池 明彦 岡野 光夫
出版者
日本再生歯科医学会
雑誌
日本再生歯科医学会誌 (ISSN:13489615)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.83-92, 2004-12-30
被引用文献数
3

最近,欠損または機能不全に陥った組織・臓器に対する新たな治療法として細胞を用いた再生医療が注目され,すでにいくつかの治療法が臨床応用されている.また歯学分野においても幹細胞を用いた細胞移植により歯周組織の再生を目指した研究などが行われている.再生医療には細胞を注射針で不全部に注入する細胞移植療法と細胞から組織を再構築した後,移植する組織工学(Tissue engineering)的手法がある.後者は生命医科学分野だけでは実現が困難であった研究領域であり理工学的な技術との連携により急速に進歩しつつある.当研究所では,独自に開発したユニークな組織工学的手法「細胞シート工学(Cell sheet engineering)」を用い,種々の組織の再構築および再生医療への応用を目指し研究を行っており,一部の組織においてはすでに臨床応用もされ画期的な治療効果を得ている.
著者
清水 昭伸
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.103-107, 2020 (Released:2020-06-20)
参考文献数
15

本稿では,A01-2班で行った多元計算解剖学における形態情報統合の基盤技術の成果の中から,ヒト胚子,小児,死後の多元計算解剖モデルに関する成果について述べる.胚子については,顎顔面上のランドマークの時空間統計モデルと脳形状の時空間統計モデル,小児では,肝臓の時空間統計モデルに関する成果について紹介する.死後の人体に関しては,成人の摘出肺を対象とした超解像技術について報告する.
著者
石井 直弘 清水 雄介 青木 麻利江 鈴木 彩馨 貴志 和生
出版者
日本マイクロサージャリー学会
雑誌
日本マイクロサージャリー学会会誌 (ISSN:09164936)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.178-181, 2020

<p>Various techniques for nail reconstruction have been reported until now; however, a simple one providing good esthetic results was difficult to find. Arterialized venous toenail flap is a free flap that includes the nail bed and matrix with a pedicle formed solely by the subcutaneous vein of the toe. The use of this flap is minimally invasive, easy, and the flap has a high survival rate. The mechanism of graft survival remains unknown given the non-physiological circulation. To the best of our knowledge, no studies have explained this mechanism with reference to detailed postoperative course. We herein present two cases of nail reconstruction performed using arterialized venous toenail flap. We analyzed the postoperative course in detail, which enabled us to postulate on the mechanism of graft survival.</p>
著者
野田 剛広 新毛 豪 清水 潤三 畠野 尚典 堂野 恵三
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.682-688, 2016-10-31 (Released:2016-11-10)
参考文献数
29

急性胆嚢炎に対する診療ガイドラインにおいては,発症後72時間以内の早期手術が推奨されているが,72時間以上経過した症例に対する手術成績は不明である.今回我々は,72時間以上経過した症例に対する緊急腹腔鏡下胆嚢摘出術の手術手技と治療成績について検討した.2005-2014年の間に急性胆嚢炎と診断し,緊急腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した233例を対象とした.発症後72時間以内の早期群(n=193)と72時間以降の後期群(n=40)に分類し解析を行った.平均手術時間は,早期群83分,後期群87分と差を認めなかったが,平均出血量は,早期群69mlに対し,後期群140mlと増加を認めた(p=0.0084).術後合併症,開腹移行率,術後在院日数は差を認めなかった.発症後72時間以上経過した急性胆嚢炎に対する緊急腹腔鏡下胆嚢摘出術は,安全に施行可能であり許容可能と思われた.
著者
清水 泰行 Yasuyuki Shimizu
雑誌
日本文藝研究 (ISSN:02869136)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.1-21, 2020-03-30
著者
清水 かおり 片岡 弥恵子 江藤 宏美 浅井 宏美 八重 ゆかり 飯田 眞理子 堀内 成子 櫻井 綾香 田所 由利子
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.267-278, 2013
被引用文献数
3

<b>目 的</b><br> 日本助産学会は,「エビデンスに基づく助産ガイドライン―分娩期2012」(以下,助産ガイドライン)をローリスク妊産婦のスタンダードケアの普及のため作成した。本研究の目的は,助産ガイドラインで示された分娩第1期のケア方針について,病院,診療所,助産所での現状を明らかにすることを目的とした。<br><b>方 法</b><br> 研究協力者は,東京都,神奈川県,千葉県,埼玉県の分娩を取り扱っている病院,診療所,助産所の管理者とした。質問項目は,分娩第1期に関するケア方針18項目であった。調査期間は,2010年10月~2011年7月であった。本研究は,聖路加看護大学研究倫理審査委員会の承認を受けて行った(承認番号10-1002)。<br><b>結 果</b><br> 研究協力の同意が得られた施設は,255件(回収率37.3%)であり,病院118件(回収率50.2%),診療所66件(20.8%),助産所71件(54.2%)であった。妊娠期から分娩期まで同一医療者による継続ケアの実施は,助産所92.9%,診療所54.7%と高かったが,病院(15.3%)では低かった。分娩誘発方法として卵膜剥離(病院0.8%,診療所3.1%,助産所1.4%)および乳房・乳頭刺激(病院0%,診療所1.5%,助産所5.6%)のルチーンの実施は低かった。入院時の分娩監視装置による胎児心拍の持続モニタリングの実施は,助産所の38%が実施していた。硬膜外麻酔をケースによって行っているのは,病院の31.6%,診療所の31.3%であった。産痛緩和のための分娩第1期の入浴は,助産所では92.7%,病院48.3%,診療所26.7%で可能とされていた。産痛緩和方法として多くの施設で採択されていたのは,体位変換(95%),マッサージ(88%),温罨法(74%),歩行(61%)等であった。陣痛促進を目的とした浣腸をケア方針とする施設は非常に少なかった(病院1.7%,診療所9.1%,助産所1.4%)。人工破膜をルチーンのケア方針としている施設はなかった。<br><b>結 論</b><br> 分娩第1期のケア方針について,病院,診療所,助産所における現状と助産ガイドラインのギャップが明らかになった。本研究の結果を基準として,今後助産ガイドラインの評価を行っていく必要がある。本研究の課題は,回収率が低かったことである。さらに,全国のケア方針の現状を明確化する必要がある。
著者
小清水 直樹 井上 裕介 伊藤 靖弘 岩嶋 大介 菅沼 秀基 小林 淳 朝田 和博 須田 隆文 千田 金吾 田井 久量
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.25-30, 2009-01-25 (Released:2016-10-29)
参考文献数
15

背景.気管気管支アミロイドーシス(以下ア症)は中高年に多くみられる疾患であり若年者の報告はまれである.症例.15歳女性.2004年より嗅覚の低下があり,アレルギー性真菌性副鼻腔炎が疑われた.2006年8月鼻出血が続き,易出血性の副鼻腔ポリープがみとめられた.当院耳鼻科でポリープ切除術を施行し,鼻腔アミロイド(AL型)と診断された.全身検索目的および乾性咳嗽にて,当科に紹介となった.気管支鏡検査では,気管下部よりびまん性に粘膜の発赤・浮腫性の腫脹があり,易出血性で気道は狭小化していた.気管支粘膜生検でもアミロイドの沈着をみとめた.明らかな基礎疾患はなく,その他の臓器にはアミロイドの沈着はみられず,原発性と考えられた.呼吸器症状は軽微で,若年者でもあることから,吸入ステロイド剤投与にて経過観察をしている.4ヵ月後の胸部CTでは,気道病変に変化をみとめていない.検索した限りでは,原発性気管気管支ア症としては,本例が最年少であった.結論.基礎疾患のない若年者にも,気管気管支ア症がみられることがある.びまん性気管気管支ア症に対する副作用の少ない有効な治療法の開発が望まれる.
著者
羽賀 里御 浦辺 俊一郎 深澤 桃子 加藤 亜輝良 松沢 翔平 加藤 基子 檜山 英己 栗井 阿佐美 南雲 三重子 尾崎 美津子 古森 くみ子 清水 美智江 水品 伊津美 山本 茉梨恵 白鳥 恵 巽 亮子 倉田 康久 兵藤 透
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.465-470, 2020 (Released:2020-09-28)
参考文献数
13

当院はCOVID-19感染者の多い神奈川県にある無床外来維持血液透析クリニックである. 透析患者は学会指針のマスク着用, 手洗い等の標準予防策を遵守し通院している. 今回, 血液透析患者1例がCOVID-19に罹患していることが判明した. この普段からの標準予防策に加えて, 発生から2週間, 感染者が出た透析時間帯の患者は時間帯を固定, 同一メンバーとし, 不要不急の検査, 受診, 手術は延期し, 感染防御対策を行うこと (集団的隔離透析) を補完的に加えることで, 二次感染が防止できたと考えられる事例を経験した. 特にマスク, 手洗い等の普段からの学会指針の基本を遵守することが二次感染防止に非常に有効と考えられた.
著者
高島 務 清水 良輔 玉置 昭治
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.637-641, 1987 (Released:2010-08-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1

インドメサシン (インダシン®) によるアレルギー性肝障害の経過中投与されたビタミンB1誘導体Niamine monophosphate disulfide (TMPDS) により, 薬剤熱, 蕁麻疹様皮疹を惹起した49歳, 女性症例を報告した。インダシン, TMPDS内服テストは陽性, リンパ球幼若化反応ではインダシンが陽性, TMPDSが陰性であった。
著者
清水 伴訓 赤間 清 宮本 衛市
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス
巻号頁・発行日
vol.96, no.283, pp.9-16, 1996-10-01
参考文献数
8
被引用文献数
14

「等価変換による問題解決」は、与えられた問題を等価変換によって簡単化し、自明な問題に置き換えることによって解を得る汎用の枠組である。これを基礎としたプログラミングが等価変換プログラミングである。本論文では、等価変換プログラミングを実働化するための言語ETCについて述べる。ETCプログラムは、(1)ユーザが定義する豊富なデータ構造を用いた多様な等価変換ルール、(2)ルール選択のためのルールの優先順位宣言、からなる。