著者
清水 美知子 シミズ ミチコ Michiko SHIMIZU
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.6, pp.87-98, 2005-03-31

本稿は,1930年代に東京と横浜でおこなわれた2つの社会調査から,住み込み女中の実態を明らかにしようとする試みである。女中の多くは農村出身の10代後半から20代前半までの未婚女性で,小学校程度の学歴を持つ。就職の経路として最も多いのは親戚や知人の紹介で,民間・公共の紹介所で仕事に就いた者は少ない。職務限定で雇われている者は少数にすぎず,大半は座敷仕事も台所仕事も何でもこなす,いわゆる「一人女中」である。定まった休みのある者は半数以下で,ある場合も不定期である場合が少なくない。女中の属性や就労状況を女工と比較すると,年齢や学歴の構成は変わらないものの,就労条件は大きく異なる。すなわち,月給30円以上の者は女中では1%にも満たないのに対し,女工では半数近くを占め,公休日も女工の場合はすべて月極で定められており,大半は毎週もしくは隔週で休みがある。就労理由についても,女工のほとんどは「家計補助」「自活」など経済的な必要に迫られ働いているのに対し,女中の場合,過半数が「嫁入支度」「行儀見習」などの理由をあげている。「結婚を目標にした結婚準備のための修業」。このような意識が強いからこそ,安い給料で休みがなくても,何とか我慢できるのであろう。日本の家庭女中を考えるさいには,この点を見逃すことができないのである。
著者
清水 一大 加藤 博和 福本 雅之 竹下 博之
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.659-666, 2006-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
8

本研究では, 名古屋の基幹バス新出来町線の実例をもとに, 中央走行方式バスの中長期的な導入効果を明らかにすることを目的としている. 分析によって, 1) バス走行が一般車両の影響を受けにくくなる結果, 高速化や定時性向上が図られていること, 2) 沿線状況のわりに利用客がより多く喚起されており, 他のバス路線に比べ乗客の減少が少ないこと, 3) 一般車の走行車線は減少するものの, バスも含めた単位時間あたり道路断面通過可能人キロはさほど減少しないこと, 4) 速度向上効果が, 停留所減による沿線住民のバス停アクセス時間の増加を補っていること, などが示されている.
著者
角藤 裕 清水 元気 山岡 傳一郎
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.337-341, 2015 (Released:2016-02-09)
参考文献数
13

B 型肝炎に伴う非代償性肝硬変により生じた治療抵抗性の腹水に対し茵蔯蒿湯と五苓散料が奏効した一例を経験した。症例は58歳女性。B 型慢性肝炎と糖尿病を無治療で放置しており,外傷に伴う頸部痛で受診した際に黄疸と腹水を指摘され入院した。フロセミドやスピロノラクトンといった利尿薬の効果に乏しく,アルブミン補充でも腹水のコントロールが不良であったが,茵蔯蒿湯合五苓散料を煎薬にて投与したところ1ヵ月余りの間に速やかに改善した。茵蔯五苓散料(煎薬)あるいは五苓散エキスと比較し明らかに効果があったと思われ,特に山梔子や大黄の作用が重要であったと考えられた。
著者
阿登 大次郎 小竹 武 小森 浩二 森山 博由 井上 知美 三田村 しのぶ 日高 眞理 水野 直子 廣瀬 隆 吉田 彰彦 鬼本 茜 八代 哲也 大原 隆司 清水 忠 東海 秀吉
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.2020-033, 2020 (Released:2020-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
2

本研究は,処方解析報告書を連携ツールとした薬局病院合同教育プログラムが,実習生の処方解析能力にどのような影響を与えたかについて検証することを目的とした.処方解析報告書は,採択理由などを含む4つの大項目で構成された書式を作成した.実習生は本報告書を週1例以上提出し,実習開始1,6,11週目に報告書の内容と自身の考察を発表した.提出された報告書と発表内容に対して評価チームの薬剤師および大学教員がルーブリックを用いて評価した.実習生の報告書と発表に対する評価結果および実習後アンケートの結果から,実習11週目には,1,6週目と比べてルーブリックの全項目が有意に向上し,特に疾患を意識した症例選択能力が向上したと考えられた.また,アンケート調査から,実習生が本プログラムにより自身の成長を実感していることが明らかになったが,発表会後のフィードバック方法に今後の課題が見出された.
著者
清水 裕子 横山 真緒 清水 栄治 永田 雅彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.201-205, 2009 (Released:2010-03-11)
参考文献数
7

ペットショップ自家製ドッグフードを与えられていた5歳齢,去勢雄,ミニチュア・ダックスフンドの口囲に鱗屑,肉球に糜爛潰瘍,包皮先端・肛囲に糜爛が生じ当院を受診した。全身症状はなく,血液検査で特記すべき異常も認めなかった。病理組織学的検査では,表皮および毛包内の不全角化と真皮浅層の炎症がみられた。ジェネリック・ドッグフード皮膚症を疑い,食事として適切なミネラルを含量し,亜鉛や必須脂肪酸が増強されたセレクトプロテインライト(コッド&ライス)ドライフード(ロイヤルカナンジャポン,東京)に変更したところ,約1週間で改善傾向がみられ,4週後に軽快した。後日実施したフードの食品分析結果において,亜鉛と銅がAAFCOの成犬最小栄養素許容量以下であった。
著者
清水 正義
出版者
東京女学館短期大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

ニュルンベルク国際軍事裁判の管轄とされた「人道に対する罪」概念の形成過程を研究文献を通じて明らかにすること、「人道に対する罪」が包含する罪の内容を判決その他の資料を通じて具体的に検証すること、ニュルンベルク裁判と東京裁判における「人道に対する罪」の適用の相違の意義について明らかにすること、以上三点を今年度研究の重点目標とした。その結論は以下の通りである。1.「人道に対する罪」はすでに第一次世界大戦後のヴェルサイユ講和会議の際に用語として用いられているが、「民間人に対する非人道的迫害行為」という意味でこの罪が成立したのは、第二次世界大戦中の連合国間の合意、とくに中東欧の諸小国間の合意に発するものであり、その際、この罪概念が射程とした犯罪行為はナチス・ドイツによる連合国国民及びドイツ国民に対する迫害行為であった。2.「人道に対する罪」は、本来、戦時国際法規違反の範疇を越える人類普遍の原理に対する侵害として成立したものであったが、国際軍事法延の管轄の限界から、戦争犯罪に類似した罪と概念されてきた。しかし、この罪の本来の概念は戦争犯罪にとどまるものではなく、従って戦後、国際社会の合意により、ジェノサイド条約などの形で普遍的法規範のひとつに高められたのであり、また西ドイツにおいて「人道に対する罪」が刑法殺人罪の一種として認定され、断罪される余地が残されたのである。3.以上のような状況と比較して、東京裁判においては「人道に対する罪」に該当する犯罪行為が存在したと見做されていたかどうかきわめて不分明であり、結果的にこの罪の適用は回避されている。このことが、戦後、戦争犯罪について日本で法的断罪が行われなかった根拠であると考えることができる。
著者
清水 祐一郎 Yuichiro Shimizu
出版者
電気通信大学
巻号頁・発行日
2016-09-30

日本語には,現実の具体的な音声や,様子,心情などを音で表現する語であるオノマトペ(擬音語・擬態語の総称)が豊富に存在する.オノマトペは多様な概念を感覚的かつ直接的に表現することができ,生き生きとした臨場感のある描写を実現する上で,不可欠な言語要素である.また,オノマトペには新しい語形を次々と作り出す力が備わっており,より創作的・独創的なオノマトペ表現のほうが,聞き手・読み手にとってイメージがより具体的に喚起されるため,効果的であるともされる.一方で,オノマトペは本人の感覚経験と強く結びついているために,あいまいで主観的な表現でもあり,客観的にその印象を扱うことは難しい.多様な感覚を表し,新奇性のある表現が作られうるオノマトペの感性的な印象を,客観的に評価する手法を確立することには大きな意義があると考えられる.ゆえに,そのようなオノマトペの創作および活用を有効に支援することができれば,社会および文化の発展に大きく貢献できるものと考えられる.したがって本論文では,オノマトペの創作活動を支援するために,主観的なオノマトペごとの微妙な印象や,相互に似通ったオノマトペの差異を客観的に評価する「オノマトペの印象評価システム」と,広告やネーミング,漫画などの制作の現場において,制作者の所望する印象を与えるオノマトペを探索する「オノマトペの生成システム」の2 つのシステムを設計・開発することを目的とした.言語学においては一般に,言語の音とその語によって表される意味の間の関係は必然的なものでなく,恣意的なものであるとされてきた.しかしオノマトペにおいては,言語の音韻と意味との間に何らかの合理的・感覚的な結びつきが見られる場合があり,このような現象を音象徴という.すなわち,オノマトペのもつ基本的な音象徴的意味を,その語の構成する音から予測することができるとされる.近年,言語学分野や心理学分野において,音象徴に着目した従来研究があり,オノマトペにおける体系的な音象徴性が論じられてきた.一方で,オノマトペが感覚に直接結びつく特性に着目した工学的研究が近年多く存在する.しかしこれらの工学的研究のうち,オノマトペに内在する感性的な印象を,音象徴性に基づいて直接的かつ客観的に扱っている研究事例は少ないのが現状であった.そこで,本論文においては,心理学的手法によって音と意味の間の対応関係を調査し,オノマトペを構成する個々の音韻から印象を予測する手法を考えた.そして,この音象徴に基づく印象予測モデルを用いて,オノマトペの印象評価システムとオノマトペの生成システムを設計・開発した.本論文は全5 章から構成され,各章の概要は以下の通りである.第1 章では,研究の社会的背景として,オノマトペの社会における利活用の事例を取り上げ,オノマトペのもつ創作的な特徴と,創作活動における課題について述べる,本論文の目的として,感性的な印象を客観的に扱う手法を確立し,オノマトペの創作支援を可能にするシステムを設計・開発することと定める.第2 章では,まずオノマトペの分類と定義について述べる.擬音語や擬態語など多様な概念を含むオノマトペの分類についての概要を示し,本論文で扱うオノマトペの範囲を定義する.次に,オノマトペに関連する文理両分野における従来研究を取り上げる.オノマトペの特徴である音象徴性について概説し,20 世紀の欧米言語学と欧米心理学,日本語学における研究の流れに加え,オノマトペの感性的側面を工学分野に取り入れた近年の研究についても概観する.ここで,オノマトペの音象徴に基づいたシステムの設計・開発の背景となる知見を共有し,本論文の意義と位置づけを明確にする.第3 章では,オノマトペの印象評価システムの設計・開発に関する研究について述べる.あいまいとされるオノマトペの意味を客観的に推定するために,オノマトペの特徴である音象徴性に着目する.オノマトペを構成する個々の音韻の要素からオノマトペ全体の印象を予測するモデルを構築し,辞書データベースに頼らない印象評価手法を試みることによって,新しく創出された新奇性のある表現についても,客観的な印象評価を可能にする.第4 章では,オノマトペの生成システムの設計・開発に関する研究について述べる.第3 章で述べたオノマトペの印象評価手法を応用し,ユーザがシステム上で任意に入力した印象評価値を目的として,遺伝的アルゴリズムによるオノマトペの探索・最適化手法を実現することによって,ユーザの直感的な印象に合致したオノマトペを生成する手法を試みる.また,生成システムと印象評価システムとを統合し連携させることによって,ユーザの印象により適合したオノマトペを探索する活用法を可能にする.第5 章では,本論文の総括として,オノマトペの印象評価システムおよびオノマトペの生成システムの設計・開発に関する研究を振り返り,明らかになった課題について議論する.そして,両システムの活用や新たなシステムの設計,オノマトペの工学的応用に関する今後の展望についても論じる.
著者
永井 聡子 清水 裕之
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.63, no.513, pp.135-142, 1998-11-30 (Released:2017-02-02)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

From the latter Meiji era to the beginning of the Showa era, the space between stage and auditorium goes foward two dipromatic directions in Japanese theatre with getting of the high position in the process from a diplomacy to an amusement than before. These directions in the Kabuki theatre begin with Shingeki. Kabuki theatre and Shingeki theatre have different ways each other. That is synbolized by Hanamihci, Lighting of FOH(front of house) and kuppelhorizont.
著者
大槻 奈緒子 福井 小紀子 藤田 淳子 清水 準一 林田 賢史 清崎 由美子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.183-192, 2019 (Released:2019-11-13)
参考文献数
32
被引用文献数
2

目的:本研究は,機能強化型訪問看護事業所での利用者特性に応じた訪問看護ケアの実施実態を明らかにした.方法:全国の機能強化型訪問看護事業所と利用者515名を対象に開発したデータ入力システムを用いた調査を行った.結果:利用者特性に関連する実施回数の多い訪問看護ケア項目は,がん末期では「疾病・治療の説明・指導(オッズ比(OR)=4.535)」,神経難病利用者への「衣生活のケア・指導(OR = 2.276)」,小児への「精神的援助(OR = 3.062)」「意思決定支援(OR = 3.701)」が特徴的であった.結論:利用者特性別での実施回数の多い特徴的な訪問看護ケアが明らかになった.訪問看護のケア実施には,利用者特性を考慮する必要がある.
著者
清水 右郷
出版者
一般社団法人日本リスク学会
雑誌
日本リスク研究学会誌 (ISSN:09155465)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.111-121, 2019-10-25 (Released:2019-10-24)
参考文献数
45
被引用文献数
1

Philosophers of science have distinguished epistemic values from other values. The former are relevant to scientific evaluation, while the later are legitimate bases to address ethical, social, and political issues. Given such a classification, experts should normally respect both scientific rationality and ethical soundness. How about situations where these values are conflicting? If the priority of epistemic values could be a cause of ethical issues, what is right action? This is the central theme of the controversy over randomized controlled trial and clinical equipoise. From the existing literature on the controversy, I found out two types of strategies to resolve the dilemma. After looking into how epistemic values and ethical values relate in each strategy, I will make a few general suggestions about norms for scientific research.
著者
清水 建美 植田 邦彦 山口 和男
出版者
金沢大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1994

本研究は高山植物を対象に、起源・伝播経路・分布パターンの成立過程といった生物地理学的課題をDNA情報を導入することによって解明し、DNA地理学に先鞭をつけることを目的としている。この種の研究では対象植物が常に大量に入手できるとは限らず、したがって少量の材料から効率よくDNAを抽出、増殖させる方法が求められる。まず、このような実験方法について研究、実施した。次いで、日本列島をはじめ世界各地から収集した高山植物、42種210試料について葉緑体DNAのtrnLとtrnFの遺伝子間領域、3種34試料についてtrnL遺伝子のイントロン領域の塩基配列を解析したところ、ハクサンチドリでは全分布域にわたって多型は認められず、アキノキリンソウ・コケモモ・ヤナギランなどの植物は、多型はあるものの地理的なまとまりは認められず、イワオウギ・イワツメクサ・ゴゼンタチバナ・ミヤマアズマギクなどでは北海道と本州の集団間にも多型はなく、また、ヒメクワガタやミヤマゼンコなどでは同一種内の変種間にも多型はなく、エゾウスユキソウとハヤチネウスユキソウでは異種間であっても多型は認められず、葉緑体DNAの変異の現れ方は分類群によりさまざまであることが判明した。一方、エゾコザクラ群およびヨツバシオガマ群においてはそれぞれ6および11の葉緑体DNA型が検出され、塩基配列の違いによって最節約樹を作成したところ、ともに広い分布範囲をもつ北方型、中部山岳群に細かく地域的に分化した南方型に大きくわけられるなど、生物地理学的に意義深い情報をうることができた。また、谷川岳でキタゴヨウマツ・ハッコウダゴヨウ・ハイマツの3集団間での遺伝子の動きを解析したところ、花粉はハイマツからキタゴヨウに供給されて浸透交雑が起こり、ハッコウダゴヨウが形成されることを見出した。

3 0 0 0 OA EMO症候群の1例

著者
宮田 明子 清水 隆弘 喜多野 征夫
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association/Meeting of Keiji Dermatological Association
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.19-23, 2002 (Released:2010-08-25)
参考文献数
29
被引用文献数
1

43歳, 女性。平成8年11月よりGraves病でチアマゾール内服加療中であった。平成9年5月頃より右下腿の浮腫, 硬化, および多毛を認め両下腿, 右大腿まで広がってきたため当科受診した。初診時, 両下腿・右大腿の全周にわたって浸潤を伴う褐色斑を認め, 一部表面に鱗屑を伴っていた。また, 同部に多毛と毛孔の開大を認めた。組織検査のHE染色では, 真皮乳頭層を除く上層から下層に膠原線維の離開を伴う浮腫性変化と淡い好塩基性の物質の沈着が認められ, アルシアンブルーで青く, コロイド鉄で青緑色に染色された。以上より脛骨前粘液水腫と考え, 眼球突出, 骨関節症を伴っていることからEMO症候群と診断した。
著者
小野 尚子 田中 一光 木脇 佐代子 井上 雅貴 霜田 佳彦 大野 正芳 坂本 直哉 石川 麻倫 山本 桂子 清水 勇一 清水 亜衣 松野 吉宏
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.593-601, 2020-05-24

●「考える内視鏡診断」のポイント通常観察では・多彩な内視鏡像が同時に観察される.・非上皮性腫瘍としての性質(粘膜下腫瘍様)が観察され,蚕食像はなく,硬さが目立たない.拡大内視鏡観察では・腫瘍浸潤により腺管構造が破壊された無構造領域や異常血管が観察される.・間質の細胞浸潤により窩間が引き延ばされ,腺管の膨化所見がみられることがある.・前述の特徴を捉え,狙撃生検を行うことで,診断能は向上する.・治療後に腺管構造や上皮下毛細血管の回復が観察され,治療後評価にも有用である.