著者
松本 晃治 有方 雅彦 神前 英明 清水 猛史
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.155-159, 2014 (Released:2015-02-11)
参考文献数
12
被引用文献数
2

涙囊由来の腫瘍はまれであるが,その約70%が悪性腫瘍である。流涙や涙囊部腫脹を主訴として眼科を初診することが多い。今回,慢性涙囊炎を発生母地とした涙囊癌症例を経験し,眼窩内容摘出・皮膚を含めた上顎部分切除,耳下腺全摘術・頸部郭清術と術後放射線照射を行った。病理検査で唾液腺導管癌に相当する涙囊原発腺癌と診断された。涙囊癌の手術治療においては,涙囊,鼻涙管,涙囊周囲骨,眼窩内容,鼻副鼻腔を含めた切除術が必要であり,頭頸部の解剖に精通している耳鼻咽喉科医が担当する必要がある。
著者
黒田 澤井 玲子 佐々木 裕 西川 智子 黒田 和道 桜井 孝治 山本 樹生 清水 一史
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.496-498, 2011-10-15
被引用文献数
2

我々は,カリン(<I>Chaenomeles sinensis</I>)中の高分子ポリフェノールの季節性インフルエンザウイルス A/Udorn/ 307/72 (H3N2)に対する感染性中和活性および赤血球凝集抑制効果を既に報告している.<BR> カリン中の活性画分CSD3を用いて,新型インフルエンザウイルス A/Chiba/1001/2009 (H1N1) pdm に対する赤血球凝集抑制活性および感染性中和活性を評価したところ,5 μg/ml のCSD3で処理したウイルスは赤血球凝集価が約1/2に,感染性が約1/10に減少することが明らかになった.250 μg/mlの処理では感染価は1/3 000に減少したこれらの結果は,カリン中の抗インフルエンザウイルス活性成分は,H1N1新型インフルエンザウイルスに対しても有効であることを示す.更に,赤血球凝集価の減少以上に感染性が減少したことからウイルス吸着段階以降における抑制作用の存在が示唆された.
著者
水谷 正治 坂田 完三 清水 文一 木下 朋美 水谷 正治
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

調査研究には、Tocklai Tea Experimental Station(TTES)の母体であるインドTea Research Association(TRA)の全面的協力が得られることとなり、2年間の共同研究契約を締結し、調査研究を下記のように実施した。1)ダージリン高級紅茶“Second flash"の実態調査06年5月末、日本側から3名の研究者がアッサム地方トクライにあるTTBSとダージリンを訪ね実態調査を行った。インド側2人の研究者とともにダージリンの代表的茶園を順次訪ねて、虫害の状況と製茶状況を視察した。また、2カ所の茶園では“Second flash"製造時の各製造段階でのサンプルの採取を行った。ダージリンではヨコバイ(英名:jassid(green fly):Empoasca flavescens Fabr.)の他にアザミウマ(英名: thrips: Taeniothrips setiventris Bagnall)の食害が多かった。いずれの虫害がダージリン茶の香気形成に重要かを明らかにする必要がある。07年6月、日本側から3名の研究者がTTESを訪問し調査研究を行った。ヨコバイとアザミウマを実験室で飼育できるよう指導し人工飼育に成功した。人工飼育した虫を用いて実験室レベルでチャ葉に虫害を与え、それを材料にして香気分析を行なうようインド側研究者に指導した。2)虫害チャ葉から作られる“Second flash"特有香気生成機構の解明06年にダージリン茶園試料をGC-MS香気分析に供した結果、台湾の東方美人の場合と同様に、ダージリン紅茶でもhotrienolなどのモノテルペンアルコールの生成に虫害が密接に関与していることが示唆された。07年にTTESにて人工飼育したヨコバイおよびアザミウマを用いた加害試験を行った結果、“Second flash"紅茶特有の香気生成には虫害の関与が大きいことが明らかとなった。また、日本のやぶきた種茶園にて採集した農薬処理を行ったチャ葉と虫害を受けたチャ葉とで香気成分を比較し、diolの生成にはヨコバイ吸汁刺激が引き金になっていることが示唆された。3)新しい簡易紅茶製造法開発に向けた調査研究高品質な紅茶を簡便に製造するための新しい技術として、烏龍茶の製造技術を応用することをTTESの研究者に指導し、TTESにてパイロット機器を用いた製茶を行った。萎凋工程および撹拌工程の追加改良により、紅茶香気の改善が期待された。
著者
清水 雅夫 奥富 正敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1409-1418, 2001-07-01
参考文献数
9
被引用文献数
35

ステレオ画像処理や各種画像計測, 流体計測の分野では, 領域ベースのマッチングが多く使用されている. 通常は, 画素分解能以上の精度を得るために, 一致度評価値を利用したパラボラフィッティングによってサブピクセル推定を行っている. しかし, その際の推定値の精度や性質に関する研究は少ない. 本論文では, マッチングに使用する画像を特定の関数で近似し, サブピクセル推定における誤差を解析した. この結果から, サブピクセル推定に固有の現象を説明した. 更に, サブピクセル推定における誤差を大きく低減する手法を提案する. この手法は, 一致度評価値の算出方法とは独立で, 実装が容易である. この手法の効果を確認するために, 3種類の画像を使用して実験を行った.
著者
清水 博之
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.57-66, 2012-06-25 (Released:2013-05-09)
参考文献数
42
被引用文献数
5 8

ポリオワクチン関連麻痺(VAPP)およびワクチン由来ポリオウイルス伝播によるポリオ流行のリスクを避けるため,ポリオ流行のリスクが低い多くの国々では,不活化ポリオウイルスワクチン(IPV)が定期予防接種に導入されている.我が国では,現在,単独IPVと二種類の百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ (セービン株由来IPV; sIPV) 混合ワクチンの製造承認申請が提出されており,2012年秋の導入が予定されている.一方,VAPPリスクへの強い懸念や近い将来のIPV導入により,経口生ポリオウイルスワクチン(OPV)接種率低下が顕在化している.OPVからIPVへの移行期における,集団免疫レベルの低下について注意深く監視するとともに,ポリオ疑い例のサーベイランス強化とポリオウイルス実験室診断の徹底が求められている.sIPVの開発は,より価格の安いIPVを途上国に導入するための,もっとも現実的なオプションのひとつである.そのため,sIPV導入後は,世界で初めて認可されたsIPV製剤として,有効性,安全性,および,互換性に関する臨床研究が必要とされる.
著者
村田 卓士 岡本 奈美 清水 俊男 玉井 浩
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.101-107, 2007 (Released:2007-04-30)
参考文献数
18
被引用文献数
1 6

PFAPA症候群とは,周期性発熱,アフタ性口内炎,頸部リンパ節炎,咽頭炎を主症状とし5歳以下の乳幼児期に発症する非遺伝性自己炎症性疾患である.病因,病態は現在不明であるが,サイトカイン調節機能異常は重要な病態の一つと考えられる.発熱発作の周期は規則的で通常3~6日間続くが,間歇期は全く症状を欠き活動性も正常である.その他,扁桃炎,倦怠感,頭痛,関節痛,腹痛,嘔吐,下痢,咳,血尿,発疹など多彩な症状を呈するが,いずれも後遺症は残さない.発熱時の非特異的炎症反応の他は特異的な検査所見はなく,診断にあたっては他の発熱性疾患の鑑別を含めた臨床診断が重要である.特異的な治療法はなく,有熱期間の短縮効果としてステロイド薬,寛解導入が期待できるものとしてシメチジンや扁桃摘出術などが考慮されることもあるが,症例の集積および検討を要する.他のautoinflammatory syndromeに比して予後は良好で,多くの症例では発症後経時的に発作間隔は広がり4~8年程度で治癒,成長および精神運動発達も正常である.口腔内病変をともなう小児期の反復性不明熱においては,本症を常に考慮する必要がある.
著者
近藤 朗 清水 忠男
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.37-46, 1994-07-31
被引用文献数
2

オフィスにおける作業の焦点は,単純情報処理から創造的問題解決に移りつつある。本小論では,「情報環境」という視点からオフィス環境を捉えなおし,グループによる創造的問題解決であるコラボレーションの「場」に関する研究の方向性を求めることを目的とする。そのため,オフィスの情報環境の現状を,それを構成するツールを中心に,業務の異なる部署別にアンケートおよびインタビュー手法で調査した。その結果,創造的問題解決の初期段階では各業務同様なツールを使用し業務が具体性を帯びるに従い業務特性にあったツールを使用している事が明らかになった。コラボレーションの「場」におけるツールに求められる機能としては,1)情報の共有化および展開を支援する機能,2)遠隔地の人々とも円滑に協調作業ができる情報伝達機能が求められていることが考察される。
著者
深川 博史 吉岡 英美 清水 一史 久野 国夫
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

近年の韓国企業は、短期間に産業技術革新を成し遂げ、日本や米国の企業を追い上げている。しかし、この産業技術革新の原因や背景については明確ではない。そこで、我々が提示した仮説は、韓国に在住する日本人エンジニア達が、韓国企業の一部の産業技術革新を主導した、というものである。本研究の過程では、これらの日本人エンジニア達にインタビュー調査を行い、この仮説の検証を試みた。
著者
澤井 秀次郎 福田 盛介 坂井 真一郎 櫛木 賢一 荒川 哲人 佐藤 英一 冨木 淳史 道上 啓亮 河野 太郎 岡崎 峻 久木田 明夫 宮澤 優 植田 聡史 戸部 裕史 丸 祐介 下地 治彦 清水 康弘 芝崎 裕介 島田 貞則 横井 貴弘 藪下 剛 佐藤 賢一郎 中村 和行 久原 隆博 高見 剛史 田中 伸彦 古川 克己
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.35-43, 2018 (Released:2018-03-02)
参考文献数
35
被引用文献数
8 7

SLIM (Smart Lander for Investigating Moon) is the Lunar Landing Demonstrator which is under development at ISAS/JAXA. SLIM demonstrates not only so-called Pin-Point Landing Technique to the lunar surface, but also demonstrates the design to make the explorer small and lightweight. Realizing the compact explorer is one of the key points to achieve the frequent lunar and planetary explorations. This paper summarizes the preliminary system design of SLIM, especially the way to reduce the size.
著者
児玉 憲一 夜西 麻椰 北川 奈津子 清水 彩永 江川 克哉
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.107-111, 2023-09-20 (Released:2023-09-22)
参考文献数
6

症例は50代,女性.頭痛,嘔気などを主訴に受診.血液検査での甲状腺中毒症及びTSHレセプター抗体陽性,甲状腺の超音波検査所見からバセドウ病と診断した.入院の上でチアマゾールにて治療を開始したが入院後に幻視や幻聴などの精神症状が出現し甲状腺クリーゼの診断基準を確実例として満たした.チアマゾール増量とヨウ化カリウム追加で対応したが,甲状腺機能改善下での精神症状出現に違和感を持った.血液検査を見直して気づいた偽性高クロール血症を端緒に市販のブロムワレリル尿素含有鎮痛薬乱用が判明,一連の精神症状は慢性ブロム中毒の離脱によるものが疑われた.向精神薬開始により精神症状は軽快,甲状腺機能については以降も順調に改善して退院した.甲状腺クリーゼは早期に疑い治療を開始すべき病態であるが,甲状腺疾患に精神症状を来す他疾患が併発すると診断基準偽陽性となることに注意が必要であると考える.
著者
清水 擴
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文報告集 (ISSN:09108017)
巻号頁・発行日
vol.402, pp.127-136, 1989-08-30 (Released:2017-12-25)

In 1005, Fujiwara Michinaga constructed the Jomyoii temple, where the Hokkedo was the main hall. Taking this oppotunity,the relation between Hokkedo and dead body developped gradually. Late in the 12th century, it got firmly fixed to use Hokkedo as the mausoleum of emperors. And in Kamakura era, this formality became popular among the leaders of the "samurai". On the other hand, the Amidados used as mausplems were few. We can understand this fact as follows. The interior of the Amidado was recognised to be very pure, so it might be hesitated to enshrine the dead body in it which bore much "Kegare" (impurity).
著者
赤木 博文 小坂 道也 福島 邦博 土井 彰 笹木 牧 小川 晃弘 西崎 和則 増田 游 松田 充浩 四方 賢一 槇野 博史 清水 順子 杉山 信義
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.253-260, 1997-02-28 (Released:2010-06-28)
参考文献数
26
被引用文献数
3

口蓋扁桃摘出術を施行し, 6ヵ月以上経過観察できたIgA腎症47例を対象に, 治療成績と予後予測因子を検討し, 次の結果をえた.1. 扁摘後の最終観察時点での寛解率は, 尿蛋白61.7%, 尿潜血44.7%で, 尿蛋白・尿潜血ともに, 観察期間が長いほど低下傾向にあった.2. 腎病理組織所見の軽症例は, 重症例よりも尿蛋白の寛解率が高かった.3. 扁桃誘発試験陽1生例は, 陰性例よりも尿蛋白の寛解率が低かった.4. IgA腎症の発症年齢, IgA腎症発症から扁摘までの期間, Ccrは, 尿蛋白寛解例と非寛解例の間で有意差を認めなかった.
著者
清水口 涼子 飯塚 敏郎 髙雄 暁成 柴田 理美 夏目 壮一郎 髙雄 美里 山口 達郎 中野 大輔 堀口 慎一郎 小泉 浩一
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.99, no.1, pp.30-34, 2021-12-03 (Released:2022-01-17)
参考文献数
10
被引用文献数
1

閉塞性大腸癌においてBridge to surgery(BTS)を目的とした大腸ステント留置は,一期的吻合を可能にする有効な減圧処置であると同時に,閉塞解除により深部大腸を含めた全大腸内視鏡検査を可能にする.そこで当院におけるBTS目的の大腸ステント留置症例を対象として,同時性多発病変の発見を目的とした全大腸内視鏡検査の有用性および安全性を検証した.対象は,ステント留置した129例中,ステント留置後に術前の全大腸内視鏡検査を施行した94例(73%)であった.同時性多発大腸癌の合併例を30例(32%)に認め,病変数は47病変であった.ステント口側に22病変,肛門側に25病変認め,早期癌が42病変,進行癌が5病変であった.26病変は主病変と同時の外科切除,12病変は術前内視鏡治療,8病変は術後内視鏡治療を施行した.内視鏡治療施行した症例は根治切除が得られた.ステント留置に伴う偶発症は1例も認められなかった.ステント留置後の術前全大腸内視鏡検査は併存病変の診断や切除範囲の決定に有用と考えられ安全に実施することが可能であった.
著者
久保 真人 饗場 郁子 下畑 享良 服部 信孝 吉田 一人 海野 佳子 横山 和正 小川 崇 加世田 ゆみ子 小池 亮子 清水 優子 坪井 義夫 道勇 学 三澤 園子 宮地 隆史 戸田 達史 武田 篤 日本神経学会キャリア形成促進委員会
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.219-227, 2021 (Released:2021-04-21)
参考文献数
15
被引用文献数
1

医師のバーンアウトの現状と対策を検討するため日本神経学会の全学会員8,402名に対しアンケート調査を行い,15.0%にあたる1,261名から回答を得た.本論文では男性医師と女性医師の比較結果について報告する.勤務・生活状況では既婚者のみに有意な差が認められた.労働時間など勤務状況では男性のほうが厳しい条件で勤務していること,家事分担では女性の負担が重いことが確かめられた.日本版バーンアウト尺度による分析では,全体の得点では性差は認められなかったが,バーンアウトと関連する要因については,男女に共通した要因にくわえて,男性あるいは女性特有の要因が明らかとなった.
著者
蓮沼 英樹 市瀬 孝道 上田 佳代 小田嶋 博 金谷 久美子 清水 厚 高見 昭憲 竹内 文乃 西脇 祐司 渡部 仁成 橋爪 真弘
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.74, pp.19010, 2019 (Released:2019-12-25)
参考文献数
63
被引用文献数
1

Asian dust is a phenomenon involving the long-range transport of atmospheric pollutants originating from the desert areas of China and Mongolia. In recent years, the health effects of Asian dust have raised public concerns. Numerous studies on the health effects of Asian dust have been published since the last review in 2010. Thus, a literature review was conducted to shed light on the latest epidemiologic findings. PubMed and Science Direct databases were used for the review of epidemiologic studies published between June 2009 and April 2018. We identified 53 epidemiologic studies. Mortality, ambulance transportation, hospitalization/medical examination, changes in symptomatic, functional, and examination findings, as well as birth outcomes have been reported as outcomes. When the outcomes were categorized by disease, the effects of Asian dust on respiratory, cardiovascular, and allergic diseases raised concerns. The common evidences of causation between Asian dust and these diseases were the consistency of findings and temporal sequence of association. As results of research on dose-response relationships have become available, and the possibility that the health effects of Asian dust may vary depending on its chemical composition has been pointed out, further research using the exposure level indicators of Asian dust or its chemical composition should be conducted. Furthermore, with focus on the crucial issue of reducing exposure, research related to prevention and raising awareness should be further promoted.
著者
下畑 享良 久保 真人 饗場 郁子 服部 信孝 吉田 一人 海野 佳子 横山 和正 小川 崇 加世田 ゆみ子 小池 亮子 清水 優子 坪井 義夫 道勇 学 三澤 園子 宮地 隆史 戸田 達史 武田 篤 日本神経学会キャリア形成促進委員会
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.89-102, 2021 (Released:2021-02-23)
参考文献数
24
被引用文献数
2 1

医師のバーンアウトに関連する要因を明らかにし,今後の対策に活かすため,2019年10月,日本神経学会はバーンアウトに関するアンケートを脳神経内科医に対して行った.学会員8,402名の15.0%にあたる1,261名から回答を得た.日本版バーンアウト尺度の下位尺度の平均は,情緒的消耗感2.86/5点,脱人格化2.21/5点,個人的達成感の低下3.17/5点であった.また本邦の脳神経内科医のバーンアウトは,労働時間や患者数といった労働負荷ではなく,自身の仕事を有意義と感じられないことやケアと直接関係のない作業などと強く関連していた.これらを改善する対策を,個人,病院,学会,国家レベルで行う必要がある.