著者
山岡 正和 田中 章夫 RAHAYU Wuryaningsih Sri HERNANDEZ Carmelita Lacap JAMILAH
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.502-507, 1988
被引用文献数
1

アブラヤシの葉,パーム原油,ファイバー及び空果房の糖脂質を同定定量した。糖脂質の同定には,主にTLCのR<SUB><I>f</I></SUB>値と1-ナフトールや過塩素酸による呈色反応を利用した。定量はデンシトメータで行った。アブラヤシの葉の主な糖脂質はアシルステリルグリコシド,モノガラクトシルジグリセリド,ステリルグリコシド(SG),セレブロシド,ジガラクトシルジグリセリド及びスルホキノボシルジグリセリド(SQDG)であった。一方,パーム原油には,SGとSQDGは存在せず,またファイバーと空果房にはSQDGが存在しなかった。<BR>アブラヤシの葉とパーム原油の各糖脂質の脂肪酸組成についても検討した。飽和脂肪酸ではいずれの糖脂質もパルミチン酸が主であった。不飽和脂肪酸ではアブラヤシの葉ではリノレン酸が多いのに比べ,パーム原油ではオレイン酸が多い点に特徴があった。
著者
田中 章
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1-2, pp.28-31, 1967-02-25 (Released:2017-08-10)

鹿児島市で採取したクロアゲハ♀より採卵して得た5卵より,クロアゲハとモンキアゲハの種間雑種と推定される成虫3♂♂を得た。これらの個体はモンキアゲハとクロアゲハの両種の特徴を有し,阿江によって得られた研究室における種間雑種とほぼ同様であった。従って上記のクロアゲハ♀は野外においてモンキアゲハ♂と交配したものと考えられる。
著者
田中 章愛
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.824-829, 2020-07-15

2020年4月,プログラミング教育を含む新しい小学校学習指導要領が実施された.しかし,新型コロナウイルスによる非常事態宣言の発令により,大部分の小学校で休校が続いており(2020年5月24日現在),教員はその対応で手一杯になっている.その結果,プログラミングの授業は後回しになっているように見受けられる.筆者が行う予定だった教員研修や授業もキャンセルされ,研究授業の講師依頼もほぼなくなった.図らずも,学校にとってプログラミング教育が「不要不急」だったことが明らかになったと言えるかもしれない.ここでは,小学校のプログラミング教育の過去を振り返るとともに,現状を概観し,その課題と解決法を提案する.
著者
新村 知里 草野 萌 田中 章浩
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
巻号頁・発行日
pp.111, 2014 (Released:2014-10-05)

他者の顔を魅力的だと判断するとき、笑顔などの表情の魅力と、顔の形態的魅力のどちらが主要因となっているのだろうか。本研究では、モデルと実験参加者が女性同士の場合に、顔の形態と表情が魅力および印象の評価に及ぼす影響について検討した。笑顔の表出強度は2種類設定した。実験の結果、中立と微笑み表情では美人顔と中間顔の間に魅力に差が生じるが、喜び表情では魅力に差が見られなかった。ただし、微笑み表情のように表出強度が低いときは顔の形態の影響が強いことが示された。また、喜び表情と中立表情の魅力の違いと、中立表情時の顔の形態(美人顔と中間顔)による魅力の違いの効果量を比較した結果、喜び表情による魅力変化のほうが、顔の形態による魅力変化より大きいことが明らかとなった。本研究の結果は、女性同士の場合には顔の形態より表情の方が魅力評価に大きな影響を及ぼすことを示唆している。
著者
井口 望 鈴木 奈津子 田中 章浩
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第13回大会
巻号頁・発行日
pp.82, 2015 (Released:2015-10-21)

本研究では心理学的にどのような警告音が人々の適切な判断や行動を促進するのかを検証するために、音によって知覚される緊急性を操作し、難しい認知課題の遂行に与える影響を明らかにする実験を行った。実験では「音刺激によって同じ刺激に対する反応を切り替える」という場面を想定し、ストループ様サイモン課題を用いた。課題遂行中に提示される音刺激(緊急性高/低)を合図に課題の難易度(難/易)を切り替えるように教示した。その結果、緊急性が高い音の呈示後3試行において、課題の難度が高いとき、反応時間及びエラー率が増加した。このことから、音の緊急性知覚の処理と課題遂行に必要な注意資源が共有されている可能性を指摘することができた。緊急性の高い音の近く処理に多くの資源を消費されてしまうと、難しい課題遂行に必要な注意資源が枯渇し、課題遂行に干渉すると考えらえる。
著者
西井 龍映 小西 貞則 坂田 年男 秦 攀 二宮 嘉行 増田 弘毅 田中 章司郎 二宮 嘉行 増田 弘毅 田中 章司郎 清水 邦夫 江口 真透 内田 雅之
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

超高次元データにも適応可能な分類手法が近年求められている.そこで柔軟な判別境界を表現できて過学習となりにくいbagging型AdaBoostを提案した.また地球環境空間データの解析のため,空間依存性をマルコフ確率場でモデル化し,森林被覆率の判別問題や回帰問題,土地被覆割合の推定手法を考察した.なお統計モデル選択のための情報量基準についての専門書を出版した.
著者
東山 雄一 田中 章景
出版者
日本神経心理学会
雑誌
神経心理学 (ISSN:09111085)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.272-290, 2021-12-25 (Released:2022-01-12)
参考文献数
108

Broca野,Wernicke野,角回そして弓状束で構成されるWernicke-Geschwindのモデルは,脳の言語モデルとして広く知られている.しかし,詳細な画像検査に裏打ちされた症例の蓄積と,脳機能画像研究を中心とした脳神経科学の進歩を背景に,Broca野やWernicke野以外の様々な脳領域がヒトの言語活動に関与していることが明らかになっている.さらに近年では拡散MRIを用いた数々の物理モデルの登場により,ヒトの白質線維の走行を詳細に評価することが可能となり,多数の機能領域とそれらを橋渡しする複雑な白質線維から構成されるネットワークとして脳を捉える考え方が主流になりつつある.本章では,こうした古典モデルに代わる新たな言語モデルと,その展望について概説を行う.
著者
西村 竜一 末永 司 鈴木 陽一 田中 章浩
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.63-72, 2008-02-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
19
被引用文献数
1

近年,一定の音質劣化を許容した符号化法が多く開発されている。これらの技術にはマスキングなど比較的末梢系に由来する聴覚特性が用いられている。しかし,人間は音の知覚の際にこれらの技術に用いられている聴覚特性以外にも多くのものを利用していると考えられる。そのような高次機能も含めた聴覚処理機構によって音質劣化がどのように知覚されるのかを,音質劣化を直接評価する評定実験とSD法による印象評定実験によって解明することを試みた。その結果,音質劣化が大きくなると共に美的・叙情的因子,明るさ因子が低下することが分かった。また,一部の刺激では,直接的な評価によっては知覚されなかった音質劣化が,印象の差として知覚されている様子が観察された。
著者
髙橋 麻衣子 片岡 史絵 田中 章浩
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第14回大会
巻号頁・発行日
pp.124, 2016 (Released:2016-10-17)

音楽を聴きながら,電車に乗りながら等,我々は背景に無関連な音が提示されている中で読書をする場合がある。本研究は,このような背景音の種類によって小説の読解成績がどのように異なるのかを検討することを目的としたものである。24名の参加者に,歌詞あり音楽,歌詞なし音楽,歌詞朗読,無音の4条件の背景音提示下で小説から抜粋した300字程度の文章を読ませ,主観的な理解度の評定と内容の要約,登場人物についての記述の作成を求めた。その結果,歌詞朗読条件の主観的理解度や文章要約の質が,他の3条件のものより低いことが明らかとなった。登場人物の記述の成績は条件間で差がなかった。さらに,読解活動中の参加者の視線を計測して分析したところ,歌詞朗読条件の読解中の注視時間と注視回数が他の3条件よりも多いことが示された。以上の結果から,小説の読解時には音楽にのせていない意味のある音声の提示が読解を妨害することが考えられた。
著者
三田村 拓磨 田中 章
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J105-A, no.11, pp.125-135, 2022-11-01

様々な科学技術分野で重要な役割を担う最適化問題において,しばしば行列変数に直交制約が課される.当該制約の表現には様々あるが,その可微分性やパラメータ表示の簡便さから,歪対称行列のCayley変換により直交行列を生成する手法が採用されることが多い.しかしながら,歪対称行列のCayley変換では,全ての直交行列を網羅できないことが問題となっている.本論文では,歪対称行列全体に対するCayley変換の像が,直交行列全体からなる集合のどのような部分集合になっているかを主論点として理論解析を行い,結果として,それが正規直交基底の同値類の代表元を必ず生成できることを示す.このことは,歪対称行列のCayley変換を用いる妥当性が保証される最適化問題の範囲を明確化する.
著者
横森 文哉 二宮 大和 森勢 将雅 田中 章浩 小澤 賢司
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-16-00075, (Released:2016-12-14)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

In this paper, we carried out a subjective evaluation on the perceptual difference in female speech to show the gender difference in its likability and analyzed a relationship between the acoustic features and subjective scores. This subjective evaluation used female speech uttered by 21 speakers as the stimuli, and 127 subjects (47 males and 80 females) attended it. The results suggested that there was the speech preferred without the gender difference and preferred by one gender. We then analyzed the correlation between subjective scores and five acoustic features: fundamental frequency, formant frequency, amplitude difference, spectral centroid and spectral tilt. In female subjects, statistically significant correlations were observed in all features. In male subjects, significant correlation was observed only in spectral tilt. In particular, correlation in spectral tilt showed the inverse trend between male and female subjects. These results suggest that the spectral tilt is effective in the gender difference.
著者
田中 章詞 唐木田 亮 瀧 雅人
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
学術変革領域研究(A)
巻号頁・発行日
2022-06-16

ここ十数年のうちに起こった機械学習(Machine Learning)の技術の劇的な発展のうちの多くが、深層学習(Deep Learning)の手法によるものであることは疑いの余地がないが、それにもかかわらず深層学習は従来の統計的機械学習の常識から見ると理論保証が難しいこともよく知られた事実である。本研究では従来の機械学習の理論研究手法に加え、物理学からもたらされた知見を結合し、深層学習の理論/応用の両方にさらなる深い理解、発展をもたらすことを目的とする。
著者
寺澤 美穂 山折 大 勝山 善彦 二村 緑 久富 由里子 田中 章 荻原 朋美 萩原 徹也 杉山 暢宏 鷲塚 伸介 大森 栄
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.362-372, 2017-07-10 (Released:2018-07-10)
参考文献数
23

This study analyzed factors affecting plasma lamotrigine (LTG) concentrations in patients with bipolar disorder. The mean concentration/dose (C/D) ratio of LTG was significantly higher in patients co-treated with LTG and valproic acid (VPA) [3.72 (μg/mL)/(mg/kg/day), n = 9] than in those receiving LTG monotherapy [1.76 (μg/mL)/(mg/kg/day), n = 9; P < 0.01]. LTG monotherapy patients were genotyped for UDP-glucuronosyltransferase 2B7 (UGT2B7) *1/*1 (n = 5) and *1/*2(n = 4), whereas VPA co-administration patients were genotyped for UGT2B7*1/*1 (n = 6), *1/*2 (n = 2) and *2/*2 (n = 1). *There were no significant differences in mean C/D ratios between patients carrying the UGT2B7*1/*1 genotype and the 1/*2 or *2/*2 genotype regardless of pharmacotherapy (P ≥ 0.150). In the LTG monotherapy group, the mean C/D ratio was similar in smoking patients [1.52 (μg/mL)/(mg/kg/day), n = 3] and non-smoking patients [1.88 (μg/mL)/(mg/kg/day), n = 6; P = 0.393]. In the VPA co-administration group, however, the mean C/D ratio in smoking patients [2.62 (μg/mL)/(mg/kg/day), n = 4] was significantly lower than that in non-smoking patients [4.61 (μg/mL)/(mg/kg/day), n = 5; P < 0.01]. In vitro studies with HepG2 cells indicated that benzo[a]pyrene, one of the polycyclic aromatic hydrocarbons contained in tobacco smoke, as well as 3-methylcholanthrene efficiently induced expression of UGT1A4 mRNA but not UGT2B7 mRNA and that VPA potently enhanced their induction. These results suggest that concomitant VPA administration and/or smoking may influence LTG concentrations in patients with bipolar disorder.
著者
佐藤 裕 森 浩一 小泉 敏三 皆川 泰代 田中 章浩 小澤 恵美 若葉 陽子
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.384-389, 2006-10-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
31
被引用文献数
4 2

幼児・学童吃音者の音声言語に対する左右聴覚野機能の分化異常について, 多チャネル近赤外分光法を用いて測定した.音刺激には音素の配列もしくは韻律句の異なる対立を用い, 左右それぞれの聴覚野付近にて得られた総ヘモグロビン量の反応ピーク値を基に側化指数を算出し左右差を検討した.その結果, 幼児・学童吃音者群ともに, 最小対語・韻律句対比セッション間で側化指数に有意差がなく, 音素・韻律に対する側性化が見られないことが確認された.個人内の検定では, 音素の処理が左優位と判定できる吃音児は存在せず, 同年齢対照群と有意に異なった.この結果は成人吃音者と同様であり, 吃音と聴覚野の機能異常との関連が示唆され, この異常が3-5歳の吃音児ですでに見られることがわかった.
著者
田中 章浩 吉田 誠克 諫山 玲名 藤原 康弘 笠井 高士 中川 正法
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.219-222, 2011 (Released:2011-03-24)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

症例は78歳の男性である.左前頭部痛,鼻痛,左眼瞼下垂,左視力低下,左眼球運動障害のため当科に入院した.頭部MRIにて左眼窩先端部と左中頭蓋窩硬膜に異常造影効果をみとめた.左蝶形骨洞開放術にてアスペルギルス様糸状菌をみとめ,髄液アスペルギルス抗原陽性より,副鼻腔アスペルギルス症による眼窩先端症候群と診断した.早期の副鼻腔ドレナージと抗真菌薬投与により感染症の沈静化がはかられた.本例の副鼻腔アスペルギルス症は,副鼻腔と眼窩の隔壁の破壊をみとめない"非浸潤型"であったが,眼窩先端症候群や肥厚性硬膜炎などの頭蓋内病変を呈していた.本例では髄液アスペルギルス抗原陽性が診断の参考となり,早期の抗真菌薬の投与が有効と考えられた.
著者
西川 和孝 川本 実穂 田中 章江
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.339-345, 2014 (Released:2015-01-01)
参考文献数
29

The oxalic acid content of spinach has become a major human health concern due to its toxicity. We investigated in this study the residual oxalic acid content in spinach and the free oxalic acid content in the cooking solution. The water temperature and duration of boiling were important factors for the residual oxalic acid content of spinach, while the water volume and salt concentration had no influence. However, the content of free oxalic acid in the cooking solution was influenced by the water volume, salt concentration, water temperature, and duration of boiling. In particular, the oxalic acid content in the cooking solution decreased with increasing salt concentration. Cooking spinach by boiling was demonstrated, and a follow-up questionnaire survey of junior high school students was conducted. The results of the questionnaire survey clarified that there was insufficient understanding of the preparation of vegetables by boiling as studied at the elementary school level. However, most students understood how to boil spinach after the teaching demonstration, and the results of a cluster analysis showed that the students' interest as well as knowledge about spinach had increased
著者
大寺 輝 田中 章浩
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第17回大会
巻号頁・発行日
pp.83, 2019 (Released:2019-10-28)

感覚刺激から思い出される出来事に関して、聴覚刺激よりも嗅覚刺激の方が出来事当時に戻った感覚を強く生じさせ、より昔の出来事を思い出させることが知られている。そこで自伝的記憶と関連があると考えられる懐かしさについて、聴覚刺激と嗅覚刺激の間で差がみられるのかを検討した。刺激として音楽、音(環境音等)、においの3種類を用い、刺激に対してどれくらい懐かしさを感じるかを7件法で回答させた。その結果、音楽の方がにおいよりも懐かしさ評価が有意に高く、音の方がにおいよりも懐かしさ評価が高い傾向 がみられた。また、懐かしさ評価について思い出す出来事があった場合となかった場合で比較を行うと、音やにおいによる懐かしさ評価は思い出す出来事がなかった場合に低くなったが、音楽による懐かしさ評価では両者で差がみられないという特徴的な結果が得られた。この結果は、これらが異なる種類の懐かしさであることを示唆している。