著者
宮本 圭 和田 正昭 田中 文也 木村 清志 岩槻 幸雄
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.19-22, 2011-08-20 (Released:2018-03-30)
参考文献数
11

Ten carangid specimens belonging to the genus Selar, collected by small set net at Kadogawa Bay, Miyazaki Prefecture (eastern coast of Kyushu Island), Japan, were identified as Selar boops (Cuvier in Cuvier and Valenciennes, 1833), on the basis of scales in curved part of lateral line 22-24 and chord of the curved part of lateral line 2.2-2.7 times in straight part. These specimens represent first record of the species from Japan. Specimens are described and a new Japanese name "Teru-meaji" is proposed for the species.
著者
宮地 隆雄 長谷川 まどか 田中 雄一 加藤 茂夫
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.31, pp.1-6, 2011-07-05

画像認証方式は,覗き見攻撃に弱い傾向があり,近年,これに対して様々な対策が研究されている.これまで我々は,画像の高周波成分は離れた位置からの認識が困難という性質に着目した重畳画像認証方式を提案し,その有効性を検証してきた.しかし,本方式は重畳する画像によっては,認証に適さない画像となる可能性があった.そこで本稿では,前景および背景画像の構造に着目し,それらの高周波成分に応じて前景画像の補正を行う手法について検討を行ったので報告する.Although graphical passwords are easy to memorize, they are vulnerable against an observation attack. To solve this problem, we propose a graphical password method which is difficult for observers to recognize pass-images. And we have conducted a user study about usability and robustness against shoulder-surfing. This method uses hybrid image, but a hybrid image which is not suitable for authentication may be used in this method. In this paper, we study on improvement of our method by considering image structure.
著者
田中 博春 井上 君夫 足立 幸穂 佐々木 華織 菅野 洋光 大原 源二 中園 江 吉川 実 後藤 伸寿
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.83, 2010

<B>I. はじめに</B><BR> 地球温暖化による気候変動は、農作物の栽培適地移動や栽培不適地の拡大、夏季の高温による人々の健康被害等、多くの好ましくない事例が発生することが懸念される。特に都市化に伴うヒートアイランドの拡大は、高温による人的被害をさらに助長する可能性があり、将来の気候変化を見据えた都市・農地の開発計画が必要である。そこで、農研機構が開発した「気候緩和機能評価モデル」に、気候シナリオを再現できる機能を組み込み、将来気候下で農地・緑地等の気候緩和機能を評価できるようにした。<BR><BR><B>II. モデル概要</B><BR> 「気候緩和機能評価モデル」は農研機構中央農業総合研究センターが2004~2006年に開発した領域気候モデルである(井上ほか, 2009)。コアモデルとしてTERC-RAMS(筑波大学陸域環境センター領域大気モデリングシステム)を用いており、サブモデルとして植生群落サブモデルと単層の都市キャノピーモデルを追加している。Windows XP搭載のPCにて日本全国を対象としたシミュレーションが可能であり、計算条件の設定から結果表示まで、すべてグラフィカルユーザーインターフェースによる操作が可能である。計算可能な期間は1982~2004年。計算可能な水平解像度は最大250m。1976,1987,1991,1997年の全国の土地利用を整備しており、それを元にユーザー側で自由に土地利用の変更が可能である。モデル内の都市を農地に変更することで、現在から将来までの農地の持つ気候緩和効果の理解が容易にできる。 2009年は上記モデルの「気候シナリオ版」を作成し、IPCCにより策定されたA1B気候シナリオに基づいた気候値の予測データ(MIROC)を組み込み、気温や降水量の変化を1kmメッシュで再現できるようにした。計算可能な期間は、1982~2004年の現在気候、および現在気候と同条件下の2030年代と2070年代の将来気候である。<BR><BR><B>III. モデル適用事例</B><BR> 現在気候の計算例として、仙台平野を中心とした領域における2004年7月20日の日平均気温分布を示す(図1(a))。この日は東京で史上最高気温(39.5℃)を記録するなど現在気候下で猛暑の事例である。モデル計算により、日平均気温28℃以上の高温域が仙台平野の広い範囲に分布していることが把握できる。<BR> 同じ期間における2030年代の気温を計算すると、計算領域全体で約1.5℃の気温上昇が認められる(図1(b))。仙台市を中心とする平野部が最も高温であり、海岸部では海風の進入によると思われる低温域が形成されている。さらに、同じ期間における2070年代の気温を計算すると、平野部を中心として32度以上の高温域が広範囲に形成されている(図1(c))。<BR> 2004年と2030年代の気温差を計算すると、領域北部で昇温が大きく、海岸部で相対的に小さい特徴的な分布が把握できる(図2)。これに関しては、海岸部では内陸の昇温により海風の進入が強まり、日中の昇温を現在よりも抑制することが考えられる等、将来の気候分布に力学的な解釈が適用可能である。<BR><BR><B>IV. モデルの利用方法</B><BR> 本気候緩和機能評価モデルの利用にあたっては、下記宛てにご連絡下さい。利用申請を頂いた後、500GB以上のハードディスクを郵送して頂くことで、プログラム・データを無償配布している。本気候緩和機能評価モデルは、日本国内の身近な地域の温暖化を予測するツールとして最適であり、大学や研究機関、中学校・高等学校にての教育や、自治体等で利用可能である。<BR><BR><B>連絡先:</B><BR>独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構<BR>東北農業研究センター やませ気象変動研究チーム<BR>田中 博春 宛<BR><BR><B>文献:</B><BR>井上君夫・木村富士男・日下博幸・吉川実・後藤伸寿・菅野洋光・佐々木華織・大原源二・中園江 2009. 気候緩和評価モデルの開発とPCシミュレーション. 中央農研研究報告 12: 1-25.<BR>
著者
松浦 信夫 竹内 正弘 雨宮 伸 杉原 茂孝 横田 行史 田中 敏章 中村 秀文 佐々木 望 大木 由加志 浦上 達彦 宮本 茂樹 菊池 信行 小林 浩司 堀川 玲子 菊池 透
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.427-434, 2008 (Released:2009-05-20)
参考文献数
25

小児において適応が認められていない,経口血糖降下薬メトホルミンの有効性,安全性を評価するために,臨床試験を行った.47名が試験に登録され,38名が試験を終了した.HbA1c値を指標とした主要評価項目では38名中30名(78.9%)が有効と判定された.HbA1c値,空腹時血糖など7項目を指標とした副次評価項目を経時的に比較検討した.試験開始前に比し12週,24週終了時でのHbA1c値,空腹時血糖は有意に低下した.乳酸値を含めた臨床検査値に異常なく,有害事象は47例中16例に,副作用は1例に認めたが,試験を中止するような重篤なものは認めなかった.
著者
清水 智恵 山中 沙織 西田 雄太 田中 淳 普後 一 島田 順
出版者
日本蚕糸学会
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.33-37, 2014 (Released:2014-09-03)

シロヘリクチブトカメムシを室内で省力的に増殖することを目的に,人工飼料による飼育方法の開発を試みた。クチブトカメムシの一種であるP. maculivientrisおよびP. sagitta用に開発された飼料(De Clercq and Degheele,1992)にカイコガ蛹乾燥粉末を加え,パラフィルムで密封処理した飼料片を作製した。冷凍保存したこの飼料片を用い,高い生存率でシロヘリクチブトカメムシを飼育することができた。また,16L8Dを長日,8L16Dを短日として若虫期,成虫期を飼育したところ,雌成虫に産卵を誘導するためには,成虫期の長日のみならず若虫期にも長日が必要であることが明らかとなった。1齢若虫期のみの長日条件でも成虫期が長日であれば産卵個体を得ることができるが,若虫期の長日期間が長いほど産卵個体が多くなることが示唆された。25℃飼育下における本種の生殖休眠は,成虫期の短日条件,あるいは全若虫期を通した短日条件で誘導されることが判明した。
著者
鈴木 慎太郎 本間 哲也 眞鍋 亮 木村 友之 桑原 直太 田中 明彦 相良 博典 柳川 容子
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 = Journal of the Showa University Society (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.282-288, 2018-06

症例は38歳男性.自家製のお好み焼きを食べている最中から喉頭違和感,呼吸困難,眼球結膜の充血などを訴え救急搬送された.アナフィラキシーの診断で加療し,後日当科へ精査目的で来院した.患者には著しいダニ・ハウスダストによるアレルギー性鼻炎の既往があった.お好み焼きの具材に対する抗原特異性IgEによるアレルギー検査とプリックテストを行ったが全て陰性だった.問診上,開封後密封せずに常温で6か月以上経過した市販のお好み焼き粉を用いて調理したことが判明し,お好み焼き粉に混入したダニによるアナフィラキシーを強く疑った.お好み焼き粉を鏡検した結果,多数のコナヒョウヒダニが検出され,さらに,Dani Scan?(生活環境中のダニアレルゲン検出を目的とする簡易型検査キット)を用いた検査においても強陽性を示した.近年,お好み焼きやパンケーキ等の小麦粉製品に混入したダニを経口摂取して生じるアナフィラキシーの報告が急増している.診断のためには,調理に用いた小麦粉製品の保管状況の聞き取りと,感作が成立した同種のダニを発症前に摂取した調理材料中に証明することが求められる.今回,使用したDani Scan?は,一般家庭においても食品中のダニ汚染を検知する簡便なキットであり,本病態の診断や発症の予防に一定の効果が期待できるものと推察した.
著者
田中 康雄 菊崎 泰枝 中谷 延二
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.67-76, 2002
参考文献数
32

精油50種類及びオレオレジン24種類について咽頭上気道細菌、<i>Streptococcus pyogenes</i>、<i>Haemophilus influenzae</i>、<i>Moraxella catarrhalis</i>に対する抗菌試験を行った。精油の中ではシナモンリーフ、セージ、クローブ、カルダモン、タイムに効果がみられ、オレオレジンではイチョウ、甘草、ナツメグに抗菌性が見られた。さらに代表的な精油成分より45種の揮発性化合物を選択し抗菌活性を調べた。精油成分の中ではcarvacrol、methyl chavicol、bornyl acetate、menthyl acetate、α-terpinyl acetate、viridiflorolに効果がみられた。カルダモン、ローレル、メリッサ精油と同様に3種の主要な成分geranyl acetate, menthyl acetate, α-terpinyl acetateは上気道微生物に対して有効な抗菌性成分となり得ることが示唆された。抗菌活性を示したシナモンリーフ油およびクローブ油の主成分eugenolは単独ではほとんど活性が認められなかったが、β-Caryophylleneに対してeugenolは優れた相乗効果を示すことが認められた。
著者
杉山 統哉 田中 宏太佳 鄭 丞媛 松本 大輔 近藤 克則
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.B3O2093, 2010

【目的】<BR> 脳卒中後の機能回復の予後において社会的サポートのレベルが高いほどActivities of Daily Living (以下ADL)点数が高くなるという報告がある.社会的サポートとは周囲の人々から得られる有形・無形の援助のことであり,家族介護者は社会的サポートの主な提供者の1つである.そこで介護力の有無により自宅退院率だけではなく,脳卒中後の機能回復に影響があるのかどうかを明らかにすることを目的とした.<BR> 日々の臨床においてもリハビリテーション(以下リハ)の対象となる患者は,関わる人が多い場合,帰結が良くなるという印象がある.仮説として特に家族介護者の関わりが多い方がより早く治したい,動けるようになりたいという感情が強くなり,帰結に影響を及ぼしているのではないかと考えた.しかし脳卒中後リハ対象患者において人の関わりがADLにどう影響を及ぼしているかを検討した報告はほとんどない.そこで多施設参加型データベースであるリハビリテーション患者データバンク(リハDB)に登録されている脳卒中患者のデータを使用し,検討したので報告する.<BR>【方法】<BR> 2009年5月までにリハビリテーション患者データバンク(以下リハDB)に登録された3,930名(30病院)のうち入院病棟区分が「一般病棟」の2,238名(19病院)から今回の検討するデータが入力されている9病院から入院時歩行不可である618名(男性365名,女性253名)を対象にした.患者選択基準は「発症前modified Rankin Scale(以下mRS)0~3」,「入院時mRS4・5 」,「55歳以上84歳以下」,「在院日数8日以上60日以下」,「発症後リハビリ開始病日21日以下」,「発症後入院病日7日以下」,以上の基準を満たすものを分析対象とした.対象の内訳は年齢72.4±7.9歳,発症から入院までの日数1.3±0.7日,発症後リハ開始病日2.8±2.8日,在院日数29.1±12.3日,リハ期間26.0±12.3日,1日あたりのリハ単位数(保険請求分)4.0±2.3単位であった.今回の検討は転・退院時の歩行状態が自立か非自立を帰結にした.そこで対象を転・退院時歩行自立294名と歩行非自立324名に分類した.転・退院時の歩行の自立・非自立の定義は入院時のFunctional Independence Measure(以下FIM)とmRSを掛け合わせることで設定した.リハDBのデータ項目の中から転・退院時の歩行状態を予測する因子として性別,年齢,確定脳卒中診断分類(脳梗塞,脳出血,くも膜下出血),在院日数,糖尿病の有無,高血圧の有無,合併症の有無,脳卒中既往歴,発病前mRS,発症後リハ開始病日,認知症の有無,意識レベル,下肢運動,入院時半側空間無視の有無,入院時感覚障害の有無,入院時FIM運動項目合計,入院時FIM認知項目合計,介護力の有無,装具処方の有無,リハ専門医の関与の有無,カンファレンスの実施状況,休日・付加的な訓練の有無,1日あたりのリハ単位数を選択した.上記の項目を独立変数とし,転・退院時の歩行自立・非自立を従属変数としてSPSSver12.0を用いてロジスティック回帰分析を行った.また,有意水準は5%未満とした.<BR>【説明と同意】<BR> 本研究において用いたデータは,リハDBについて説明の上同意した協力施設から,匿名化処理をし個人情報を削除したデータの提供を受けた.<BR>【結果】<BR> 選択した各変数の単変量解析(χ2検定)を行った結果,糖尿病の有無,高血圧の有無,発症後リハ開始病日,装具の処方の有無,カンファレンスの実施状況,1日あたりリハ単位数以外は有意確率0.05以下であった.<BR> ロジスティック回帰分析の結果は性別が「男」,脳卒中確定診断分類のうち「脳梗塞」,脳卒中既往歴「なし」,発症後リハ開始病日が「3日以内」,下肢運動「正常」,感覚障害「正常」,入院時運動・認知項目合計得点が高い,介護力「0~1人」「1人以上」,リハ専門医の関与「あり」が転・退院時の歩行自立が多い因子(p<0.05)であった.判別的中率は87.3%,HosmerとLemeshowの検定ではχ2=4.485(p=0.811)であった.今回の検討項目である介護力の有無に関してのオッズ比は歩行非自立を「1」としたとき,介護力「なし」に対して「0~1人」が7.142(95%信頼区間:1.846~27.625),「1人以上」が7.448(95%信頼区間:1.799~30.832)であった.<BR>【考察】<BR> 入院時の他の条件が同じ患者でも介護力が大きい人ほど歩行自立する確立が高いことが示された.1993年StrokeのGlassらによると高いレベルの社会的サポートは脳卒中後の機能回復に関連し,重要な予後因子であるかもしれないと報告している.今回の結果においても介護力の有無が脳卒中患者における歩行自立の重要な予後因子であるかもしれないということが示唆された.<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 本研究の結果から,急性期脳卒中患者において集約的合理的にリハを行う・予後予測する一助になると考えられる.
著者
三浦 正明 田中 英紀
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.25, no.60, pp.759-764, 2019-06-20 (Released:2019-06-20)
参考文献数
7

In this paper, with a purpose to clarify the viewpoints and effective measures in reducing energy consumption at experimental research facilities in campus, we conducted a detailed energy-consumption examination on physics and agricultural research buildings, and as a measure to save energy without hindering the experiment ongoing in the facilities, mapped out “renovation of experimental air supply and exhaust system”. As a result, it has been clarified that it is possible to reduce power consumption by 23% without hindering the experiments and indoor comfort.
著者
中根 久志 青木 早苗 野浪 亨 田中 一彦 森 勝伸 幸本 和人 刀根 如人 亀山 哲也
出版者
日本セラミックス協会
雑誌
Journal of the Ceramic Society of Japan (日本セラミックス協会学術論文誌) (ISSN:09145400)
巻号頁・発行日
vol.115, no.1338, pp.151-155, 2007
被引用文献数
2

An acid resistant fluoroapatite coated titanium dioxide (FAp-TiO_2) was synthesized by adding a fluoride ion (F^-) to hydroxyapatite (HAp), in order to avoid dissolution of the HAp at an acidic atmosphere. In this study, the optimization of synthetic conditions of FAp-TiO_2 was investigated in terms of the amount of the fluorine (F^-) added to the simulated body fluid, the reaction temperature and the time. The addition of F^- to simulated body fluid was performed after coating HAp on the surface of TiO_2 surface. The crystallinity of FAp phase generated on the TiO_2 was strongly affected by changing the reaction conditions. The optimized synthetic conditions of FAp-TiO_2 as photocatalyst were the addition of 0.25mM-0.5mM F^- in the fluid and then the reaction time for 3h at 60℃. The adsorptivity and the photocatalytic activity of the FAp-TiO_2 in the optimum conditions were investigated using the butyric acid and trimethylamine as model solutions. Consequently, the FAp-TiO_2 could obtain higher adsorptivity and photocatalytic activity for trimethylamine, rather than the uncoated TiO_2.
著者
中根 久志 青木 早苗 野浪 亨 田中 一彦 森 勝伸 刀根 如人 亀山 哲也
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会学術論文誌 : Nippon Seramikkusu Kyokai gakujutsu ronbunshi (ISSN:18821022)
巻号頁・発行日
vol.114, no.1334, pp.838-843, 2006-10-01
被引用文献数
5 11

An acid resistant fluoroapatite (FAp) coated titanium dioxide (TiO_2) was synthesized by adding a fluoride ion (F^-) to hydroxyapatite (HAp), in order to avoid dissolution of the HAp at an acidic atmosphere. In this study, different methods of adding F^- to the apatite in a simulated body fluid were tested; one was synthesized by coating a simulated body fluid including Ca^<2+>, PO_4^<3-> and F^- to the TiO_2 (method 1), and another method was by mixing the F^- after coating a simulated body fluid without the F^- to the TiO_2 (method 2). The apatite crystalline phase of the coated TiO_2 was found to increase with F^-, by using a XRD and a FT-IR. The size of crystalline apatite was strongly affected by the method of adding F^-. The size of the crystalline synthesized by method 1 was larger than that by method 2. The photocatalytic activities of the apatite coated photocatalysts to organic substrates such as propionic acid were evaluated using an ion chromatography. The deterioration of FAp coating during photooxidation of the propionic acid with an UV-irradiation was largely suppressed compared with that of the HAp coating.
著者
田中 康雄 山本 智章 遠藤 剛 岡邨 直人 関根 裕之 西澤 岳之 大野 健太
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Cb1155-Cb1155, 2012

【はじめに】 上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(以下OCD)は重症化しやすく,野球選手生命を奪う恐れがある.OCDは早期発見・治療にて完治されることが報告されている.新潟県ではOCDの早期発見を目的に平成19年より野球肘検診を実施している.また成長期の投げすぎは投球肘障害の要因の一つとして重要である.平成20年から学童軟式野球新人戦での投球数報告を義務付け,現在1投手80球の努力目標を掲げている.今回,平成23年の野球肘検診結果,指導者に対するアンケート調査,平成23年の学童軟式野球新人戦の投球数調査をまとめ,今後の障害予防活動の一助とする事を目的とした.【方法】 対象は学童軟式野球新人戦に参加し検診を希望した37チーム485名(5年生271名,4年生153名,3年生49名,2年生9名,1年生3名).大会会場にてPTによる理学所見(肘関節の関節可動域検査,圧痛・外反ストレス時痛検査),医師・検査技師による肘関節の超音波診断を実施した.異常のあった選手に医療機関の受診を勧めた.検診に参加したチームの指導者に対してアンケートを配布し,指導経験,投球数制限,日本臨床スポーツ医学会の提言の認知などについて調査した.また大会期間中の全試合投手の投球数報告を集計し解析した.統計学的分析は対応のないt検定を用い有意水準を5%以下とした.【説明と同意】 事前に文書と口頭で各チームの監督,保護者に対して検診の目的,内容について説明し同意を得ている.【結果】 超音波によるOCD疑いで医療機関への受診を勧めた選手は485名中13名(2.6%)であり,そのうち現在肘の痛みがある選手は3名(23.1%),肘関節可動域制限のある選手は4名(30.8%),腕橈関節の圧痛のある選手は0名(0%),外反ストレス陽性は2名(15.4%)であった.指導者アンケートは29チーム(78.4%)より回答があり,年齢43.6±8.4歳,指導経験7.3±6.8年で,試合における投球数制限を必要と考えている指導者は25名(86.2%),日本臨床スポーツ医学会の提言を知っている指導者は3名(10.3%)であった.大会で計測できた全84試合の1試合平均投球数は79.2球,5回成立試合(時間制限,コールドを除く)29試合83.3球,時間制限試合26試合88.4球,コールド試合29試合66.7球であった.コールド試合の平均投球数は5回成立試合,時間制限試合と比較し有意に少なかった(p<.001).投手一人あたりの投球数をみると,完投投手の平均投球数は67.9球,途中交代をした投手は44.6球で,完投投手の平均投球数は途中交代をした投手の平均投球数と比べ有意に多かった(p<.001).日本臨床スポーツ医学会の提言の認知の有無で投球数をみると,知っているチームの平均投球数は先発投手一人あたり77.2球,中継ぎ投手一人あたり31.0球,知らないチームでは先発投手一人あたり65.4球,中継ぎ投手一人あたり26.8球であった.【考察】 今回,小学5年生を中心にした野球肘検診を行い13名(2.6%)のOCD疑い選手を早期発見できた.腕橈関節の圧痛症状のある選手が0%,そのほかの理学所見も30%程度であることから,初期には無症候性で進行していることが考えられる.症状が出現し病院受診する頃には重症化していることが考えられる.またOCDは小学5年生前後に発症するといわれており,OCDを早期発見するためにはこの時期に野球肘検診が必要である.一試合投球数ではコールド試合が5回成立試合,時間制限試合と比較して有意に少なく,一人あたりの投球数は途中交代をした投手が完投投手と比較し有意に少なかった.過剰な投球数を抑えるためにもコールド試合は有効であり,一試合での投球数の上限を決めた上で複数投手での継投が望ましいと思われる.今回の調査では一試合の平均投球数は目標の80球以内に収まっていた.しかし,今後更に投球数制限を徹底するためには投球数と障害の関係を示すエビデンスを蓄積していくことが求められる.【理学療法学研究としての意義】 小学5年生において野球肘検診を広く実施しOCDを早期に発見することは,OCDの重症化を予防するために重要である.また成長期の選手を指導する指導者に対してスポーツ障害に対する意識調査を行うこと,大会での投球数を調査することは,野球を継続する子供たちを守るための障害予防の一助となると考える.
著者
伊藤 慎吾 市川 亮介 本庄 薫平 河合 雅也 田代 良彦 丹羽 浩一郎 石山 隼 杉本 起一 神山 博彦 高橋 玄 柳沼 行宏 小島 豊 田中 真伸 五藤 倫敏 冨木 裕一 坂本 一博
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.142-143, 2014-06-14 (Released:2014-06-21)
参考文献数
5
被引用文献数
1

A 68-year-old woman was admitted to the hospital with lower abdominal pain. Abdominal CT revealed a long linear high-density foreign object measuring about 3 cm long, which had penetrated the wall of the sigmoid colon. Emergency endoscopy was performed, because the patient was diagnosed as having possible penetration of the sigmoid colon by a fish bone. The emergency endoscopic examination revealed a fish bone penetrating the sigmoid colon, which was removed with grasping forceps. The removed bone measured 3 cm in length and was believed to belong to a sea bream. The patient was treated conservatively without any complications. For intestinal perforation and penetration caused by a fish bone, such as in our case, endoscopic treatment may be considered as the treatment procedure of first choice.
著者
原田 俊亮 田中 正晴
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1488, pp.13-14, 2015-11-09

エフエム東京は世界最大級のオーディオネットワーク「TuneIn」と連携し、外国人向け多言語情報配信チャンネル「TOKYO FM WORLD」を2015年10月5日に本格スタートした。TOKYO FM WORLDのオフィシャルホームページを開設し、月間6000万人以上のアクティブリスナーを抱え…
著者
〓[「登」偏におおざと(「都」のつくり)] 志強 鈴木 彰 吹春 俊光 田中 千尋
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.42, 2007

<I>Hebeloma</I>属, <I>Porphyrospora</I>亜属のアンモニア菌の種同定を行なうため, 交配試験を行なった. 尿素区に発生した子実体の形質に基づき, <I>H. vinosophyllum</I> (日本産), <I>H. aminophilum</I> (オーストラリア産) ならびに<I>Hebeloma</I> sp. (ニュージーランド産) と同定された3菌種を供試した. まず, <I>H. vinosophyllum</I>の培養子実体から単胞子分離によって単核菌糸を得た. 同単核菌糸間の交配試験を行い, <I>H. vinosophyllum</I>は4極性の交配型をもつことを確認した. <I>H. aminophilum</I>と<I>Hebeloma</I> sp.については, 分離菌株が子実体形成能を消失しているため, スライド培養した複核菌糸先端部の検鏡下で切離あるいは振とう培養によって遊離した菌糸断片の選別によって, それぞれ単核菌糸を得た. <I>H. vinosophyllum</I>の単核菌糸をテスター株として, <I>H. aminophilum</I>と<I>Hebeloma</I> sp.の複核菌糸をダイ・モン交配したところ, いずれの組み合わせでも交雑は認められなかった. 次に, <I>H. vinosophyllum</I>, <I>H. aminophilum</I>, <I>Hebeloma</I> sp.の単核菌株を用いてモン・モン交配したところ, <I>H. aminophilum</I>と<I>Hebeloma</I> sp.の組み合わせでは交雑が認められたが, <I>H. vinosophyllum</I>と<I>H. aminophilum</I>, <I>H. vinosophyllum</I>と<I>Hebeloma</I>. sp.の組み合わせでは交雑が認められなかった. 以上の結果は, <I>Porphyrospora</I>のアンモニア菌に関する分子系統解析の結果(Deng <I>et al</I>. 2006) を支持するものであり, ニュージーランド産<I>Hebeloma</I> sp.は<I>H. aminophilum</I>と生殖レベルで同一種と取り扱うべきこと, 日本産<I>H. vinosophyllum</I>と<I>H. aminophilum</I>はそれぞれ独立種として取り扱うべきことが明らかになった. * 日本菌学会50周年大会講演要旨集, p. 50.
著者
大谷 聡一郎 青木 伸 池北 雅彦 森田 明典 モハマド ズルキフリ 伊石 安里 王 冰 田中 薫 岡崎 遥奈 吉野 美那子 細井 義夫
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.106, 2011

我々は、オルトバナジン酸ナトリウム(バナデート)が、p53転写依存性・非依存性の両経路を抑制する阻害剤として機能し、腸死を克服できる初めてのp53阻害剤であることを明らかにしている。放射線防護効果が報告されている他のp53阻害剤としては、ピフィスリンαやピフィスリンµが知られているが、これら3つの阻害剤の内、防護効果の最も高いバナデートのみがp53変性作用を有していることを見出した。我々は、このp53変性作用をバナデートの特徴と捉え、p53変性作用を有する新しい阻害剤の探索を進めた。一方、p53変性作用は、p53分子内に存在する金属イオン結合部位に配位する亜鉛イオンの解離によって生じることが報告されていた。 そこで本研究では、p53依存性の放射線誘発アポトーシスを引き起こすMOLT-4細胞を用いて、亜鉛キレート化剤のp53阻害剤としての有効性評価を行った。その結果、検討した5種のキレート化剤の内、2種がアポトーシス抑制効果を示した。アポトーシス抑制効果が最も高かったBispicenは、バナデートと同様にp53変性作用を示し、転写依存性・非依存性両経路のアポトーシス過程を抑制した。さらに、p53ノックダウン細胞株やp53変異体株、p53欠損細胞株での比較から、Bispicenのアポトーシス抑制効果がp53特異的であることも明らかとなった。現在、p53特異性の向上を目指し、Bispicenにp53特異的ペプチドを付加したハイブリッド化合物の活性評価を進めているところである。
著者
田中 隆 中西 隆
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.205-206, 1993-09-27

鉄鋼プラント制御システムはショップレベルを統括する計算機と各セルレベルを管理するプロセスコントローラーによる階層構造で構成される事が多い。最近では、システムを構成する計算機システム、計装制御システム、電気制御システム間で情報や装置(LAN:制御用のネットワーク、PIO:プロセス入出力装置、MMI:マンマシン装置)を共有するCIE統合システムが採用され効果をあげている。CIE統合システムでは制御用LANにより高速で大量の情報の共有や交換が可能で、システム機能の分散や高速制御が容易になる。しかし、高速な制御が求められる電気制御システムと計算機を担当するメーカーが異なる場合は、両者を同一の制御用LANへ接続出来ない等の問題があり、プロセスデータや設定データ等の情報は、PIOや汎用の通信手段によって、各システム間で必要となる都度伝送する必要が生じる。又、各々の装置との通信方法がまちまちになり易く、相手に応じた通信路(PIOや通信回線)と通信手順(伝送制御プロトコル等の情報のハンドオフ機能)が必要になり、上位に位置する計算機は情報を交換する為の通信負荷が大きくなる。鉄鋼プラントの計算機の主要機能は、対象とするプラントのショップレベルの製造の自動化であり、生産計画に基づいて、各種の製品加工装置に情報を与え、目標とする形状や寸法の製品を作る事である。これを実現する為の主要な機能としては次の様なものがある。製品の生産管理と情報管理,製品のマクロレベルのトラッキング,製品加工装置や制御装置に設定する設定値の算出,製品加工装置や制御装置への設定,製品の加工実績の収集と次製品への設定値のフィードバック,ショップの運転員へのガイダンス,近年の様に多品種少量生産や高付加価値製品の製造に対応したり、製品の寸法精度の向上や、歩留まりの向上を達成するためには、各製造工程での加工履歴の収集、高性能センサーによる素材の寸法や温度の正確な把握、製造される製品の長期間の物流予測、等の情報を用いて、各加工装置や制御装置への設定値を求める必要がある。計算機の処理能力や記憶容量は年々増大し、従来では行えなかった様な複雑な計算や大量のデータの検索を短時間に行い、最適な設定値を求める事が出来る様になって来た。しかし、設定値の算出の高精度化はその機能だけでは済まず、上述した全ての機能の範囲の拡大と質の向上が求められる様になって来る。