著者
田中 博明
出版者
京都大学西洋古典研究会
雑誌
西洋古典論集 (ISSN:02897113)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.104-117, 1994-03-30

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
渡辺 幸一 石坂 隆 田中 浩
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.1153-1160, 1995-12-25
被引用文献数
6

大気中における過酸化物や他の微量気体(O_3,SO_2)の濃度の測定を夏から初秋にかけて、中部日本に位置する乗鞍岳の山頂付近(標高2770m)で行った。過酸化水素(H_2O_2)やオゾンは真夜中に濃度が最も高くなり、真昼に最も低くなった。深夜にH_2O_2やO_3濃度が高くなるのは上層大気の沈降によるものと考えられ、このような日変化は低地での変動とまったく逆である。また、夏の乗鞍岳では、SO_2(S(IV))をH_2SO_4(S(VI))へと酸化させる能力の指標とされている[H_2O_2]/[SO_2]の比がほとんどの期間で1より大きく、SO_2の酸化剤が十分に存在していることがわかった。すなわち、夏期においては、水滴中でのSO_2の不均質酸化が非常に速いものと考えられる。
著者
坂口 嘉之 田中 弘美 脇田 航
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

織物は、極細い短繊維から構成される糸が、経糸と緯糸として複雑に絡み合ってできているために、その見え方をCG表現することは容易ではない。織物のような複雑な構造でも、数値計算で画像化するために、新しい反射モデルの研究を行った。実験では、ミクロレベルの織り構造が見えるまで拡大したスペクトル画像を測定した。また、反射のダイレクト成分とグローバル成分を分離するためにパターン光投影も行った。実験の結果、織物の直接反射成分は、わずかに光源色を含むものの、その大部分が物体色を帯びていることがわかった。これは、光源からの光が糸の内部を通過して反射する、表面下散乱が起きているためだと考えられる。
著者
高橋 康子 田中 美幸 石川 順子 大月 智恵 藤 信子
出版者
京都市立看護短期大学
雑誌
京都市立看護短期大学紀要 (ISSN:02861097)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.155-161, 2010-05-31

高次脳機能障害をもつ人たちには,その障害の特性をふまえて適切なリハビリテーションや生活訓練,就労・就学支援などが必要であると考えられている. 本研究では,脳腫瘍が原因で高次脳機能障害を呈した2 人の20 代の女性を対象に,自立した社会生活を送るために必要な援助とは何かを検討した. Case 1 では,対象者と同じ疾患と障害を持つ同世代の女性をグループメンバーに加え,大学内にあるトレーニングルームにおいて料理を行った.市販されている料理の本を用い調理手順の課題分析をした.その課題分析表を基もとに2 人共同ではなくそれぞれ個別に調理に取り組んだ.その結果,「行動の停止」・「行動の持続」などの特徴が見られることがわかった.途中,養護学校において図書のISBN コードのコンピューター入力作業にボランティアとして参加する機会を得た.ISBN を入力する際に誤打が続いていたが,声に出して入力することで,誤打が無くなり,コンピューターへの入力冊数を対象者が意識することで,作業に対して積極的に取り組むようになった.図書入力終了以降,対象者の調理行動に変化が見られた. Case 2 は,グループ療法を継続中である.ゲームやパソコン入力を取り入れた訓練を実施している.発病後10 年が経過した現在においても記銘力の回復が認められている.
著者
相田 美砂子 田中 雅人
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (Low temperature science) (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.21-30, 2006-03-22

The distribution of solvent water molecules around an alkali metal ion is calculated using Monte Carlo method and compared with the optimal configuration. The analysis of the orbital interaction between an alkali metal ion and the surrounding solvent molecules is performed for aqueous solutions of Li+, Na+ and K+, by means of ab initio MO method,with the aid of QM/MM method. The effect of alkali metal ion orbitals reaches as far as 6Å,7Å and 9Å for Li+, Na+ and K+, respectively. This effect is caused by the orbital interactions between the valence orbitals of an alkali metal ion and of the surrounding water molecules. Not only the electrostatic interaction but also the orbital interaction must not be neglected. The difference in the effect between the alkali metal ions is originated from the difference in the valence orbital extensions of the alkali metal ions.
著者
羽生 宏人 和田 英一 丹羽 崇博 近藤 靖雄 川村 尚史 丸山 信也 岡村 彩乃 山科 早英良 永井 康仁 中道 達也 上道 茜 田中 成明 小林 直樹 笠原 次郎 森田 泰弘
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-21, 2010
被引用文献数
1

The educational hybrid-rocket was successfully launched and it also landed within the predicted area. Aerodynamic characteristics of the rocket designed by students of Tsukuba University were evaluated by the wind tunnel testing with the support of Tokai University. The flight path affected by the environmental condition, especially wind direction and velocity, was simulated with the original calculation program. The altitude of the rocket was measured with the optical equipment and the apex was 123 m although the calculation indicated 198 m. We expected that the insufficient filling or the volatilization of Nitrous oxide as an oxidizer led to this result. And then, the apex was verified with a function of the oxidizer filling ratio. The results showed that 81.2 % of the oxidizer volume in comparison with the firing test condition was accumulated in the tank at the launch.
著者
石丸 隆 山口 征矢 小池 義夫 栗田 嘉宥 吉田 次郎 神田 穣太 田中 祐志 土屋 光太郎 北出 裕二郎 茂木 正人 堀本 奈穂 平譯 享 笠松 伸江
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

海鷹丸による,2回の南大洋インド洋海区における学際的な研究航海を実施した。生物関係では,陸棚から外洋における魚類の分布組成,中・深層における魚類や動物プランクトンの分布,動物プランクトンの分布変動と南極周極流周辺に形成されるフロントの位置との関係等を明らかにした。物理学分野ではケープダンレー沖において新たな南極底層水形成海域を発見し,深層水の分布とその変動,形成機構等に関する知見を得た。
著者
三田 千代子 小池 洋一 柳田 利夫 山田 政信 山ノ内 裕子 拝野 寿美子 田中 祐司 柴崎 敏男 田村 エミリオ 加藤 博惠 堀 永乃 高木 和彦 松尾 隆司 松井 謙一郎 渡会 環
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

日本の外国人就労者である日系ブラジル人は、ホスト社会、エスニック集団、ホームランドの3社会に同時に存在している。エスニック集団はホスト社会に組み込まれたものであるが、ホームランドとの繋がりを維持しているのは、IT機器や携帯電話といった容易で安価で迅速なコミュニケーション手段の普及の結果である。すなわち、物理的に存在しているホスト社会は、ブラジル人就労者にとっては絶対的空間であり、種々のコミュニケーション手段によって社会的関係を維持しているホームランドは相対的空間である。この2つの空間に人が生きているということは、グローバル化時代だからこそ可能となったことである。