著者
高西 淳夫 石田 昌巳 山崎 芳昭 加藤 一郎
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.325-336, 1985
被引用文献数
40 163

本研究は, 外乱の無い平担路において2足歩行ロボットWL-10RDによる動歩行を実現することを目的とする.一般に, 1歩行周期は単脚支持相と立脚切換相という2つの相に分けられる.この両相において動力学的動作が行われているものが動歩行であると考えられる.<BR>本論文では動歩行の制御方式として次のような方式を提案する.すなわち, 単脚支持相においては設定歩行パターンを用いたプログラム制御を行い, 立脚切換相においては切換状況に応じて足首部のトルクと機械インピーダンスを可変とするシーケンス制御を行う.<BR>実際には, 単脚支持相においては, 3次元動力学解析により, ZMP (Zero Moment Point) が支持脚の足底面内にあるように, 設定歩行パターンを作成する.立脚切換相においては, これをさらに4つの相に分割し, 脚接地時の衝撃を緩和しながら重心が後脚から前脚側に切換わるように, 足首部トルクと機械インピーダンスを適切に定める.<BR>このようにしてWL-10RDによる動・完全歩行が実現した.歩行実験の結果, 歩行時間は歩幅40 [cm] で1歩1.5 [sec] が達成された.
著者
三好 茂樹 河野 純大 西岡 知之 加藤 伸子 白澤 麻弓 村上 裕史 皆川 洋喜 石原 保志 内藤 一郎 若月 大輔 黒木 速人 小林 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.9, pp.2236-2246, 2008-09-01
被引用文献数
14

近年,高等教育機関へ進学する聴覚障害学生が増加している.講義中,講師等の発話内容を正確に知らせるために手話通訳やリアルタイム字幕などの情報保障は,それらの学生にとって必要不可欠である.我々は,聴覚障害者のための遠隔地から支援が可能なリアルタイム字幕提示システムを開発している.特殊なキーボードを用いて文字入力を行う速記タイピストがこのシステムを利用することによって遠隔地からリアルタイムに講師の発話内容を字幕化して聴覚障害学生のいる教室へ送り,講義の支援を実施できるようになる.しかしながら,情報科学等の専門性の高い講義内容を正確にリアルタイムで字幕化することには,専門的な知識,特に専門用語の問題があり困難を伴う.そこで本研究では,1台のDVカメラで撮影される講義室側のビデオ映像を数種類用意し,それらの映像を遠隔地にいる字幕作成中の速記タイピストへ提示した.その結果,速記タイピストにとって発話者である講師及び視覚的な提示資料(マイクロソフト社製パワーポイント資料や板書)を含むビデオ映像が,字幕作成者から最も望まれる映像情報であることが分かった.
著者
加藤 一郎
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.164-166, 1983-10-30 (Released:2010-08-25)
参考文献数
4
被引用文献数
2
著者
根本 規生 内藤 一郎 大浦 昭夫 阿久津 亮夫 松田 純夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性
巻号頁・発行日
vol.94, no.385, pp.31-36, 1994-12-09

宇宙機において半導体デバイスは必要不可欠な存在である。しかし、宇宙空間は放射線環境という特殊性を持ち、容易に修理等が行えない。従って、半導体デバイスには耐放射線性と高信頼性が求められる。このため、宇宙機で使用するほとんどの部品は放射線対策を施した高信頼性の専用部品として開発してきた。従って、製造工程が増えるためコストが高くなる。近年、人工衛星等の開発においてコストの低減、軽量化、小型化が求められ、民生部品の利用要求が高まってきている。民生部品を人工衛星等で使用する場合に問題になる信頼性と耐放射線性のうち、耐放射線性について評価したので報告する。
著者
沢村 信一 伊藤(中野) 恵利 加藤 一郎
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.93, pp.19-25, 2002-06-30 (Released:2009-07-31)
参考文献数
5

1) 荒茶の一般生菌数は,他の茶類(鳥龍茶・紅茶)と比較して多いことがわかった。蒸熱工程を含む緑茶特有の製造工程に起因しているものと思われる。2) 荒茶の一般生菌数を製茶法別に比較すると,深蒸し茶が普通煎茶より多い傾向にあった。深蒸し茶製造工程中の送帯式蒸機での一般生菌の残存と葉打ちから中揉にかけての二次汚染が原因と考えられる。3) 荒茶工場内の製茶工程毎に茶葉をサンプリングした結果,蒸機の種類により違いが見られた。送帯式蒸機の方が網胴回転撹拌蒸機より一般生菌数が多い傾向にあった。
著者
佐藤 一郎
出版者
総務省情報通信政策研究所
雑誌
情報通信政策研究 (ISSN:24336254)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.21-44, 2022-12-22 (Released:2022-12-28)

メタバースが話題になっているが、その関心は仮想世界やアバターに集中している。本稿ではメタバースがどのように実装されているかという技術、それもシステム構成の観点から、メタバースの仕組み、課題、可能性を探っていく。実際、メタバースでは、サーバの性能的制約や通信遅延により、現実世界に起きえない問題が起きる。また、メタバースはプラットフォーム化が進んでいることから、メタバースのプラットフォーム、仮想世界などを提供するサードパーティー、そしてユーザの3者の関係についても言及していく。
著者
池田 裕子 岡本 真理子 山本 健 今村 武浩 山近 重生 斎藤 一郎 中川 洋一
出版者
日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.10-17, 2014-04-01 (Released:2014-09-05)
参考文献数
26
被引用文献数
4

Purpose: The purpose of this study was to investigate sleep quality and its related factors in dry-mouth patients. Subjects and Methods: A cross-sectional study was conducted in 362 patients who visited the Dry Mouth Clinic at Tsurumi University Dental Hospital with the complaint of oral dryness. Sleep quality was assessed using the Japanese version of the Pittsburgh Sleep Quality Index (PSQI-J), and factors associated with the PSQI-J global score were analyzed by multiple regression. The dependent variable was the PSQI-J global score, while age, gender, resting saliva flow rate (RSFR), stimulated saliva flow rate (SSFR), VAS score of nocturnal dry mouth sensation, the presence or absence of snoring, grinding, clenching, and mouth breathing, and anxiety and depression score in the Hospital Anxiety Depression Scale (HADS) were used as the independent variables. Results: The mean PSQI-J global score was 7.9±3.9, and 232/362 (64.1%) cases were considered to be poor sleepers who showed a score of less than 5.5. The multiple regression analysis showed that anxiety (standardizing coefficient 0.330) and depression score (0.151) in HADS, nocturnal dry-mouth sensation (0.165), and age (0.209) were significantly associated with the PSQI-J global score. Conclusion: Anxiety, depression, and sleep-related xerostomia were found to be factors closely associated with the risk of disturbance of good sleep quality.

1 0 0 0 OA ドライマウス

著者
斎藤 一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
雑誌
日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 (ISSN:13468111)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1-2, pp.215-218, 2005-04-18 (Released:2010-09-09)
参考文献数
4

涙が減少して目が乾くドライアイと同様, 最近口の中が乾くドライマウス (口腔乾燥症) の症状を訴える人が増えている.ドライアイ研究会によれば, 日本に約800万人存在するとされるドライアイ患者の多くがドライマウスに起因する症状を呈するとの報告や, 欧米の疫学調査では人口の約25%が本症に罹患しているとの結果から算出すると, 本邦では3, 000万人の潜在患者がいることになる.しかしながら, 本症の受け皿となる医療機関は少なく, 患者さんはどの科を受診すれば良いのか分からないのが現状である.本来, ドライマウスは歯科医療従事者が適切な処置を行うことによって症状を緩和し, 進行を止めることができる.本稿では唾液の役割とドライマウスの原因について概説する.
著者
加藤 一郎
出版者
国立音楽大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究はバッハ演奏の際に行われるテンポの微細な変動の基本原理を明らかにし、今後のバッハ演奏への示唆を得ることを目的とした。そのために、主にバッハ当時の演奏理論書やバッハのオリジナル資料を基にテンポの変動と拍との関係、テンポの変動とアーティキュレーションとの関係について検証し、更に20世紀の演奏家によるバッハ演奏のテンポを解析することによって、テンポの変動の多様性や、今後のピアノによるバッハ演奏への応用等について考察した。
著者
古川 清治 内保 顕 内田 敏仁 伊藤 一郎 吉田 恒行 上林 史朗 阿部 清一 古角 雅行
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.10, no.5, pp.276-283, 1999-09-30 (Released:2010-05-31)
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

ごみ焼却残渣の溶融施設から排出されるばいじん (溶融飛灰) 中の重金属の安定化手法として, リン酸処理方法について検討した。溶融飛灰原灰および, これにリン酸を添加, 混練りしたリン酸処理灰について, 各種溶出試験によりPbなどの重金属の溶出挙動を調べるとともに, 処理灰の化学形態を調べた。各種溶出試験の結果から, pHや液/固比によらず, リン酸処理灰は原灰と比較してPb, Cd, Zn, CuおよびCaの溶出が抑制されることが明らかとなった。また, リン酸処理灰の形態調査の結果から, 処理灰中には, 化学的に安定な鉱物であるPb5 (PO4) 3Cl (クロロピロモルファイト) が検出された。
著者
中川原 育子 谷口 陽子 佐藤 一郎 中村 俊夫 NAKAGAWARA Ikuko TANIGUCHI Yoko SATO Ichiro NAKAMURA Toshio
出版者
名古屋大学年代測定資料研究センター
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
no.23, pp.127-137, 2012-03

The Kizil Grottoes, the largest Buddhist monastery complex in the Xinjian region of China, is decorated with wall paintings - the chronological dates of which are still under debate. This study aims to give some clarification regarding the chronological dates using AMS-14C dating of chaff tempers taken from the earthen renders of the wall paintings. l4C studies previously carried out by Chinese and German researchers had resulted in divergent dates often extending back hundreds of years earlier than hypothesized within the chronology of art history, which has created confusion. Six samples from six wall painting fragments (Caves 8 [III8425], 38 [III8700], 171 [III8793, III8891], 207[III9148b(d)], and 224[III8865(a)]) held in collections at the Museum für Asiatische Kunst in Berlin were taken and analysed with 14C-AMS at the Center of Chronological Research at Nagoya University in Japan. As reference, nine dating results analysed between 1995 and 1998 at Nagoya University were also shown in the list. Dates were obtained for only three out of the six samples: cal AD 128-216 [Cave 8], cal AD 255-306 and cal AD 312-34 [Cave 171], and 90-70 cal BC [Cave 224]; most of these extended back earlier than reference 14C data from the Chinese and German studies and far earlier than dates suggested by the timeline of art history. Even the Chinese and German reference dates derived in the past from 14C analysis often show varied dates occurring earlier than those represented in art history. This may indicate that old chaff was used in renders for the Kizil wall paintings probably as a form of re-use of old mud bricks, or that the chronology of art history must be drastically reconsidered, both of which would require further AMS-14C dating studies with careful and comprehensive sampling from well-documented contexts.名古屋大学年代測定総合研究センターシンポジウム報告
著者
水野 峰雄 後藤 一郎 藤岡 綱昭 安池 由幸 池田 泰久 高島 洋一
出版者
一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会
雑誌
原子力バックエンド研究 (ISSN:18847579)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.221-231, 2000

現行の再処理において採用されているチョップ・アンド・リーチ法では,大型剪断装置を必要とし,かつ使用済み燃料を酸難溶性のジルカロイ被覆管を付けたまま高温・高濃度の硝酸溶液で処理するため,溶解工程における負荷が大きいものとなっている.   本研究では,このような現行のヘッド・エンド・プロセスの抱える課題を解決するため,燃料集合体を解体し,燃料を被覆管より取り出した後,燃料のみを現行法より温和な条件で連続的に溶解させるとともに,燃料内のトリチウムやヨウ素を除去することによる溶解以降の工程の負荷軽減にも寄与しうる新ヘッド・エンド・プロセス技術の開発を行っている.   本報では,新ヘッド・エンド・プロセスの要素技術である燃料取出技術,ボロキシデーション技術,燃料溶解技術に関する研究成果の概要について報告する.
著者
中谷 良人 工藤 一郎
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.1057-1061, 2004-10-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
25

アラキドン酸代謝物は生理活性を有する化合物を多数含んでおり, 生体の恒常性の維持だけでなくアレルギーを含む多様な疾患の発症や進展に関与することが示唆されている. Fig. 1に示したように, 細胞内でアラキドン酸は膜リン脂質の2位にエステル結合した形で貯蔵されており, ホスホリパーゼA2(PLA2)によりアラキドン酸が遊離されることにより本代謝系が開始する. この遊離アラキドン酸はシクロオキシゲナーゼ(COX)あるいはリポキシゲナーゼ(LO)により酸素添加される. 前者は不安定な中間物質であるプロスタグランジン(PG)H2を産生し, 最終PG合成酵素により様々なプロスタノイドが合成される. 後者は中間物質ロイコトリエン(LT)A4を産生し最終LT合成酵素によりLTB4やLTC4が合成される. PLA2反応の際にアラキドン酸と共に生成するリゾリン脂質からも血小板活性化因子(PAF)等の生理活性脂質が産生される.
著者
塩野目 剛亮 加藤 伸子 若月 大輔 河野 純大 西岡 知之 村上 裕史 皆川 洋喜 内藤 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.164, pp.69-72, 2010-07

近年,エリア限定ワンセグ放送(エリアワンセグ)という特定の範囲に存在するユーザに対する新しい情報提供の手段が試行され始めており,複数の情報を組み合わせた情報保障への適用が期待できる.本稿では,ワンセグ放送の簡便で柔軟な情報提示の手段としての可能性を検討している.聴覚に障害がある大学生を対象としたアンケート調査の結果から,ワンセグ放送を用いた情報保障提供の有効性が明らかとなった.また,実際のシステム構築や運用上の課題を示している.Area One segment-Broadcasting(Area One-Seg) has been used for information service for the users who exist particular area. In this report, we constructed the remote sign language interpret / real-time caption providing system via Area One-Seg, and conducted hearing impaired students survey at actual lecture scene. The results show that about 80% of students presented positive response, and effectiveness of captioning history. Moreover, expected feature of One-Seg receiver to provide information assurance, and acquiring a broadcasting license are also discussed.
著者
加藤 一郎
出版者
文教大学
雑誌
言語と文化 = Language and Culture (ISSN:09147977)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.41-63, 1988-04-01

После смерти хана Тохты (1313 г.) царевич Узбек, который поддерживался городской аристократией, исповедующей мусульманство, захватил власть. Золотая орда при хане Узбеке (1313—1342 гг.) испытала самое блестящее время её истории. Золотая орда восстановила традиционную русскую политику, ослабленную во времена двоевластия орды (столкновения между Тохтой и Ногаем). Хан Узбек поддерживал Московское княжество, чтобы ослабить Тверское княжество, являющееся одним из сильных княжеств на северо-восточной Руси. Тогда на северо-западе Литовское великое княжество превращалось в могущественное государство и стало угрожать монголам распадем своего господства над Русью. Чтобы препятствовать расширению Литвы, монголы решили воспитать Московское княжество. В результате этого изменения русской политики монголов, Иван Данилович Калита, получивщий титул великого князя Владимирского в 1331 г., поскольку верно выполнял приказание монголов, постольку разрещался укрепить своё княжество. После смерти хана Узбека (1342 г.) его второй сын Джанибек из трёх сыновей сел на отцовский престол. Но времена хана Джанибека (1342—1357 гг.) явлись периодом постепенного упадка могущества Золотой орды. Она прекратилась быть гегемоном Восточной Европы и стала одной из держав Восточной Европы.