著者
小泉 達寛 山田 寛喜 藤井 智史 長名 保範 宇野 亨
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J105-B, no.7, pp.519-520, 2022-07-01

波浪の観測を目的とした海洋レーダは,通常,垂直偏波で運用される.筆者らは,広い海域を観測できる海洋レーダの特長を生かしたマルチユース化の可能性を検証するため,偏波海洋レーダを開発した.本論文では,そのレーダの概要と実験結果を報告する.
著者
藤井 智香子 岡田 あゆみ 重安 良恵 塚原 宏一
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.57-63, 2021 (Released:2021-01-01)
参考文献数
22

過敏性腸症候群 (irritable bowel syndrome : IBS) は児童・思春期の代表的な機能性消化管疾患であるが, その実態については不明な点も多い. IBSは心理的ストレスの影響を受けやすく, 患者の心理社会的背景を理解することは適切な治療介入につながると考えられる. 児童・思春期のIBS患者の特徴を明らかにすることを目的に, 岡山大学病院小児科を受診したIBS患者のうち発症が18歳以下であった69例の性別や併存疾患などの特徴について検討を行った. 男性35例, 女性34例で, 59例は不登校状態にあり, 外出困難をきたしている症例もあった. 併存疾患として起立性調節障害やアレルギー性疾患を有する症例が多く, 24例が自閉スペクトラム症 (autism spectrum disorder : ASD) の診断を受けていた. ASDの感覚過敏やこだわりが強いという特性が, 症状の遷延や訴えの増加につながる可能性があり, 発達特性に留意して診療を行うことが必要であると考えられた. また男性に外出困難を伴う症例を多く認め, このような症例では特に, 環境調整や心理療法を含めた対応が有効だった.
著者
岩永 譲 古賀 千尋 加来 伸一郎 藤井 智津 岩本 修 楠川 仁悟
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.95-97, 2010-02-20 (Released:2013-10-19)
参考文献数
9

A case of oral mucosal ulcer caused by the inappropriate use of nicotine gum is reported.The patient was a 55-year-old man who was a heavy smoker. He had smoked 60 cigarettes a day for 36 years. He had been using nicotine gum as a "stop-smoking aid" for over 8 months. He was referred to our department because of an unhealed undermining ulcer at the mucogingival junction of the lower right anterior teeth. On exfoliative cytology, there were no atypical cells in a specimen of the ulcer. Therefore, we recommended him to stop using nicotine gum, which was inappropriately placed at the buccal vestibule of mouth. The tenderness then gradually improved, and the ulcer healed in the month. Long-term inappropriate use of nicotine gum can cause adverse effects to the oral mucosa.
著者
藤井 智康
出版者
日本水文科学会
雑誌
日本水文科学会誌 (ISSN:13429612)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.107-118, 2017-08-28 (Released:2017-09-20)
参考文献数
18
被引用文献数
3 4

大気および表面海水中の二酸化炭素(CO2)の長期的な動態を明らかにするために,2012年および2014年の8月~11月に大阪湾において連続測定を行った。表面海水の水温,溶存酸素濃度(DO), pHおよび大気中のCO2濃度を大阪湾の各地点で連続測定した。海水の二酸化炭素分圧(pCO2)は,測定されたpHと全アルカリ度のデータからCDIACが提供するCO2SYSを使って計算した。大気–海水間のCO2フラックス(放出・吸収量)は,連続測定から得られたデータと神戸空港で測定された風速データを用いて計算した。結果として,夏季の成層期では,CO2吸収フラックスが高く,大気CO2濃度は低かった。CO2フラックスは,日中の光合成と夜間の分解によって大きく日変化していた。この期間のCO2吸収フラックスの平均値は,0.09 g-C m-2 d-1,大気CO2濃度は397.7 ppmであった。一方,成層が消滅する秋季においては,CO2吸収フラックスの平均値は,-0.04 g-C m-2 d-1,大気CO2濃度は429.9 ppmであった。夏季には大気CO2は海水に吸収され,秋季には表面海水のCO2が大気へ放出するため,大気CO2は秋季が高い値となった。したがって,大気CO2濃度は,大気–海水間のCO2フラックスによって大きく変化する。
著者
江⽊ 盛時 ⼩倉 裕司 ⽮⽥部 智昭 安宅 ⼀晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 ⿊⽥ 泰弘 ⼩⾕ 穣治 志⾺ 伸朗 ⾕⼝ 巧 鶴⽥ 良介 ⼟井 研⼈ ⼟井 松幸 中⽥ 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升⽥ 好樹 松嶋 ⿇⼦ 松⽥ 直之 ⼭川 ⼀⾺ 原 嘉孝 ⼤下 慎⼀郎 ⻘⽊ 善孝 稲⽥ ⿇⾐ 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻⾕ 正明 對東 俊介 武⽥ 親宗 寺⼭ 毅郎 東平 ⽇出夫 橋本 英樹 林⽥ 敬 ⼀⼆三 亨 廣瀬 智也 福⽥ ⿓将 藤井 智⼦ 三浦 慎也 安⽥ 英⼈ 阿部 智⼀ 安藤 幸吉 飯⽥ 有輝 ⽯原 唯史 井⼿ 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲⽥ 雄 宇都宮 明美 卯野⽊ 健 遠藤 功⼆ ⼤内 玲 尾崎 将之 ⼩野 聡 桂 守弘 川⼝ 敦 川村 雄介 ⼯藤 ⼤介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下⼭ 哲 鈴⽊ 武志 関根 秀介 関野 元裕 ⾼橋 希 ⾼橋 世 ⾼橋 弘 ⽥上 隆 ⽥島 吾郎 巽 博⾂ ⾕ 昌憲 ⼟⾕ ⾶⿃ 堤 悠介 内藤 貴基 ⻑江 正晴 ⻑澤 俊郎 中村 謙介 ⻄村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 ⻑⾕川 ⼤祐 畠⼭ 淳司 原 直⼰ 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松⽯ 雄⼆朗 松⼭ 匡 峰松 佑輔 宮下 亮⼀ 宮武 祐⼠ 森安 恵実 ⼭⽥ 亨 ⼭⽥ 博之 ⼭元 良 吉⽥ 健史 吉⽥ 悠平 吉村 旬平 四本 ⻯⼀ ⽶倉 寛 和⽥ 剛志 渡邉 栄三 ⻘⽊ 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五⼗嵐 豊 井⼝ 直也 ⽯川 雅⺒ ⽯丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今⻑⾕ 尚史 井村 春樹 ⼊野⽥ 崇 上原 健司 ⽣塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕⼦ 榎本 有希 太⽥ 浩平 ⼤地 嘉史 ⼤野 孝則 ⼤邉 寛幸 岡 和幸 岡⽥ 信⻑ 岡⽥ 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥⽥ 拓史 ⼩倉 崇以 ⼩野寺 悠 ⼩⼭ 雄太 ⾙沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 ⾦⾕ 明浩 ⾦⼦ 唯 ⾦畑 圭太 狩野 謙⼀ 河野 浩幸 菊⾕ 知也 菊地 ⻫ 城⼾ 崇裕 ⽊村 翔 ⼩網 博之 ⼩橋 ⼤輔 ⿑⽊ 巌 堺 正仁 坂本 彩⾹ 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下⼾ 学 下⼭ 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉⽥ 篤紀 鈴⽊ 聡 鈴⽊ 祐⼆ 壽原 朋宏 其⽥ 健司 ⾼⽒ 修平 ⾼島 光平 ⾼橋 ⽣ ⾼橋 洋⼦ ⽵下 淳 ⽥中 裕記 丹保 亜希仁 ⾓⼭ 泰⼀朗 鉄原 健⼀ 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨⽥ 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊⽥ 幸樹年 内藤 宏道 永⽥ 功 ⻑⾨ 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成⽥ 知⼤ ⻄岡 典宏 ⻄村 朋也 ⻄⼭ 慶 野村 智久 芳賀 ⼤樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速⽔ 宏樹 原⼝ 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤⽥ 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀⼝ 真仁 牧 盾 增永 直久 松村 洋輔 真⼸ 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村⽥ 哲平 柳井 真知 ⽮野 隆郎 ⼭⽥ 浩平 ⼭⽥ 直樹 ⼭本 朋納 吉廣 尚⼤ ⽥中 裕 ⻄⽥ 修
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
pp.27S0001, (Released:2020-09-28)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG2016)の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG2020)の目的は,J-SSCG2016と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG2016ではSSCG2016にない新しい領域(ICU-acquiredweakness(ICU-AW)とPost-Intensive Care Syndrome(PICS),体温管理など)を取り上げたが,J-SSCG2020では新たに注目すべき4領域(Patient-and Family-Centered Care,Sepsis Treatment System,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な117の臨床課題(クリニカルクエスチョン:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQには,日本国内で特に注目されているCQも含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員24名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班を2016年版に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,117CQに対する回答として,79個のGRADEによる推奨,5個のGPS(Good Practice Statement),18個のエキスパートコンセンサス,27個のBQ(Background Question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG2020は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。
著者
笹川 秋彦 星野 純 小林 篤 西海 理之 鈴木 敦士 藤井 智幸 小西 徹也 山崎 彬 山田 明文
出版者
日本高圧力学会
雑誌
高圧力の科学と技術 (ISSN:0917639X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.167-178, 2006 (Released:2006-06-15)
参考文献数
35
被引用文献数
5 6

The commercial-scale feasibility of high-pressure treatment to fermented foods was investigated, with attention given to the fact that the pressure resistance varies with the kind of microorganism. Kimchi was chosen because lactic acid bacteria had been found to be separated from yeast by pressure application of 300 MPa (20°C), and subjected to pressure treatment to investigate the microbiological, physicochemical and sensory changes with the progress of fermentation. Pressure application of 300 MPa (20°C) to Kimchi for 5 minutes slightly decreased the number of lactic acid bacteria, while completely inactivated the yeast to prevent expansion of the Kimchi-containing package during the storage. The pressure treatment also reduced the generation of lactic acid, the drop in pH value and the decrease of glucose and fructose contents. Although the pressure-treated Kimchi showed increased color difference and translucence, the breaking stress was not changed. The sensory tests demonstrated the advantages of pressure-treated Kimchi, to confirm the improvement of shelf life of Kimchi.
著者
塩川 幸子 北村 久美子 藤井 智子 上田 敏彦
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.705-714, 2013 (Released:2014-01-10)
参考文献数
26
被引用文献数
1

目的 本研究は,青年期にある広汎性発達障害を持つ本人・家族の生活面の困難さに対する保健師の支援プロセスを明らかにすることを目的とした。方法 対象は,保健師経験年数10年以上で,青年期の広汎性発達障害を持つ本人・家族の継続支援に携わる保健所保健師とした。保健師の支援事例は青年期にあり,ICD–10 の F84 広汎性発達障害と精神科医に診断された事例(疑い含む)とした。半構成的面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M–GTA)を用いて分析した。結果 対象者は女性10人で保健師経験年数10~28年であり,保健師の支援事例は10事例,年齢22~37歳であった。分析の結果,38概念と14カテゴリーが生成された。青年期の広汎性発達障害を持つ本人・家族への保健師の支援プロセスは【困っていることに沿って一緒に考える】ことから始まっていた。【信用を生み出す】なかで,【生活面の困難さと本人の持つ特徴の影響を照らし合わせる】と同時に【本人の特徴理解】,【見立ての難しさと向き合う】ことを繰り返し【ふみこむタイミングや介入の判断】を行っていた。また,保健師は【地域の中でその人らしく生活できることを目指す】という目標に向かい,【わかりやすいコミュニケーションの工夫による対話の促進】を行いながら,【本人の特徴理解】をさらに深め,アセスメントと支援を連動していた。さらに,【自己理解の促し】から【自己決定・対処行動のサポート】へとつなげ,【地域資源の活用・開発】や【困っていることに沿った連携・調整】により支援を展開するとともに,【生活しやすい地域づくり】を目指し,継続支援を行っていた。結論 保健師は,支援プロセスにおいて,広汎性発達障害を持つ人の特徴を見極め,信頼関係を重視しながら,わかりやすいコミュニケーションを工夫した生活支援や,関係者と連携して生活しやすい地域づくりを継続的に行っていた。保健師の役割として,生活面の多様な問題に対し,その人の特徴に合わせた対応策を共に考えて工夫するとともに,ライフステージに応じた本人・家族を支えるネットワークや地域全体の支援体制づくりを推進するプロセス全体を動かしていくことの必要性が示唆された。
著者
藤原 美子 瓦谷 英人 藤井 智津子 和田 和美 岡田 世佳 久保 卓也 赤羽 たけみ 簗瀬 公嗣 仲川 喜之
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.487-496, 2023-10-01 (Released:2023-10-12)
参考文献数
15

2019年から肝炎医療コーディネーター(肝Co)活動による肝炎ウイルス陽性者の拾い上げを開始した.2019年から2021年までは肝炎ウイルス(HBV,HCV)陽性者に対して検査依頼医へ電子カルテのアラート機能を用いたメッセージ記載による専門医への受診勧奨が主な取り組みであった.しかし,検査結果を伝えられていないHCV陽性者は2019年の52.5%(32/61)から2021年は26.7%(12/45)と減少したものの,0%とならず新たな対策が必要と考えた.2022年に多職種で構成された「肝炎対策チーム」を立ち上げ,肝炎ウイルス陽性者確認後の流れを明確にした「フローチャート」を作成し拾い上げ活動を強化した.その結果,HCV陽性者に検査結果が伝わっていない症例は,2022年には5.3%(3/57)と著減した.「フローチャート」を軸とした肝Co活動は,多職種連携により効果的に機能したと考える.
著者
澤田 枝里香 淡路 達人 森下 圭介 古川 正紘 有賀 友恒 木村 秀俊 藤井 智子 武市 隆太 清水 紀芳 井田 信也 常磐 拓司 杉本 麻樹 稲見 昌彦
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.375-383, 2008-09-30 (Released:2017-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
2

This system is an interface realized with the symbiosis of the input/output of wind and graphics. This system brings the new communication medium of "wind" into the bidirectional interaction between the virtual environment and the real environment by integrating the graphic presentation with the input and output of wind on a special screen. The user can interact with the virtual environment in the screen through his/her breath and wind emission. Conversely, actions from the virtual environment to the user are performed by wind changing dynamically. As a result, the user can share not only sights and sounds but also the cutaneous sensation by wind with the system, and interact with the virtual environment feeling a non-conventional deep relationship.
著者
大泉 加奈子 井戸川 詩織 岩元 靖 伊藤 健介 藤井 智幸
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.142-149, 2016-04-15 (Released:2016-05-31)
参考文献数
34
被引用文献数
6 4

本研究では,豆乳コロイド分散系の不安定化に及ぼすpHの影響について,まずpH低下に伴う豆乳の脂質およびタンパク質成分の寄与に着目し,粒子径分布,粘度を評価した.アスコルビン酸の添加によって,粒子径はpHがおよそ6から5.8までそれほど増加しなかったが,pH 5.6になると急激に大きくなった.また,流動性指数はpH 5.8以下で1より顕著に低値であった.このことから,豆乳のpHが低下するに伴って凝集が起こり,粘度が上昇したと考えられた.次に,コロイド分散系の不安定化を遠心操作によって促進させコロイド安定性を評価し,豆乳コロイド中の状態変化について3段階に分けて考察を加えた.豆乳の粘度変化および安定度変化には,タンパク質と脂質の凝集体生成が寄与していることが示唆され,その生成には原料豆乳成分の影響が認められた.本研究の結果から,pH低下に伴う豆乳コロイド系の安定性を,原料豆乳の成分組成から予測することが可能となった.
著者
藤井 智 畠中 泰司 中石 睦 秋山 江里
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.64-68, 1992-01-10

在宅重度障害者を対象に, 浴室の改造やリハビリテーション機器の利用等を指導した92例について, 入浴形態, 介助の状況, 改造内容, 機器の利用状況等を調査・検討した。結果は, 1)リハ機器導入と手すり設置等の簡単な改造を合わせて行ったものが多かった。2)介助者数や入浴形態を大きく変えることはできなかった。3)手すりに掴まったり, 安定した坐位を基本姿勢とすることで, 介助量を減らし, より容易に, 安全に入浴できるようになった。4)ほぼ全例に, 介助方法などの実地指導を繰り返し行った。環境・経済的問題や家族の受け入れ等の問題から, 簡単な改造にとどまる例が多かった。しかし, リハ機器導入とともに,入浴方法の実地指導を行うことで, 介助量を軽減することができ, 新しい環境にあわせた指導の重要性が示唆された。
著者
江木 盛時 小倉 裕司 矢田部 智昭 安宅 一晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 黒田 泰弘 小谷 穣治 志馬 伸朗 谷口 巧 鶴田 良介 土井 研人 土井 松幸 中田 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升田 好樹 松嶋 麻子 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, no.Supplement, pp.27S0001, 2020 (Released:2021-02-25)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。
著者
江木 盛時 黒田 泰弘 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 小谷 穣治 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 志馬 伸朗 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 谷口 巧 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 鶴田 良介 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 土井 研人 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 土井 松幸 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 中田 孝明 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 中根 正樹 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 藤島 清太郎 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 小倉 裕司 細川 直登 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 升田 好樹 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 松嶋 麻子 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 矢田部 智昭 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 安宅 一晃 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井上 茂亮 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 射場 敏明 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 垣花 泰之 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 川崎 達也 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 久志本 成樹 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, 2020
被引用文献数
2

<p>日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。</p>
著者
中川 淳一郎 藤井 智
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.B-30_1-B-30_1, 2019

<p>【はじめに】</p><p>昨秋から臨床場面で提供されたトヨタ自動車のウェルウォーク(以下WW)は、長下肢装具型で膝関節を屈伸できる歩行練習ロボットである。主たる対象は脳卒中亜急性期片麻痺者だが、生活期を担う当センターでも歩容改善に向け活用を開始した。今回、脳卒中発症から9か月経過した短下肢装具歩行の一症例にWWを使用し、歩行能力が向上したので報告する。</p><p>【方法】</p><p>対象は、脳梗塞により左片麻痺、注意障害を呈した40歳代男性である。回復期病院を経て、232病日に当センターに入院した。下肢ブルンストロームステージはⅢで、末梢の筋緊張亢進が著明だった。歩行はT字杖と両側金属支柱付き短下肢装具を用いて3動作で見守りであった。歩容は非麻痺側への重心偏移と杖への荷重が著明で、かつ、麻痺側下肢の振り出しは骨盤の前後傾で行っていた。約1.5か月で病棟歩行は自立となったが、荷重方法の指示でかえって考え込む様子があり、歩行速度や歩行パターンに著変はなかった。そこで、278病日よりWWを開始し、1日40分(週5回)のPTのうちの20分、40日間で20回使用した。</p><p>結果はWWに記録されている実施情報、および期間の前後で測定した10 m歩行速度、6分間歩行距離などを用いた。</p><p>【結果】</p><p>WWの経過として、開始時は遊脚開始の荷重設定(以下、抜重値)を35%、遊脚期の振り出しアシストを3、立脚期の膝伸展のアシストを3、速度を0.9km/hに設定し、手すりを把持しながら、体幹前傾が軽減するよう徒手介助した。徐々に1.7km/hまで速度を上げると、荷重応答期(以下LR)で体幹前傾や膝関節の急速な伸展が見られたため、膝伸展アシストを4と増加し、遊脚開始のタイミングが合うよう抜重値を50%にしてPTは体幹の介助を行った。開始6回目には、非麻痺側立脚期に手すりを離せるようになり、さらにPTが麻痺側への体幹誘導をできるようになった。開始11回目には、徒手の誘導が少なくなり、フリーハンドでの歩行も取り入れることができた。同様の方法で20回目まで継続した。</p><p>WWを使用した結果、歩行パターンは2動作となり、10m歩行は、最速が22.8秒(23歩)から15.2秒(21歩)、6分間歩行距離は120.5mから197.8mとなった。</p><p>【考察】</p><p>本症例では、WWを使用することで、歩行中にロボットで下肢の振り出しの不足やLRでの不安定性をコントロールできた。さらに、手すりを離しながらPTが体幹を誘導することで、積極的に下肢への荷重を促進させることができ、2動作歩行の獲得につながったと考える。また、注意障害を考慮し、ロボットで歩行を担保することで、注意課題を限定して指導できたことも奏功したと考える。生活期の脳卒中片麻痺者であっても、歩容改善につながる一助にWWを活用できるのではないかと考え、症例経験を積み上げていきたい。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本報告にあたり、本人に口頭および文書にて説明し、同意を得た。</p>
著者
藤井 智幸
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.226-232, 2017-04-15 (Released:2017-04-29)
参考文献数
3

In this paper, the effects of oil bodies, coagulant, pH and enzyme treatment on the aggregation behavior of soymilk were reviewed from the viewpoint of a colloidal dispersion system. The applicability of Einstein's and Krieger-Dougherty's theories of viscosity was examined using soymilk samples. The oil bodies in the soymilk behaved as suspended substances, and it was possible to predict the relative viscosity from the volume fraction of the oil bodies. The coagulation of soymilk with magnesium chloride was also investigated, and the validity of the novel viscous model with the effect of cross-linkage was discussed. The viscosity during coagulation could be predicted by the model, based on particle size as a property of the dispersion system. From the results of the effect of pH on the stability of soymilk using the centrifugal method, the state of soymilk components changed in three steps as a function of decreasing pH. The aggregation of high-fat soymilk digested by papain required heat pretreatment. It was suggested that oleosin, which stabilized the oil body emulsion, was digested by papain and the aggregation was promoted by heat pretreatment.