著者
斉藤 勇璃 白石 智誠 太田 和宏 根本 さくら 石川 一稀 宇田 朗子 小川 卓也 友広 純々野 中村 祥吾 山内 拓真 西川 和真 宍戸 建元 長野 恭介 蓬畑 旺周 稲垣 武 村井 源 迎山 和司 田柳 恵美子 平田 圭二 角 薫 松原 仁
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4C2GS1303, 2020 (Released:2020-06-19)

シナリオライターの負担軽減と物語多様性の担保という観点から,ゲーム自動生成システムの開発の必要性が指摘されてきている.これまでに固有名の組みあわせによるシナリオ自動生成やダンジョン自動生成など,いくつかの挑戦は行われてきたが,ゲーム全体において一貫した世界観やストーリー展開を実現するのは困難だった.そこで本研究ではロールプレイングゲームを対象として,シナリオ自動生成,ダンジョン自動生成,BGM自動選択を統合したシステムの開発を行った.シナリオ自動生成においては,既存のゲーム作品のシナリオ分析結果に基づき,クエスト単位でのシナリオ自動生成を行った.次に生成された複数のクエストを統合してストーリーの破綻がない複合的なシナリオの自動生成を実現した.また,ダンジョンは自動生成を実現し,マップやキャラクターは生成されたシナリオに沿ったものを作成した.さらに,シナリオの各場面の機能や登場人物の感情状態に合わせたBGMの自動選択を実現した.これらのゲームの各種要素を自動的に生成して統合することで,ロールプレイングゲーム自動生成システムの構築を行った.
著者
日野 愛郎 西川 賢 MCELWAIN KENNETH FAHEY ROBERT・ANDREW 劉 凌
出版者
早稲田大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2020-10-27

本研究は、ポピュリズムの国際比較研究プロジェクトにおいて空白国となっている日本の基礎データを構築して広く公共財として提供すると同時に、他国と比較してなぜ日本においてポピュリズムが不在(と言われる)かという問いに一定の答えを提示することを試みるものである。ポピュリズム研究の第一人者であるCas Mudde氏と協働しながら、日本型ポピュリズムの独自の視点を提起するとともに、政治家・政党のメッセージの内容分析やソーシャル・メディアのテキスト分析の統合データを国際基準に準拠・発展させて整備することを目指す。
著者
西川 隼人 宮島 昌克
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A (ISSN:18806023)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.784-796, 2009 (Released:2009-08-20)
参考文献数
15
被引用文献数
3 3

本論文では計測震度と最大加速度のみ収集している自治体観測点を想定して,これらの地震動指標から地震動の周期特性を把握するために,実効加速度と最大加速度の比(最大加速度比)と地震動の卓越周期の関係を調べた.まず,最大加速度比と地震動スペクトルの関係を調べ,スペクトル形状と最大加速度比が関連していることを明らかにした. 続いて,地震観測記録からフーリエスペクトルと速度応答スペクトルのピーク周期を求め,最大加速度比との対応を調べたところ,最大加速度比の変化が震度フィルターの形状と概ね対応していることが分かった.最後に最大加速度比と実効加速度をパラメータとする周期1~2秒の速度応答スペクトル評価式を提案し,単一の地震動指標の場合に比べて高い精度で応答スペクトルを評価できることを明らかにした.
著者
西川 潤
出版者
京都大学学際融合教育研究推進センター地域連携教育研究推進ユニット
雑誌
地域連携教育研究 = Journal of Education and Research for Regional Alliances (ISSN:24332356)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.108-114, 2018-09-30

In Japan, there are moves to implement and disseminate Advanced Placement by the college board. The Japanese government is also beginning to consider creating similar programs and the system which high school students acquire college credits is drawing attention. However, there are cases where the accelerated learning system, which is a general name for such systems, and Advanced Placement which is only one of its forms are being confused, causing inaccurate understanding. Considering this situation, this paper aims to clarify the relative features of Advanced Placement by grasping the types of accelerated learning system in the U.S. and Japan. As a result, the existing accelerated learning system in Japan was able to be understood by two axes: (1) "Open-Closed, " (2) "overseas oriented (studying abroad)-domestic oriented." Advanced Placement belongs to "Open-overseas oriented" and draws a clear line from the existing system that is domestic oriented. Through this analysis, it reconfirmed the importance of not looking at all of the accelerated learning systems as similar cases, but classifying and understanding them separately.
著者
西川 潮
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.269-277, 2015-11-30 (Released:2017-05-23)
参考文献数
22
被引用文献数
3

水田は農作物の栽培の場を提供するだけでなく、かつて氾濫原湿地を利用していたさまざまな生物に棲み場や餌場を提供する。近年、水田は、その代替湿地としての重要性が見直され、農業生産と生物多様性再生の両立を念頭に置いた生物共生農法への取り組みが全国各地で進められている。佐渡市では、2008年度より開始されたトキ(Nipponia nippon)の再導入事業に合わせて、水稲農業に水田の生物多様性再生を軸とした「朱鷺と暮らす郷づくり」認証制度が導入された。2013年現在、全島の約24%の水田で認証米栽培への取り組みが進められている。この消費者と一体となった農地の環境保全体制、トキが棲む里地・里山景観、そして金山の影響を受けた固有の文化が認められ、佐渡市は2011年に、国際連合食糧農業機関(FAO)により世界農業遺産(GIAHS)に認定された。本報告では、佐渡市における生物共生農法への取り組みが、トキ、両生類、魚類、および大型底生無脊椎動物(底生動物)といった水田の生物多様性に与える影響について紹介する。生物共生農法の取り組み効果は、分類群によっても、水田内外の環境要因や土地利用によっても、空間スケールによっても異なり、とくに、耕作期および非耕作期の安定した湛水環境創出の取り組みや、減農薬・減化学肥料の取り組み、水田と水路の連結性確保の取り組みが水田の生物多様性向上に効果的であると考えられる。佐渡市では多様な農法への取り組みが水田の生物多様性を向上させていることが示され、今後も農法の多様性を維持向上させ、その成果を認証米の販売に活かしていくことが、里地・里山の自然再生を持続的に推進していくうえで重要と考えられる。
著者
遠藤 太佳嗣 西川 惠子
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.7-12, 2016-02-29 (Released:2016-03-02)
参考文献数
29

Here we review our recent works on thermal phase behaviors of ionic liquids, 1-alkyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphates ([Cnmim]PF6, n=1~4). Their complex thermal phase behaviors observed in calorimetric measurements were investigated at the molecular level using combined techniques of Raman spectroscopy, quantum chemical calculations, X-ray analyses, and nuclear magnetic resonance spectroscopy. It was demonstrated that the conformational flexibility of the side chain in the cation played a key role for thermal phase behaviors of some ILs as represented by [C4mim]PF6, nevertheless, which was not always the case for others as evidenced in [C1mim]PF6 results.
著者
楠見 孝 西川 一二 齊藤 貴浩 栗山 直子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.265-275, 2020-10-10 (Released:2020-10-15)
参考文献数
12

本研究の目的は,プログラミング教育の授業実践に対する小中学校教員の意欲とその規定因を解明することである.小中学校教員633人にWeb 調査を行った結果,プログラミングを教える機会をもちたい小学校教員は1/3であった.残りの2/3の教員に,教える機会をもちたくない理由を尋ねたところ,半数の教員がプログラミングについてよく知らないこと,他の仕事が忙しいことをあげていた.回答者のうち,コンピュータ不安をもつ者は3割,コンピュータを苦手とする者は半数であった.パス解析によって,プログラミング教育の授業実践に対する意欲の規定因を分析した結果,(a)プログラミングスキルが高いことが人-AI の協働社会への肯定的認知に影響し,教育効果への期待を高め,教育に関与する意欲を高めていた.一方,とくに,小学校教員では,(b)プログラミングスキルの低さが,コンピュータ不安や固定的マインドセットを介して,教育への関与の意欲を低下させていた.
著者
佐藤 純子 SATO Junko 西川 輝昭 NISHIKAWA Teruaki 西田 佐知子 NISHIDA Sachiko 門脇 誠二 KADOWAKI Seiji
出版者
名古屋大学博物館
雑誌
名古屋大学博物館報告 (ISSN:13468286)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.169-184, 2010-12-25

Chīmā (Chinese paper charm) and Chīchen (Hell bank note) are pictures engraved on woods and printed on simple plain papers. Most of them are made to wish the people’s good fortune, and they act as an important mediator between Chinese gods and the people in folklore belief. This review presents a list of the Chinese paper charm and the hell bank note collections, which consist of 590 specimens donated mainly by Mr. Hiroshi Asami and Mr. Saburo Ito to the Nagoya University Museum since 2004.
著者
前川 卓哉 西川 晃司 吉田 進太郎 酒井 健嗣 西川 秀司
出版者
一般社団法人日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.6-9, 2020-12-31 (Released:2020-12-11)
参考文献数
6

A 13-year-old intact male Shih-Tzu presented with a 2-month history of gastrointestinal signs. A mechanical ileus developed due to an obstruction from an intramural tumor in the small intestine that was surgically resected. The tumor was diagnosed as a high-grade intestinal T-cell lymphoma with incomplete margins and serosal and mesentery extension. CHOP chemotherapy (vincristine, cyclophosphamide, doxorubicin, and prednisolone) was applied, but during the CHOP protocol, the dog developed a nodule on the skin in the scapular area. Histopathological examination of a punch biopsy revealed a high-grade cutaneous T-cell lymphoma. Lomustine was administered and the cutaneous T-cell lymphoma was surgically resected and histologically diagnosed to have complete margins. However, the dog experienced progressive disease. With adjuvant chemotherapy including dexamethasone, melphalan, actinomycin D, and cytosine arabinoside (DMAC), and chlorambucil, methotrexate, and prednisolone (LMP), the patient lived for 571 days in relatively good health condition. No evidence of recurrence nor metastasis was revealed at necropsy. This case suggests the benefit of surgical resection for both intestinal and cutaneous T-cell lymphoma lesions. However, further studies are required to investigate the effect of chemotherapy, remission rate, survival time, and impact on the quality of life.
著者
澤田 晶子 西川 真理 中川 尚史
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.34, pp.36-37, 2018

<p>群れで生活する霊長類は,他個体との親和的な関係を維持するために社会的行動をとる。複数の動物種が同所的に生息する環境では,異種間での社会的行動も報告されており,ニホンザルとニホンジカが高密度で生息する鹿児島県屋久島や大阪府箕面市においても,両者による異種間関係(以下,サル-シカ関係)が報告されている。サル-シカ関係の大半は,シカによる落穂拾い行動(樹上で採食するサルが地上に落とした果実や葉を食べる)であるが,稀に身体接触を伴う関係もみられる。本発表では,これまでに発表者らが西部林道海岸域で観察した異種間交渉の事例を報告する。敵対的行動(攻撃・威嚇)と親和的行動(グルーミング),いずれの場合でもサルが率先者になることが多かった。シカへのグルーミングはコドモとワカモノで観察され,サルとシカの組み合わせに決まったパターンはなかった。シカがグルーミングを拒否することはなく,シカからサルへのグルーミングは確認されなかった。コドモとワカモノによる「シカ乗り」も数例観察された。ワカモノのシカ乗りは交尾期(9月~1月)に起きており,前を向いて座った状態でシカの背中や腰に陰部を擦りつける自慰行動がみられた。実際に交尾に至ることはなかったものの,ワカモノにとってはシカ乗りが性的な意味合いをもつことが示唆される。一方のコドモは,非交尾期でもシカに乗ることがあった。その際,シカの首に座ったり背中にぶら下がったりと体位や向きにバリエーションがみられたこと,自慰行動を示さなかったことから,コドモにとってのシカ乗りは遊びの要素が強いと考えられる。先行研究との比較を通して,サル-シカ関係について議論し情報を共有したい。</p>
著者
榊 利之 安田 佳織 西川 美宇 生城 真一
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.138, no.3, pp.357-363, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
22
被引用文献数
2 9

Sesamin, derived from sesame seeds, is known to have various biological effects. Since some of these effects appear to be derived from its metabolites, the elucidation of sesamin metabolism is essential to understanding the molecular mechanism of its effects. In addition, it is important to clarify drug-sesamin interactions in order to address safety concerns, as some food factors are known to affect drug metabolism. Our previous studies revealed that sesamin was sequentially metabolized by cytochrome P450 (CYP) and UDP-glucuronosyltransferase or sulfotransferase. Whereas sesamin metabolism is mainly mediated by CYP2C9 in human liver, sesamin causes a mechanism-based inhibition (MBI) of CYP2C9. However, we found that the metabolite-intermediate complex between CYP2C9 and sesamin was unstable, and the effects of sesamin appeared to be minimal. To confirm this assumption, in vivo studies using rats were conducted. After the administration of sesamin to rats for 3 d, diclofenac (an NSAID) was administered to measure the time course of plasma concentration of diclofenac. No significant differences were observed in the diclofenac Cmax, Tmax, and AUC0-24 h between the group that was administered sesamin and the group that was not. Based on these results, it could be concluded that no significant interaction occurs in people who take sesamin supplements at a standard dose.
著者
西川 祐子
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.609, pp.p368-389, 1975-03
著者
多田 邦尚 西川 哲也 樽谷 賢治 山本 圭吾 一見 和彦 山口 一岩 本城 凡夫
出版者
日本海洋学会 沿岸海洋研究会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.39-47, 2014 (Released:2020-02-12)
参考文献数
24
被引用文献数
6

瀬戸内海東部海域における過去40年間の海水中の栄養塩濃度減少の検証とその低次生物生産過程への影響について,著者らのグループが得た知見を総合して考察した.瀬戸内海では過去,高度経済成長期には著しく富栄養化が進行していたが,1973年に施行された瀬戸内法により,P の発生負荷量は1980年以降,N は1990年後半以降削減された.しかし,播磨灘東部海域の海水中のTN,TP 濃度には直接反映されていない.一方,栄養塩濃度は1970年以降確実に低下しており,特にDIN 濃度は1990年以降も減少傾向にある.これは,主には瀬戸内法の効果と考えられるが,それだけでは説明できない.おそらく,海底堆積物からの栄養塩の溶出量の減少が大きく関与している可能性が考えられた.この栄養塩濃度減少に対する植物プランクトン群集の応答については,その生物量の低下傾向は認められないが,その種組成の変化が認められた.
著者
米倉 竜次 河村 功一 西川 潮
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.153-158, 2009-07-31 (Released:2017-04-20)
参考文献数
34
被引用文献数
3

外来種の小進化に関する研究は分子遺伝レベルでの解析と表現型レベルでの解析を中心に発展してきた。しかし、分子遺伝マーカーでみられる遺伝変異はおもに遺伝的浮動による影響のみを反映しているのに対し、表現型レベルでの変異には遺伝的浮動に加え自然選択による影響も大きく関与していると考えられる。したがって、分子遺伝レベル、もしくは、表現型レベルのみの解析では、定着成功や侵略性に影響する外来種の性質が遺伝的浮動により影響されているのか、もしくは、自然選択により影響されるのかを区別することは難しい。しかし、外来種の表現型の小進化に対して遺伝的浮動と自然選択のどちらが相対的に重要であるのかを把握しなければ、導入された局所環境への外来種の定着成功や侵略性が小進化によりどう変化(増加、それとも減少)するのかを議論することは困難であろう。この総説では、この問題を解決する方法としてF_<ST>-Q_<ST>法を概観するとともに、外来種の管理対策へのその適用についても考えた。