著者
山野 薫 小寺 正人 小堀 博史 西川 仁史 松永 秀俊 秋山 純和
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.467-473, 2011 (Released:2011-09-22)
参考文献数
17
被引用文献数
2

〔目的〕2010年4月に理学療法士免許を取得した理学療法士(新人理学療法士)を対象にリスクマネジメントに関する不安について,その現状把握と問題点の整理をおこなった.〔対象〕新人理学療法士47名(平均年齢23.9±3.8歳)とした.〔方法〕自記式アンケート調査により,回収した回答を分析した.〔結果〕新人理学療法士の診療を行ううえでの不安の第1位は「自分の評価や治療に自信がないこと」(31人)であった.職場の規則やシステムなどにおける不安の第1位は,「緊急時に組織の一員としての動きに自信がないこと」(19人)であった.〔結語〕新人理学療法士のリスクマネジメントに関する不安は,個人の能力に帰属する卒前教育の要素と入職直後に取り組む施設内教育システムの要素があることがわかった.

3 0 0 0 OA 絵本倭比事

著者
西川祐信 画
出版者
梅村弥右衛門[ほか5名]
巻号頁・発行日
vol.附巻画法彩色法巻, 1742

西川祐信著の画法書。9巻附1巻のうち附巻のみ存。寛保2年(1742)正月、京都・梅村弥右衛門ほか5軒刊、半紙本1冊。後印本。巻首「絵本和故事附巻画法彩色法巻」とあるように、画法と彩色法から成る。奥書、元文3年(1739)春京師文花堂右京誌。「画図稽古之事」に「何流にても我思ひ入たる画工を師としてつら/\心をとめ、まづ筆勢と水墨とを第一に学び、次に図を書習ふべし」と、画法の手ほどきを簡易に説き起こす。「和画之事」では「鳥羽僧正覚融、土佐光信、及浮世又兵衛等尤名手をふるへり、是等の趣を以て書べし」とあり、その拠るべき手本とされた存在が知られる。その他、和画を以て鳴った祐信の面目を伺うべき条々が多い。(鈴木淳)(2016.2)
著者
小川 真生 道渕 路子 我妻 孝則 西川 美香子 川﨑 康弘 土田 英昭 寺口 奏子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.501-505, 2017 (Released:2017-03-24)
参考文献数
18

【緒言】終末期の難治性せん妄が数日間の持続的な深い鎮静後に改善した事例を経験した.【症例】脳実質浸潤を伴った57歳女性の頭頸部がん患者の異常行動を伴ったせん妄が,急激に悪化した.オピオイドスイッチや薬物治療などを行ったが,異常行動は改善しなかった.難治性の終末期せん妄と診断され,家族は鎮静を希望した.ミダゾラムによる間欠的鎮静を開始し,さらに持続的鎮静へと移行した.その数日後,家族の鎮静継続への葛藤を認め,10日後に鎮静を中止した.覚醒後,患者の異常行動は消失し,軽度の意識障害はあったが,家族とのコミュニケーションを保ちながら2カ月後に死亡した.【考察】鎮静に伴う多種類の薬剤の中止はせん妄改善の原因の一つと考えられる.緩和医療学会のガイドラインにおいて家族の気持ちの確認以外の持続鎮静中止の基準は明確ではなく,よりエビデンスレベルの高い鎮静中止の基準が必要であると考えられる.
著者
国分 貴徳 金村 尚彦 西川 裕一 井原 秀俊 高柳 清美
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Cb0476, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに】 我々はこれまで,ラットにおいて膝前十字靭帯(以下ACL)完全損傷後に,関節の異常運動を制動することでACL完全損傷でも治癒しうることを報告した.これによりACL損傷後の靱帯治癒能には,損傷後における膝関節キネマティクスが関与していることを明らかにした.一方で,臨床における靱帯損傷からの回復には,靱帯自体の治癒という視点以上に,関節機能が正常化するかどうかという視点が重要でとなる.すなわち,組織学上は断裂した靱帯において連続性が確認されれば「治癒」ということができるが,臨床上ではその治癒した靱帯が,損傷以前に担っていた関節運動上の機能的役割を果たして初めて「治癒した」ということができる.本研究の目的は,我々がこれまで報告してきたACL完全損傷の保存治癒モデルを対象として,治癒したACLの機能的側面を力学的破断試験と免疫組織化学染色法を用いて明らかにすることである.【方法】 Wistar系の雄性ラット(16週齢)39匹をControl(12),Sham(12),実験(15)の3群に分類した.実験群に対して,麻酔下にて右膝関節のACLを外科的に切断し,徒手的に脛骨の前方引き出しを行いACLが完全断裂していることを確認した.続いて膝関節の異常運動を制動するため,脛骨粗面下部に骨トンネルを作製し,同部と大腿骨遠位部顆部後面にナイロン製の糸を通して固定することで大腿骨に対する脛骨の前方引き出しを制動した.術後はゲージ内にて自由飼育とし,水と餌に関しても自由摂取とした.術後8週経過時点で屠殺して膝関節を摘出した. 力学試験群は,採取組織をラットの膝関節構造に合わせて特別に作製したJigを使用して試験機(INSTRON社製)にセットした.Jigが膝関節裂隙の大腿骨・脛骨それぞれに引っかかるように試料を設定後,予備荷重として1.5Nを加えた状態を変位原点として荷重速度5mm/minで上下方向に引っ張り測定した.最大荷重(N),最大荷重時変位量(mm)を測定し,これらの結果から,stiffness(N/mm)を算出した.統計解析はSPSS16.0J for Windowsを用い,測定結果の比較にKruskal Wallis検定を適用し,有意な主効果を認めた場合にShafferの方法を適用して多重比較を行い,2群間の比較を行った.全ての分析において,0.05未満を有意水準とした. 免疫組織化学染色群(各群6匹)はcollagen typeI,II,IIIの一次抗体を用いてovernightで反応させ,その後はABC kit(Vector社,United States)を使用し行い,Dako Envision + kit /HRP(DAB)にて1分間発色し検鏡・撮像を行った.【倫理的配慮、説明と同意】 本実験は,埼玉県立大学動物実験実施倫理委員会の承認を得て行った.【結果】 実験群では15匹全てでACLの連続性が確認された.力学試験の結果は,破断時最大荷重とstiffnessで,実験群が他の2群に比べて有意に低い値となった(p>0.05).最大荷重時変位には群間内に有意差を認めなかった.免疫組織化学染色の結果は,collagen typeIIIは,実験群において他の2群と比較してACL実質部において明確な陽性所見が確認された.【考察】 力学試験結果で実験群の強度が有意に低かったことから,本実験モデルの治癒ACLは関節運動における機能的側面を満たしているとは言えず,現時点では不十分な回復であると言わざるを得ない.また,免疫組織化学染色の結果では,collagen typeIIIは,実験群において他の2群と比較して,ACL実質部で明確な陽性所見が確認された.内側側副靱帯を対象とした先行研究ではcollagen typeIIIは,正常靱帯における含有量は少ないが,治癒靱帯では一時的に増加することが報告され,その後徐々にtypeI線維へ置き換わっていくことで靱帯の力学的強度が回復するとされている.このことから,本研究モデルは,治癒経過の一期間である可能性があり,今後collagen typeI・III含有量の比率が推移していくことで力学的強度も更なる回復が得られる可能性がある.【理学療法学研究としての意義】 近年の健康志向の高まりにつれ,ACL損傷患者の年齢層も広がってきている.中年以降のACL損傷患者においては,様々な理由から保存療法は重要な治療の選択肢となりうる.しかし現状で行われている保存療法の治療満足度は非常に低く(Strehl.2007),変形性膝関節症のリスクを高める(Spindler .2007)とも言われる.より機能的で効果的な保存療法の確立は,理学療法領域における 重要な課題であり,本研究はこれに寄与するものである.
著者
川嶋 辰彦 西川 友美子
出版者
学習院大学経済学会
雑誌
学習院大学経済論集 = Gakushuin economic papers : The journal of Faculty of Economics, Gakushuin University (ISSN:00163953)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.1-25, 2002-04

A.レッシュは60年余り前、独自の空間経済学的パラダイムを展開した先駆的労作(DieRdumliche Ordnung der WirtschaLft, Gustav Fischer Verlag, Jena,1940)の中で,「N番目に小さな正六角形の市場領域(即ち,市場領域番号1V)」に対応する「同市場領域内に実質的に含まれる家計数n(即ち,ネット家計数n)」を考察し,Nとnの対応関係(即ち,「レッシュのN-n関係律」)を,前掲書第10章第b-1節の表7に拠り示唆した。同表は,市場領域番号N(前掲書英訳版は「Area No.」と表記)の各値に対して,つぎの2点を示す。 (a)ネット家計数n(前掲書英訳版は「number of・settlements」と表記)の値を求めるために必 要な計算式。 (b)同計算式から得られるnの値。 なお,同表でレッシュが考察の対象とした1V値は, N=1(このときn=3)からN=11(このときn=27)までとノ〉== 15(このときn=37)の,合わせて12のケースである。 本稿では先ず,レッシュのN-n関係律を用いて,N=1島13,14,及びN=16からN=2, 068までの1>値に夫々対応するn値(即ち,「レッシュ?〉-n対応値」)を試算する。次いでその結果に照らし,以下の3点を指摘する。 (1)n値の逆転現象:κ二1からN=17(このときπ=43)へN値が順次増加するにつれ,n値 も順次増加する。しかし,1>=18(このときn=49)からN=19(このときn=48)へN値 が増加する際,n値は49から48へ減少する。 (2)n値の重複現象:1>=18に対するn値(n=49)と1V=20に対するn値(n=49)は等しい値 を示す。 (3)n値の累次的な逆転・重複現象:1>値がその後(1>≧21)順次増加する過程で,n値の逆転 現象と重複現象が頻繁に現われる。 この新たな知見を受け,レッシュのN-n関係律に関する妥当性と改善を要すべき点をレッシュの市場領域番号Nに照準をあてて考察すると,以下のように要点を整理できる。 (1/レッシュのNは,1≦N≦18の値域に対して適切である。 (2)レッシュの1>は,1>≧19の値域に対して次の修正作業を要する。 (a)N値の入れ替え調整作業(n値の逆転現象に対処する作業)。 (b)N値の削除処理作業(n値の重複現象に対処する作業)。 上述の認識を踏まえ,N値に2つの修正作業を施して正確なN-n対応値(即ち,「新レッシュ1V-n対応値」)を求め,結果の一部(1≦N≦240の値域に対するnの値)を表とグラフで示す。
著者
西川 啓司
出版者
関西学院大学
雑誌
美学論究 (ISSN:09113304)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.(巻末よりの頁付)31-48, 2002-03
著者
西川 武志
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.882-890, 2013-03-01 (Released:2013-03-01)

2011年6月,11月とTOP500リストで世界一となったスーパーコンピュータ「京」は2012年6月に完成し2012年9月末から共用が開始されている。応用分野でも先駆的な「京」利用者がゴードン・ベル賞を2011年,2012年と2年連続で受賞する等成果を上げ始めている。本報告ではスーパーコンピュータ「京」について,概要,完成までの道のりと現状,運用と共用体制,計算資源配分,利用課題の公募・選定方法と2012年度の採択結果,産業利用のための支援や拠点,利用可能なソフトウェア等,共用がどのように行われているか産業利用を中心に紹介する。
著者
原竹 留美 西川 真樹子
巻号頁・発行日
2016-03

派遣先: ライデン大学、日本資料専門家欧州協会(European Association of Japanese Resource Specialists)第26回年次大会等, 期間 平成27年9月14日 - 平成27年9月21日
著者
永田 俊彦 笠原 千佳 木戸 淳一 篠原 啓之 西川 聖二 石田 浩 若野 洋一 加藤 良成 郡 健二郎
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.504-509, 1995-09-28
被引用文献数
3 1 2

尿路結石と歯石には,成分や発現年齢においていくつかの共通点が認められる。本研究では,尿路結石を有する人の歯石沈着程度を明らかにするために,尿路結石患者40名および結石の既往のない対照被験者57名の口腔内診査を行い,歯石沈着指数を調べることによって,両群を比較検討した。さらに,尿路結石患者の尿中成分と歯石沈着指数の相関についても検索した。歯石沈着指数は,OHI指数に基づいた前歯および大臼歯6部位を検査するCI-S指数を採用した。結石群のCI-Sは1.10±0.09(平均値±標準偏差値)であり,対照群の0.37±0.05と比べ3.1倍と有意に高い値を示した。また,下顎前歯舌側部に限定して指数を調べた場合でも,結石群1.63±0.15,対照群0.60±0.11と,2.7倍の有意な高値を示した。この現象は男女の性別にかかわらず認められた。一方,尿中Ca量およびPi量とCI-Sとの相関を調べたところ,これらの間には何ら相関関係は認められなかった。以上のように,尿路結石患者は,結石をもたない人に比べて,歯石沈着量が多いことが明らかとなり,尿路結石患者の尿中Ca量およびPi量と歯石の沈着程度には関連がなかった。今回の調査結果は,尿路結石および歯石形成機構には何らかの密接な関連があることを裏付ける興味深い結果であると言うことができる。
著者
西川 康男
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.440-444, 2012
参考文献数
4

資生堂企業資料館は企業博物館としての新しい方向性を示している。すなわち,従来からの展示中心の一般的企業博物館ではなく,社会に対し,企業文化のあり方を示すと同時に自社の組織内部に対し,企業活動を支援するさまざまな役割を果たしている。収蔵する膨大な企業資料や収蔵物を活用し,商品開発やマーケテイング担当など様々な部門に対し,戦略上のヒントを与え,方向性を指し示し,「本物」にこだわる資生堂の企業文化の形成と継承に役立っている。本稿ではこうした資生堂企業資料館の戦略的な企業アーカイブズの姿を紹介する。
著者
杉本 伸夫 清水 厚 松井 一郎 西川 雅高 鵜野 伊津志 村山 利幸 荒生 公雄
出版者
社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.43, pp.74-77, 2002-09-11

この数年黄砂は増加傾向にあるといわれている。しかし、黄砂の現象を定量的に議論するための観測データはこれまで十分であったとは言えない。そこで筆者らは、黄砂の発生、輸送を三次元的に把握するために、ライダー(レーザーレーダー)によるネットワーク観測を北京と長崎、東京、つくば等で行うとともに、化学輸送モデル(九州大学CFORS)を用いた動態解析を行った。北京、長崎、つくばにおけるライダーによる連続観測データとモデルの比較の結果、主な黄砂現象については全般にモデルが観測結果を良く再現することが示された。そこで、モデルを用いて黄砂の発生毎に識別番号を付け、各地点のライダー観測結果との対応を検証するとともに、イベント毎に黄砂の輸送経路を記述した。日本に飛来する大規模な黄砂のほとんどは内モンゴルおよびモンゴルで発生し、強風に乗って北京周辺まで急速に輸送された後、北寄りに進路を変える場合が多い。通常、強風を伴う黄砂の本流は日本には到達せず、北東に流れる帯状の黄砂の一部が南東に広がるような形で日本に輸送される。2002年は2001年に比べて黄砂の観測される頻度が高く、また、韓国や日本でも高濃度の黄砂が観測された。北京、長崎、つくばの連続的ライダー観測の結果によると、地上から高度6kmまでに黄砂層が観測された頻度は、北京では2年間であまり変わらないのに対して、長崎、つくばでは2002年の方が倍ほど多く、明らかに日本への輸送量が多いことが示された。CFORSによる解析でも輸送経路の違いが見られた。2002年の大規模黄砂(3月20日、4月6日)では、黄砂が例年より東寄りで北上したため黄砂の本流が韓国にまで達し高濃度の黄砂被害をもたらした。これに似たケースは2001年4月6-7日発生の黄砂時にもあったが、このときは黄砂の本流は西側で北上し高濃度の黄砂被害は韓国にまでは及ばなかった。
著者
小池 英樹 西川 渉 福地 健太郎
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.111-119, 2009
被引用文献数
1

Liquid Cristal Displays are getting larger, thinner, lighter, and cheaper. They have many advantages when they are used as a tabletop compared to the projector-based tabletop. As is well known, a light from the LCD is polarized and it is blocked when a polarized film is placed as its axis of polarization is perpendicular to that of the LCD. On the other hand, an additional polarized film cancels this image blocking when it is placed on the LCD. By using this optical phenomenon, we developed transparent markers which are almost invisible to human but are still visible to the camera. Moreover, we succeeded to make the markers rotation invariant by using two half waveplates. Tangible transparent Magic Lens applications which use the transparent markers are also shown.
著者
神野 卓也 中原 大揮 西川 繁 櫻井 淳子 西口 和美 奥田 成幸 和田 直也 西野 立樹 辻野 麻里 三ッ石 一智 千﨑 大樹 鶴﨑 清之 岸本 武利
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.571-581, 2021 (Released:2021-11-28)
参考文献数
27

血液透析患者20例に対し透析中の運動療法を6か月間施行した.身体運動機能,栄養評価を介入前,3,6か月後に行い,統計解析はHolmの多重比較検定を用いた.Quality of life(QOL)は介入前後に評価し,Wilcoxon符号付順位和検定を用い比較した.いずれもp<0.05を有意差ありと判定した.身体運動機能は介入3か月後に握力(非シャント肢),膝伸展筋力,足趾把持力,外転筋力,30秒立ち上がり試験,6分間歩行が向上し6か月後も維持または向上した.血中ヘモグロビン濃度を含む栄養評価項目に有意な変化は示さなかった.QOL評価は身体機能,心の健康,全体的健康観,活力が有意に上がった.身体機能の向上が日常的な疲労感を緩和させ,活動意欲が生まれたことで日常活動量が増加したと推察される.透析中の運動療法は身体機能の向上とともに精神心理的QOLを高めることが示唆された.