著者
岡本 泰彦 川畑 雅樹 正代 知幸 辻本 康平
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.136, no.6, pp.52-63, 2020-06-30 (Released:2020-06-30)
参考文献数
7

Ube Industries' Isa Cement Factory introduced a rock cutting machine“2500SM”capable of continuous excavation by rotating a drum equipped with a cemented carbide bit from the viewpoint of effective recovery limestoneresources. Because it can excavate with low vibration and low noise, it can reduce the distance from the surrounding private houses that have been secured in consideration of the effect of blasting, and in order not to loosen the excavated surface, the bench angle of the excavated surface is steeply inclined and berm is minimized. It was because it was judged that the minable amount could be expanded by minimizing the berm. In the early stages of the introduction, cutting bits were broken unexpectedly, and the frequency of replacement increased, resulting in a decrease in mining efficiency. In addition, the excavation slope using a rock cutting machine“2500SM” has a smoother surface and no large cracks. In addition, in the evaluation using methods of elastic wave exploration, ground penetrating radar and infrared camera, the slope of excavation is compared with that by blasting. It was confirmed that the soundness was high. The effects of cutting bit improvements was evaluated, the expected excavation area, the soundness and safety of the rock slope, and the expansion of the minable amount that were expected when the rock cutting machine “2500SM” was introduced. In this paper,we repot the evaluation results.
著者
森永 睦子 古川 聡子 岡本 操 河口 勝憲 辻岡 貴之 通山 薫
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.113-118, 2018-01-25 (Released:2018-01-27)
参考文献数
12

リチウム(以下,Li)は躁うつ病の治療薬として広く利用されており,治療濃度域と中毒濃度域が接近していることから治療薬物モニタリング(therapeutic drug monitoring; TDM)の対象薬物である。またLiは腎臓から排泄されるため腎機能が低下すると中毒症状を出現しやすい。今回,当院高度救命救急センターへ意識障害で搬送され,腎機能低下を伴う高Li血症がみられた2症例について報告する。症例1は30歳代,女性で医療に対する精神的不安感から多剤大量服用した患者で,Li推定服用量は12,800 mg/1回である。来院時の血中Li濃度は13.2 mEq/Lと極高値かつ腎機能低下を認めた。持続的血液透析(continuous hemodialysis; CHD)約30時間後の血中Li濃度は1.2 mEq/Lまで低下し,CHD離脱後21時間後の血中Li濃度は0.8 mEq/Lであり,リバウンドを認めることなく第3病日に退院となった。症例2は80歳代,女性でLiの服用に伴い定期的に血中Li濃度を測定し治療域を推移していた患者で,Li服用量は400 mg/dayである。来院時の血中Li濃度は1.8 mEq/Lと高値かつ腎機能低下を認めた。輸液により意識レベルは改善し同日帰宅となった。以降,Liの服用は中止された。当院に意識障害で搬送され,毒劇物解析室に分析依頼があった患者の集計を行った結果,約17年間でLi服用患者は47例でそのうち19例(40.4%)が高値側の中毒域であった。意識障害で搬送された患者にLiの服用歴がある場合,Li中毒,腎機能低下を疑い,さらにLi濃度測定を行うことで診療に貢献できると思われる。
著者
小林 茂 辻 英次 西本 勝夫 金尾 顕郎 大谷 真由美 大久保 衞 藤本 繁夫 栗原 直嗣
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法のための運動生理 (ISSN:09127100)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.3-8, 1994 (Released:2007-03-29)
参考文献数
11
被引用文献数
2

慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)患者では歩行時の移動動作以外にも,腕を挙上位で使う日常生活活動において障害を訴えるものも多い。そこで今回我々は,COPD患者6例に対し,定量的腕エルゴメーター負荷訓練を実施した。そして,同負荷訓練がCOPD患者の自覚症状,体幹機能およびKraus-Weberテストなどの評価で検討した結果,背筋持久性,体幹の柔軟性,さらに分時換気量の改善に伴って呼吸困難度が有意な改善を示した。以上のことにより,COPD患者にとって,定量的腕エルゴメーター負荷試験は,体幹の柔軟性,背筋の機能を改善することによって,呼吸困難度を軽減する有効な方法であると考えられた。
著者
曽我部 知明 杉村 公也 川村 陽一 水谷 智恵美 渥美 峻輔 和田 美奈子 島崎 博也 辻野 陽子 近藤 真由 西垣内 美佳 山添 智子
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌
巻号頁・発行日
vol.23, pp.O018, 2007

【目的】脳卒中片麻痺患者が自動車運転を希望する例は少なくない。そこで、本研究は当院で実施している身体機能評価を用いて、自動車運転している群(以下運転群)、自動車運転を希望しているがしていない群(以下非運転群)の2群の各データから、脳卒中片麻痺患者の運転可否を判定するための判別関数を求めることを目的とした。<BR>【対象】対象は、本研究に同意が得られた脳卒中片麻痺患者20例(男性19名、女性1名、平均年齢58.4±6.6歳、発症までの平均運転歴378.4±94.7ヶ月、運転群11名、非運転群9名)であった。<BR>【方法】測定項目は、発症前運転歴、上肢、手指、下肢の運動麻痺の程度(Brunnstrom stage〔以下Br.stage〕)、上肢筋力(非麻痺側握力)、下肢筋力(非麻痺側下肢最大筋力を測定しピーク値を体重で除した値〔N・m/kg〕)、運動耐用能(6分間歩行距離〔以下6MWD〕)、歩行能力評価(10m歩行時間、10m歩数)、立位動的バランス能力指標(Timed Up&GO Test〔以下TUG〕)、バランス評価(Berg Balance Scale〔以下BBS〕)、ADL評価(機能的自立度評価法〔以下FIM〕)を用いた。運転群、非運転群の2群を判別するために、多変量解析の判別分析を用い、線形判別関数を求めた。なお本研究は、当院倫理審査委員会の承認を得て実施した。<BR>【結果】分散共分散行列の等分散に関する検定は有意ではなく、等分散であったため、線形判別関数を、Z=17.90499*Br.stage手指+46.13531*下肢筋力-0.26896*運転歴+6.320207*10m歩行時間-17.2167*Br.stage上肢+3.262781*FIM-3.5203*10m歩数+2.330337*BBS-1.18787*TUG+0.09723*6MWD-2.2287*Br.stage下肢-0.17041*握力-425.2(Z≧0ならば運転群に判別、Z<0ならば非運転群に判別、正判別率1.00、誤判別率0.00013)と求めることが出来た。判別に大きく関っている項目は、Br.stage手指(P=0.012)、下肢筋力(P=0.013)、運転歴(P=0.025)、10m歩行時間(P=0.030)、Br.stage上肢(P=0.036)、FIM(P=0.036)であった。<BR>【考察】脳卒中片麻痺患者に対し、自動車運転可否の評価を試みた報告の多くが、発症後も運転を継続する可能性が高いのは上肢の麻痺が軽度、運動機能、ADLが高い傾向があると述べている。今回の結果から、運転可否の判別に大きく関っている項目にも同様の傾向がみてとれ、半側空間無視など明らかに自動車運転に支障をきたす高次脳機能障害がみられない場合において、運転の安全性を確認する上で身体機能についても評価していく必要があるといえる。<BR>

1 0 0 0 刀剣人物誌

著者
辻本直男著
出版者
宮帯出版社 (発売)
巻号頁・発行日
2012
著者
辻井 重男
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.1106-1110, 2004-11-15
著者
小西 宏史 田口 芳治 山本 真守 温井 孝昌 道具 伸浩 中辻 裕司
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.223-228, 2018 (Released:2018-04-25)
参考文献数
13

症例は63歳男性.左臀部から左下肢のしびれ,下肢筋力低下,膀胱直腸障害などの馬尾症候群を発症し,亜急性に症状が進行し入院した.腰仙髄造影MRIにて馬尾下部領域に造影効果を認め,神経伝導検査では両側脛骨神経の導出が不良で,腓骨神経はF波潜時の延長を認めた.M蛋白血症を認め,多発性骨髄腫を疑ったが,血清可溶性IL-2受容体が4,490 U/mlと著高で,FDG-PETにて椎体,馬尾の集積増加を認めた.L4椎弓根生検にてび漫性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断し,R-CHOP(rituximab, cyclophosphamide, hydroxydaunorubicin, oncovin, prednisone(prednisolone))療法を行い症状の改善が得られた.M蛋白血症を伴う馬尾症候群の場合,悪性リンパ腫の可能性も考慮すべきである.
著者
常世田 智明 稲熊 祐輔 宮城 愛 辻本 育子 中嶋 貴 瀬嵜 良三 氏平 伸子
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.87-92, 2017 (Released:2017-01-28)
参考文献数
17

症例は59歳の初診時に腎機能障害を認め血液透析導入. 同時期に心機能障害, 2型糖尿病も指摘. 腎生検未施行であり, 糖尿病性腎症と臨床診断していた. しかし, 「頭痛, 嘔吐, 感音難聴, るいそう, 知能低下, 母が心疾患であること, 血中乳酸値が繰り返し2mmol/L以上」などからミトコンドリア病を疑い, 65歳時に遺伝子検査を提出. tRNA-Leu (UUR) 3243A→G変異を認め, MELASが疑われた. その後, 遷延する低血糖をきたし死亡. 剖検を行ったが, 低血糖の原因となりうる形態的な病変は確認できなかった. 腎臓は廃絶状態であり, 腎不全に至った正確な病変の判定が困難であるが, ミトコンドリア病に関連した腎不全の可能性があると思われた. 心筋, 脈絡叢上皮細胞の電子顕微鏡検査にて, 異常なミトコンドリアの増多を認め, 病理学的にもミトコンドリア病の所見を示していた.
著者
辻 直人
出版者
慶應義塾福沢研究センター
雑誌
近代日本研究 (ISSN:09114181)
巻号頁・発行日
no.36, pp.1-35, 2019

はじめに一 文部省留学生派遣の意味二 私学からの留学生派遣三 私費留学生の特徴四 留学経験者たちの社会貢献まとめ特集 : 近代日本と留学
著者
辻 英明
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー学会誌 (ISSN:09167382)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.25-30, 2003-05-30 (Released:2019-07-11)
参考文献数
9
被引用文献数
3

When sticky traps were placed at the inside edge of closed windows,a closed door,and in a mail box attached on the door,very small insects with body lengths of about one millimeter or less were caught depending on the operation of a ventilation fan in the room. No insects were caught when the ventilation fan was not operated. This suggests that minute contaminant insects invade structures through small crevices around closed doors,windows,and even incomplete walls and floors,depending on the operation of ventilation fans. Moderate sized insects also invaded another room near by through an incompletely closed window depending on the operation of the same ventilation fan above used. Substantial number of insects even went out during the fan was stopped. The dominant insects were moth flies, chironomid midges, and fungus gnats; this coincides with a trend which is often observed in many industrial facilities.
著者
服部 春生 樋口 嘉久 辻 雅弘 古庄 巻史
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.127-131, 1998-06-30 (Released:2012-07-17)
参考文献数
9

まれな自己誘発図形過敏てんかんの1例を報告した。現在13歳の女児。けいれんの家族歴はない。6歳より網戸、縞模様等を見つめるとミオクロニー発作をきたすようになった。当初より発作の多くは自己誘発と思われ、10歳以降は明らかに自己誘発のみとなった。これらのミオクロニー発作と2回の全般発作以外の発作型はなく、光過敏発作もなかった。また、図形過敏以外で自然におこる発作もなかった。発作問欠時脳波では全般性棘徐波複合の群発を認めたが、光過敏は明らかではなかった。発作時脳波は全般性多棘波複合の群発であった。神経学的所見、頭部CTには異常を認めなかったが、新版K式発達検査で、認知・適応指数59、言語・社会指数80、全IQ 71と境界域精神遅滞があった。認知・適応指数の低さは、視覚的記憶の不良のためであった。また図形に対する執着的な行動が見られた。バルプロ酸投与により12歳より発作は抑制された。
著者
中村 千怜 辻 智大 四国西予ジオパーク推進協議会
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

黒瀬川構造帯は主に大陸地殻を構成する岩石(花崗岩・変成岩)や大陸周辺の浅い海で堆積した地層(凝灰岩・石灰岩など)からなる.赤道近くにあった超大陸パンゲアが分裂した破片がプレートにのって大陸に衝突したものと考えられている.愛媛県の南西,西予市三瓶町にある須崎海岸は四国西予ジオパークのジオサイトである.ここでは,黒瀬川構造帯に属する4億年前の酸性凝灰岩の地層を,国内で唯一,遊歩道沿いに300mにも渡って観察でき,縦じまの地層によるダイナミックな景観を体感することができる.加えて,凝灰角礫岩や貫入岩が凝灰岩中に見られ,様々なイベントがあったことを示唆する.本発表では,これらの地層の見どころを紹介し,どのように地層が形成されたかを解説する.【酸性凝灰岩】凝灰岩層は火山灰が固まってできた岩石であり,泥質部と砂質部の互層をなしている.級化や荷重痕といった混濁流堆積物(タービダイト)に見られる構造が見られる.槙坂・加藤(1983)で凝灰岩は北東側ほど上位層であると推定され、今回薄片においても級下を確認し,追認することができた.細粒な凝灰岩中に粗粒な火山灰由来の長石などの粒子が観察された.これらのことから,火山活動が活発な大陸もしくは成熟した島弧の近海で凝灰岩は形成されたと推定される.凝灰岩が300mも堆積したということは,長期にわたる火成活動が安定してあったことを意味する.また,保存状態の良い放散虫化石が認められる層準もあるため,放散虫化石の年代から火成活動の時期の特定が期待される.【凝灰角礫岩】浅海に生息するサンゴの化石を含む凝灰角礫岩が不整合で凝灰岩を覆う.凝灰角礫岩層は淘汰が悪く,塊状無層理で,基底部に上方粗粒化が見られる.このことから,凝灰角礫岩層は山体崩壊あるいは海底地すべりで形成された崩壊堆積物であり,それらがより深海底に流れ込んだものであると推定される.【貫入岩】遊歩道の西部にて,いくつかの貫入岩が見られた.貫入岩は凝灰岩層の層状構造を切り,塊状で板状節理が発達している.また,細粒で均質な組織を示す.貫入岩の存在は,酸性凝灰岩堆積場において火成活動があったことを意味するため,今後の詳細な検討が望まれる.このように,須崎海岸では大陸ないし島弧周辺の海域で凝灰岩が堆積した様子を見ることができる大変珍しい場所である.須崎海岸は日本列島の生い立ちを解明するために学術的に重要な地質であるとともに,一般の方にも魅力を感じていただけるジオサイトでもある.発表では,その他にも須崎海岸で見られる様々な地球科学的な見どころを紹介する.【引用文献】槇坂・加藤(1983)愛媛県三瓶町より中期古生代サンゴ化石の発見.地質学雑誌,89,723-726.
著者
辻野 泰之 石田 啓祐 和田 秀実 平山 正則
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.116, no.12, pp.680-685, 2010 (Released:2011-04-09)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

徳島県牟岐町楠之浦地域に分布する四万十帯牟岐メランジュ下部セクションより,後期白亜紀アンモナイトを発見した.このアンモナイトは,ロシア・サハリン南部マカロフ地域のクラスノヤルカ層の岩相ユニットK2(マストリヒチアン階)から報告されたGaudryceras cf. tombetsenseに最も似ている.最近のジルコンU-Pb年代に関する研究に従うと,牟岐メランジュ下部セクションの年代は古第三紀初頭を示す.現時点では,楠之浦地域から発見された後期白亜紀アンモナイトは,古第三紀堆積物である牟岐メランジュ下部セクションの中に外来岩塊として含まれたと考えるのが妥当である.
著者
辻 英明 菅野 格朗
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー学会誌 (ISSN:09167382)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.113-116, 2003
参考文献数
3
被引用文献数
7

前報において,閉め切った室内に微小な昆虫が入る主要因は換気扇稼働(室内陰圧化)に伴う隙聞からの吸引であること,また吸引の影響は照明による誘引より大きい事例が示されている.そこで今回は,市販の給気用換気扇に防虫用フィルターを追加装着して室内に給気したところ,問題の微小昆虫の侵入を防止できた.この防虫用フィルターの追加装着による換気扇モータ一部の温度上昇は1℃にとどまり,負荷の増加も少ないことがわかった.