著者
斉藤 雅茂 辻 大士 藤田 欽也 近藤 尚己 相田 潤 尾島 俊之 近藤 克則
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.743-752, 2021-11-15 (Released:2021-12-04)
参考文献数
28

目的 介護予防事業推進による財政効果を評価する際の基礎資料を得るために,介護予防・日常生活圏域ニーズ調査で把握可能な要支援・要介護リスク評価尺度点数別の介護サービス給付費の6年間累積額を分析した。方法 日本老年学的評価研究(Japan Gerontological Evaluation Study:JAGES)の一環で,2010年に実施された要介護認定を受けていない高齢者を対象にした質問紙調査の一部をベースラインにした(全国12自治体を対象。回収率:64.7%)。その後,行政が保有する介護保険給付実績情報と突合し,46,616人について2016年11月まで(最長76か月間)に利用した介護サービス給付費を把握した。要支援・要介護リスクについては,性・年齢を含む12項目で構成される要支援・要介護リスク評価尺度・全国版(0-48点)を用いた。ベースライン時の基本属性等を調整した重回帰モデルに加えて,従属変数の分布を考慮したトービットモデルおよび多重代入法による欠損値補完後の重回帰モデルを行った。結果 追跡期間中に7,348人(15.8%)が新たに介護保険サービス利用に至っていた。要支援・要介護リスク評価尺度点数が高いほど,6年間の要支援・要介護認定者および要介護2以上認定者割合,累積介護サービス給付費が高く,介護サービスの利用期間は長く,いずれも下に凸の曲線状に増えていた。ベースライン時の諸特性を統計的に考慮したうえでも,リスク評価点数が1点高いほど,6年間累積介護サービス給付費は1人あたり3.16(95%信頼区間:2.83-3.50)万円高い傾向にあった。リスク評価点数が低い群(16点以下)では1点あたり0.89(95%信頼区間:0.65-1.13)万円,高い群(17点以上)では1点あたり7.53(95%信頼区間:6.74-8.31)万円高い傾向にあった。推計モデルによる大きな違いは確認されなかった。結論 ある時点での集団のリスク評価尺度点数からその後6年間の累積介護サービス給付費の算出が可能であることが示された。外出頻度などリスク点数を構成する可変的な要素への介入が保険者単位でみると無視できない財政的なインパクトになりうることが示唆された。
著者
辻野 綾子 米田 稔彦 田中 則子 樋口 由美
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.96, 2003 (Released:2004-03-19)

【目的】脳卒中片麻痺患者の治療として、端坐位での側方リーチ動作を用いることがあるが、足底接地の条件の違いが運動特性にどのような影響を及ぼすかは明らかでない。本研究の目的は、足底接地の条件の違いによる端坐位における体幹のバランス機能について運動学的・筋電図学的に検討することである。【方法】対象は、健常女性12名(平均年齢20.6±1.9歳、身長158.8±2.4cm、体重51.8±5.0kgであり、全員右利きであった。運動課題は、大腿長55%が支持面となるように腰掛け、膝関節95度屈曲位に設定した背もたれなしの端坐位での肩関節外転90°位で上肢長130%の位置への右側方リーチ動作とした。条件は、(1)足底接地・閉脚位、(2)足底接地・開脚位、(3)足底非接地の3つにした。圧中心(以下COP)の位置を重心動揺計を用いて計測した。頭頂、第7頚椎、第12胸椎、第4腰椎、そして両側の耳介、腸骨稜、後上腸骨棘にランドマークを取りつけ、後方からのデジタルカメラによる画像から骨盤傾斜角度、体幹傾斜角度、立ち直り角度(左屈)を計測した。両側の脊柱起立筋(腰部L4、以下ES)、外腹斜筋 (以下OE)、中殿筋(以下GM)を被験筋とし、安静坐位と側方へのリーチ保持時の積分筋活動量を測定し、最大等尺性収縮時の値で標準化した。3条件間での測定値の比較には、対応のある一元配置分散分析を用い、有意水準を5%未満とした。【結果】1) COP移動距離:条件(1)や(3)より(2)が有意に大きく、(1)が(3)より大きかった。2)Kinematics:骨盤傾斜角度は、条件(1)、(2)、(3)の順に有意に増大した。体幹傾斜角度は、条件(1)や(2)より(3)が有意に大きかった。立ち直り角度は、条件(3)より(2)が有意に大きかった。3)各筋の%IEMG:右GMは、条件(2)が(3)より有意に大きかった。左GMは、条件(3)が(1)より有意に大きかった。左OEは、条件(3)が(1)や(2)より有意に大きかった。右ES、右OE、左ESにおいては、3条件間に有意差はみられず、右側の筋活動は左側に比べ小さなものであった。【考察・まとめ】条件(2)はCOP移動距離が最も大きく、条件(3)はCOP移動距離が最も小さいが左のGM、OEの大きな筋活動を要求した。それにより、開脚位で足底接地した端坐位でのリーチ動作はCOPの移動を行いやすい傾向にあり、足底非接地の端坐位でのリーチ動作はリーチ側とは対側の大きな体幹筋活動を要求するといった特徴があることが示唆された。
著者
後藤 智香子 近藤 早映 林 和眞 小泉 秀樹 三木 裕子 辻 麻里子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.113-121, 2021
被引用文献数
2

<p>近年、保育施設の開設を巡って地域社会から反対の声があがっている状況を踏まえ、本稿では特に住宅市街地内の公園を活用して施設を整備した際に地域社会から反対の声があがった事例に着目する。そして、行政の保育施設整備担当者と住民へのインタビュー調査をもとに整備の実態を明らかにした上で、整備の手続きや要件について考察する。具体的には、各事例について、保育施設整備に関する自治体の計画、公園の状況(空間面・利用面)、施設計画、行政が当該公園を選択した理由と経緯、地域住民への計画公表から収束までの経緯、争点と対応、開設後の状況に着目して、整備の実態を明らかにした。最後に、地域住民参加型の計画プロセスの必要性、公園の利用実態や場所の価値の把握の必要性、残された公園の管理運営や代替公園の整備もあわせて計画する必要性という観点から整備の手続きと要件を考察した。</p>
著者
後藤 智香子 近藤 早映 林 和眞 小泉 秀樹 三木 裕子 辻 麻里子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1168-1175, 2019
被引用文献数
1

<p>近年、保育施設の開設を巡って地域社会から反対の声があがっている状況を踏まえ、本稿では特に住宅市街地内の民有地を活用して民間事業者が施設を整備した際に地域社会から反対の声があがった事例に着目し、複数主体(行政担当者、事業者、地域住民)へのインタビュー調査をもとに整備の実態を明らかにした上で、整備の方法について考察することを目的とした。具体的には、3事例について、保育施設整備に関する自治体の計画、事業者、当初計画地の立地状況(地域の空間状況、社会状況)と施設計画、事業者が当該敷地を選定した理由と経緯、地域住民への計画公表から収束までの経緯、争点と対応、開設後の状況に着目して、整備の実態を明らかにした。最後に、都市計画などと連携した立地計画の必要性、地域単位での敷地の検討の必要性、近隣住民の声と地域の公共性とのバランスという観点から整備の方法について考察した。</p>
著者
増田 毅 鴫原 俊太郎 野村 泰之 齋藤 雄一郎 鴫原 じゅん子 肥田 和恵 辻 賢三 池田 稔
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.121-129, 2008 (Released:2008-05-29)
参考文献数
18

Brainstem disorders are often characterized by abnormal eye movements, however, the type of abnormal movements vary depending on the localization and severity of the damage. Here, we report a case of pontine hemorrhage who exhibited horizontal conjugate gaze palsy and disorder of speech discrimination. The 34-year-old man presented with eye pain and dull feeling malaise?, disorder of speech articulation and torpor paralysis ?? of the left side of the body of sudden onset, that developed while he was driving a car. Clinical examination revealed horizontal conjugate gaze palsy, both rightward and leftward, while vertical gaze and convergence were normal. Although the pure-tone audiogram and DPOAE were within normal range, ABR showed prolongation of latency, and reduction of speech discrimination was recognized. MRI revealed evidence of hematoma and edema extending from the mid-dorsal aspect to the right side of the pons. Based on the findings, the patient was diagnosed to have pontine hemorrhage due to hypertension affecting the right facial nerve nucleus, right pyramidal tract, bilateral abducens nuclei, MLF, PPRF and the auditory neural pathway. Although the symptoms of pyramidal tract and auditory disorder resolved by day 19 when he was?? moved to another hospital, the other neurological symptoms were persistent.
著者
板倉 征男 長嶋 登志夫 辻井 重男
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.2394-2404, 2002-08-15

個人識別IDのために用いるDNA情報としては,全塩基配列のなかでSTR(Short Tandem Repeat)と呼ばれる数塩基の繰返し回数の個人差を用いることが考えられる.筆者らはSTR座位(ローカスという)を複数箇所指定しそこで得られる繰返し回数情報を一定の順序で並べて個人識別子(以下DNA個人IDと呼ぶ)を生成することを提案し,実用化のための数々の基本的考察を行った.本論文ではこのDNA個人IDの原理を用いたバイオメトリックス本人認証およびバイオメトリックス署名について実用的システムを提案する.また,提案の方式を検証するために実証実験を行った.すなわち,500人以上の提供者の協力を得て実際の人体のDNAを採取し,本方式によりバイオメトリックス本人認証が可能であることを検証した.実用化のために,リアルタイムによるDNA分析装置の開発が条件となるが,本装置の実現までの間は2枚のICカードを用いて認証を行う方式を考案した.
著者
辻 昭二郎
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.61-65, 1984
被引用文献数
1 5

食感の変化を機器によるバラメーターで表現することを検討した。測定にはテンシプレッサーを使用した。<BR>(1) そばとうどんの食感の基本的な違いも両者のfract.特性の差として示せる。<BR>(2) 測定や解析が簡便で再現性のよいパラメーターとして,新たにfract. indexを導入して検討した。<BR>(3) Fract. indexはそばのfract.特性および"のび"にともなう食感の変化を数字的に表現するのに極めて有用であった。<BR>(4) Fract. indexの値で0.74近辺がそばの食感として最適なfract.であり,これよりある程度高くなるとうどんに類似し,逆にこれよりある程度低くなると"のび"たそばの食感に類似するものと考えられる。<BR>(5) そばの放置にともなうテクスチャーの変化においてadhesivenessの変化がかなり大きく,これも"のび"にともなう食感の変化と大きく関係している。
著者
辻 和洋 中原 淳
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-16, 2021-09-30 (Released:2021-11-10)
参考文献数
31

本研究は,調査報道の困難さを乗り越え,推進していくための新聞社のデスクの役割について,ニュース制作過程を通じて検証する。その分析対象には,調査報道の決定的な事例として2004年度に新聞協会賞を受賞した北海道新聞社「北海道警裏金問題」報道を取り上げた。調査報道は一般的な報道に比べて記事化の不確実性が高く,リスクもコストも高いと言われる報道形態である。その中で調査報道の成立には,デスクが重要な役割を果たすとの指摘がある。しかし,ニュース制作過程研究において,調査報道におけるデスクの役割はほとんど実証的に明らかにされていない。そのため,デスクによる記者や上司らへの働きかけなどについて,本事例を担当したデスクと記者に半構造化インタビューを行った。調査の結果,デスクは調査報道のニュース制作過程において,取材のビジョンと目標を熟考し,明確化した上で取材班を結成するといった取材に向けての戦略を入念に立てていた。記者らに対しては取材活動の自律性を確保したり,鼓舞したりする取材に対する支援行動が見られた。また上司らに対しては社内で議論の場を積極的に設け,説明責任を果たしていた。これらの行動は先行研究において描かれていない行動であり,調査報道においてニュース制作を推進していく上で重要なデスクの役割である可能性が示唆された。
著者
原田 直 今田 忍 井上 伸吾 辻野 哲弘 田中 浩二 杉山 勝 石川 武憲
出版者
広島大学歯学会
雑誌
広島大学歯学雑誌 (ISSN:00467472)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.111-114, 1998-06-01
参考文献数
13
被引用文献数
1

本論文の要旨は平成5年10月の第38回日本口腔外科学会総会において発表した。
著者
藤井 鈴子 中友 千芳子 大藤 祥子 宮崎 愛 下司 洋子 興梠 直美 石橋 純子 秋山 仁美 辻 愛実
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.222, 2014

今年のファッションショーは、重度の障害があっても本人にとって機能的かつ好みのファッションを通し、「夢かなえる装い」を大きなテーマにしています。今年のファッションショーを担当させていただくことになった南京都病院の重症心身障害児者病棟では、日々の活動や行事を通してより豊かな生活を送って頂きたいという想いを大切にしています。その中でも毎月のお誕生会や季節行事の際には、職員が作った色とりどりの衣装を楽しんでもらっています。身にまとうことで「衣装」を介しておのずと会話が広がり、その場は楽しい雰囲気と笑顔に包まれるのです。装い一つで、利用者の皆さん、保護者、職員の気持ちに一体感が生まれ、「衣装」が楽しいひと時を過ごすための重要な役割を果たしています。今回のモデルは、夢多き女性3名です。一人目の女性は、おしゃれに興味がありファッション雑誌を見るのが大好き、夢はモデルさん。当日はモデルになった気分を思いっきり感じたいと思っておられます。二人目の女性は音楽大好きな女性、どんな曲でもピアノを奏でることができます。夢は大好きなピアノやオルガンを発表会で演奏することです。発表会用の衣装を着てリサイタルショーをします。みんなで一緒に歌いましょう。3人目の女性は理想のボーイフレンドと一緒にデートをするのが夢… 素敵な洋服でお出かけします。大好きな人が振り向いてくれますように、とそれぞれ夢かなえる装いをテーマにしています。ファッションショーの最後には南京都病院の利用者の皆さんがおしゃれを楽しまれているスライドを紹介いたします。テーマは「花火大会」。花火のようにきれいに輝く笑顔をお届けします。日本の古都、京都らしさを感じていただき、幸せな気持ちになっていただけたら幸いです。このように身にまとうことを大切にしている南京都病院ならではの行事の様子と衣装をブースにて展示しております。行事に参加されている重症児病棟の利用者の皆さんの輝く笑顔と共にご覧いただければ嬉しく思います。これからもファッションを通して笑顔の輪が広がりますように……。
著者
藤井 鈴子 中友 千芳子 大藤 祥子 下司 洋子 興梠 直美 石橋 純子 秋山 仁美 辻 愛実
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.113-115, 2015

昨年のファッションショーは、重度の障害があっても本人にとって機能的かつ好みのファッションを通し、「夢かなえる装い」を大きなテーマにしました。南京都病院が中心となり日本女子大学の先生と一緒に半年以上前から試行錯誤しながら進めてきました。モデルには、おしゃれに興味がある3名の利用者の方が、出演されました。会場でその人らしく一番輝ける演出を…ということでファッション雑誌をいつも見ているMさんには雑誌から飛び出てきた女性を、大好きな人にいつも素敵な笑顔を見せてくれるUさんにはデートの演出を・・オルガンの演奏をしているときが一番幸せそうな表情をされているYさんには演奏会を・・体調などを心配していましたが、3名とも本当に素敵な笑顔で出演してくださり嬉しかったです。特にYさんは全盲のため、慣れない場所での演出が本人の負担になるのではなど、ファッションショーが終わるまでたくさんの不安を抱えていましたが、本番では輝く笑顔を見ることができ、衣装を提供して頂いた日本女子大学の先生、南京都病院のスタッフともに安心しました。南京都病院の重症心身障害児者病棟では、日々の活動や行事を通してより豊かな生活を送って頂きたいという想いを大切にしています。その中でも毎月のお誕生会や季節行事の際には、職員が作った色とりどりの衣装を楽しんでもらっています。装い一つで、利用者の皆さん、保護者、職員の気持ちに一体感が生まれ、「衣装」が楽しいひとときを過ごすための重要な役割を果たしています。このように身にまとうことを大切にしている南京都病院ならではの行事の様子と衣装をブースにて展示しました(展示ブースの写真参照)。ファッションショーでは、3名が代表として出演して頂きましたが、病院内には笑顔の素敵な利用者の方がたくさん入所しておられます。全員に出演してほしいという職員の想いから、南京都病院の利用者の方々がおしゃれを楽しまれているスライドを紹介しました。この笑顔はおしゃれをして嬉しいだけではなく「かわいいよ」「きれいだね」と周りのスタッフから愛され注目されたことにより生まれたものだと思います。また、京都らしさを…という気持ちから、甚平や浴衣を着てきれいに輝く花火の打ち上げとともに演出しました。輝く笑顔が皆さんの心に届いたでしょうか?今年も重症心身障害児者のファッションショーが開かれます。今までだと、衣装に包まれた利用者の方の笑顔や演出を楽しく拝見させていただいていただけだったのですが、ここまでの道のりには、日本女子大学の先生との何回もの打ち合わせやリハーサル、職員や、会場の方、たくさんの人たちの協力で開催されているのだと思うと、また違う熱い気持ちで拝見させていただくこととなるのだろうと思います。今回身にまとうということ、「衣装」を介して個性が光り、一人ひとりが大切にされ注目されることにより周りが笑顔に包まれ、見ている人たちに深い感動を与えることができるということを学ばせて頂きました。これからもファッションを通して笑顔の輪が広がりますように……そして人と人の優しいつながりができますように……Mさん…おしゃれに興味がありファッション雑誌を見るのが大好き、夢はモデルさん。当日は大好きな主治医の先生とモデルになった気分を思いっきり感じていただきました。スポットライトを浴び、素敵な笑顔が見られました。Uさん…理想のボーイフレンドと一緒にデートをするのが夢……素敵な洋服でお出かけします。当日は年下の男の子のBGMが流れる中、大好きな人からバラの花束を頂きました。とても幸せそうな笑顔が見られました。Yさん…音楽大好きな女性、どんな曲でもピアノを奏でることができます。夢は大好きなピアノやオルガンを発表会で演奏することです。発表会用の衣装を着てリサイタルショーをしました。大好きな『バラが咲いた』の曲を演奏し、会場のみなさんと歌うことができました。(出演者の皆様には写真掲載の承諾を頂いています。)四季折々の衣装とともに笑顔と優しさを届けます。
著者
辻 佳子 林 俊孝 久保 浩之
出版者
和歌山県農林水産総合技術センター
雑誌
和歌山県農林水産総合技術センター研究報告 (ISSN:13455028)
巻号頁・発行日
no.6, pp.57-68, 2005-03

有機性廃棄物の堆肥化。有機性廃棄物として、柿選果場で廃棄されるくず柿、ジュースエ場から排出されるウーロン茶滓、キャベツの収穫残渣、ユズの加工時に廃棄されるユズ絞り滓、および生ゴミ(給食残飯)を主原料とし、高速発酵処理機(エヌ・アイ・テクノ(株)製バイオメイトBM600-S)を用いて堆肥化処理を行った。1.くず柿、ウーロン茶滓、ユズ、生ゴミの堆肥化において、石灰窒素の添加によるpHの調整が堆肥化促進に有効であった。2.ウーロン茶滓の堆肥化において、pH等の条件を整えても堆肥化処理期間は23日では不十分であった。3.キャベツなど水分含有率の多い原材料の堆肥化では、オガクズが水分調節剤として有効であったこのとき、C/N比よりも混合初期の水分調節に重きをおいて混合割合を決めるとよい。和歌山県内における生ゴミ堆肥の品質実態。1.県内で処理されている生ゴミ堆肥は、成分のばらつきが大きいが、未熟な生ゴミ乾燥物の状態で有機質肥料的な性質をもったものが多かった。2.生ゴミ堆肥を乾物で1/10a施用する場合、塩分、油分の上限はそれぞれ、堆肥乾物あたり5%、10%であった。県内で処理されている生ゴミ堆肥において、塩分の最大値は2.28%で問題ないが、油分の最大値は13.79%で問題となる可能性がある。
著者
高岡 朋子 大信田 静子 北村 悦子 泉山 幸代 辻 美恵子 富田 玲子 永田 志津子 福山 和子
出版者
北翔大学
雑誌
北方圏生活福祉研究所年報 (ISSN:1342761X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.47-57, 2003-10-01

北国に住む高齢者の衣生活の質の向上を目指し,衣生活の実態と意識を調査した。道内主要都市6ヵ所に在住する65歳以上の健康な男女132名を対象に,生活の満足度,冬服の着用実態,被服行動の意識等の質問項目を面接形式で実施した。成果:被験者の90%以上が生活に満足し,自分の趣味や老人仲間との交友に生きがいを感じていた。冬服の着用実態として,男性は下着が長袖シャツにブリーフと長丈パンツを着用し,女性はシャツに五分丈パンツや七分丈パンツを着用し,男女ともに保温性を確保していた。室内の上着では男女ともにセーターとズボンスタイルが7割以上をしめていた。また男性の普段着として着用したい服種は,セーターとズボンで外出着としてはスーツまたは,サファリー風ジャケットとズボンの組み合わせであった。女性は普段着としてパンツを選んでいるが,外出着には8割以上がスカートを選んでいた。次に被服行動の意識調査結果から,「着やすく,動きやすく,素材は柔らかいもの」に高い評価があり,肩に負担がかからない着装を好んでいることが分かった。被服行動の因子分析結果では「おしゃれ性」「素材性」「機能性」「着装の好み」「ゆとり性」の5因子が抽出された。さらに被験者の年齢を高低に分け因子得点の平均値を求めた結果,71歳未満の低年齢層は素材を重視し,72歳以上の高年齢層は機能性と着装の嗜好が高い傾向にあり,男女別の因子得点平均値からは女性のほうがおしゃれ性が高く,素材へのこだわりが高い傾向にあることが分かった。マズローの欲求階層理論を応用しての質問からは,生理的欲求と所属の欲求の被服行動が高く,安全性の欲求と自己実現の欲求は低く現れた。
著者
黒田 啓行 庄野 宏 伊藤 智幸 高橋 紀夫 平松 一彦 辻 祥子
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.209, 2005

実は多くの漁業は漁獲量の制限などにより管理されている。漁獲許容量(TAC)は、現在の資源量(魚の量)などから算出されるのが通例である。しかし現実には、データや知見の不足により、資源量などの推定は難しく、さらに将来の環境変動などを予測することも容易でない。このような「不確実性」は、科学の問題だけでなく、合意形成をはかる上でも大きな障害となる。<br> ミナミマグロは南半球高緯度に広く分布する回遊魚で、商品価値は非常に高い。日本、オーストラリアなどの漁業国が加盟するミナミマグロ保存委員会(CCSBT)により管理されている。しかし、近年の資源状態については、各国が主張する仮説によって見解が異なり、TACに正式合意できない状況が続いていた。<br> この状況を打開するために、CCSBTは2002年より「管理方策」の開発に着手した。管理方策とは、「利用可能なデータからTACを決めるための"事前に定められた"ルール」のことで、環境変動や資源に関する仮説が複数あっても、それら全てに対し、うまく管理できるものが理想的である。そのため、様々な仮説のもとでのテストが事前に必要であるが、実際に海に出て実験することは不可能に近い。そこで、コンピューター上に資源動態を再現し、その「仮想現実モデル」のもとで、複数の管理方策を試し、より頑健なものを選び出すという作業が行われた。このような管理方策の開発は、国際捕鯨委員会(IWC)を除けば、国際漁業管理機関としては世界初の画期的な試みである。実際にCCSBTで管理方策の開発に当たっている者として、開発手順を概説し、問題点及びその解決方法について紹介したい。不確実性を考慮した管理方策の開発は、持続可能な資源の利用を可能にし、魚と漁業に明るい未来をもたらすものと考えている。
著者
六辻 彰二
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.20-32, 2013 (Released:2017-12-06)
参考文献数
26

アフリカ諸国の選挙制度は,旧宗主国からの影響と,環境に適応した内発的採択の狭間にある。現代のアフリカ49カ国における下院選挙制度を横断的に検証した結果,英語圏では小選挙区制を導入しながらも何らかのアレンジを加える事例が,フランス語圏では小選挙区二回投票制より,程度の差はあれ,比例原理を重視した制度を導入する事例が,それぞれ多く確認された。一方で,各国における下院選挙の結果を類型化した結果,安定的かつ民主的な政党制が定着した国が7カ国なのに対して,ヘゲモニー政党制が12カ国,選挙制度が機能していない国が9カ国,与野党交代が実現しながらも,選挙を経た与党の権威主義化と内部分裂によって二度目の与野党交代が実現するパターンの国が6カ国,それぞれ確認された。これらに鑑みれば,いまだ多くのアフリカ諸国では独自性ある選挙制度の構築と定着のプロセスにあるといえる。