著者
田島 公 山口 英男 尾上 陽介 遠藤 基郎 末柄 豊 石上 英一 藤井 譲治 金田 章裕 西山 良平 坂上 康俊 西本 昌弘 本郷 真紹 加藤 友康 武内 孝善 田良島 哲 渡辺 晃宏 石川 徹也 石川 徹也 山口 和夫 藤原 重雄 稲田 奈津子 遠藤 珠紀 三角 洋一 月本 雅幸 吉川 真司 小倉 慈司 綾村 宏 杉橋 隆夫 桃崎 有一郎 島谷 弘幸 猪熊 兼樹 馬場 基
出版者
東京大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2007

禁裏(天皇家)や主要公家文庫収蔵史料のデジタル画像約100万件、東山御文庫本・伏見宮家本の1画像毎の内容目録約20万件を作成し、編纂所閲覧室での公開準備を進めた。木簡人名データベースと漢籍の受容を網羅した古代対外交流史年表を公開した。『禁裏・公家文庫研究』3・4、研究報告書4冊等を刊行し、禁裏・主要公家文庫の家分け蔵書目録を公開した。「陽明文庫講座」「岩瀬文庫特別連続講座」等市民向け公開講座を約百回開催し講演内容の一部を一般向けの本として刊行した
著者
遠藤 基
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.208-214, 2022-04-05 (Released:2022-04-05)
参考文献数
15

ミューオンの異常磁気モーメントの研究の歴史は長い.ミューオンのスピン磁気モーメントが初めて測定されたのは,1950年代にコロンビア大学ニーブズ(Nevis)研究所でのことだ.その後,60年以上にわたって研究されてきた背景には未知の素粒子理論の存在がある.素粒子の振る舞いは標準理論と呼ばれる基礎理論によってとてもよく説明することができる.この理論は2012年にヒッグス粒子が発見されたことで確立したが,時代とともに,それでは説明のつかない現象が見つかってきた.そのため,なにか新しい理論が存在するのは確かなのだが,その正体は依然として明らかではない.ミューオン異常磁気モーメントの測定は新しい理論を探索する有力な手段として注目されてきた.とてもよい精度で測定することができるうえに,未知の粒子がつくる量子効果の影響を強く受けるからだ.20年近く前にブルックヘブン国立研究所で行われた実験結果は標準理論の予想と大きく食い違っていた.この結果に多くの研究者は頭を悩ませてきた.はたして素粒子の未知の理論がついに見えてきたのだろうか.それとも実験結果が間違っていたり,標準理論に見落としがあるのだろうか.ブルックヘブンの結果の確認と,さらなる高精度の測定を目指して,2018年にフェルミ国立加速器研究所で新しい実験が開始された.データの解析には長い時間がかかったが,2021年4月7日についに最初の結果が発表された.多くの研究者が待ち望んでいた結果だ.解析に使われたデータ量はまだ多くないが,結果はブルックヘブンの実験を追認するものであった.もう一方の標準理論の予想はというと,じつは,依然として混沌としている.量子論によれば,ミューオンは仮想的に光子(フォトン)を放出して,さらにそのフォトンからクォークをつくり出すことができる.クォークは強い相互作用をもつために計算がものすごく難しい.これまでは,この難しさは実験データを使うことで回避されてきた.つまり,この部分を理論的な関係式を使って別の観測量に置き換えてしまうという方法だ.このアプローチはうまくいっており,異常磁気モーメントの理論値を決める方法として長いこと使われてきた.これで標準理論の計算は決着がついたと思われていたが,最近そこに一波乱あった.Budapest–Marseille–Wuppertalグループが発表した格子QCD計算の結果だ.それによると,クォークの寄与はこれまでの実験データを使った値から大きくずれている.もし本当であれば,ブルックヘブンやフェルミの実験結果と標準理論の間にあった食い違いは消えてしまうというのだ.いまだにどちらの結果が正しいのか決着はついていない.もし従来の結果が正しくて,そしてミューオン異常磁気モーメントの実験の検証も進めば,いよいよ未知の素粒子理論の発見に期待が高まる.これまでに様々な模型が提唱されてきたが,実験と理論の発展によって候補はかなり絞られてきた.興味深いことに,ほとんどの模型は近い将来に実験で検証できるようになることが予想されている.ミューオン異常磁気モーメントのこれからの実験と理論の進展に関心が高まっている.
著者
田島 公 尾上 陽介 遠藤 基郎 末柄 豊 吉川 真司 金田 章裕 馬場 基 本郷 真紹 山本 聡美 伴瀬 明美 藤原 重雄 稲田 奈津子 黒須 友里江 林 晃弘 月本 雅幸 三角 洋一 川尻 秋生 小倉 慈司 渡辺 晃宏 桃崎 有一郎 北 啓太 吉岡 眞之 山口 英男 金子 拓 遠藤 珠紀 原 秀三郎 神尾 愛子 名和 修 名和 知彦 内海 春代 飯田 武彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31

東京大学史料編纂所閲覧室で東山御文庫本、陽明文庫本、書陵部蔵九条家本・伏見宮家本など禁裏・公家文庫収蔵史料のデジタル画像約100万件を公開した。高松宮家伝来禁裏本・書陵部所蔵御所本の伝来過程を解明し、分蔵された柳原家本の復原研究を行い、禁裏・公家文庫収蔵未紹介史料や善本を『禁裏・公家文庫研究』や科学研究費報告書等に約30点翻刻・紹介した。更に、日本目録学の総体を展望する「文庫論」を『岩波講座日本歴史』22に発表し、『近衞家名宝からたどる宮廷文化』を刊行した。
著者
吉川 聡 渡辺 晃宏 綾村 宏 永村 眞 遠藤 基郎 山本 崇 馬場 基 光谷 拓実 島田 敏男 坂東 俊彦 浅野 啓介 石田 俊 宇佐美 倫太郎 海原 靖子 大田 壮一郎 葛本 隆将 黒岩 康博 桑田 訓也 古藤 真平 小原 嘉記 坂本 亮太 島津 良子 高田 祐一 高橋 大樹 竹貫 友佳子 谷本 啓 徳永 誓子 富田 正弘 中町 美香子 長村 祥知 根ヶ 山 泰史 林 晃弘 藤本 仁文 水谷 友紀 山田 淳平 山田 徹 山本 倫弘 横内 裕人 栗山 雅夫 佃 幹雄
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

東大寺図書館が所蔵する未整理文書のうち、中村純一寄贈文書と、新修東大寺文書聖教第46函~第77函を調査検討し、それぞれについて報告書を公刊した。中村文書は内容的には興福寺の承仕のもとに集積された資料群であり、その中には明治維新期の詳細な日記があったので、その一部を翻刻・公表した。また中村文書以外の新修東大寺文書からは、年預所など複数の寺内組織の近世資料群が、元来の整理形態を保って保存されている様相がうかがえた。また、新出の中世東大寺文書を把握することができた。
著者
林 譲 横山 伊徳 加藤 友康 保谷 徹 久留島 典子 山家 浩樹 石川 徹也 井上 聡 榎原 雅治 遠藤 基郎 大内 英範 尾上 陽介 金子 拓 木村 直樹 小宮 木代良 近藤 成一 末柄 豊 藤原 重雄 松澤 克行 山田 太造 赤石 美奈 黒田 日出男 高橋 典幸 石川 寛夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008-05-12

東京大学史料編纂所が60年間にわたって収集・蓄積した採訪史料マイクロフィルムをデジタル化し、ボーンデジタルによる収集の仕様を確立し、一点目録情報などのメタデータを付与したデジタルデータを格納するアーカイヴハブ(デジタル画像史料収蔵庫)を構築し公開した。あわせて、デジタル画像史料群に基づく先端的プロジェクト・歴史オントロジー構築の研究を推進し、研究成果を公開した。
著者
近藤 成一 海老澤 衷 稲葉 伸道 本多 博之 柳原 敏昭 高橋 敏子 遠藤 基郎 渡邉 正男 神野 潔 野村 朋弘 金子 拓 西田 友広 遠藤 珠紀 山田 太造 岡本 隆明
出版者
放送大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

未刊古文書釈文作成のための協調作業環境を構築することにより、未刊古文書の釈文を歴史学のコミュニティにおいて協同で行うことを提起し、史料編纂のあり方について新たな可能性を模索するとともに、歴史学のコミュニティの実体形成にも寄与する基礎とした。釈文作成のために外部から自由な書き込みを許す部分と、作成された成果を史料編纂所の管理のもとに公開する部分を構築し、前者から後者にデータを選択して移行するシステムを設けた。
著者
久留島 典子 林 譲 本郷 恵子 柴山 守 有川 正俊 山口 英男 遠藤 基郎 木村 直樹 山家 浩樹 馬場 基 山田 太造 近藤 成一 小宮 木代良 古瀬 蔵
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

前年度に引き続き東大史料編纂所歴史情報システム(以下、SHIPSと略記)が擁するDB群から、各DBに格納された人物情報を抽出し、人物情報レポジトリへとデータ移行を推進した。レポジトリへ移行を可能とするDB数もさらに2つ増加し、計19種へと拡大することで、総登録データ数は約42万件に達した。前近代における人物情報を総覧する環境が整いつつあり、これを軸として、地理情報・史料典拠情報・史料目録情報といった情報との連接を視野に入れたところである。SHIPS-DBから人物情報レポジトリを参照・応答するAPIについては、前年度に構築したシステムを基盤として、より詳細な応答を実現するモジュールを「新花押データベース」内に実装した。花押を記した人物を比定するために、随意にレポジトリ参照が可能となったことは、より正確な情報蓄積を進めるうえで極めて有効と言ってよい。また人物レポジトリを直接検索するためのインターフェイス(「人名典拠サービスモジュール」)が安定的に運用されるに至り、多様な検索に応答しうる環境が整備されつつある。蓄積データのシームレスな運用という観点からは、前年度に引き続き、人物情報レポジトリ総体のRDFストア化を推進し、検索結果をRDF形式で出力するためのAPIの安定運用を実践することで、オープンデータ環境への移行を目指した。地理情報レポジトリについては、外部参照用APIの運用を開始し、国立歴史民俗博物館の「荘園データベース」との連携を実現した。
著者
遠藤 基郎
出版者
東京大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

1,吉書の儀礼空間の復元の基礎的作業。東大寺における吉書儀礼関係の収集を行った。未刊行史料として平岡定海氏所蔵の『東大寺別当次第』の存在を確認し、その原本調査に赴いた。寺院吉書は、長官である別当などが就任した際に行う拝堂儀礼の一環として行う場合が主である。これは公家が新しいポストに就任した際に吉書を行うことと共通する。また返抄吉書においては、読み上げ行為が伴っていたことが、史料上確認された。2,武家の吉書について。鎌倉幕府は当初公家吉書同様に返抄吉書を使用したが、室町幕府はそれとは異なり三箇条吉書と御内書吉書を使用している。この違いは、両幕府の性格の違いを示すものであるが、その解明は今後の課題である。また幕府吉書において、注目すべきは改元の際に行う点であろう。これは鎌倉幕府の段階から認められる。管見の限りでは、改元時に吉書を行うのは天皇と将軍のみに限定される。国家制度上の将軍の卓越した地位を物語る事実である。3,近世における吉書の実態。これについては,十分に検討することができなかった。朝廷あるいは旧仏教系寺院においては、中世以来の形式で継続的に行われている。これは彼らのアイデンティティーの有り様から当然の事態であろう。武家については、薩摩藩島津家で確認されるものの、幕府においては行われた形跡がないようである。また従来の研究による限りは、村落においてもその形跡が認められない。類似の現象は「書き初め」である。中世の吉書と比較した場合、これは、優れて個人的な所為であって、政治性は皆無である。これは「書く」行為の社会史的意義の変化を考察する上で興味深い現象であろう。*また本研究成果の一部は、2000年度歴史学研究会大会中世史部会報告(2000.5.28)において発表の予定である。

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著者
遠藤 基郎
出版者
東京大学史料編纂所
雑誌
東京大学史料編纂所研究紀要 (ISSN:09172416)
巻号頁・発行日
no.22, pp.1-19, 2012-03
著者
近藤 成一 海老澤 衷 稲葉 伸道 本多 博之 柳原 敏昭 遠藤 基郎 渡邉 正男 鴨川 達夫 金子 拓 西田 友広 遠藤 珠紀 山田 太造 神野 潔 野村 朋弘 岡本 隆明 アドルフソン ミカエル
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

1600年以前の日本の古文書に関する諸情報を共有し、文書名の付与や年代比定などの基礎作業を共同で行う「古文書バーチャルラボ」を構築した。「古文書バーチャルラボ」の運用により、史料編纂所歴史情報システム上の古文書に関するデータを修正・追加することを試行し、また古文書学上の研究成果については公開研究会において発表した。また『鎌倉遺文』未収録の文書数について検討した。以上の内容を報告書にまとめ、「東京大学史料編纂所研究成果報告2012-4」として刊行した。
著者
山家 浩樹 林 譲 久留島 典子 鴨川 達夫 高橋 則英 高田 智和 馬場 基 大内 英範 耒代 誠仁 高橋 敏子 遠藤 基郎 山田 太造 渡辺 晃宏 小倉 慈司 高橋 典幸 井上 聰 谷 昭佳 川本 慎自 高山 さやか
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

「ボーンデジタル進捗状況管理システム」を構築して、無秩序に生成されがちなデジタル撮影画像(ボーンデジタル)を、組織として一貫して管理・運用するシステムを確立し、歴史史料のデジタル画像を共有する基盤を整えた。さらに、標準化された仕様に適合しないデジタル画像を、メタデータとともに管理する一例として、ガラス乾板など古写真を取り上げ、「ガラス乾板情報管理ツール」を開発して、ガラス乾板の研究資源化および保存にむけた研究を行なった。あわせて、具体例をもとに、デジタル画像を主たるレコードとするデータベースの構造転換に向けた研究を推進した。