著者
野村 伊知郎 赤澤 晃
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.62-66, 2000-02-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
26

黄色ブドウ球菌は, アトピー性皮膚炎の湿疹部に多く存在する. 1)スーパー抗原性の外毒素が, スーパー抗原として, また1型アレルギーの抗原として働く. 2)菌体の蛋白質が, 1型アレルギーの抗原となる. 3)α-toxinなどの, cytolytic toxinの直接細胞障害. 以上3つの方法で, アトピー性皮膚炎を悪化させる. そのため, ブドウ球菌を除去することが, 治療上非常に重要である. この分野の最新の報告を中心に増悪のメカニズムについて述べる.
著者
野村 晴夫
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.99-113, 2008 (Released:2019-04-12)
被引用文献数
1
著者
山本 隆一郎 野村 忍
出版者
日本行動医学会
雑誌
行動医学研究 (ISSN:13416790)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.22-32, 2010 (Released:2014-07-03)
参考文献数
43

本研究の目的は,実際の就寝環境における入眠時選択的注意が入眠困難に及ぼす影響を2週間のホームワーク実験によって検証することが目的であった。13名の入眠困難者は実験群と統制群に割り付けられた。実験群は,後半の1週間,就寝時の注意統制のため毎日寝床で数息観(自発的な呼吸を数える禅瞑想課題)を実施した。実験群と統制群における,入眠時選択的注意尺度得点,入眠時認知活動尺度得点,1週間の平均入眠潜時の違いを検討するため,2要因反復測定分散分析(2群×2時期)を行った。その結果,入眠時選択的注意得点において有意な交互作用が確認された(F(1,11)=6.24,p=.030)。また入眠時認知活動尺度の第2因子(眠れないことへの不安)得点において交互作用の有意傾向が確認され(F(1,11)=3.78, p=.078)た。さらに1週間の入眠潜時において交互作用の有意傾向が確認された(F(1.11)=3.35, p=.095)。本研究より,入眠時選択的注意の入眠困難に及ぼす影響が示唆され,数息観による注意統制が入眠困難に効果的である可能性が考えられた。
著者
野村 裕也 植村 周平 間瀬 圭介 中平 洋一 吉岡 博文 椎名 隆
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 第51回日本植物生理学会年会要旨集
巻号頁・発行日
pp.0964, 2010 (Released:2010-11-22)

葉緑体は、光合成の他に、ホルモン合成や活性酸素種生成といった生体防御反応においても重要な器官であると考えられている。我々は、葉緑体が細胞内Ca2+シグナルを介して感染シグナルを素早く認識していることを見いだした。しかし、免疫応答における葉緑体の役割はほとんどわかっていない。これまでの研究から、葉緑体チラコイド膜に局在するCa2+結合タンパク質CASが、細胞外Ca2+による細胞質Ca2+シグナルの制御と気孔閉鎖に関与することを明らかにした。今回、免疫応答におけるCASの役割を調べるために、CASノックアウト変異体(cas-1)にPseudomonas syringae pv. tomato DC3000(Pst DC3000)を接種し、菌数増殖を測定した。その結果、cas-1ではPst DC3000に対して抵抗性が低下することがわかった。また、過敏感細胞死への影響を調べるためにPst DC3000(avrRpt2)を接種したところ、WTよりも細胞死が遅延することがわかった。さらに、Nicotiana benthamianaにおける CASサイレンシング植物体において、INF1、Cf-9/Avr9により誘導される過敏感細胞死が顕著に遅延することが明らかとなった。これらの結果から、CASは植物の生体防御反応において重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
著者
高見 美保 中筋 美子 野村 陽子
出版者
兵庫県立大学臨床看護研究支援センター
雑誌
Phenomena in Nursing (ISSN:24324914)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.R1-R14, 2018-08-08

【目的】本研究の目的は,「3つの認知症ステージ(軽度~中等度~重度)」に該当する認知症者とその家族および,その者への診療に関わっている医師に対して,認知症ケアに携わる専門職(看護師,介護福祉士)が留意している関わりの特徴を明らかにすることである。【方法】データ収集は医療機関,介護老人保健施設,特別養護老人ホーム・認知症対応型グループホームで行い,看護師13名,介護福祉士9名から,研究目的に沿った聞き取り調査を面談方式で実施した。得られたデータは,内容分析法(content analysis)で分析した。【結果・考察】分析の結果,「認知症のステージが発症~軽度の時期」では,認知症者と家族に起きている状態を丁寧に聴取し,介入すべき時を待つという基本ケアは定着しているが,認知症者の有意義な治療効果を得るための介入は,ケア専門職に留意され難いことが明らかとなった。また,「認知症のステージが中等度の時期」では,行動・心理状況(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)に対するアセスメントとして,認知症者が示す言動から情報収集と検討を繰り返し,症状に隠された「その人」を掘り起していく,という関わりがなされていることが明らかとなった。そして,認知症者への療養環境づくりでは,ケア専門職が,認知症者に家族や医師からの関与を途切れさせない,という人的環境づくりを核に据えたケア環境の調整を実施していることが新たに分かった。さらに「認知症のステージが中等度~重度の時期」では,認知症者の意思をくみ取る努力が続けられ,医師と連携して,認知症者と家族にとって穏やかな最期の時が迎えられるように留意していることが明らかとなった。しかし,療養生活への具体的な意思決定支援や,認知症者の"合併症を予防する"ケアについては,明確に現れなかった。これらのことから,多職種に働きかけて認知症者と家族にとって必要なケアを押し進めていく実行力とマネジメント力を持つことや,認知症者の全般的なフィジカルアセスメントを積極的に行い,認知症者のQOLを低下させない介入を実施することが,今後の認知症ケアの発展に求められることが示唆された。
著者
前田 晴良 上田 直人 西村 智弘 田中 源吾 野村 真一 松岡 廣繁
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.11, pp.741-747, 2012-11-15 (Released:2013-04-04)
参考文献数
44
被引用文献数
1 2

高知県佐川地域に分布する七良谷層の模式層序周辺の泥質砂岩中から,最上部ジュラ系を示す2種類のアンモノイド化石を発見した.そのうちAspidoceras属は,テチス海地域の最上部ジュラ系から多産し,Hybonoticeras属は同地域のキンメリッジアン−チトニアン階境界付近を示準するタクサである.これらの化石の産出により,七良谷層は最上部ジュラ系(キンメリッジアン−チトニアン階)に対比される可能性が高い.この結論は放散虫化石層序とおおむね調和的である.これまで七良谷層は,上部ジュラ系−下部白亜系鳥巣層群の層序的下位にあたる地層と考えられてきた.しかし七良谷層から産出したアンモノイドの示す時代は,鳥巣層群産アンモノイドのレンジと明らかに重複し,アンモノイド化石からは両岩相層序ユニットの時代差は識別できない.したがって,今後,七良谷層と鳥巣層群の層序関係を再検討する必要がある.
著者
野村 佳司 内藤 貴文 小野 晃 三上 重明 高橋 利郎 木曽 邦明
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.4, pp.289-294, 2004-04-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
4

Recently, sake has come to be frequently sold in transparent refrigerators fluorescently lighted. In such cases, the sake is sometimes colored highly. This seems due to the effect of fluorescent light. We researched the effects of fluorescent light sake coloring. As for the relations between sake coloring and the six types of fluorescent lights, a three band fluorescent light (natural white) colored sake most highly, second was a fluorescent light (natural white), and a high color rendering fluorescent light coated with UV absorption film (natural white) colored sake least. We researched the effects of four color-films on sake coloring. A red film was most effective for preventing sake coloring. A blue film was least effective in preventing sake coloring. As a result of a multivariate analysis, light with a wavelength under 450 nm produced an effect on sake coloring.
著者
松原 悠 斎藤 未夏 石津 朋之 大山 貴稔 佐藤 まみ子 新村 麻実 野村 港二
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.107, pp.1703, 2017-12-29 (Released:2017-12-29)

筑波大学中央図書館のラーニング・コモンズ「ラーニング・スクエア」では,2015年10~12月,オープンなスペースである「グループ学習スペース」において,大学院生対象の授業科目「ザ・プレゼンテーション」を10回にわたり実施した。講師と受講者を対象に調査したところ,ラーニング・スクエアは,開放的で立ち寄りやすいという点が評価されている一方で,周囲の目や音が気になるため授業への集中が妨げられるという側面もあり,活発な議論や発表の場として活用するには課題が存在することが明らかとなった。
著者
辻 王成 岡元 勉 野村 一俊 前川 清継
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.634-637, 2014-09-25 (Released:2014-11-11)
参考文献数
7

新規骨粗鬆症治療薬のデノスマブ(プラリア)はRANKリガンドを標的とするヒト型モノクローナル抗体である.海外で椎体および大腿骨近位部骨折発生リスクを有意に減少させており,本邦でも期待がもたれる.主な副作用として低カルシウム(Ca)血症がある.2013年7月~9月の期間,骨粗鬆症患者に対し,デノスマブ60mgを皮下注射し,カルシウム,天然型ビタミンD配合剤を併用し治療開始前と投与後1,2,4週に血液検査を行い,血清Ca値と骨吸収マーカーを測定し,実臨床での副作用と早期の治療効果判定を行った.国内第II,III相試験での低Ca血症の発生頻度はそれぞれ0.6%,0.8%であったが,本研究では1週後に12%,2週後に7%であった.原因として,本研究の対象患者の平均年齢が79.4歳と高く腎機能低下の影響が推測され,超高齢者には活性型ビタミンDの事前投与が望ましいと考える.また,投与2週間でTRACP-5bは62.1%低下しており,BP製剤を超える強力な骨吸収抑制効果を確認した.