著者
金田 重郎 上野 康治 高橋 一夫
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

デジタル絵本は,複数ストーリを切り替え可能である.本稿ではメインストーリに出現したキャラがサブストーリであるドリルを仲介する「絵本ドリル」を提案する.また,Webカメラによって,子どもの視線を話者にリアルタイムにフィードバックする.社会実験の結果,キャラが子どもの興味を誘因することを確認した.一方で,「話しに入りこむ」子どもはキャラに興味は示さない.これらは絵本の読み聞かせにひとつの示唆を与える.
著者
金田 章宏 松本 泰丈 HOLDA M・A
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

当該の研究期間における研究成果の概要は以下のとおりである。1.八丈方言の文法書を作成した。これはまだ草稿段階のものであり、こんごこれをもとに、練習問題や発展問題などを充実させて学校教育における副読本として利用できるレベルのテキストにまで完成度を上げることで、消滅の危機に瀕した方言再生の手がかりとなる可能性がある。2.過去に録音された八丈島の談話資料をローマ字とカナで文字化し、対訳を付した。これまでに代表者がかかわってきた八丈方言民話・談話資料作成の一環であり、研究期間終了後も継続して進められる予定である。3.八丈方言とのかかわりを念頭に、奄美方言の文法を記述した。分担者である松本がこれまでに行なってきた八丈・琉球方言比較研究の一部となるものであり、代表者が現在個人で行なっている八丈・八重山方言比較研究とも深く関連するものである。4.研究成果の一部を国際会議で発表した。関連する内容についてはこれ以前にも国際会議で発表を行なっているが、今回の研究期間にかかわるものだけを報告書に掲載する。さらに、分担者であるホウダは他言語との対照研究に重点を置いた別稿を準備中である。5.国語研究所に保存されていた八丈方言資料(カードで保存)を電子化し、検索可能なものとした。これにより、文法研究の深化に比べて方言辞典作成の面で遅れていた部分を多少なりとも補うという可能性がでてきた。これについては報告書にも掲載するが、代表者のホームページでの公開も予定している。6.代表者のHPを開設し、過去の関連する科研の成果とあわせて、研究成果の公開を開始した。こんごさらに充実させていく予定である。http://student2.international.chiba-u.ac.jp/kaneda/index-htmlのなかの八丈方言資料
著者
寺門和哉 RaytchevBisser 玉木徹 金田和文
雑誌
画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011)論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.753-756, 2011-07-20

本論文では新しいアピアランスベースの姿勢推定手法であるLocal Procrustes Regression (LPR)を提案する.LPRでは,全ての学習サンプルとその姿勢パラメータ空間とのマップを学習するのではなく,テストサンプル近傍の学習サンプル同士の距離関係を学習に利用し,テストサンプルの姿勢パラメータを推定する.このとき Procrustes Analysis を用いてテストサンプル近傍の学習サンプルの低次元空間と,それに対応する姿勢パラメータ空間との位置合わせを行う.物体ごとに2つの回転軸において5度ずつサンプリングされた703枚の画像データセット Object Pose Estimation Database (OPED) を用いて実験を行った結果,提案手法の姿勢推定精度は半数以上の物体でSupport Vector Regressionより優れていることが示された.
著者
奥川 雅之 金田 忠裕 大須賀 公一
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集 第48回システム制御情報学会研究発表講演会
巻号頁・発行日
pp.207, 2004 (Released:2004-09-01)

本論文では,レスキュー活動をテーマにしたロボットコンテストと関連する啓発活動を含む「レスコンシーズ」の概要とその将来性について述べる.地域によっては主として発生する災害の種類が偏っている可能性がある.ロボットや競技場を小型なものとし,開催を容易にすれば,地域に密着した災害をテーマとして競技会そのものを提案することが可能になり,各地域でレスコンが開催され,レスキューロボットに対する認知が高められる.このような小規模かつ提案型ロボットコンテストやその一連の啓発活動に対して,各地にレスコンの種をまくことにちなんでレスキューロボットコンテストシーズ(以下,レスコンシーズ: ResCon-Seeds と略する)と呼ぶ.レスコンシーズは,競技会(フィールドやルール)そのものを主催者側が提案することによって,レスキューロボットに対する認知向上を目的とする.
著者
金田 重郎 上坂 和也 今城 和宏 三本 貴裕 新谷 公朗 糠野 亜紀
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.2, pp.1-8, 2010-05-15

物語を絵本などの道具を用いずに,語りのみで子どもに聞かせる 「素話」 は,子どもの想像力・集中力向上の効果が高いとされる.反面,演じる保育者の負担は大きく,保育現場でも実施頻度は多くない.本稿では,素話における保育者の負担を軽くするため,子ども達の反応をフィードバックすることを最終的なターゲットとして,ステレオカメラと加速度センサを用いた読み聞かせ分析システムを提案する.ステレオカメラは子ども達全体や保育者を撮影する位置に設置し,それぞれの子どもには加速度センサを装着してもらった.幼稚園での読み聞かせ実演に基づく分析の結果,1) 集中して聞いている子どもとそうでない子どもを識別可能,2) 素話全体の盛り上がりの分析等に 「笑い」 分析が有効,3) 笑いの集団内での伝播現象,等を確認できた.Storytelling increases children's imagination and their ability to think. However, storytelling requires a certain amount of special skill for childminders or kindergarten teachers. If teachers had a support tool to assist storytelling, they might use storytelling more often. To develop such a tool, this paper proposes a new system to detect the concentration of each child during storytelling. The system employs two types of sensors: 3D stereo video cameras set in the room and 3-axis accelerometers attached to the waist of each child. The video signal is processed by OKAO Vision (OMRON Corporation). The unification of data from the two sensors enables us to detect the concentration level of each child and the propagation pattern of laughing among the children.
著者
宮村 会実佳 金田 健志 佐藤 泰史 重里 有三
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
真空 (ISSN:05598516)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.432-436, 2007 (Released:2008-01-01)
参考文献数
13

Photocatalytic activities of titanium dioxide (TiO2) films deposited by rf sputtering were investigated from view points of their internal stress. TiO2 films were deposited on fused quartz glass or 100 μm thick micro-sheet glass substrates at room temperature, 200 or 400°C under various total gas pressures (Ptot) of 0.3~5.0 Pa with oxygen flow ratio [O2/(O2+Ar)] of 60% using a Ti metal target. Photocatalytic activity was evaluated by photodecomposition of acetaldehyde (CH3CHO) under UV illumination (black light lamp, 0.4 mW/cm2). Compressive internal stress was estimated by cantilever method using the micro-sheet glass, which clearly decreased from -2.1 to -0.1 GPa with the increase in the Ptot from 0.3 to 3.0 Pa. The films with the compressive stress less than -0.5 GPa performed the photocatalytic activity. Furthermore, compressive or tensile stress was applied by external force on the TiO2 films deposited on the curved micro sheet glasses by flattening these substrates after the deposition. The photodecomposition activity of the films with the slight compressive stress improved clearly, whereas the one of the films with the tensile stress degraded.
著者
杉浦 令人 和田 弘 櫻井 宏明 鬼頭 良介 合川 善浩 齋藤 有紀 角田 利彦 本谷 郁雄 朴 英浩 田村 亮介 緒方 真己 川原 有貴子 金田 嘉清
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.E3P1196, 2009 (Released:2009-04-25)

【目的】平成18年4月に介護保険法が改正された.中でも転倒予防への取り組みは重視されており全国2/3の自治体が地域高齢者を対象に転倒予防教室を実施している.しかし、それらの活動の効果は立証されておらず、さらに要介護高齢者の転倒予防効果はほとんど報告されていない.そこで、本研究の目的は要介護高齢者が行える『安全・楽しく・長く』を念頭に構成した集団リズム運動が心身機能にどのような効果をもたらすのかを検証することである.【対象】M県の通所サービスを利用している要支援1~要介護2の19名(平均年齢/79.9±7.0歳、男:女/7:12)を対象とした.次の項目の該当者は対象外とした.(1)独歩不可能(2)運動の説明が理解困難な認知症を有す(3)急速に進行中の進行性疾患、急性疾患や不安定な慢性疾患、6ヶ月以内の心筋梗塞や下肢骨折(4)ADLで介助を有す方である.対象者を無作為に2群に割付け、個別運動と集団リズム運動を行う群を介入群、個別運動のみを行う群を対照群とした.【方法】介入前と6週後に身長、体重、BMI、握力、膝伸展筋力、坐位体前屈、開眼片脚立位、Functional Reach Test(以下FRT)、Timed Up & Go Test、歩行能力、Profile of Mood States(以下POMS)、Falls Efficacy Scale(以下FES)の測定を行った.個別運動は中川らが考案した運動を採用した.体力測定の結果を基に5~6種類の運動を選択し個別プログラムを作成した.回数は運動毎に8~10回×2~3セット、頻度は週5回、期間は6週間とした.集団リズム運動は第1~3ステージより構成され、全て音楽に合わせて行った.第1ステージでは足踏み、支持面固定での重心移動、スクワット等を行った.第2ステージでは歌詞に合わせ運動を行った.第3ステージでは『1・2・3』と足踏みをし『3』の時、一歩足を出し、それを前後左右へと繰り返した.両運動の強度はBorgScale12~13とし微調整は重錘ベルトにて行った.各群の効果判定として介入前後における体力測定の結果を比較した.介入前後の両群間の比較、さらには体力測定の各項目において変化量を介入前の値で除した値を両群ともに算出しその割合を比較した.尚、本研究は当法人倫理審査委員会の承認を得た.【結果】各群の介入前後を比較したところ介入群では坐位体前屈、FRT、最大歩行速度にて有意な向上が認められた(p<0.05).FESでは有意差は認められなかったが向上傾向を示した.対照群では膝伸展筋力、POMS(T-A)にて有意な向上・改善が認められた(p<0.01).両群間の比較では介入前後ともにFRTにて有意差が認められた(p<0.01).両群間の変化量の比較では有意差は認められなかった.【考察】6週間の短期介入にて介入群では柔軟性、バランス、歩行能力の向上が認められ、また転倒恐怖心が減少傾向を示した.よって、今回提案した集団リズム運動は転倒予防への可能性が示唆された.対照群では下肢筋力の向上が認められ個別プログラムの有用性を再認識した.
著者
足利 健亮 金田 章裕 応地 利明 成田 孝三 山田 誠 青木 伸好
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1992

都市の立地決定は、計画都市の場合、大別して二つのタイプに分かれる。一つは近代以前に多いタイプで、立地決定が1人の権力者によって為されるものである。もう一つは近現代に多いタイプで、権力者というよりは為政者の合議によって決定が下される。後者のタイプは、特に時代が新しいものは、立地決定に至る経過が記録に残されていると考えてよいから、それを把握することは容易である。しかし、北海道の諸都市や新大陸の諸都市でも、19世紀以前の計画都市では、立地決定に至る経過の完全な復原は、史料の散逸ではやくも困難になっていることが多い。一方、近代以前の計画都市の選地にあたっては、多くの場合選地主体者たる権力者の意図が記録されることはない(戦略機密なので)から、文献史料による方法で「意図」と「経過」を解くことは不可能と言ってよい。ところが、都市が作られたという事実は地表に、従って地図上に記録されて残り続けてきているから、これを資料として上記設問の解答を引き出すことが可能となる。徳川家康や織田信長の城と城下町の経営の意図、つまり安土や江戸をどうして選んだかという問題は、上記の歴史地理学的手法による研究で解答を得ることができた。例えば、江戸を徳川家康が選んで自らの権力の基盤都市として作ったのは、不確かな通説とは異なり、富士が見えるという意外な側面の事実を「不死身」と読みかえて、自身の納得できる理由[選地理由]としたと説明する方が明快であることを、研究代表者は明らかにした。その他、各研究分担者によって日本古代地方官衙、同近代の計画都市、前近代アジア都市、アメリカ・ワシントン、カナダ諸都市など具体的に取り上げて選地理由と経過を明快に説明する結果を得た。詳細は、報告書(冊子)に論述された通りである。
著者
金田 利子 鐙屋 真理子 伊藤 葉子 斎藤 政子 宍戸 健夫 水野 恵子 劉 郷英 一見 真理子 伊藤 葉子 齊籐 政子 宍戸 健夫 水野 恵子 劉 郷英 劉 蓮蘭
出版者
白梅学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

乳幼児保育における母性意識の国際比較を、日・中・米・スウェーデンを対象に行ったものである。母性意識としては、政策が保育所拡大方向に変わっても日本においてはなお浸透している「3歳児神話」を中心に、ジェンダー意識、育児意識、0歳児集団保育意識においた。方法は、意識を捉えるため評定尺度による質問紙調査と、その意味を深めるためのフォ-カスインタビューの二つを重ね合わせて用いた。その結果、国間の有意差は見られたものの、4ヵ国を貫く因子は見いだせず、国による傾向というよりは、事項毎に異なること、また、質問紙への答えが同じでもその内実は全く異なり、文化・民族・制度との関わりの大きさが窺えた。
著者
石橋 孝昭 金田 圭市 古屋 武志 五反田 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.146, pp.7-12, 2003-06-19
参考文献数
12
被引用文献数
2

本論文では,周波数領域ICAの成分置換問題について分割スペクトルのパワーと位相に基づく解決法を提案する.具体的には,2音源2マイクの場合を考え,音源の一つは第1マイク側に,もう一つは第2マイク側にあるという仮定の下で,分割スペクトルのパワー差と位相差を用いた成分置換の判定則を導出する.そして,この判定則に基づいて成分置換を修正する方法を提案する.この修正則は,通常のように音源が話者音声と雑音の組み合わせのときだけでなく,雨音源とも話者音声のときでも成分置換を高精度で解決し,しかも音源を順序通り正しく推定する特徴を持っている.そのため,目的音声のみを簡単に抽出することができる.提案法の有効性は実環境下での分離抽出実験によって確認した.この実験から,同時に,マイク間隔が広い場合にはパワーに基づく成分置換の解決法が有効であり,マイク間隔が狭い場合には位相に基づく成分置換の解決法が有効であることが分かった.