著者
小林 祥子 金田 勇
出版者
一般社団法人 日本レオロジー学会
雑誌
日本レオロジー学会誌 (ISSN:03871533)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.139-143, 2018-06-15 (Released:2018-08-31)
参考文献数
8
被引用文献数
1

UDON is a type of traditional Japanese noodles. “TEUCHI UDON” are made by kneading and rolling wheat flour, cutting it into strips, and then boiling them. One of the visible characteristics of “TEUCHI UDON” is sharp edge that appears in the ridge of the noodles, and such visual effect, in addition to the mechanical properties of noodles, greatly enhances the taste. To understand why the “edge” appears in the UDON noodles, we investigated the change in the shape and mechanical properties of UDON noodles during cooking. Moreover, we performed quantitative evaluation of the “edge” using image analysis of the cross-section of the UDON noodles during cooking. Image analysis showed that the structure of the gluten network and shape of the starch granules observed in the rolling side was different from that in the cut end. Furthermore, results of compression test revealed that the mechanical characteristics of these two ends were different from each other. We suppose that there is anisotropy in the swelling behavior of UDON noodles.
著者
高橋 成実 小平 秀一 佐藤 壮 山下 幹也 海宝 由佳 三浦 誠一 野 徹雄 瀧澤 薫 野口 直人 下村 典夫 金田 義行
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.124, no.5, pp.813-827, 2015-10-25 (Released:2015-11-04)
参考文献数
52
被引用文献数
6 8

Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology carried out seismic surveys using ocean bottom seismographs (OBSs) and a multi-channel reflection survey system from 2004 to understand the structural characteristics and the continuity of the Izu–Ogasawara Arc crust. The Izu–Ogasawara Arc developed from the oceanic crust and produced andesitic middle crusts. The velocity is similar to that identified in the continental crust, and the initial continental crust might have been produced during development of the arc crust. To investigate the process of the Izu–Ogasawara Arc crust, many 2-D velocity structures are compared using unified specifications of data acquisition and analysis, and structural commonalities and differences are evaluated. The specification was confirmed previously through simulation studies using the structure obtained. These arc crustal structures have common characteristics, which are an upper crust with a Vp of 4.5–6.0 km/s, a middle crust with a Vp of 6.0–6.5 km/s, and a lower crust with a Vp of 6.5–7.5 km/s. The lower crust is composed of two layers; the upper part has a Vp of 6.5–6.8 km/s and the lower part has a Vp of 6.8–7.5 km/s. The uppermost mantle has a Vp of less than 8.0 km/s. Development of the arc crust results in crustal thickening accompanied by rifting. Back arc opening after rifting plays the role of crustal thinning. The Shikoku Basin, which is the older backarc basin, has a relatively thin crust with a thickness of approximately 10 km, and the eastern part has a high velocity lower crust with a Vp of over 7 km/s. In addition, the upper crust of the eastern part of the Shikoku Basin has some intrusive materials and strike slip faults with few vertical displacements. Such a high-velocity lower crust is not distributed in the Parece Vela basin. The Ogasawara Ridge has different characteristics from the above arc crust, which are a crustal thickness of approximately 20 km but a complicated structure including a narrow and thin crust in the N–S direction. Here, we introduce the structural characteristics of the entire Izu–Ogasawara Arc crusts based on unified seismic surveys and data analysis methods.
著者
金田 康秀
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.278-286, 2014 (Released:2015-03-30)
参考文献数
60

Vogt-小柳-原田病(原田病)は,本邦では2番目に多いぶどう膜炎である。自己のメラノサイトに対する自己免疫性疾患と考えられており,汎ぶどう膜炎に加え,中枢神経症状,内耳症状,皮膚症状をきたすことが特徴的である。標準治療は全身的なステロイド大量療法である。更に不十分なステロイド剤使用は再燃や遷延化を招く。今回,B 型肝炎ウイルスキャリアに初発した原田病に対し,ステロイド剤を一切使用せずに竜胆瀉肝湯(一貫堂)と五苓散の併用が奏効した一例を経験したので報告する。症例:40歳男性。両)霧視を主訴に近医眼科を受診し,両)黄斑症を認め当科に紹介。原田病と診断し,和漢診療学的に軽度の水滞・瘀血を伴う足厥陰肝経の湿熱と捉え,竜胆瀉肝湯(一貫堂)と五苓散を投与した。結果,翌日から徐々に視力が改善し始め,ステロイド剤を使用することなく治癒した。原田病に漢方単独の治療が選択肢になり得ることが示唆された。
著者
金田 美世 清水 隆宏 河田 克博
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.686, pp.915-924, 2013-04-30 (Released:2013-06-04)
参考文献数
17

1. This thesis mentions about 142 stained glass works which are thought to be made by Shintaro Kiuchi, based on files and data which the Kiuchi family has kept.2. The designs of those works are classified into two --- abstract and concrete. Then they are categorized more into details.3. While the design of stained glasses in Japan didn't change much from the Meiji era to the end of Taisho era, ship designs were comparatively found a lot. This is because of the prosperity of shipping business, which reflected the new era's arrival. Also, it was because Shintaro Kiuchi was fond of ships.
著者
永井 貴博 吉田 仁 黒田 久泰 金田 康正
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.48, no.SIG13(ACS19), pp.214-222, 2007-08-15

並列計算機の性能向上や数値計算法の進展は,大規模科学技術計算における大きな鍵となっている。特に浮動小数点数における演算においては、計算規模が増すに従ってより多くの計算量を必要とし、計算誤差も増大する。そのために、倍精度演算より有効桁数が多い 4 倍精度演算の必要性が高まってきており注目されている。4 倍精度数の表現には、倍精度浮動小数点数を 2 つ用いて表される 128 ビットデータ型があるが、SR11000 モデル J2 上の Hitachi 最適化コンパイラにおいて、4 倍精度演算は 2 つの倍精度データ型を用いてソフトウェアによって実現されており、倍精度演算に比べより多くの計算回数を必要とする。そこで本研究では、SR11000 モデル J2 上の Hitachi 最適化コンパイラを用いて 4 倍精度演算を定量的に解析し、FMA 命令 (Fused Multiply-Add) を用いて演算回数を削減することによって高速化を行い、最大で約 1.5 倍の高速な 4 倍精度積和演算を実現した。
著者
金田 明子
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.43-55, 2006-12-25 (Released:2009-05-29)
参考文献数
14

In his book, The Concept of Logical Consequence, Etchemendy claims that the currently standard model-theoretic account of logical consequence is "the interpretational semantics" and does not capture logicality. The purpose of this paper is to defend the model-theoretic account from Etchemendy's criticisms. Through comparison with Sher's "Tarskian logic" and her model-theoretic definition of logical constants, I aim to demonstrate that the basis of Etchemendy's arguments are mistaken. I then explain that the model-theoretic account of logical consequence guarantees its logicality by the semantic functions of logical constants.
著者
横田 俊平 名古 希実 金田 宜子 土田 博和 森 雅亮
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.98-107, 2020 (Released:2020-07-11)
参考文献数
41

2019年12月中国武漢市から始まった新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染症(COVID-19)はパンデミックとなり,世界215か国に広がり,多くの感染者,重症者,死亡者を出しつつその勢いを減じる気配はない.臨床的特徴は,発熱,乾性咳嗽,倦怠感を訴える例が多く,また,病態的には無症状から急性呼吸窮迫症候群や多臓器不全まで幅が広い.小児例は罹患数が少なく重症化することが少ないとされるが,一方,こども病院に搬送される例を詳細に検討すると多くの低年齢児が罹患しており,呼吸不全や多臓器不全を呈する例が少なくない.また,アメリカにおいて重篤感染例から逆算したSARS-CoV-2感染例はきわめて多く,早急の対策が求められている.妊娠中の母親がCOVID-19を発症した場合,帝王切開による分娩が勧められ,また,児への垂直感染は稀であることが明らかになった.他方,出生直後から感染が高頻度に起こるため,出生後直ちに母子分離を図り母乳栄養は避けることが推奨されている.小児期の慢性疾患の中でもステロイド薬,免疫抑制薬,生物学的製剤などを使用している小児リウマチ性疾患児は感染症に対して高感受性群と考えられるが,一方で,抗IL-6受容体モノクローナル抗体やhydroxychloroquineなどの抗リウマチ薬がCOVID-19の呼吸窮迫症候群から多臓器不全への移行期におけるcytokine storm interventionに有効であることが報告されている.免疫抑制薬をこのような慢性炎症性疾患の小児に継続投与を維持するかどうかは大きな問題である.最近,欧米においてSARS-CoV-2感染と川崎病発症との関連性が疑われているが,報告も少なく診断の点で問題があり,川崎病ではなく全身性血管炎として推移を見守ればよいと思われる.
著者
本郷 儀人 金田 大
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.90-95, 2009-03-20 (Released:2011-03-20)
参考文献数
15
被引用文献数
5 6

一般にフクロウはネズミなどの小型哺乳類や小型鳥類及び両生類などを主食とし,昆虫類は稀にしか捕食しないと考えられている。しかしながら我々は,フクロウが,餌動物としてはこれまでに報告がなかったカブトムシを捕食することを発見した。さらに,フクロウのカブトムシに対する狩り行動についても観察することができた。そこで,フクロウの詳細な狩り行動についてと,夏季のある時期に非常に頻繁に捕食することを合わせて報告する。
著者
岡田 啓司 加崎 弘康 東郷 幸 冨澤 伸行 原 茂雄 金田 義宏
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.673-676, 1995-09-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
13

健康なビーグル犬各7頭に, 消風散, 当帰飲子, 小柴胡湯および小青龍湯の漢方方剤1.25g (小青龍湯は1.5g) を朝, 夕2回に分割して連続7日間経口投与したところ, 消風散を除く3方剤により, Compound 48/80に対する皮内反応を指標とした肥満細胞脱顆粒作用は有意に抑制され, 当帰飲子を除く3方剤により, リン酸ヒスタミンに対する皮内反応を指標とした抗ヒスタミン作用は有意に増強された. また, 小青龍湯および小柴胡湯投与開始後7日には, 血中Cortisol濃度が投与開始前に比べて有意に増加した.
著者
落合 雄彦 金田 知子
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷法学 (ISSN:02864258)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.531-550, 2008-12-26
著者
伊東 秀幸 大西 守 田中 英樹 桑原 寛 伊藤 真人 大塚 俊弘 野口 正行 金田一 正史 斎藤 秀一 山本 賢 呉 恩恵
出版者
田園調布学園大学
雑誌
田園調布学園大学紀要 = Bulletin of Den-en Chofu University (ISSN:18828205)
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-31, 2016-03

精神障害者支援に関して,市町村は精神障害者に対して身近な地域できめ細かく支援していく役割があり,保健所はその市町村に対して専門性や広域性が必要な事項について支援していく役割がある。また,精神保健福祉センターは,保健所,市町村に対する技術援助の役割を担っている。以上のように各機関は,それぞれ異なる役割を期待されているが,精神保健福祉法の改正や障害者自立支援法の施行などもあり,精神保健福祉行政を取り巻く環境は大きく変化している。そのため,保健所,市町村そして精神保健福祉センターによる精神障害者に対する支援の現状を把握し,それぞれの機関の果たすべき役割について見直していくことが重要である。そこで本研究では,厚生労働省平成26 年度障害者総合福祉推進事業「保健所及び市町村における精神障害者支援に関する全国調査」の結果から,保健所及び人口30 万人未満の市町村のデータを抽出し,精神障害者支援に関する,保健所と市町村の役割とその現状について考察を試みた。調査の結果から,指定都市型保健所,中核市型保健所や10 万人未満,30 万人未満の市町村においては,精神障害者支援に関する様々な取り組みがされているのに対し,都道府県型保健所ではこれまでの事業を中心に実施されている現状が分かった。これは,都道府県型保健所と市町村との間で精神障害者支援に関する役割分担が進んでいることからくることと推測される。30 万人未満の市町村では,精神障害者支援に関して,これまでの都道府県中心から市町村主体と変わっているが,その実施にあたり様々な困難を抱えており,これからも都道府県(保健所)等のバックアップが必要と考えている。そのための具体的な対策としては,保健所や精神保健福祉センターによるバックアップ体制を強化するとしている。一方,保健所は,今後重要となる精神保健福祉業務の体制については,管内市町村との連携強化を考えているという現状が把握できた。精神保健福祉センターに対する調査では,精神保健福祉センターの業務のうち保健所への技術援助は積極的に取り組む必要があるとしている。以上のことから,今後,保健所から管轄市町村に対して,これまで以上に技術援助や連携を進めていくことが必要であり,精神保健福祉センターからの技術支援は,保健所はもとより直接的に市町村にも積極的に進めることが課題であると思われる。また,「保健所及び市町村における精神保健福祉業務運営要領」は,平成18 年に発出以来10 年が経過していることから,現状にあった改訂の必要性があると思われる。
著者
金田 忠吉 海川 正人 Smgh M Rohinikumar 中村 千春 森 直樹
出版者
日本育種学会
雑誌
Breeding science (ISSN:13447610)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.159-166, 1996-06
被引用文献数
1

マニプール州はアッサム州の南東に位置し,アジア栽培稲の.多様性中心地の一角を占めている.ここで収集された在来稲鼎種は約270のMRC (Manlpur Rice Collection)として整理され,農業特性が調査されているが,その一部の譲渡を哩けて2,3の生埋的・形態的特性と葉緑体および全DNAの解析を行い,各品種ごとの遺伝的特性とその栽培地域との関係から牛.態種の分化の様相を明らかにした 供試材料はマニプール州の'在来品種.51と改良型10品種.で,対照としてJaponica5(日本品種3といわゆるJavanica2)品種及びIndica2品種を用いた(Tab1e1).まず内外穎のフェノール反応,2〜3葉期の苗の1.5%塩素酸カリ溶液に対する抵抗性,および穎毛の長さを用いた判別関数Z他による48在来品種0)分類では,32品種がIndica,5品種がJaponica,11品種が中間型となった.