著者
金原 ひとみ
出版者
新潮社
雑誌
新潮
巻号頁・発行日
vol.116, no.1, pp.265-288, 2019-01
著者
金森 敬文
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.97-111, 2014-09-26 (Released:2015-04-30)
参考文献数
15

密度比は2つの確率密度の比として定義され,さまざまな統計的推論と関連し,応用されている.本稿では,まず密度比の推定法について紹介する.また密度比を用いて,2つの確率密度の非類似度を測る尺度であるダイバージェンスを推定する方法について解説する.さらにダイバージェンス推定を2標本検定に応用した結果について述べる.理論的考察や数値実験を通して,提案法の優位性を示す.
著者
柳樂 明佳 芦田 欣也 真壁 昇 宮澤 靖 富田 則明 秋山 和宏 川島 昭浩 金子 哲夫 山地 健人
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.711-716, 2012 (Released:2012-05-10)
参考文献数
16
被引用文献数
2

経管栄養時の胃食道逆流の発生に栄養剤の胃内滞留量が関与すると考えられている。そのため、本試験ではラットを用いて酸性半消化態流動食の胃排出を、類似の栄養組成をもつ中性半消化態流動食と比較評価した。流動食固形分の胃排出は中性半消化態流動食より酸性半消化態流動食の方が速かった。さらに、胃内容物の液相部分の胃排出には両者に差はなかったが、固相部分の胃排出は中性半消化態流動食より酸性半消化態流動食の方が速いことが示唆された。そこで各流動食の人工胃液消化試験を行ったところ、中性半消化態流動食では酸によるカード化のため、凝固物の形成が認められたのに対し酸性半消化態流動食では認められなかった。以上の結果から、酸性半消化態流動食は中性半消化態流動食と比較して胃排出が速く、その理由の一つとして、酸性半消化態流動食では中性半消化態流動食で観察される胃内でのカード形成が起こらないことが考えられた。
著者
金田 章裕
出版者
The Human Geographical Society of Japan
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.193-214, 1982-06-28 (Released:2009-04-28)
参考文献数
70
被引用文献数
1 1

1. The Jori Grid Pattern System is characterized by an interval network of paths and ditches, which divide a given area into units measuring approximately 109m square. By the middle of the 8th Century the system consisted of such a grid pattern, with the arable land in each section divided into regular allotments. About the middle of the 8th Century a new system was introduced, by which the entire Jori System was organized into “Jo”, “Ri” and “Tsubo”. The “Tsubo” was the smallest section of the square, consisting of approximately 1.2 hectares, the “Ri” comprised 36 “Tsubo”, or approximately 654m square, and the “Jo” was a liniar arrangement of “Ri”, whose exact organization varied according to region.In some provinces, such as Settsu, Sanuki and Awa, historical evidence shows that the system of land unit indication followed three stages, as follows: 1) according to former small place names 2) according to the Jori Numbering System with place names attached to it 3) according to the Jori Numbering System onlyA number of historical materials show the process from 2) to 3) in Yamato, Yamashiro, Iga, Ohmi and Echizen provinces in accordance with the fixation of the Jori Numbering System. However this Jori Indication System was not introduced at a time. In Yamashiro province, this system was introduced by 743, but in Sanuki, it came after 757 and before 763, and in Settsu, after 756 and before 767.2. The former type of small place name was divided or changed to fit with the Jori Grid Pattern in stage 1) or 2). This process is shown for Kuso-oki region, Echizen Province in the 8th century (Fig.7). Some of former types of small place names, which were quite extensive (See Fig.7 Left), were divided and changed (See Fig.7 Right) in accordance with increase in arable land.However all of the former types of small place names were not divided in the 8th century. In the Kinki District (near the Capital of Ancient Japan), the greater part of those place names already fit the Jori grid pattern, as shown in Fig.6, but others fit only partially, as shown in Fig.5.In the case of Echizen province, not so far from the capital, those place names partly fitted or were in the process of such adaptation as above mentioned. In the case of Etchu province, far from the capital, such place names were not divided as shown in Fig.8. In the last case, the Jori Indication System was established at once, but the enforcement of the Jori Grid Pattern was probably incomplete, and the Jori Indication System does not seem to have been fixed perfectly.3. After the enforcement of the Jori Grid Pattern and the fixation of the Jori Indication System, the latter began to deteriorate. An early sign of this process was found in the 10th century. In medieval times the small place name began to be used side by side with the Jori Indication System. Almost all these new small place names designated the smallest section of the Jori Grid Pattern. By the end of the Medieval Period, this small place name system became generalized even on the Jori Grid Pattern.4. The plan of the Jori Grid Pattern was completed in the middle of the 8th century, with the introduction of the Jori Indication System. This plan undoubtedly was connected with Handenshuju, one of the important policies of the ancient “Ritsuryo” period, but “Ritsuryo” was established by 701 at the latest. Accordingly, the plan of the Jori Grid Pattern, especially the Jori Indication System, was not peculiar only to “Ritsuryo”. It was necessary for registry affairs rather than for Handenshuju itself. Since the 8th century, the bureaucratic procedures for distinction between private lands and government owned lands became very important, in accordance with the increase of private land.
著者
葉梨 輝 金野 俊洋 櫻井 敏博 今川 和彦
出版者
日本哺乳動物卵子学会
雑誌
Journal of mammalian ova research = 日本哺乳動物卵子学会誌 (ISSN:13417738)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.214-220, 2009-10-01
参考文献数
28
被引用文献数
1

レトロウイルスは新しい遺伝子を取り込み,その機能を獲得,発揮することが出来る.実際,レトロウイルスの一種であるラウス肉腫ウイルスは宿主に感染することによって,宿主の持つがん遺伝子srcを取り込み,それを自らのゲノムの一部にしたことは良く知られている.このようにレトロウイルス側が宿主細胞側の遺伝子を取り込み利用することが可能であれば,それとは逆に,細胞生物側がレトロウイルス由来の遺伝子を取り込んで利用することがあっても不思議ではない.脊椎動物のゲノム上にはレトロウイルス由来と思われる配列が数多く存在しており,内在性レトロウイルス(Endogenous Retrovirus, ERV)と呼ばれている.そして,それら遺伝子の発現は,哺乳類において特徴ともいえる"胎盤"で高いことが知られている.このようなレトロウイルス由来タンパクの組織特異的な発現とその機能を考えれば,レトロウイルス由来の遺伝子が胎盤の形成機構に関与している可能性は高い.本論文では,哺乳類,特にヒトにおける胎盤形成のメカニズムと内在性レトロウイルスの関係について,胎盤に発現するERV由来タンパクsyncytinを中心に,今後の展望を交え述べていく.<br>
著者
金澤 英作
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
pp.201110, (Released:2020-12-05)

日本における歯の人類学は,戦後隆盛期を迎えたがその萌芽は明治時代からあった。小金井良精をはじめとする人類学者がむし歯や抜歯風習の研究を始めていた。昭和になってから藤田恒太郎が現れ,歯の解剖学を確立するとともに,歯のもつ様々な形態の研究を通して歯の人類学の可能性を示した。その門下からは多くの歯の人類学者が出たが,その一人が埴原和郎であった。埴原は特定の歯の変異形質がアジア人に多く出現することを示し,これをモンゴロイド・デンタル・コンプレックスと呼んで発表した。埴原に続く世代では,縄文人や弥生人のような日本の古人骨やアジア太平洋地域の様々な集団の歯の形質が調べられ,日本人の成立過程やアジアにおける人の移動に関する仮説などが出された。1990年代は歯の人類学が最も盛んな時期であり,メトリックやノンメトリック形質ばかりでなく,三次元形態,古病理学,霊長類の歯,咬耗,咬合,遺伝など様々な観点から人類学的研究が行われたが,2000年以後になると次第に研究者は少なくなってきている。歯の持つ情報は無限であると思われるが,そこから何を引き出すかが今後の課題であろう。
著者
高橋 正弘 金子 精一
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医科学と統計利用
巻号頁・発行日
vol.1981, no.6, pp.21-25, 1981

「全国食中毒事件録」 (厚生省) に記載されている東京都および神奈川県の食中毒事例のうち, 原因食品, 原因物質, 原因施設および摂食場所の要因ならびに患者および死者数を用い, 各要因の相互関連を数量化理論第III類により解析した。検討した期間は1973~1977年の5年間である。原因食品は15, 原因物質は9, 原因施設は12, 摂食場所は8のカテゴリーにそれぞれ分け, 計4アイテム・44カテゴリーを解析に用いた。<BR>数量化理論第III類による解析では, 1973~1974年の各カテゴリーは腸炎ビブリオ系, それ以外の細菌性食中毒系, 不明系の3つの類似性をもった群に大別され, 食中毒の発生状況が異常であった1975~1976年は, 3群に明確に区別されないなど, 両者で異なる構造をもつことが推察された。<BR>つぎに, 患者数および死者数の増加に関与するアイテム・カテゴリーを数量化理論第I類で推定したところ, 患者数は, アイテムでは原因施設, 摂食場所, カテゴリーでは学校, 仕出し屋が強く関与し, 死者数は, アイテムでは原因物質, 原因食品, カテゴリーではボツリヌス菌, 自然毒, 野菜類がそれぞれ強く関与していることが明らかになった。<BR>このように, 数量化理論の応用は, 食中毒要因の相互関連を計量的に把握することを可能にし, その中から患者数・死者数を減少させるための行政対策を立案することができた。
著者
鶴田 浩子 田代 淑子 丸茂 貴子 加藤 京子 菅原 哲也 米山 淳子 川井 三恵 金子 昌弘 須賀 万智
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.673-680, 2020 (Released:2020-12-01)
参考文献数
9

公益財団法人東京都予防医学協会は、人間ドック受診者のサービスの一環として検査終了時に弁当を提供している。2013年度より、食育を目的として弁当のリニューアルと管理栄養士による講話を実施した。併せてアンケートを実施して、結果に基づきサービスを改善するPDCA サイクルを取り入れた。 評価指標は、「満足度」、「講話の参加有無」、「今後も本企画のある人間ドックを受けたいと思うか」の3項目とした。5年間の継続的な取り組みの結果、3項目とも上昇傾向が見られた。PDCA サイクルを回しながら改善の努力を着実に積み重ねたことが、受診者に受け入れられやすい食育の実現につながったと考える。
著者
横光 健吾 金井 嘉宏 佐藤 健二 杣取 恵太 坂野 雄二
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
pp.28.1.7, (Released:2019-06-07)
参考文献数
20

The purpose of this cross-sectional study was to examine the relationship between happiness, satisfaction, and the psychological effects of consuming “shikohin” at social events on psychological health. Five hundred and thirty-two participants (270 men, 262 women; mean age=44.91 years, SD=13.81 years) from a community sample in Tokyo, Kanagawa, Saitama, and Chiba completed a set of questionnaires and the data were analyzed. The results of partial correlation analyses showed that when people experienced positive and negative social life events, the psychological effects of consuming “shikohin” showed a weak but positive correlation with happiness and satisfaction.
著者
新島 和孝 太田 直哉 金谷 健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.118, pp.1-8, 1999-09-19
参考文献数
12
被引用文献数
1

自動車の運転者の支援を目的として、死角となりやすい左右後方から近付いて来る車両を画像処理を用いて検出する。検出のために用いる基礎的情報は画像の動き(オプティカルフロー)であるが、一般に画像の動きを計算するためのに必要な演算量は多く、それを実行するためには高価な装置を必要とする。これに対し、ここでは昆虫が複眼のような単純なセンサによる情報と、簡単な神経系による処理で十分な情報を得ていることに注目し、荒い解像度の画像情報と簡単な処理により目的を達成することを試みる。実験には通常のカメラと計算機を使用しているが、将来的にはフォトダイオードアレーのような簡単な受光素子と電子回路で装置を実現することを想定している。
著者
芳野 由利子 陸 慧敏 金 亨燮 村上 誠一 青木 隆敏 木戸 尚治
出版者
医用画像情報学会
雑誌
医用画像情報学会雑誌 (ISSN:09101543)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.77-82, 2019-06-30 (Released:2019-06-28)
参考文献数
14

A temporal subtraction image is obtained by subtracting a previous image, which are warped to match between the structures of the previous image and one of a current image, from the current image. The temporal subtraction technique removes normal structures and enhances interval changes such as new lesions and changes of existing abnormalities from a medical image. However, many artifacts remain on a temporal subtraction image and these can be detected as false positives on the subtraction images. In this paper, we propose a 3D-CNN after initial nodule candidates are detected using temporal subtraction technique. To compare the proposed 3D-CNN, we used 7 model architectures, which are 3D ShallowNet, 3D-AlexNet, 3D-VGG11, 3D-VGG13, 3D-ResNet8, 3D-ResNet20, 3D-ResNet32, with these performance on 28 thoracic MDCT cases including 28 small-sized lung nodules. The higher performance is showed on 3D-AlexNet.
著者
前田 侑亮 金 明哲
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.3-22, 2019

<p> 関西都市圏は「私鉄王国」と呼ばれており,関西5私鉄(近鉄・京阪・南海・阪急・阪神)は競って沿線を開発し,関西都市圏の街づくりの一角を担ってきた.本研究では,関西5私鉄の沿線を文化的価値の側面から定量的に分析し,沿線の特徴を明らかにすることを目的とする.分析においては,どの駅勢圏にどの文化施設等が何回出現したかという頻度行列を作成し,そのカウントデータが持つ情報そのものに焦点を当てられるトピックモデルLDAを用いた.分析の結果,関西5私鉄の沿線には6つの特性が潜んでいると分かった.また,これらの特性を整理し各社の主要路線を分類すると,「歴史的な沿線を持ち,地域密着型の商業地域が目立つ路線」,「都心とその間の郊外を結び,良好な生活環境が整備された路線」,「都心と文教地区を走り,通勤通学の足としての性格が強い路線」の3つに分けることができた.</p>