著者
服部 友里 渡邊 伸行 鈴木 敦命
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
pp.38.6, (Released:2019-09-10)
参考文献数
52

It has recently been reported that a person’s face is perceived as more attractive when presented in a group than when presented alone. This phenomenon is called the cheerleader effect. To distinguish this effect from classical assimilation and contrast effects, this study examined if it was observable when similarly attractive faces were presented in a group. It also explored whether the cheerleader effect was modulated by the combination of the observer and face gender, considering that there are well-known gender differences in face processing. In each trial of the experiment, participants rated the physical attractiveness of a target face that was presented alone or together with two different faces. In the latter type of trial, the three faces were of the same gender and were of similar attractiveness. The cheerleader effect was successfully replicated in the present experimental setting, and the size of the effect was particularly large when female participants rated male faces. These findings indicate that the cheerleader effect may occur through mechanisms that are different from assimilation and contrast with surrounding faces, and that the effect is subject to modulation by both observer and face gender.
著者
木股 文昭 石原 和弘 植木 貞人 内田 和也 小山 悦郎 佐藤 峰司 鈴木 敦生 高山 鐵朗 竹田 豊太郎 辻 浩 寺田 暁彦 中坊 真 浜ロ 博之 平野 舟一郎 松島 健 宮島 力雄 森 済 八木原 寛 山本 圭吾 渡辺 秀文
出版者
京都大学防災研究所
雑誌
京都大学防災研究所年報 (ISSN:0386412X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.35-43, 1999-04

1998年以降, 火山活動が活発化している岩手山火山において, 火山活動に伴う地殻上下変動とその圧力源を議論する目的で, 水準路線を設置し, 1998年7, 9, 11月に精密水準測量を実施した。1998年9月3日, 水準測量実施中に, 直下でM6.1の地震が発生し, 20cmに達する断層運動を水準測量で検出した。岩手山南麓ではこの4ヶ, 月間に4cmに達する山側隆起の上下変動が観測され, その圧力源は岩手山西方に深さ3km前後と推定される。Earthquake swarm is observed around the Iwate-san Volcano, Northeast Japan since 1998. The leveling route with distance of 36 km was set up around the volcano and the precise levelings have been repeated to discuss the crustal deformation four times in July, September, September and November in 1998. When the precise levelingis doing in September 3, 1998, earthquake of M6. 1 was occurred close to the volcano. One leveling team was making leveling in the epicenter area, Re-levelings were repeated since the next day of the earthquake, and coseisimic deformations of 20 cm are detected along the leveling route. However the precursor of the vertical movements is not recognized in the leveling data made just before the earthquake. Uplift of the Iwate-san Volcano is observed and which amounts to 4 cm in the period of July to November in 1998. The pressure sources of the vertical deformations are estimated to be under the west side of the volcano with depth of 3 kim, which is the almost the same location of the pressure estimated by GPS measurements and the DInSAR (Differential Interferometric SAR).
著者
鈴木 敦士 山本 幸弘 原 節子
出版者
成蹊大学理工学部
雑誌
成蹊大学理工学研究報告 (ISSN:18802265)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.1-8, 2011-12

The inhibitory effects of polyphenols ontained in plants extracts such as a rooibos tea extract(RTE) and a green tea extract(GTE) on digestive enzymes such as porcine pancreatic lipaseand a-amylase were investigated in the present work, since those polyphenols are expected to havevarious physiological activities. In addition, quercetin(Qu) and rutin(Ru) which are main constituents of RTE, and epigalocatechingallate(EGCG) and epigalocatechin(EGC) which are main constituents of GTE were evaluated to clarify the relation between the inhibitory effect and the structure of polyphenols.As results, it was found that GTE showed strong inhibitory effect for the lipase,and RTE gave the effect for amylase.The correlation between the chemical structures of plant polyphenols and inhibitory effects for the lipase and a-amylase wa ssuggested.
著者
鈴木 敦 菅谷 克行 鈴木 俊哉
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本課題では、同定が困難な甲骨文字を含む拓本資料の画像データベースを構築した。現在、甲骨文字研究においては『甲骨文合集』が一般に利用されるが、同書の印刷品質は再版以降低下しており、文字同定の典拠とする資料として難点がある。そこで、同書の素材となった旧著録のデジタル化を行った。また、ネットワークを通じた参照利用を円滑とするため、近年人文情報学の分野で画像データベースの公開手段の標準となりつつあるIIIF方式を採用し、課題代表者が旧著録原本を所蔵しているものについては一般公開を開始した。『甲骨文合集』と旧著録の対応関係については確認ができたものから順次公開していく予定である。
著者
鈴木 敦命
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.271-275, 2016-06-30 (Released:2017-07-03)
参考文献数
20

感情認知の神経心理学研究では感情と表出行動の対応関係がしばしば想定されてきた。この立場によると, 感情認知は他者の内的状態をその表出行動から読み解く一種の知覚的パターン認識である。しかし, 脳損傷研究は扁桃体や島などのいわゆる〝感情脳〟の役割を明らかにし, 他者と感情状態を疑似的に共有することが感情認知に寄与することを提案している。また, 感情と表情の対応関係を否定し, 文脈情報にもとづく推論が正確な感情認知に重要であると主張する研究者も少なくない。近年では, 感情認知の種々の手がかりの統合に関わる神経・認知メカニズムへの関心も高まっている。以上のように, 感情認知は多様な過程によって支えられている。このことは, 感情認知が脳機能障害に脆弱でもあり, 頑健でもあることを示唆する。つまり, 上記の一つの過程に異常が生じただけでも, 感情認知障害は起こりうる。一方で, 一つの過程の障害は他の正常な過程によって代償されうる。こうした感情認知の相反する特徴に臨床検査では留意する必要があるだろう。
著者
勝田 仁美 片田 範子 蝦名 美智子 二宮 啓子 半田 浩美 鈴木 敦子 楢木野 裕美 鎌田 佳奈美 筒井 真優美 飯村 直子 込山 洋美 村田 恵子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.12-25, 2001-08-31
参考文献数
17
被引用文献数
14 1

子どもが検査・処置をどのように体験しているのかを明らかにすることを目的として参加観察を行い, 子どもが処置を体験するプロセスの中で「覚悟」という現象と, 覚悟に至る要因が抽出された. 処置を受ける子どもと親, および処置を担当した看護者・医師の4者18組を対象とし, おもにgrounded theory approachを用いて, 処置場面の参加観察, および処置に対する思い・説明内容等について半構成的インタビューを実施し分析を行った. その結果, 以下のことが明らかとなった.<BR>子どもの"覚悟"という現象は,「処置を受けるにあたり, 情緒的・認知的・精神運動的側面のバランスをとり, 処置を主体的に受容している状態」であった. そして, 覚悟に影響を与える要因として【まわりのゆとり】【過去の経験のイメージ】【子どもが選択できる可能性】【まわりとの一体化】【処置に対する代償利益の確認】【自らする覚悟の宣言】が挙げられた.<BR>覚悟に影響する6つの要因はどれもが子どもの自我機能強化につながっており, その強化の仕方によって, (1) 子ども自身がもともと持っている認知・情動との調整をはかって行動化する力 (自我機能) が十分に発揮されるあり方, (2) 子どもが認知と情動との調整をはかる主体であるということをまわりも認めることで, 子どもが自己コントロール感を取り戻し, 自ら行動化しやすくなるあり方, (3) 子どもの中で拭いきれない強い情動のゆれ (自我機能を弱めさせる外界からの力) にタイミングよくふんぎりをつけさせて行動化できるあり方, の3つに大別され構造化されていた.
著者
北條 武 中田 圭 宇都 正孝 鈴木 敦秀
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.141-144, 2009-03-10

失敗プロジェクトの発生防止のために,リスク・マネジメントを導入している企業は多いが,失敗プロジェクトは依然として発生している.本稿では,プロジェクトの持つ4つの特性(顧客,仕様,技術,契約)からリスクの傾向を分析し,高難易度プロジェクトのリスク発生傾向とその対応方法について考察することにより,プロジェクトのリスクを早期に発見する重要性と有効な対応方法について提案する.
著者
北條 武 鈴木 敦秀 中田 圭 大内 準一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.144-147, 2008-03-14

多くのシステム開発プロジェクトを抱える組織や企業においては,失敗プロジェクトの発生防止は重要な課題である.その課題解決のために,リスク・マネジメントを導入している企業は多いが,失敗プロジェクトは依然として発生している.本稿では,高難易度プロジェクトが持っている特性を分析し,その共通的な特性から如何にリスクを識別し,分析し,リスクに対応するかについて考察するとともに,プロジェクトのリスクを早期に発見する必要性について提案する.
著者
蛯名 美智子 村田 恵子 鈴木 敦子 片田 範子 中野 綾美 筒井 真優美
出版者
神戸市看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

病院での検査・処置を受ける子どもが実際、どのように説明を受けているのかについて調査した。方法は参加観察及び、その後に子どもの親・医師・看護婦へのインタビューであった。研究対象は2〜13歳の18名の子どもとその親、それに関わる医師と看護婦であった。観察とインタビューから得られたデータは逐語的に整理され、研究者のグループによって分析された。その結果、以下のような4つの結果を得た。1.子どもが検査や処置について知らされた後から検査や処置中にわたって、自分で心理的に準備をしている。私たちはこの現象を子どもの心理的準備/決心、すなわち覚悟と名付けた。子どもが覚悟をして検査・処置に向かうためには、心地よい雰囲気、過去の検査イメージ、検査・処置の間に子どもに選択肢を与えた決定する機会、状況を人々と共に共有する間隔、検査・処置を受けることによって可能になる利益の保証、そして子ども自身による覚悟の宣言が必要であった。2.子どもの能力と医療者が認識する子どもの能力との間で、以下の3つの現象が観察された。それらは子どもの能力と子どもの能力に対する医療者の判断との間のずれ、検査・処置に対する子どもの反応と医療者の対応との間のずれ、そして子どもと医療者の双方の状況の理解に関するずれであった。3.子どもの検査・処置に参加する医師、看護婦、親の間で3つの役割がとられていた。1つは、検査・処置の子どもの反応をチェックすること、2番目の役割は検査・処置について子どもに説明すること、3番目の役割は子どもの覚悟を引き出し、それを維持させることであった。4.検査・処置の後の子どもの思いは、3つのタイプに分類された。3つのタイプとは、「私は頑張った」という思い、「私は頑張ろうとしたんだけど・・」という思い、「私はずっと頑張っているのに」という思い出あった。今後の研究課題は、コレラの結果からケアモデルを構築すること、精製されたケアモデルの効果を検証することである。
著者
鈴木 敦夫 長谷川 利治 伏見 正則 尾崎 俊治 澤木 勝茂 佐々木 美裕 鈴木 敦夫
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

本研究の成果は3つテーマに関して得られた。具体的には,Iインフラストラクチャーの最適運用・設計に関する研究,その中に,I-1高速道路の最適運用に関する研究,I-2救急車の最適運用に関する研究,I-3ハブ空港の最適配置の研究,I-4配置の数学モデルに関する研究,I-5その他最適化手法の応用,派生研究として,IIセンサーネットワークに関する研究,IIIファイナンス工学に関する研究にまとめられる。IIは,都市内のインフラストラクチャーの維持管理にワイアレスセンサーを用いることができる可能性から研究を進めた。IIIは,都市の開発プロジェクトをリアルオプションと呼ばれるファイナンス工学の応用手法をもちいることで定量的に評価できる可能性から研究を進めた。Iでは,高速道路の交通量データの分析,災害時避難経路問題の解法、救急車の配置問題の解法の提案、競争化でのハブ空港の配置問題,都市内の商業施設の競争的な配置の問題の解法の提案を行った。災害時に地下街や大学キャンパスから避難する方法をシミュレーションの手法を用いて分析を行った。IIでは,都市内の配置問題から派生して,センサーネットワーク関連の配置問題に取り組んで成果を挙げた。センサーネットワークの問題は,例えば,都市のインフラのひとつである橋梁の保守などにも用いることができる。橋梁の要所にセンサーを配置し,亀裂などの崩壊の兆しを事前に感知して警報を発することなど広く応用が期待される。ここでは,効率的なセンサーの配置について研究を行った。IIIでは,金融商品の分析、特に転換社債のゲーム論的な分析を行った。今後は都市内のプロジェクトを金融派生商品として評価する金融手法の基礎となる研究成果である。
著者
鈴木 敦夫 李 明哲 佐々木 美裕 鵜飼 孝盛 大山 達雄 三浦 英俊 栗田 治 田口 東 稲川 敬介 小市 俊悟 古田 壮宏 鳥海 重喜 藤原 祥裕 高松 瑞代 田中 健一 腰塚 武志 石崎 文雄 伏見 正則 腰塚 武志
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

都市内の災害時の人の流動に関する総合的な研究として,本研究ではテーマを3つ設定した.1)交通ネットワークシステムの頑健性と効率性の評価:道路,鉄道,航空網それぞれについて,GISデータ,時刻表,交通量データを用いて頑健性と効率性の評価を行った.2)緊急時の都市内・都市間流動に関するモデル:過大な交通量が流れているときの鉄道の遅延を記述する数理モデルを開発した.また,都市内で早急な避難が必要なほどの重大な事故が発生したときの都市内経路の解析について研究を進展させている.3)コンパクトな都市空間の設計原理:鉄道網の発達が平面を時間的に縮小させる効果について数理的に分析した.
著者
佐藤 隆一 鈴木 敦生 小池 和幸 大澤 貴子 斎藤 啓二 江端 広樹 竹田 誠 鈴木 富子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.C0080-C0080, 2004

【目的】中学生になると部活動を通じて本格的にスポーツを開始する生徒が多く、この時期、スポーツによって生じる様々な損傷や障害は、成長障害や他の二次的障害を引き起こす可能性があるといわれている。当院では部活動中に「ケガ」をした中学生が理学療法の対象となることは少なく、中学生が抱える「ケガ」の実態や件数、その後の状況を知り得る機会がほとんどない。<BR> そこで今回我々は、市内中学3年生を対象とした「部活動中に発生したケガに関するアンケート」調査を実施し、検討したので報告する。<BR>【方法】市内全中学校12校の3年生1613名(回収率93%)のうち、運動部在籍1018名(男子654名、女子427名;運動部67%)を対象に「部活動中に発生したケガに関するアンケート」調査を無記名選択式(一部記述)質問票を用いて行なった。<BR>【結果】部活動中の「ケガ」の発生率は58%;624名(男子370名、女子254名)であった。中学校別の発生率は、A校43%、B校62%、C校57%、D校54%、E校71%F校59%、G校60%、H校68%、I校55%、J校86%、K校62%、L校34%、M校63%であった。また、性別、部活動別に「ケガ」の発生率・再損傷率・調査時点における痛みの発生率をみると、男子サッカー部68%・34%・29%、野球部63%・46%・24%、バスケットボール部74%・41%・20%、ソフトテニス部47%・13%・22%、陸上部66%・29%・27%、卓球部20%・33%・13%、バレーボール部57%・40%・32%、剣道部73%・45%・27%、バドミントン部40%・8%・42%、水泳0%であった。女子は、バスケットボール部84%・47%・22%、バドミントン部35%・27%・23%、ソフトテニス部64%・43%・21%、陸上部67%・46%・30%、バレーボール部68%・50%・28%、剣道部67%・50%・25%、ソフトボール87%・58%・19%、卓球部25%・40%・0%であった。<BR>【考察】今回の調査結果で、部活動中の「ケガ」の発生率は各学校によりばらつきがみられるものの、約60%の生徒が「ケガ」をしていた。また再損傷者は男子で約35%、女子で約40%に上った。これらの「ケガ」の多くは、過熱した練習による「overuse」や試合中の激しいスピードやコンタクトによる外傷性のものの可能性が高いと考えられた。<BR> アンケート調査時点で、多くの生徒は部活動引退から約3ヶ月経過していたが、男女ともに約20%の生徒が何らかの「痛み」を訴えており、それは部活動中の「ケガ」に直接関係するものとは限らなかった。それらの原因に、成長期特有の身体的変化による筋・腱の過緊張状態や柔軟性低下、骨のアライメントの変化が引き起こされ、筋・腱の疼痛が発生したことなどが考えられる。<BR> 今後、これらの情報を学校側へ提供し、学校全体で「ケガ」に対する意識を高め、部活動ごとに「ケガ」の予防と再発防止を徹底し、メディカルチェックを行なう必要性を促していきたい。