著者
鈴木 大貴 濱田 裕嗣 高橋 美穂 唐木田 一成 坂本 春生
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.88-91, 2018-02-20 (Released:2018-04-20)
参考文献数
10

Sweet’s Syndrome is a disease characterized by multiple nodules or edematous erythema elevatum of the face, neck, and skin, accompanied by acute fever and peripheral leukocytosis. This disease is considered one of the paraneoplastic syndromes of blood tumors. A 50-year-old Japanese man was referred to our department because of oral mucosa hyperplasia. The patient who had the various condition and we performed various examination, but needed long time for definitive diagnosis. In this article, we report a case of oral mucosa hyperplasia caused by Sweet’s Syndrome that was difficult to diagnose.
著者
鈴木 達也 牧 小伝太 後藤 健 舟場 正幸 入来 常徳 波多野 義一 阿部 又信
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.7-12, 2001-04-10 (Released:2012-09-24)
参考文献数
15

ネコに対する高蛋白食給与が尿中ストルバイト結晶数および尿不溶性成分濃度に及ぼす影響について検討した。健康な成ネコ8頭を用い,1期3週間のswitch-back法により実施した。実験食は粗蛋白質含量が乾物当たり29%(対照食)および55%(高蛋白食)の2種類のドライフードとした。高蛋白食給与により尿pHが低下する一方,飲水量には差がなかったにもかかわらず尿量が増加した。また,高蛋白食給与により尿中NH4+濃度は増加したものの,Mg2+ならびにPO43-濃度が低下したため,それらイオンの濃度積(ストルバイト活性積)は低下した。このことはストルバイトが結晶化しにくいことを意味し,実際,高蛋白食給与群では尿中ストルバイト結晶の濃度および日量が減少した。また,高蛋白食給与により尿の沈渣(総不溶性成分)の濃度は減少したが,その減少は尿沈渣中のHCl可溶性区分(無機成分)と同時にHCl不溶性区分(有機成分)の減少によるものであった。しかし,これらの成分は日量では減少しなかったため,尿中濃度の減少は尿量の増加によると考えられた。以上の結果は,健康ネコにおける高蛋白食給与はストルバイト尿石予防に有効であることを裏付けた。
著者
鈴木 智高 髙木 峰子 菅原 憲一
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.AbPI1125-AbPI1125, 2011

【目的】<BR> 私たちが生活する環境には様々な道具があり,日々巧みに操作され活用されている。理学療法においても,歩行補助具や自助具等に道具が用いられ,各場面において理学療法士は対象者の身体運動に応じて環境を調整し,再適応を図っている。生態心理学によれば,環境が提供するアフォーダンスと動物の知覚が相互に作用することで,行為は制御される。特にヒトの場合,進化の歴史からみても,把握・操作可能な道具は重要な位置づけにあり,ヒトにとっても握る行為は,最も基本的な運動の1つである。よって,これらは極めて高い相互関係にあると考えられる。<BR> 近年の研究により,道具に対する知覚が特異的な脳活動を生じさせ,認知処理過程にも影響を及ぼすことが報告されている。しかし,アフォーダンスと実際の行為における相互作用を明らかにしている知見は少ない。そこで本研究は,道具に対するアフォーダンス知覚と行為の対応性に着目し,その対応性が認知処理と運動発現に及ぼす影響を筋電図反応時間(以下EMG-RT)により検討した。<BR>【方法】<BR> 被験者は健常な右利きの学生22名とした。提示する刺激画像には,道具画像(右手で把握可能な道具)と,動物画像(握ることをアフォードしないであろう対照画像)の2種類を用いた。反応する運動課題は,右手指屈曲(本研究でアフォードさせる動作)と,右手指伸展(対照動作)を採用した。刺激画像と運動課題の組み合わせによって,被験者を以下の2群に分けた。Compatible群(以下C群)は,道具画像に対して手指屈曲を(刺激画像と運動課題が一致),動物画像で手指伸展を行った。逆に,Incompatible群(以下IC群)は,道具画像に対して手指伸展(不一致),動物画像で手指屈曲を行った。<BR> 実験1は通常の選択反応課題であり,予告画像(画面中央に"+")後に刺激画像として道具,動物,NO-GOがランダムに提示された。提示後速くかつ正確に運動課題を実行するように指示した。実験2では予告としてアフォーダンス画像(手すり)を提示し,刺激画像が出るまで右手による把持イメージをさせた。EMG-RT(刺激提示から筋電図出現までの時間:ms)は表面筋電図を用いて測定し,被検筋は右浅指屈筋と右総指伸筋とした。解析は,二元配置分散分析を行い,有意水準は5%とした。<BR>【説明と同意】<BR> 本研究は,本学研究倫理審査委員会による承認後実施した。参加者には,事前に書面および口頭にて説明し,同意が得られた者を対象とした。<BR>【結果】<BR> 実験1では刺激画像と運動課題の2要因間に有意な交互作用が存在した。post hocテストの結果,道具画像*屈曲動作のEMG-RTが,動物画像*屈曲動作に比べて有意に遅かった。実験2は,実験1に類似した結果であったが,交互作用はわずかに有意水準に達しなかった。実験間の比較では,C群,IC群ともに実験2のEMG-RTが有意に遅い結果となった。この遅延は,IC群において特に顕著であった。<BR>【考察】<BR> 人工物の認識は自然物に比べて遅いと考えられるが(Borghi AM,2007),本研究の選択反応課題では刺激画像に主効果はなかった。よって,刺激同定段階の影響は少なく,道具画像*屈曲動作の遅延はその対応性によるものであり,反応選択・反応プログラミング段階に差が生じたと考えられる。動物画像に対する動作や道具画像に対する伸展動作は対応性のない無意味な行為であり,刺激同定後,機械的に運動発現に至る。このような対象を識別する視覚情報処理は腹側経路にて行われると言われている。一方,道具画像に対する屈曲動作には対応性があるため,その行為は目標指向性を帯び,視覚誘導性が強調されると考えられる。対象の空間情報や視覚誘導型の行為は背側経路によって制御される。さらに,両経路にはネットワークがあり,道具の認識において相互作用が生じると示唆されている。加えて,道具に対する頭頂葉の特異的な活動を示唆する報告もある。よって,道具の認識と対応する行為の選択には広範な神経活動を伴い,その結果,運動発現が遅延したものと推察される。<BR> 実験2ではアフォーダンス予告により全条件でEMG-RTが延長した。運動イメージを課すことでEMG-RTが遅延した先行研究もあり(Li S,2005),本研究も同様にアフォーダンス予告がタスクの複雑性を増大させたものと考えられる。しかし,この遅延はIC群で著しく,道具画像*屈曲動作において最少であったことから,予告状況下と刺激画像*運動課題の一致がEMG-RTの遅延を軽減させうると考えられる。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 環境との相互作用により生じるアフォーダンスと行為の対応性は,非意識下において特異的な認知処理を生ずることが示唆された。ゆえに,理学療法場面では患者の特性に応じて各種動作を円滑にする豊かな環境と知覚探索機会をともに提供していくことが望ましい。
著者
鈴木 匡子
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.930-933, 2011 (Released:2012-01-24)
参考文献数
7

非典型認知症では健忘以外の高次脳機能障害が前景に立つが,それらに対し臨床的にどうアプローチしていくかは未だ手探りの状態である.変性性認知症でみられる"行為"の障害も,対象の受容の段階から最終的な出力の手前まで多くの段階での機能異常が原因となりうる.詳細な検討から後部皮質萎縮症では視覚性注意障害が,進行性核上性麻痺では対象のある意図的な運動の制御の障害が"行為"に影響していると考えられ,それぞれ視覚背側路,補足運動野の関与が示唆された.神経心理学的検索と神経放射線学的検討を統合することにより症状の背後にある機能異常とその神経基盤を明らかにし,各認知症の病態やその進展の特徴を知ることが重要である.
著者
行田 弘一 久保田 文人 鈴木 龍太郎 三好 勝巳 濱田 元 中辻 実 片桐 俊幸
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.69, pp.13-17, 1996-12-12 (Released:2017-10-13)

京都府相楽郡精華町の通信総合研究所(CRL)精華実験センタに設置したディジタルビデオ・オン・デマンド(Video On Demand, VOD)システムは、動画像圧縮にMPEG2を用いている。今回、本システムについて、その基本性能を評価するため、DSCQS法による画質品質の主観評価実験を行ったので、その概要及び結果について報告する。
著者
鈴木 直樹 服部 麻木 江積 剛 熊野 宜弘 池本 明夫 足立 吉隆 高津 光洋
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.237-243, 1998-12-31 (Released:2017-02-01)
参考文献数
12
被引用文献数
4

We have developed a virtual surgery system capable of performing surgical maneuvers on the elastic organs. In this system it is able to handle organs as elastic models and obtain a value for force feedback in real time. Furthermore, by connecting to the force feedback device we tried to manipulate the elastic organ model with a sense of touch. We tried to devise a system that would allow us to push, pinch, or incise these soft tissue models in virtual space, with a sense of touch.
著者
石川 広明 安井 香奈子 桶田 善彦 野村 誠 渡辺 武士 三上 裕嗣 鈴木 仁 尾野 精一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.4, pp.969-971, 2013 (Released:2014-04-10)
参考文献数
3

60歳,男性が頭痛,嘔吐,意識障害で入院となった.血液検査でTSH 99.099μIU/mlの上昇と,FT3 1.60pg/ml,FT4 0.58ng/dlの低下を認めた.また抗サイログロブリン抗体,抗TPO抗体の上昇を認めた.粘液水腫性昏睡と考え,甲状腺ホルモンの補充療法を実施したが症状の改善はみられなかった.その後血清中抗N末端αエノラーゼ抗体の上昇が認められたことより橋本脳症の合併を考え,ステロイドパルス療法を行ったところ,症状の速やかな改善を認めた.
著者
饒波 正史 喜友名 朝則 喜瀬 乗基 杉田 早知子 近藤 俊輔 又吉 宣 真栄田 裕行 我那覇 章 古波蔵 健太郎 鈴木 幹男
出版者
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会
雑誌
耳鼻咽喉科免疫アレルギー
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.1-6, 2018

<p>IgA腎症に対し口蓋扁桃摘出術とステロイドパルス療法を併用し6年以上の長期経過観察を実施しえた44症例を対象に,長期腎機能予後と遺残扁桃・ワルダイエル輪の代償性肥大・炎症所見について調査した。低・中リスク群では27例中26例で腎機能が保持されていた。一方,高・超高リスク群では,腎機能保持は8例,腎機能低下は8例(2例の末期腎不全・透析導入)となっていた。腎機能維持のためには腎機能が保たれている早期に口蓋扁桃摘出術+ステロイドパルス治療を行うことが重要と推定された。口蓋扁桃遺残は9%であった。アデノイド肥大は軽度が多いが,舌扁桃は19%に肥大を認めた。しかし,口蓋扁桃遺残,アデノイド肥大,舌扁桃肥大と腎機能予後には明らかな関係を認めなかった。炎症所見はアデノイドでは発赤,びらん,膿汁付着を陽性所見とし,舌扁桃では膿栓があるものを陽性所見とした。鼻咽腔ファイバー検査を実施できた42例中,23例は両方に炎症所見なし,5例で上咽頭のみ炎症所見あり,7例で舌扁桃のみ炎症所見あり,4例で上咽頭及び舌扁桃に炎症所見ありであった。透析に至った2例中1例では上咽頭に炎症所見を認めた。上咽頭,舌扁桃の炎症所見の有無と腎機能予後に明らかな関連を認めなかった。IgA腎症における口蓋扁桃摘出術後の長期予後と,上咽頭炎の関係を明らかにするためにさらなる調査が必要である。</p>
著者
鈴木 裕子
出版者
早稲田大学ジェンダー研究所
雑誌
ジェンダー研究21 (ISSN:21857717)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.29-43, 2013-02-28
著者
西原 歩 巽 好幸 鈴木 桂子 金子 克哉 木村 純一 常 青 日向 宏伸
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

破局的カルデラ形成噴火を生じる膨大な珪長質マグマの起源を理解するために,3万年前に生じた姶良火砕噴火で噴出した入戸火砕流中に含まれる本質岩片の地球化学的・岩石学的特徴を考察した.流紋岩質の白色軽石及び暗色軽石に含まれる斜長石斑晶のコア組成は~An85と~An40にピークを持つバイモーダルな分布を示すことに対して,安山岩質スコリアの斜長石斑晶は~An80にピークを持つユニモーダルな分布を示す.高An(An#=70-90)と低An(An#=30-50)斜長石コアのストロンチウム同位体比は,それぞれ87Sr/86Sr=0.7068±0.0008,0.7059±0.0002である.これらの測定結果は,姶良火砕噴火で噴出した膨大な量の流紋岩質マグマは,高An斜長石の起源である安山岩質マグマと低An斜長石の起源である珪長質マグマの混合によって生じたことを示唆する.苦鉄質マグマからわずかに分化してできた考えられる安山岩質マグマから晶出した斜長石のSr同位体比は,中新世の花崗岩や四万十累層の堆積岩など,高いSr同位体比をもつ上部地殻の岩石を同化したトレンドを持つ.このことは,安山岩質マグマと珪長質マグマの混合が上部地殻浅部で生じたことを示唆する.また,流紋岩質マグマは基盤岩より斜長石中のSr同位体比が低く,基盤岩との同化をほぼ生じていない安山岩質マグマ(英文にあわせてみました)と似たような組成を持つ.このことは,珪長質マグマと苦鉄質マグマは,姶良カルデラ深部の下部地殻のような同一の起源物質から生じているとして説明できる.
著者
堀江和磨 鈴木伸崇
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2012-IFAT-107, no.12, pp.1-8, 2012-07-25

XML は Web 上の標準的なデータ記述フォーマットとして広く普及している.XML データをデータベース等で継続的に蓄積・管理する場合,格納すべきデータの構造をスキーマで定義しておき,それに沿った構造のデータを作成・格納することが一般的である.利用状況の変化により格納すべきデータの構造や種類が変化するため,それに応じてスキーマ定義も更新されることが多い.その場合,スキーマの更新履歴の管理やスキーマの更新に応じた XML データの修正等が必要となるため,スキーマ間の差分抽出アルゴリズムが有用である.そこで本稿では,正規木文法のための差分抽出問題について考察し,同問題が計算困難であること,および,同問題が効率良く解けるための十分条件を示す.また,その十分条件の下で動作する多項式アルゴリズムを求め,このアルゴリズムに関する評価実験を行う.
著者
芥子 育雄 鈴木 優 吉野 幸一郎 Graham Neubig 大原 一人 向井 理朗 中村 哲
出版者
電子情報通信学会
巻号頁・発行日
2017-04-01

LeとMikolovは,文書の分散表現を単語と同様にニューラルネットワークで学習できるパラグラフベクトルのモデルを提案し,極性分析ベンチマークを用いて最高水準の分類精度を示した.パラグラフベクトルを用いたツイートの極性分析における実用上の課題は,単語のスパース性を解消するパラグラフベクトルの構築のために大規模文書が必要なことである.本研究では,Twitterの文に対して評判情報抽出を適用する際,その出現単語のスパース性に由来する性能低下を解決するため,人手により構築された単語意味ベクトルを導入する.意味ベクトルとして,各次元が266種類の特徴単語に対応し,約2万語に付与されている単語意味ベクトル辞書を使用する.この辞書を用いて単語拡張したツイートをパラグラフベクトルのモデルで学習するという,単語意味ベクトルとパラグラフベクトルの統合化手法を提案する.これにより,単語がスパースでも特定分野の文脈情報を学習できることが期待される.この評価のため,クラウドソーシングを利用してスマートフォン製品ブランドに関する極性分析ベンチマークを作成した.評価実験の結果,約1万2千ツイートから構成される特定のスマートフォン製品ブランドのベンチマークにおいて,提案手法は,ポジティブ,ニュートラル,ネガティブの3クラス分類におけるポジティブ予測とネガティブ予測のマクロ平均F値71.9を示した.提案手法は従来手法であるパラグラフベクトルによるマクロ平均F値を3.2ポイント上回った.