著者
澤崎 貴則 藤井 聡 羽鳥 剛史 長谷川 大貴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F5(土木技術者実践) (ISSN:21856613)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.1-15, 2012 (Released:2012-05-18)
参考文献数
33

近年,中心市街地の活力低下等が問題となっている中で,町の活気を取り戻すというような事例も見られる.こうした成功事例に着目し,如何にしてその成功が導かれたのかについての一般的知見を得ることは,今後のまちづくりにおいて有益であると考えられる.その知見を得る方法として,これまでは定量的な分析を行う自然科学的な手法が多く用いられてきたが,まちづくりに関わった人々の思いを理解するためには,“物語”を解釈するという解釈学的な方法論を用いることが求められる.本研究では,まちづくりの成功事例として挙げられる埼玉県川越市を対象として,まちづくりの様々な関係者にインタビューを行う.そして,それらを通じて“物語”を構成し,その解釈によって「川越まちづくり」が成功に至った要因を論ずる.
著者
白石 友紀 豊田 和弘 鈴木 智子 目黒 あかね 長谷川 幸子 西村 富生 久能 均
出版者
岡山大学農学部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
vol.99, no.1, pp.27-34, 2010-02-01

In this report, an effect of FFC-ceramic (FFC-Japan Co. Ltd., Tsu) water on the process of infection by a pea fungal pathogen, Mycosphaerella pinodes was investigated. Energy dispersive X-ray analysis showed that both of the FFC-ceramic water and a common ceramic water contained mainly Ca and S elements, of which the relative atomic percentages were 53~56% and 44~45%, respectively. Lesion formation by pycnospores of M. pinodes on pea leaves was inhibited severely by the application with both ceramic waters at the 1/2~1/6 concentration of saturated solution. Cytological observation under microscope showed that germination, germ-tube elongation and penetration were severely inhibited by these ceramic waters. However, such inhibitory effect of FFC-ceramic water was superior to that of the common ceramic water. On ethanol-killed pea epidermal tissues, both FFC-ceramic water and the common ceramic water blocked the germination, germ-tube elongation and penetration by the pathogen, indicatingthe direct effect of both ceramic waters on the fungus. In this case, the inhibiting effect of FFC ceramic water was more intensive than the common ceramic water. CaSO(4) at a 1/2~1/4 concentration of saturated solution blocked penetration by the fungus on the killed epidermis of onion bulb but scarcely affected germination and germ-tube elongation. Based on these results, we discussed the role of FFC-ceramic water in disease tolerance of plants and its availability for cultivation.本研究は,FFCセラミックス(TM)(株 エフフシージャパン)の植物病原菌の発病抑制効果について調べたものである.FFCセラミック水は原液の1/2~1/6の濃度でエンドウ褐紋病菌の発病を顕著に抑制した.この原因を調べたところ,FFCセラミック水は,病原菌の発芽,発芽管伸長,侵入(貫入)を顕著に阻害することが判明した.FFCセラミック水中にはCa並びにS,O元素が多量に存在し,SEM観察の結果と合わせると,CaSO(4)が多量に含まれることが示唆された.そこで,CaSO(4)飽和液の1/2~1/4濃度で,病原菌に対する作用を調べた結果,発芽あるいは発芽管伸長はほとんど阻害されず,低率ながら侵入も観察された.これらの結果を総合して,FFCセラミック水やCaSO4の栽培場面での応用を考察した.
著者
中市 統三 笹木 祐司 長谷川 恵子 森本 将弘 林 俊春 板本 和仁 宇根 智 田浦 保穂
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.829-833, 2005-12-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
10
被引用文献数
1 3

5歳齢のラブラドール・レトリーバーが3週間前に急性に発症した四肢麻痺の精査を希望して来院した. 神経学的検査では左前肢は下位運動神経徴候, 両後肢は正常あるいは上位運動神経徴候を示しており, 第6頸髄から第2胸髄の脊髄分節における障害と考えられたが, 単純X線検査では脊椎に異常所見は認められなかった. 磁気共鳴画像診断では第6頸髄内の左側にT1強調画像で等信号, T2強調画像で高信号を示し, 増強効果をほとんど示さない病変が認められ, 線維軟骨塞栓症 (FCE) と仮診断した. 病理解剖の結果, 同部位に脊髄の虚血性梗塞像が認められ, さらにその周辺の血管内に線維軟骨が確認できたことから, 本症例はFCEと確定診断された.
著者
倉持 裕子 長谷川 啓子 山本 弘美 河村 満
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.188-196, 1996

Wernicke 野 (左上側頭回後部) の梗塞性病変により典型的 Wernicke 失語を呈した2症例の読字・書字障害を検討した。小学校1~3年生で学習する教育漢字一文字およびそれに対応する仮名語,ならびに仮名一文字 (清音46字) の音読と書き取り検査を施行した結果,2症例とも,漢字・仮名のいずれにおいても音読のほうが書き取りより良好であった。漢字・仮名語の音読・書き取りいずれにおいても,課題字 (正答字) と音韻が類似した誤りが多く認められた。これは, Wernicke 失語の口頭言語における特徴である "音韻の選択障害" と "音韻の聴覚的処理障害" が,文字言語においてもみられたものと考えられた。仮名一文字の書き取りにおいても2症例は類似した傾向を示し,正答字に余分な文字を付け加えて書く反応 (付加反応) が多くみられた。書き取りにおける付加反応は, Wernicke 失語の口頭言語での特徴である, "流暢な多弁傾向" を反映しているものと考えられた。
著者
亘 敏広 辻本 元 小野 憲一郎 長谷川 篤彦
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.309-312, 1998-06-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

治療により血小板数が200×103/μl以上に維持されている特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) 犬5例について臨床症状, 止血スクリーニング検査およびアデノシン二リン酸 (ADP) に対する血小板凝集能を検討した. 全例とも止血スクリーニング検査では異常は認められなかったが, 5例中3例で採血後の皮下出血, 止血遅延などがみられ, 4例においてはADPに対する血小板凝集能の明らかな低下が認められた. 以上から, ITP患犬の止血異常持続例は, 血小板凝集能低下によることが示唆された.
著者
古山 準一 本城 信吾 森園 竜太郎 森田 康太郎 代田 充 長谷川 公範 内沢 政英 水尾 仁志 河上 彩恵 高木 秀雄
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.84-91, 2010-02-25
被引用文献数
1

症例は,75歳,男性.C型肝硬変症,肝細胞癌(HCC)にて当院通院中.2008年3月より血便を生じ,下部消化管内視鏡検査にて出血性直腸静脈瘤と診断.2008年7月HCCの治療目的にて入院.HCC治療時の上腸間膜動脈・脾動脈造影門脈相では遠肝性側副血行路は認めず,下腸間膜動脈造影にて下腸間膜動脈は直腸壁を造影し,その後排血路の一部として直腸静脈瘤が造影され下腸間膜静脈より脾静脈へと排血されていた.その後,直腸静脈瘤に対して内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)・硬化療法(EIS)併用療法を施行.直腸静脈瘤の口側端で,腸管壁外へ流出すると考えられた部位へEVL施行後,透視下でEISを施行.その後,造影CTにて直腸静脈瘤の血流は消失した.本症例は,血管造影にて直腸静脈瘤の血行動態を把握後にEVL・EIS併用療法を施行する事によって安全に治療しえた1例であったので報告する.<br>
著者
長谷川 一夫
出版者
法政大学史学会
雑誌
法政史学 (ISSN:03868893)
巻号頁・発行日
no.21, pp.125-137, 1969-03
著者
八木 哲 長谷川 知洋 長谷川 雅一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.121, pp.1-6, 2006-11-16

本稿では,インターネットワイドに分散した多数のサイトが連動する広域分散システムの基盤として利用できるデータベースクラスタとして,複合クラスタ(MLC:Multi-Layered Cluster)を提案する.MLCの特長は,(a)情報の柔軟な共有(b)高い可用性(c)低コストで利用できるスケーラビリティである.MLCでは,(a)(b)のために,各サイトに複数のデータベースを配置し,サイト内ではサイト内の全情報を共有するように束ね,サイト間では任意のサイトが任意の情報を共有するように束ねる.(c)のために,MLC自体を分散実装し,無償で利用できるOSSのデータベースを無改造のまま使用する.本稿では,3層構造を持つMLCの概要と各層の構成を示す.This paper proposes the MLC (Multi-Layered Cluster). MLC is a database cluster for facilities of globally distributed systems in which a lot of sites distributed over the Internet cooperate. MLC has three features: (a) flexibility in information sharing; (b) high availability and (c) scalability with low cost. For (a) and (b), it allocates some databases on each site. In the site, databases share all information in the site. Among sites, databases may share arbitrary information. For (c), it uses a distributed implementation and free open-source databases with no remodeling. This paper describes the design of MLC which has three-layer construction.
著者
南 基泰 四方 恒生 長谷川 千晃 大江 千里 芦田 馨 杉野 守
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.115, no.10, pp.832-842, 1995-10-25
被引用文献数
6

We studied that the morphological and histological characteristics, and the content (%DW) of saikosaponins on the root of Bupleurum falcatum cultivated in an Ebb & Flood system (E&F), a kind of soilless culture system, by both the direct sowing and the transplanting methods, and that effects of pinching on the root growth and the content (%DW) of saikosaponins in each part of root. Yield of root and content (%DW) of saikosaponins in each part of root, 8-months-old, cultivated in E&F by both methods were at the same level as that cultivated for the same period in soil conditoin by generally standard procedures. Morphological characteristics of the root cultivated by the direct sowing method were the same appearance as that by soil condition, but by the transplanting method main root branched off in all direction and the lateral root were more developed than by the direct sowing method. By pinching lignification in xylem on the main root were inhibited, but the dried weight of total root part and content (%DW) of saikosaponins in each part of the root were not shown to be significantly changed.