著者
藤野 浩子 田熊 大祐 戸野倉 雅美 馬場 亮 松木薗 麻里子 高橋 香 鴇田 真弓 笹原 沙衣子 市橋 弘章 伊藤 寛恵 佐藤 雅美 文原 千尋 押田 智枝 小暮 啓介 山地 七菜子 藤田 桂一
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.25-29, 2014-03-20 (Released:2016-02-05)
参考文献数
17

血便・粘液便を主訴に来院したミニチュア・ダックスフンド4例に対し,内視鏡下生検材料による病理組織検査にて,直腸炎症性ポリープと診断した。4例中1例では,内科治療にて症状の改善がみられ,現在プレドニゾロン,シクロスポリンの投与を継続し,良好な経過を示している。4例中3例では,最初に内科療法を行ったが,十分な症状の改善がみられなかったため,直腸粘膜引き抜き術による外科治療を実施した。いずれも,術後症状の改善がみられ,現在まで再発を認めず維持している。
著者
高野茂 井上創造 馬場謙介
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.795-796, 2011-03-02

本研究では,インターネット上の膨大な画像群を巨大な画像データベースとみなし,それを専門家の知識により整理し,すべてのユーザは安全・安心にオンライン図鑑として利用することができるシステム開発を目指す.本システムは,ユーザがモバイル端末により撮影した質問画像を,図鑑検索サーバに送信することにより,その一次回答(類似画像)を直ちに受け取ることができる.専門家により得られる詳細な二次回答はSNSを介してユーザへと配信される.本稿では,リフティングウェーブレットに基づくモバイル図鑑検索システムの構築について述べ,SNSシステムと連携し,より精度の高い一次回答を返す類似画像データベースを自動的に再構築する手法を示す.
著者
木村 道徳 河瀬 玲奈 金 再奎 岩見 麻子 馬場 健司
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.213-226, 2022-07-31 (Released:2022-07-31)
参考文献数
29

本研究では,行政によるヒアリングやワークショップなどの質的調査を通じて蓄積されている,気候変動に対する影響の実感や不安に関するテキストデータを対象に,市民およびステークホルダーの影響認識を構造的に把握するための手法を検討するとともに,滋賀県を対象に実践を行った。気候変動適応策の推進には,市民と地域のステークホルダーの関与が重要であり,行政によるこれら主体の気候変動影響の認識の把握が必要になると考えられる。しかし,行政により蓄積が進められている気候変動影響の認識に関する情報は,自然言語で記述されているテキストデータが多く,これまで研究対象として分析が進められてはこなかった。本研究では,行政による質的調査を通じて,滋賀県内の市民および農林水産業,産業分野の主体から得られた気候変動影響の認識に関するテキストデータを対象に,テキストマイニング手法を適用した。その結果,「琵琶湖と自然生態系への影響」と「台風被害と獣害,水稲」,「降雨降雪の極端化による災害および森林と林業への影響」,「夏と冬における気温上昇の影響」,「季節の変化」の5つの話題を特定することができた。また,対象者属性とのクロス集計の結果,市民は幅広い分野に言及しているのに対して,農林水産業の主体は各分野の具体的な気候変動影響の因果連鎖についての情報を補完していた。各主体のテキストを組み合わせることで,地域で顕在化しつつある気候の変化とそれに伴う影響の因果連鎖を市民およびステークホルダーがどのように認識しているのか,詳細に把握することが可能になることがわかった。
著者
森 陽子 望月 清 樋口 輝久 馬場 俊介
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究論文集 (ISSN:13495712)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.45-57, 2004-06-15 (Released:2010-06-04)
参考文献数
50

Fuji-bashi, completed in 1915 over the Fuji River in Sizuoka Prefecture, is probably the longest span suspension bridge as well as only one railway suspension bridge in Japan before the World War II. However it's existence has been forgotten for a long time. The reason of oblivion will be as follows; that is, it was constructed by a private paper-manufacturing company, and it was used only four years until it was destructed in the stormy night with intent to save disaster. The purpose of this paper is to regain its reputation, and try to emphasize that Fuji-bashi is one of the important structures in the history of civil engineering of the modernized era in Japan. The paper contains lots of original data concerning its construction.
著者
馬場 天信 佐藤 豪 齋藤 瞳 木村 穣 中川 明仁
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.937-944, 2012-10-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
21

肥満治療において臨床心理士を加えたチーム医療システムは効果的である.また,パーソナリティ尺度は,肥満症患者の置かれている心理社会的状況を理解するツールとして,患者と治療スタッフ双方に有益な情報を提供する.パーソナリティと肥満に関する研究報告は近年増加しているが,日本人の肥満症患者に関する報告は数少ない.本研究ではNEO-PI-R, TEG II, TAS-20を用いて,肥満症患者と一般成人におけるパーソナリティの違いを検討したところ統計的差異は認めらなかった.次に,肥満度別によるパーソナリティの違いについて分散分析を用いて検討したところ,BMI35以上の肥満症患者は神経症傾向(特に不安と抑うつ)が高く,感情同定困難という特徴が認められた。以上の結果は,肥満度の高い肥満症患者に対する介入にはパーソナリティの査定が有効であることを示唆している.
著者
馬場 吉弘 長田 芳和
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.125-132, 2005

To clarify the early life history of pale chub, <I>Zacco platypus</I>, and the mechanism for avoiding egg predation, the spawning behaviour, egg and larval distribution in spawning redds, and emergence time of larvae from the redds were investigated in the Saho River, Osaka Prefecture, Japan. In pair spawning, the male applied lateral pressure to the female, and stirred up the river bed with its anal and caudal fins when eggs were released. The female occasionally rotated in the redd at the end of spawning behaviour. Some satellite males and sexunknown individuals occasionally dashed into the spawning redd. Single females averaged 1026.4 mature eggs, spawning 94.5 eggs during each of 10.9 spawning acts per day. The number of eggs released during a single spawning act and buried successfully in the spawning redd following pair spawning was greater than that following spawning with surrounding individuals. More eggs were also found in the spawning redd after the female rotated. Eggs were buried 0-14 cm deep in spawning redds, those resulting from pair spawning being deeper than those from spawning with surrounding individuals. Larvae emerged around midnight from the spawning redd 7-8 days after spawning, emergence continuing for 3-5 days. Females were consid-ered to reduce the risk of egg cannibalism by spawning many times per day, mid-night emergence of larvae also being important for avoiding predation.
著者
大澤 絵都子 北河 徳彦 新開 真人 望月 響子 町田 治郎 小林 眞司 馬場 直子 相田 典子 田中 祐吉 田中 水緒
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.906-913, 2020-10-20 (Released:2020-10-20)
参考文献数
21

【目的】Lipoblastomaの適切な診療方針について検討する.【方法】1981年4月から2019年3月の期間に当院で外科的切除を行い,病理組織学的にlipoblastomaと診断された51症例を対象とし,発生部位,症状,手術所見(被膜・癒着・浸潤・全摘の有無),再発の有無,術後合併症,再発腫瘍の病理所見について後方視的に検討した.【結果】発生部位は四肢と体幹に多く,無痛性の増大する腫瘍として気づかれるものがほとんどであった.体腔内に発生した症例は4例でうち3例は咳嗽や嘔吐など周囲臓器の圧排症状を呈した.2例に術後2か月と5年で再発がみられ,いずれも被膜不明瞭もしくは周囲に癒着がみられたが全摘された症例であった.不完全切除となった4例に再発はなかった.周囲の正常組織も含めて腫瘍を全摘した症例の中には術後瘢痕による機能障害を残した症例もあった.再発腫瘍の病理組織はいずれも初回手術時より分化が進んでいた.【結論】Lipoblastomaは局所再発のリスクがあるが,良性腫瘍であり,また経過とともに消失したり組織が分化する可能性もあるため,癒着や浸潤傾向の強い症例では,全摘に執着せず,術後機能障害を起こさない程度の切除に留めることも考慮してよいと考える.また,全摘の有無に関わらず術後長期間経過してから再発することもあるため,術後は最低5年以上の慎重な経過観察が必要である.
著者
岡田 澄子 才藤 栄一 飯泉 智子 重田 律子 九里 葉子 馬場 尊 松尾 浩一郎 横山 通夫 Jeffrey B PALMER
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.148-158, 2005-08-31 (Released:2020-12-26)
参考文献数
15

嚥下肢位として広く使用されているChin downを機能解剖学的肢位と関連づけることを目的に,摂食・嚥下障害を扱っている日本の言語聴覚士34名を対象に郵送と電子メールでアンケート調査した.回収率は88% (30名).1)Chin downの日本語名称は「顎引き」57%,「頚部前屈位」20%など様々で5通りの呼称があった.回答者の臨床経験年数,取り扱い患者数による傾向の違いはなかった.2)Chin downとして5つの頭頚部の機能解剖学的肢位像からの選択では,頭屈位53%,頚屈位30%,複合屈曲位17%の3肢位像が選択された.3)5つの頭頚部肢位像の呼称としては,肢位像おのおのが複数の名称で呼ばれ,逆に同じ呼称が複数の肢位像に対して重複して用いられ,1対1に対応させることが困難であった.4)Chin downに比べChin tuckという名称は知られていなかった.5)回答者のコメントとして「名称や肢位の違いは意識していなかった」などの感想があった.これらの結果は,Chin down肢位が機能解剖学的肢位としては極めて不明瞭に認識され,かつ,多数の異なった解釈が存在していることを意味した.Chin downをめぐっては,実際,その効果についていくつかの矛盾した結果が争点となっている.以上のアンケート結果は,その背景として様々な呼称と種々の定義が存在し,多くの混乱が存在する現状をよく反映していた.混乱の原因として,1)肢位が専ら俗称による呼称を用いて論じられ,また,具体的操作として定義されてきた,2)頭頚部肢位の運動が主に頭部と頚部の2通りの運動で構成されているという概念が欠如していた,3)訳語を選択する際に多様な解釈が介在した,などが重要と考えられた.今後,Chin downを機能解剖学的に明確に定義したうえで,その効果を明らかにしていく重要性が結論された.
著者
馬場 聡
出版者
英米文化学会
雑誌
英米文化 (ISSN:09173536)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.63-79, 2022-03-31 (Released:2022-04-28)
参考文献数
18

The coming of electricity to the Pacific Northwest during World War II was expected to provide new possibilities not only for economic growth but also for social transformation. This paper explores the various aspects of cultural representations of the development of the Columbia River basin, which extends between the states of Oregon and Washington. In the first part of this study, attention is paid to the narrative techniques used in two government-funded promotional films about dam construction produced by Bonneville Power Administration (BPA). After examining the rhetorical strategies that were employed in the BPA films to propagate the necessity of river development, our analysis turns to several songs sung and composed by Woody Guthrie, that were included in one of the films. Our discussion foregrounds this curious combination: a politically radical folk singer from the Midwest and a federal power agency rooted in the Northwest. Finally, we analyze several literary works that critically depict the Columbia River development and its aftermath. A careful comparative review of those works reveals the political unconsciousness of the region in the decades after the New Deal.
著者
馬場 裕 小林 智也 小倉 加奈代 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2012論文集 (情報処理学会シンポジウムシリーズ) (ISSN:13440640)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.3, pp.433-438, 2012-03-15

日常行われている会話には,様々な問題点がある.たとえば失言や重要な話の聞き逃しは,人間関係を悪くしてしまう危険性がある.これらは,空気中の音速で声が人間の何百倍の速さで移動する事が要因と考えられる.音速を遅くすることで,音声に追いついたり音声の重畳や参照をすることが可能になる.そこで,超低音速空間 CreepingVoice を構築し,会話の問題解決を試みている.本稿では,超低音速空間CreepingVoice を実装するための基礎的な実験の結果について報告する. : Everyday conversations have various problems. For example. a slip of the tongue spoils human relations. This problem is attributable to the speed of sound. Sound is too fast for us people to catch up. If the sound speed is much slower, we can catch up with our voice,modify it and refer it. We have been constructing a super slow sound space “CreepingVoice” to solve the problems. This paper reports results of elemental experiments for implementingCreepingVoice.
著者
馬場 直義 森 篤志
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.BbPI1196, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】 ジストニアは姿勢異常や捻転、不随意運動など日常生活動作を行う上で大きな阻害因子となる運動障害を主徴とする。梶はジストニアを「異常な反復性または捻転性の筋収縮により特定の動作や姿勢が障害される病態」と定義している。有病率はパーキンソン病の約1/5の頻度で、病変の広がりにより局所性・分節性・全身性に分類される。その特徴として特定部位への知覚入力やその変化が異常な筋収縮を改善させる知覚トリックが挙げられる。この知覚現象は運動の制御に際して固有知覚入力に対する運動出力の不適合が存在することを反映しており、外的な知覚入力により不適合が補正されると考えられている。 今回、パーキンソン病により分節性に右上肢下肢にジストニアを呈し、特に足関節に強い内反をきたし、知覚トリックによる即時的な補正が有効ではなかった症例を経験した。そこで即時的効果による補正ではなく、感覚の学習によって知覚入力に対する運動出力の不適合が補正され、ジストニアの異常な筋収縮が改善されるかについて検討した。【方法】 端座位をとらせた対象者の足底と床の間に素材や形状は同じだが硬さの異なる2種類のスポンジを挿入し、足底(一部、足背)と接触させ、足関節の底屈・背屈、内返し・外返しを自動運動で行わせることにより、スポンジの硬さを識別する課題を実施した。研究方法は課題介入期、通常の理学療法による非介入期がそれぞれ10日間のBA法とし、各40分間で週5回の介入とした。 課題において対象者はプラットホームにて端座位を保持し、左右の足底面は十分に床に接地可能な状態とした。スポンジの硬さを比較する部位の組み合わせは、左右の足底、右足足底の内側と外側、右足足底前足部と踵部、右足足底前足部と右足足背の4パターンとし、それぞれ20回、2種類のスポンジの硬さの違いを識別させた。スポンジは3種類(硬い・中間・軟らかい)の硬さの異なるものを用意し、段階的にその組み合わせを変え難易度を上げていった。 介入前、介入期後、非介入期後の3回、足関節の関節可動域測定(自動)、足底の二点識別測定、Mini Mental State Examination(以下MMSE)、自画像描写、内省報告の各測定結果を分析した。【説明と同意】 対象者とご家族には発表の趣旨と目的を説明し、書面にて同意を得た。【結果】 介入期後では介入前より関節可動域で右足関節背屈が10°改善。二点識別測定では1~3mmの認識距離の短縮。MMSEでは24/30点から30/30点と短期記憶に改善がみられた。自画像描写においては右上肢の書き損じがなくなり、四肢が描かれて具体的となった。内省報告では介入前は右下肢を「捨ててしまいたい足」といった内容であったが、介入後は「足の中からあぶくが出てくる」とより具体的な内省をされるように変化した。歩行に関しても介入前は内反足にて立脚時に前足部外側のみの接地しか出来なかったが、介入後はほぼ足底全面の接地が可能となった。 非介入期後では介入後より関節可動域で右足関節背屈が5°改善。MMSEでは26/30点と若干の短期記憶に低下みられた。内省報告は「大事にしなければね」などと愛護的な言葉が聞かれるようになった。二点識別測定、自画像、歩行には著明な変化はみられなかった。【考察】 ジストニアは姿勢異常や捻転、目的動作に対する不随意運動を主徴とし、本態は外界からの感覚情報や脳内の運動指令を統合して、適切な運動準備状態を作成する過程の異常であると考えられる。その特徴の1つに知覚トリックが挙げられる。知覚トリックは本来であれば必要でない感覚刺激を行うことにより、障害された運動感覚連関に何らかの補正が行われることで成立すると考えられている。本症例では知覚トリックによる即時的効果はなかった。しかし「特定部位への知覚入力やその変化が異常な筋収縮を改善させる」といった知覚トリックの知見をもとに、対象者に足底でスポンジの硬さの違いを識別させ、感覚の学習によりジストニアによる異常な筋収縮が改善するかという目的で理学療法介入を行った。その結果、足関節背屈可動域の拡大、二点識別測定での認識距離短縮、歩容の改善に繋がった。これは、学習により足部からの適正な情報入力が可能となったことで運動感覚連関の適正化が図られたことによるものと考えられる。また、非介入期後においても改善の持続が認められたことより、介入による学習効果が示唆された。【理学療法学研究としての意義】 ジストニアに対する先行研究は少ない。今回、即時的効果ではなく、感覚の学習によりジストニアの異常な筋収縮が改善する可能性が示唆された。今後は症例を重ねて検討していく必要がある。

1 0 0 0 OA 黄金鷲

著者
馬場のぼる 著
出版者
昭文社
巻号頁・発行日
1948