著者
日下 航 尾形 哲也 小嶋 秀樹 高橋 徹 奥乃 博
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.532-543, 2010 (Released:2012-01-25)
参考文献数
29
被引用文献数
1

We propose a model of evolutionary communication with voice signs and motion signs between two robots. In our model, a robot recognizes other's action through reflecting its self body dynamics by a Multiple Timescale Recurrent Neural Network (MTRNN). Then the robot interprets the action as a sign by its own hierarchical Neural Network (NN). Each of them modifies their interpretation of signs by re-training the NN to adapt the other's interpretation throughout interaction between them. As a result of the experiment, we found that the communication kept evolving through repeating miscommunication and re-adaptation alternately, and induced the emergence of diverse new signs that depend on the robots' body dynamics through the generalization capability of MTRNN.
著者
川嶋 久義 高橋 徹
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.43-48,a2, 1995-01-01 (Released:2011-08-11)

平成6年は, 春からはほぼ全国的に降水量が少なく, 梅雨の短かかったことに加え, 西日本を中心にそれ以降も降水量の少ない状態が続いた。そのため, 全国各地で厳しい取水制限等が実施され, 国民生活や産業に大きな影響をもたらした。本報では, 全国的な小雨の状況, 渇水による被害の状況および政府の取組み, 各地域で実際に行われた対応策等について報告する。
著者
高橋 徹 松本 純
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.408-418, 1977-06-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
23
被引用文献数
1

肝硬変症ならびに先行病変の立体構造においては,実質域の三次元ネットワークが骨格をなしていることを既に発表した(肝臓;18/5, 1977).このネットワークの位相幾何学的性質を利用して病変の移行関係を解析する方法を考案した.それは臓器中のネットワークの連結数p1の総値を求め,これをパラメーターとして病型の遠近関係を推察する方法である.種々の型の慢性肝病変の6例にこの方法を適用し,とくに慢性肝炎から肝硬変症の成立過程を重点的に考察した.解析の結果,総p1値は前者で610万,乙型肝硬変で10万と推定された.この大きな差からみて,慢性肝炎から乙型への移行は構造の連続変形のみでは説明困難であり,肝壊死を媒介とする連結関係の離断が必要と考えられた.一方,門脈型肝硬変での総p1値は635万と慢性肝炎に近く,慢性肝炎からの像の連続変形すなわち「削り取り」的進展に際しては,この型の肝硬変に向うものと推察された.
著者
高木 浩一 猪原 哲 高橋 徹 杉山 敏樹
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.669-677, 2004-08-25
被引用文献数
2

Four scientific demonstrative presentations concerning a lightning are presented in this article. All presentations can be easily performed on the scientific events held in educational and/or research institutions, such as university, college, research center, elementary, secondary and high schools. The first topic is long gap discharge which shows the model of the lightning from lightning clouds to ground. The high voltage is generated using an impulse voltage generator, which consists five capacitors, gap switches, and dc high-voltage power supply. Human shaped wet sponges were employed in the presentation as a human-body. The second topic is turning-on a fluorescent lamp without direct power supply using Tesla coil as electromagnetic wave radiation source. We show not only some commercial products of Tesla coil but also show how to construct the Tesla coil with much higher output voltage than the merchandise. The third demonstration is a ball lightning using a microwave. Finally, we show a handicraft of small lightning generation on the name card using a piezoelectric crystal in an electric throwaway lighter.
著者
高橋 徹 小林 亜樹
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.26, pp.1-8, 2009-11-13

Web 情報システムにおける情報推薦では,協調フィルタリング技術がしばしば用いられている.本稿では,その推薦精度が必ずしも高くない理由について分析する.分析には,MovieLens Data Set を用いる.協調フィルタリング技術の,類似した嗜好を持つユーザは,未知の商品などのアイテムにおいても同様の嗜好を示す,という仮定がどの程度正しいか分析する.その結果,この仮定が成り立たない場合が相当程度ある事を明らかにし,また,cold-start 問題として知られる,嗜好が蓄積されていない状況と似ている事を指摘する.その後,これらの問題に対処するための考察を進める.Collaborative filtering techniques are often used to Information recommendation in the Web information system. In this paper, the reason why the recommendation precision is not always high is analyzed by using the Movie Lens data set. We think that collaborative filtering technique is based on a fundamental assumption. It is, if users had similar preference in an item set, it will be same as in other item sets. We show that the assumption is not approved in a respectable degree with similarity distribution histogram. Moreover, it is pointed out that the situation is similar to the cold-start situation, because of the same situation about user preference data is not available to collaborative filtering. Afterwards, it is considered to deal with these problems.
著者
高橋 徹 清水 裕子 井上 一由 森松 博史 楳田 佳奈 大森 恵美子 赤木 玲子 森田 潔
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.130, no.4, pp.252-256, 2007-10-01
被引用文献数
9

昨今の生命科学の進歩は薬理学の研究をより病態に応じた新薬の開発へと向かわせている.しかし,肝不全,腎不全,多臓器不全など,急性臓器不全は高い死亡率を示すにもかかわらず,その治療において決め手となる薬物は未だ開発されていない.これら急性臓器不全の組織障害の病態生理は完全に明らかでないが,好中球の活性化や虚血・再潅流にともなう酸化ストレスによる細胞傷害が大きな役割を果たしている.酸化ストレスはヘムタンパク質からヘムを遊離させる.遊離ヘムは脂溶性の鉄であることから,活性酸素生成を促進して細胞傷害を悪化させる.この侵襲に対抗するために,ヘム分解の律速酵素:Heme Oxygenase-1(HO-1)が細胞内に誘導される.HO-1によるヘム分解反応産物である一酸化炭素,胆汁色素には,抗炎症・抗酸化作用がある.したがって,遊離ヘム介在性酸化ストレスよって誘導されたHO-1は酸化促進剤である遊離ヘムを除去するのみならず,これらの代謝産物の作用を介して細胞保護的に機能する.一方,HO-1の発現抑制やHO活性の阻害は酸化ストレスによる組織障害を悪化させる.この,HO-1の細胞保護作用に着目して,HO-1誘導を酸化ストレスによる組織障害の治療に応用する試みがなされている.本稿では,急性臓器不全モデルにおいて障害臓器に誘導されたHO-1が,遊離ヘム介在性酸化ストレスから組織を保護するのに必須の役割を果たしていることを述べる.また,抗炎症性サイトカイン:インターロイキン11,塩化スズ,グルタミンがそれぞれ,肝臓,腎臓,下部腸管特異的にHO-1を誘導し,これら組織特異的に誘導されたHO-1が標的臓器の保護・回復に重要な役割を果たしていることを示す.HO-1誘導剤の開発は急性臓器不全の新しい治療薬となる可能性を秘めている.<br>
著者
田原 佳代子 高橋 徹 森勢 将雅 坂野 秀樹 河原 英紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.198, pp.19-24, 2005-07-14

歌唱音声のパラメタ(ピッチ, 音量, 音色)には, ランダムな揺らぎと系統的な変化が含まれている.本報告では音量により系統的に変化する音色の成分を明らかにすることを狙い, RWC研究用音楽データベース中の歌唱音声と新たに録音した男性歌手による歌唱音声素材の分析を行った.新たな録音では, RWC研究用音楽データベースに収録されていない連続的な音量変化の影響を調べるため, 一定音量の歌唱に加え, クレッシェンドとデクレッシェンド歌唱を収録した.これらの素材は, STRAIGHTにより分析された後, 1/3オクターブ毎のレベルに変換され主成分分析により直交する成分に分解された.音量を独立変数, 主成分得点を従属変数とする回帰分析の結果は, 第一主成分と音量との高い相関を示した.この結果に基づき, 本報告では, 第一主成分に対応する固有ベクトルを用いた音色制御法を提案した.予備実験の結果は, 合成歌唱によるクレッシェンドおよびデクレッシェンドの自然性が, 提案した方法を用いることにより改善されることを示した.
著者
坂野 秀樹 森勢 将雅 高橋 徹 西村 竜一 入野 俊夫 河原 英紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.551, pp.157-162, 2008-03-13
被引用文献数
2

実時間動作するSTRAIGHT,リアルタイムSTRAIGHTの改良を行ったので,その詳細について報告する.高品質音声分析変換合成法STRAIGHTは極めて高品質であり,合成システムや聴覚実,験用のツールとして広く利用されるようになってきている.STRAIGHTは,MATLABによって実装されており,オフラインでの処理にはこれが広く用いられているが,実時間で動作するものではない.そこで,我々は,実時間で動作するリアルタイムSTRAIGHTをC言語による実装で構築してきた.今回は,まず,C言語によるSTRAIGHTの実装であるC言語版を,MATLAB版STRAIGHTの最新版と同等のものに更新した.そして,このC言語版の関数の一部を利用し,リアルタイムSTRAIGHTのスペクトル抽出部分を改良した.改良したリアルタイムSTRAIGHTを用いて主観評価実験を行った所,MOS値が3.4となり,これまでのリアルタイムSTRAIGHTに比べ0.7程度改善したことが分かった.また,C言語版STRAIGHTにおいては,バージョンによるAPIの違いが大きいという問題があった.今回,このような問題を解決したC言語版STRAIGHTのAPIを策定し,STRAIGHTライブラリとして実装した.
著者
阿部 敬悦 上原 健二 高橋 徹 大滝 真作 前田 浩 山形 洋平 五味 勝也 長谷川 史彦
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.1, pp.10-18, 2009 (Released:2016-01-18)
参考文献数
21

生分解性プラスチックは,発酵により生産が可能である有機酸とアルコールを原料とするものであり,現状の石油系プラスチックに代わるものとして期待され,生産量が拡大している。本稿は,著者らが行っている,麹菌が生分解性プラスチックを効率的に分解するメカニズムの学術的な検討と,伝統的な麹利用技術を本プラスチックの分解に生かす新たな処理システムの構築につき,詳細な解読をしていただいた。
著者
高橋 徹 井上 誠治
出版者
日本体育・スポーツ哲学会
雑誌
体育・スポーツ哲学研究 (ISSN:09155104)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.109-120, 2009 (Released:2012-12-17)
参考文献数
32
被引用文献数
2 2

The purpose of this study is to examine the surroundings of moving body based on the theory of “affordance”, that is to refine the concept of “body environment” in sport. The study also try to consider its implication into the theory of physical education and sport philosophy.First, the concept of “affordance” presented by J. Gibson is discussed to express the meaning lurked in environment around us. Then, the environment in sport is examined in terms of two ways of talking sport which is introduced by M. Sasaki. Namely, the first manner is the way talking sport inside the body. The second is that of the border between body and environment. Especially, author concentrates to focus on the latter manner in discussing sport environment. Next, the study attempts to define the concept of “body environment” in sport. It may give us the meaning of environment found in bodily movement.At any rate, refining this concept is an approach to understanding the lived experience in sport by its useful manner of experiential description. That is to say, it is an attempt to explore the potentiality in the enterprise educating sport. Finally, author may also inquire the significance and limitation of using experiential description of sport which is a method finding the meaning of lived movement. Then, the study may conclude that this manner of describing sport experience would be possible to apply into every educational affairs.
著者
高橋 徹 松下 正明 鷲塚 伸介 萩原 徹也
出版者
信州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

以下の2編の論文を発表した。①作家・北杜夫と躁うつ病 ― 双極性障害の診断 ―.病跡学雑誌95:58-74,2018.②作家・北杜夫と躁うつ病 ― 顕在発症前エピソードと『どくとるマンボウ航海記』―.信州大学附属図書館研究8:57-87,2019.第一報において、北杜夫における「躁うつ病」の病名が、現代の診断基準における双極Ⅰ型障害に該当すること、また「混合状態」「急速交代型」の特徴を有していたことを考察した。第二報において、顕在発症とされている39歳前にも気分変動が存在し、『どくとるマンボウ航海記』(1960年:33歳時)の執筆にも躁状態とうつ状態が創作に影響を及ぼしていた可能性を指摘した。
著者
高橋 徹
出版者
東北社会学研究会
雑誌
社会学研究 (ISSN:05597099)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.81-108, 2014-04-30 (Released:2022-03-05)
参考文献数
28

東日本大震災は、日本社会に深甚かつ複雑な課題を残した。その課題の克服には、官民を問わぬ多元的なアクターの連携が必要である。ガバナンス論の分野は、このようなアクターの多元的な連携について示唆的な研究を蓄積している。本稿の課題は、ガバナンス論が示唆するガバナンスの多様な可能性に学びつつ、現代社会が持ちうるガバナンスの可能性を最大限に発揮するための可能性の条件を社会理論、とりわけ機能分化論の見地から考察することである。 機能分化論は、国家・市場・市民社会のいずれの領域にも傾斜せず、社会が直面する問題の設定とその解決のための方途をつねに比較検討することを促す。ガバナビリティとは、両者をたえず適切に組み合わせてゆくことである。このような意味でのガバナビリティを最大限に発揮するためには、問題とその解決に向けた取り組みに対する柔軟な比較検討の視点、そして社会が内蔵するリソースを問題解決に機動的にあてるための多元的な流動性が必要なのである。