著者
渕野 昌 ブレンドレ ヤーグ 酒井 拓史 薄葉 季路 ジョアン バガリア ソウクプ ライオシュ ユハス イシュトバン セントミクロッシ ゾルタン
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究で得られた主要な結果としては, (1)[雑誌論文][5], [4]でのコーエンモデルや, もっと一般に小さなp.o.のside by side productによる強制で得られるモデルの組合せ論的性質を公理化すると考えられる組み合せ論的原理に関する理論の確立, (2) 多くの数学的な反映原理と同値になるFodor-type Reflection Principle (FRP)と名付けたstationary reflection principleのバリアントの定式化と, その理論の確立([雑誌論文][3], [1])があげられる. 特に(2)の研究では, 本研究終了前後の時期に, 従来AxiomRと呼ばれるFRPより真に強いことの知られている原理から証明されていたトポロジー, グラフ理論などでのreflectionに関する結果の多くが, ZFC上FRPと同値になるという結果が得られているが, この結果は, FRPが"正しい"原理の定式化であることを強く示唆しているもの, と解釈できる.
著者
中島 成久
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

1990年代、とりわけアジア経済危機を経て、国際的なミネラルウォーター資本がインドネシアの水道事業に介入した。インドネシアでは民営化の影響で、現在水が危機にさらされている。3年間の研究では、以下の3点について集中的な調査と、文献研究を行った。(1)ジャカルタ市水道公社の民営化委に至る経緯と民営化後の水道サービスへの影響の調査、および、ジャカルタ北部の低所得者居住地区での地盤沈下と海水の侵入、水道サービスの劣化の現状(2)西ジャワ州スカブミ県でのミネラルウォータービジネスの実態とその住民生活への影響の実態調査(3)改革時代の西スマトラ州では共有地返還闘争が頻発しているが、良質な水源をもつ村では地方政府の水道事業による水源利用への補償を求める動きが活発化したので、その実態調査。また、地方自治の時代に権限を拡大した県知事による新たな水道事業で、「水戦争」が発生したことの経緯を調査した。水という公共性の非常に高い資源が民営化されると状況が何をもたらすのかという問題に大きな示唆を与えることができる成果を得られた。
著者
深見 友紀子 黒田 卓 堀田 龍也
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究の目標は、コンピュータ技術や情報ネットワークを生かした学校音楽活動の事例を調査、実践し、今後の在り方を展望することである。2年間で実施したことは以下の通り。・現在のシーケンサーソフトの分類と音楽授業、「総合的な学習の時間」、学校行事での活用状況の把握・申請代表者によるDTMソフトウェアを使った実践報告(「授業に密着したソフト」と「遊び的要素を含んだ作曲・編曲支援ソフト」)・DTMソフトウェアの今後の課題・エデュテイメントソフトウェアの「総合的な学習の時間」での活用事例報告・マルチメディアを活用した、音楽会でのクラスプレゼンテーション(富山大学附属小学校での実践)・マルチメディア総合活動「呉羽山からのメッセージ〜五百羅漢の語るもの」(同小学校での実践)・MIDI鍵盤レッスンの現状調査と研究代表者自身の実践報告・音楽(音楽教育)関連Webサイトの調査・Web上の音楽室(オンライン音楽室)の創設・コンピュータ・ネットワークを使った音楽活動交流についての調査特にWeb上の音楽室の創設は、この2年間のDTM、音楽(音楽教育)関連Webサイトなどについての研究の集大成である。コンピュータ・ネットワークを使った音楽活動交流についての調査は、日本音楽教育学会全国大会(2000年10月)において、プロジェクト研究「マルチメディアを活用した音楽活動の可能性」としてまとめた。それ以外の研究は、「音楽×コンピュータで大変身!〜授業・総合的な学習の時間・学校活動で使える〜」(明治図書、2001年2月刊行)に記載した。
著者
小島 正美
出版者
金沢医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

後方から眼鏡、サングラスレンズ裏面で反射して眼内に侵入する紫外線は多くないが、後方から侵入する紫外線を眼鏡やサングラスのフレームで防御することは不可能であった。レンズ裏面に紫外線反射防止コートを行うことにより、これらのレンズ裏面から反射する紫外線の80%を低減できることが明らかとなった。
著者
松永 泰弘
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ものづくり大好きな子どもたちを育てる創意工夫教材の開発と教育実践による検証を行った。機能性材料を用いた教材(形状記憶合金エンジン)と2足歩行教材(受動歩行模型, サーボモータを用いた2足歩行ロボット)を中心に教材開発を行い, 小学校(7校20クラス), 中学校(2校)において授業実践し, 教材としての有効性を検証した。教材の不思議・驚きが子どもたちの興味関心を引き起こし, 創意工夫可能な教材であり, 学校全体, 家庭も巻き込むことができる教材であることが明らかとなった。
著者
ベセット アラン 権 瞳 佐藤 恭子 有馬 淑子
出版者
プール学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、CALLを利用した外国語学習において、学習者の教材利用と学習ストラテジー活用状況を調査した。学習者は既製英語学習ソフトを利用する際、課題は消化していくものの、学習支援機能を利用することはほとんどなく、自律的学習に不可欠なメタ認知ストラテジーの利用が十分になされていないことが明らかになった。ストラテジー向上のための指導や、学習記録を用いた振り返りなどの手法には一定の効果が見られるが、継続的に行うことが必要と考えられる。
著者
下光 輝一 大谷 由美子 小田切 優子
出版者
東京医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

運動習慣の獲得・継続に役立っ実践的介入方法を開発することを目的とし、1)行動医学理論モデルであるTranstheoretical Modelにもとづいた「運動行動変容の過程」尺度(POC)の新たな開発、および2)行動医学的手法を取り入れた集団ストラテジーに則った介入の層化無作為割付対照試験による効果の検討を行った。1)POCの開発:45項目,11概念(プロセス)の質問紙を作成した。某社社員を対象に実施し、調査研究に同意が得られた1,287名(対象者全体の53.1%)を分析の対象とした。確認的因子分析の結果,11プロセスのうち項目数3つ以上の9プロセスにおいてCronbachのα信頼性係数は0.7以上であり,高い信頼性が示された。また、対象者の運動習慣のステージ(SOC)とPOC11プロセス各尺度得点との関連を検討したところ、すべての尺度得点において、SOCによる有意差が認められ(p<0.001),SOCが高いほど高得点を示し,尺度の妥当性が確認された。2)介入効果の検討:規模と地域を考慮して、事業所単位で層化後、無作為割付を行い、介入事業所の社員(介入群)に対して、ポスター掲示および社内メールによる情報提供型の介入を、14回、6ヶ月間(1週間隔の集中的介入期間8週間を含む)行った。提供した情報は、身体活動・運動の健康影響や推奨されている活動量に関するもので、ベースライン評価時のSOCに応じて行動医学的技法を用いた情報を追加した。介入の前後で、SOC、POC11尺度得点、日常生活における身体活動量、加速度計による歩数の変化について検討したが、いずれの評価尺度も、介入群、対照群ともに有意な変化はなかった。集団ストラテジーに則った介入は、情報提供型が多いが、SOCに応じた行動医学的技法を取り入れても、行動変容を起こすことは困難であった。今後、効果的な介入方法の開発が必要である。
著者
川村 洋次
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は、まず、様々な演出・編集技法操作を行った映像ショットを撮影し、新たに撮影した映像ショットにインデックスを付加した映像データベースを整備した。次に、映像データベースを基に演出技法・映像修辞を操作した広告映像を生成し、その効果について視聴実験した。そして、演出技法・映像修辞の操作と効果の関係を分析し、広告映像のクリエイティブ・ノウハウの抽出・体系化を図った。
著者
三浦 香苗 太田 亨 深川 美帆
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

学生によるビデオ会議(日本語使用)を,タイ,トルコ,豪州の協定校と,1 対1及び多地点同時通信で行った。その結果(1)1対1の方が多地点より議論が円滑であった。(2)会議のturn数を日:豪,日:タイ,日:トルコで比較すると,日:豪が有意に多かった。(3)「結婚」「職業」などは異文化会議を進めやすいトピックである。(4)国によっては,サブトピックより更に下位の話題が活発に出た以上の結果の原因が文化差か,グループの傾向か等は未だ特定できない。
著者
松永 修一 岸江 信介
出版者
十文字学園女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

松永・岸江が収集した南九州、特に宮崎県・鹿児島県における在来方言の自然度の高い談話資料のアナログデータをデジタル化し、文字化と音声データの公開の準備を整えることができた。文字化資料の一部は冊子体で公開した。また、新たに奄美大島での調査を進め、奄美大島本島だけでなく、徳之島、加計呂麻島での臨地調査を行い、46 地点の高品質な音声と映像による話者の発話情報を記録・収集し音声言語地図の準備を完了した。
著者
三浦 浩喜
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、学校における芸術教育の危機といわれている今日、IT技術と学校空間を利用し、児童美術文化の再生をしようとする実践研究である。まず、イタリア、レッジョ・エミリア市の調査においては、企業や自治体、海外との連携の重要性が明かとなった。次に、わが国における学校空間を利用した実践は80年代に大きく広がり、90年代に縮小したものの、各地にユニークな実践が存在したことが明らかとなった。また、学校との実際のコラボレーションにおいては、福島市桜の聖母小学校、須賀川市白方小学校、三春町立岩江小学校、伊達市立保原小学校などとプロジェクトを展開し、いずれも成功させることができた。
著者
保坂 裕興 高埜 利彦 安藤 正人 入澤 寿美 森本 祥子 小風 秀雅 針谷 武志 水谷 長志 君塚 仁彦 水嶋 英治
出版者
学習院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究による組織構成及び各種機能を含んだ規程等の提案を受け、2011 年 4 月、学習院アーカイブズが学校アーカイブズとして開設された。それにあたり世界16 言語と web リンクをもつ関係用語集を作成するとともに、公開研究会を開催してその役割・機能を論じ、さらに教職員を対象とする講習会を実施して記録/アーカイブズ管理の理解向上をはかり、その運営に理解を求めた。また、主たる所蔵資料である戦前期宮内省学習院公文書の基本構造を明らかにし、その鍵となる史料をアーキビスト教育の授業教材として用いた。以上を科研報告書にまとめ刊行した。
著者
蔵野 和彦 後藤 四郎 中村 幸男 早坂 太 櫻井 秀人 鴨井 祐二 川崎 健
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

Serreは非特異代数多様体上の二つの閉部分多様体に対して交点数を代数的に定義した。それを非特異ではない代数多様体上に拡張しようという試みは1970年代から考えられてきた。しかし、それは、1980年代にDutta-Hochster-MacLaughlinにより発見された例によって、そのままではうまくゆかないことがわかった。長い間、前述の例は、非常に悪い例であると認識されてきた。しかし、代数的K-理論の発展に伴い、Levin, Roberts, Srinivasは、そのようなことは、非常に自然に起こりうることであることを発見した。本研究により、そのような現象のおこる度合いと、代数サイクルの理論の中での最も重要な予想であるスタンダート予想と関連があることがわかった。もう少し詳しく述べると、体上非特異な射影多様体上ではサイクルの交点数が定義でき、それによってChow環上に数値的同値という同関係が定義できる。ここでは、そのような議論をネーター局所環のChow群やGrothendieck群上で行い、数値的同値をその上で定義して、それて割ることによりラティスが出てくることを示して、基本的な性質を調べた。正規射影多様体の因子類群と、その(正規な)斉次座標環の因子類群の関係を一般化した公式を証明した。これにより因子類群が有限生成自由アーベル群であるような正規射影多様体の全座標環は素元分解環であることが証明できた。正規局所環のフロベニウスのdeterminant射の像と標準加群のdeterminant射の像の関係式を発見した。これによって、ヒルベルト・クンツ関数の第二係数に関する消滅定理か証明できた。
著者
岩井 圭司
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

裁判において精神的被害を正しく評価するためには、被験者の意識的あるいは無意識的な意図によって症状が過大に報告されることの少ない質問紙が必要である。その目的で、まずは外傷後ストレス障害(PTSD)診断におけるミネソタ多面人格目録(MMPI)の特性と有用性について検討した。対象としたのは自験例55例(うちPTSDは36例である)。従来からMMPI診断に用いられてきたプロフィール-4つの妥当性尺度と10の臨床尺度とからなるプロフィール-は、PTSDの病態を反映しており、PTSDと非PTSDをかなり正確に判別しえた(正診率0.82)。MMPIはPTSD診断テストとしても有用であると考えられた。MMPIの下位尺度であるPK尺度(PTSD Keane Scale)日本語版は、PTSDに関して非特異的な設問のみからなるにもかかわらず、PTSD診断検査として有用であることが見出された。また、PTSDの各臨床尺度得点の単純加減によるMMPI-PTSD Index(M-PTSD Index)を開発した。PK得点もM-PTSD Indexもともに、被験者の意図によって判定結果が左右されることのほとんどないPTSD診断検査としてPK尺度と同程度に有用であると思われた。次に、意図的に精神的被害を受けたかのように振舞う者と真に精神的被害を受けた者とを判別することを試みた。ドメスティック・バイオレンス(DV)からPTSDを発症した者と、模擬的にDV被害者になりすました"ニセ患者"に出来事インパクト尺度改訂版(IES-R)を2週間の間隔をおいて施行した。2回の施行間で2点以上の点数の移動があった項目数は、真の患者群(DV群)が"ニセ患者"(CP群、 Med群)に比べて有意に少なかった。"ニセ患者"では真の患者に比べて回答行動における再現性が低い、という仮説が裏付けられた。
著者
平田 統一 喜多 一美
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

牛の定時人工授精プロトコールの卵胞成熟期にアルギニン5あるいは60g静脈投与することは受胎率を改善させる。このアルギニンの作用は、1)タンパク質同化の促進や血中アンモニアの解毒促進、血流量増加などを介して母体の妊孕性を改善すること、および2)卵胞や卵子成熟に直接影響することを介して発揮される可能性がある。アルギニン投与による牛の受胎率改善は、安価で、消費者に許容される安全な新しい繁殖技術となり得る。
著者
出口 康夫
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、現代哲学の新分野である「分析アジア哲学」研究の一環として、大乗仏教の「空」の思想の論理的・概念的な内実、即ち「空の論理」を、現代の非古典論理を用いて再解釈することで、空の思想そのものを、現代的水準に照らしても十分に合理的・論理的な哲学的立場として再生させることを目指した。具体的には、中国三論思想の「中」「仮」概念と、後期西田哲学の「絶対矛盾的自己同一」概念に着目し、それらが三値のパラコンシスタント論理の枠内で再構築できることを示した。また分析アジア哲学研究の国際ネットワークの構築にも取り組んだ。
著者
平岡 久忠 滝川 一晴 筋野 隆 星 和人 松平 浩 中村 耕三 岡崎 裕司 平岡 久忠 滝川 一晴
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究においてわれわれは先天性下腿偽関節症の偽関節部では、介在する線維性軟骨により骨の連続性が絶たれていること、骨・軟骨は多数のTRAP陽性、vitronectin receptor陽性の多核巨細胞、破骨細胞により浸食されていること、骨形態計測の手法を用いた結果、偽関節部では破骨細胞数および破骨細胞表面が成人の外傷性偽関節組織にくらべて約4倍に亢進していることを明らかにした。またさらに症例を重ねて、昨年来行っている偽関節組織に対する生化学的検討を続行しその再現性を確認した。手術時に切除した偽関節組織からmRNAを調整し、破骨細胞形成のマスター分子であるランクリガンドの発現をRT-PCR法を用いて調べた。その結果、先天性脛骨偽関節症では外傷性偽関節にくらべてランクリガンドの発現が亢進していることがわかった。同様の知見は抗ランクリガンド抗体を用いた免疫組織化学によっても確認した。以上の検討より先天性下腿偽関節症ではその偽関節部において破骨細胞形成のマスター分子であるランクリガンドの発現が亢進し、その結果破骨細胞形成が促進されていることが明らかとなった。これらの破骨細胞は骨・軟骨組織を浸食し正常な骨癒合を妨げていることが推測された。
著者
鈴木 正敏
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

トリチウム影響の総合的理解やリスク評価に資する基礎的検討を行なうために、トリチウム水と比べて生物学的半減期が長く、トリチウム内部被ばくの長期化に関与する有機結合型トリチウム(OBT)の持続処理による細胞影響を検討する。核酸以外にもアミノ酸、脂質、糖に由来するOBTを幅広く解析に利用することでトリチウム影響に関連する知見を包括的に収集し、トリチウム水処理による細胞影響との比較によってOBTが及ぼす細胞影響への寄与についても検討する。
著者
小松 健
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

世界的な貿易自由化に伴い、未知の植物ウイルスが農作物に遭遇・感染しこれらにホストジャンプし、パンデミックを引き起こす可能性が高まっている。本研究では、多年生野草が遺伝的に多様なウイルス株を生み出す「ゆりかご」として、農作物へのホストジャンプを準備している可能性を、鑑賞ユリに壊そ症状を引き起こし世界的に問題となっているオオバコモザイクウイルス(PlAMV)を用いて検証する。具体的には、(1)多年生野草に感染し続けることでウイルスの遺伝的多様性が高まるかを調査し、(2)PlAMVの野草分離株と鑑賞ユリの壊そ系統との集団遺伝学的な全ゲノム比較、および逆遺伝学的解析によりホストジャンプを実証する。
著者
太田 尚子
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、乳タンパク質のβ-カゼインとβ-ラクトグロブリンの脂肪酸塩存在下及び非存在下における相互作用について、超音波分光分析並びに動的粘弾性測定により調べた。β-カゼイン単独またはβ-カゼインとβ-ラクトグロブリン混合系は脂肪酸塩非存在下では一過的な超音波減衰の増加が観察されたものの、動的弾性率の増加は認められず、三次元的ネットワークの構築は起こっていないことが判った。一方、この混合タンパク質系に脂肪酸塩の一種であるカプリン酸ナトリウムを添加した際には、β-ラクトグロブリン単独タンパク質に比べ超音波減衰の増加や弾性率の増加は少ないもののゲル化現象が認められた。この事からβ-カゼインが脂肪酸塩存在下でテクスチャーモディファイヤーとして役立つことを示唆した。