著者
川北 眞紀子 伊吹 勇亮
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ニュースのサプライチェーンという考え方で広報活動を捉えたときに見えてきたのは、ニュース素材の仲介者としての品揃え形成活動のあり方であった。広報部門はニュース素材の分散活動だけでなく収集活動をも行う場であり、相対的には収集活動がより重要な役割であることが示された。観光協会への質問紙調査では、広報部門の情報品揃えの程度が高いほど、メディア・リレーションズの広報成果は高いという仮説が概ね支持された。最後に、ジャーナリストたちが発信活動よりも情報品揃え活動を重視しているという仮説をたて、ウエブ調査で実証した。結果は、取材決定時にも報道決定時にも、発信活動よりも品揃え活動が重視されることが検証された。
著者
西前 出
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

途上国における自然災害による農業生産の被害を軽減するために,地域資源を再考することを通じて新しい開発援助の在り方についてミクロ,マクロの双方の視点から研究を行った。フィールド調査,アンケート調査,GIS分析を通じて研究を実施し,住民目線では災害に対する正しい認識の欠如,行政の支援とニーズの不一致などが主たる課題として挙げられ,都市部では経済的な発展度合いによる災害への適切な対応が必要不可欠であることが定量的に明らかとなった。
著者
井上 次夫
出版者
小山工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

論述文で適切な単語が使用できることを目的に、話しことばから書きことばへの書き換え能力を高める教材を開発し、冊子『アカデミック・ジャパニーズ表現の演習』(A4版、42ページ)を発行した。また、それを用いて、高専の3年生及び専攻科1年生、公立高校2年生を対象に授業実践し、自学自習にも役立つ多様な練習問題を中心に据えた語彙の指導法について提案した。
著者
熊谷 信二 車谷 典男
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

2007年に、旧石綿工場の周辺住民1907人の参加を得て後向きコホート調査を実施したが、本調査では観察期間を2012年12月まで延長して死亡状況を観察した。そして推定石綿濃度に基づき、対象者を4群に分類して、肺がん死亡状況を検討した結果、石綿濃度がもっとも高い地区では、職業性石綿曝露がない肺がん死亡者は男性9人および女性4人であり、標準化死亡比(日本の一般人と比較して何倍かの指標)はそれぞれ2.40(95%信頼区間1.10-4.55)、3.27(同0.89-8.39)となり、男性では統計学的に有意であった。この結果により、周辺住民の肺がん死亡リスクが上昇していることが示唆された。
著者
津田 敏秀 頼藤 貴志 土居 弘幸 鹿嶋 小緒里
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

国内では大気汚染の健康影響を評価した疫学研究は依然として少ない為、下記目的を達成するために研究を行った。①短期曝露と疾病罹患の関連評価、②短期曝露と疾病別死亡の関連評価、③大気汚染曝露と周産期指標の関連評価、④大気汚染曝露と児の疾病罹患との関連評価。結果として、①では短期曝露により、循環器疾患、呼吸器疾患、心停止による救急搬送のリスクが上昇していた。②においては、日々の二酸化硫黄の濃度と疾病別死亡との関連を認めた。③に関しては、曝露モデルの検討を行っており、更なるデータ蓄積と解析を行う予定である。④に関しては、妊娠中の曝露は満期低出生体重児を増加させ、発達にも影響を及ぼしていた。
著者
安西 信一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本年度は、研究の中でも特に基礎的な原理的分野に焦点を当てて行った。中でも日常性の美学や環境美学など、庭園という美的芸術的現象の中核をなしながら、しかもそれを現代美学の先端的な問題と接合するために重要な分野にかんする基礎研究が中心になった。具体的には、とりわけ現代日本におけるポストモダン的な美的芸術的諸現象を一つの特権的な事例として取り上げ、それを深く考究することで、そこにおいて顕著な、「今ここ」の重視、「近さの美学」、「日常性の美学」、「歴史回帰」、「ドメスティック指向(地方・国内・家庭指向)」などに光を当てた。そのことにより、庭園の根幹をなす土地への帰着とそこからの超越、また時間的には、現在でありながら永遠を指向するというその二重性を、広いコンテクストから考察することに成功した。と同時に、それらがグローバル化、フラット化、情報化、二次元化といったものの影響を受け、同時代的な変化を強く被っていることにも注目し、それらと調和しつつも、それらに対抗する戦略について考察した(たとえば、ハイブリッド性を確保しつつ、今ここに流れ込む歴史に回帰し、それを咀嚼し、批判的に発展させることなど)。またそのような観点から、現代の庭園美学は、当然テーマパーク研究を視野に含めなければならないが、不完全ながらそのような研究も行った。さらに同様の関心から、現代の映像作品の中で、庭園がどのように描かれるかにも注目し、自然と人工、開かれと閉ざされなどの二重性が、現代の二次元映像の中でも十分に意味を持ちうることを示した。さらに現代美学的な観点から最も重要と思われる風景式庭園(およびランドスケープ・アーキテクチャーやランドアート)についての受容史的な考察も引き続き行っている。
著者
小島 理永 藤田 和樹 島本 英樹 内藤 智之 門田 浩二 河野 史倫
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,大学生の生活習慣やメンタルヘルス等の健康状態を多元的視点から評価可能な生活習慣尺度を作成し,その妥当性を検討するとともに,回答者の健康状態と経時変化が確認できるWebアンケートシステムを構築した.そして,フィットネスとメンタルヘルスの因果関係について検討した結果,大学生の体力の低下は,直接的にメンタルヘルスに,また,間接的にソーシャルヘルスに影響を及ぼしており,性差によって影響要因が異なっていたことが明らかになった.これらの成果より,健康教育における本アンケートシステムの汎用性が確認できた.
著者
宇座 美代子 田場 真由美 儀間 繼子 當山 裕子 小笹 美子 古謝 安子 平良 一彦 宮城 瑛利奈
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、保健師マインド育成プログラムを検討するために保健師・看護師・住民に沖縄の伝統文化に関連した支援内容等を調査した。保健師マインドを育成するためには、保健師のアイデンティティが確立され始める保健師経験3年目に焦点を当て、沖縄の伝統文化に関連した知識や対応技術等の内容を中心に、自らの「経験」を語ることによって「自信」に繋がるプログラム構築の必要性が示唆された。
著者
櫻井 敬三
出版者
日本経済大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

インタビュー調査(初年度から2年半、技術革新を実現した62社の中小製造企業)とアンケート調査(2014年6~7月、回収250社)を実施した。その結果から下請型企業と独立型中小企業では相違があった。技術醸成期間は下請型企業が社長主導、独立型企業が取引先や大学支援を受けながら新技術を獲得している。事業化推進期間は差異はなかった。ただし用途先調査や新たな取引先との接触は行われていないことがわかった。他に情報源や業界別分析も合わせて行った。
著者
増成 直美
出版者
日本赤十字九州国際看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

患者の診療情報の電子化に際して、患者の自己情報コントロール権の保障等のために法的整備が必要である。研究等への患者の診療情報の利用を推進するためには、比例原則、組織・手続的保障を備えた憲法適合的個別分野法の制定が必要となる。したがって、行政機関や民間企業の個人情報の取り扱いを監督し、場合によっては直接訪問し、実態調査や監督指導等を行う権限を有し、国民からの苦情処理や被害救済機能を担う独立したデータ保護機関が設置されなければならない。これらの視点からすると、2013年12月に成立した、がん登録等の推進に関する法律には、検討すべき課題があるように思われる。
著者
加藤 安彦 篠崎 晃一
出版者
専修大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

急速に普及した携帯電話を介したメイルでのコミュニケーション方法は、若年層においてすでに定着しており、日常生活に欠くことのできないコミュニケーション手段である。最近では様々な絵文字が現われ、携帯電話会社の中にはその充実に力を入れている会社もある。この携帯メイルによるコミュニケーションを研究対象として、若年層における携帯メイルの役割を明らかにすべく、アンケート調査と、実際のメイルデータの収集を行った。アンケート調査は、携帯メイルによる謝罪場面でどのような謝罪が行われるか、について簡単な意識調査を行った。これは、待ち合わせの約束をしてその約束に遅刻しそうな時、携帯メイルを介してどのような表現を採用するのかを調査したものである。また、若年層が、同年代を主に他の年代の相手も含めて実際に行った携帯メイルデータの収集も行った。携帯メイルには、携帯を所有している学生の生年月日や出身地、メイルをやりとりした相手の出身地と相手との関係、親しさ(親密度)といった情報を付与し、データ全体を表現の特徴によって情報との関係をみた。データを分析した結果、葉書や手紙などと異なり、顔文字・絵文字の出現、星(☆や★)、音符(♪)などの記号類、「(笑)」や「(泣)」などといった表現、すなわちパラ言語的な表現が多用されていることがわかった。また、こうしたパラ言語的な表現は、相手との関係、距離感、すなわち親密度によって使用される表現形式が異なることも明らかになった。
著者
水上 勝義
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

アルツハイマー病(AD)の神経細胞保持に関連すると推察されるユビキリンとブチリルコリンエステラーゼについて剖検脳海馬を用いて免疫組織化学的検討を行った。ユビキリンはAD病理に対して抵抗性を示す海馬CA2-4領域の神経細胞内で増強した。ブチリルコリンエステラーゼもAD海馬の同部位において神経細胞内とニューロピルで増加した。これらの変化は、AD病理に対する抵抗性を関連する可能性が推察される。今後はこれらの変化と興奮毒性との関連について明らかにする必要がある。
著者
津上 英輔
出版者
成城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

観光とは快のための旅である。ところが従来の観光研究において、個人を観光に駆り立てる快の本性については、論じられなかった。その結果、社会的行動としての観光の重視と個人的行為としての観光の蔑視との間の齟齬が解消されずにいる。本研究では、観光者の写真撮影、旅先での美食とショッピングについて観光学の成果を踏まえた美学的考察を行ない、観光の快が美的=感性的(aesthetic)なものであることを確かめた。
著者
水野 慎士 横井 茂樹
出版者
愛知工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,より進んだデジタルミュージアムの実現を目的として,工芸技法を仮想的に体験できるシステムや映像を対話的に生成したり制御したりするシステムを開発した.具体的には,沈金技法をCG空間で仮想体験できるシステムや,三次元CG空間で縄文土器の文様生成をシミュレーションするシステムなどを開発した.また多数のビデオ素材を同時に再生しながら対話的操作を行うシステム,運動視差立体視CGを用いたシステム,お絵描きをCGで拡張するシステムなどを開発した.また,ソーシャルメディアを用いて,ミュージアム所蔵品に関する様々な知識を共有できるオンラインミュージアムを提案した.
著者
江原 靖人 中村 晴信 開發 邦宏
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

インフルエンザウイルス(IV)は現在、パンデミックが最も危惧されているウイルスである。このウイルスの表面はヘマグルチニン(HA)という3量体タンパク質によって覆われている。HAのシアル酸結合部位と高い親和性で結合する化合物は、あらゆる型のIVに対して予防、診断、治療が可能であると考えられる。本研究ではIV上のHAの3つの糖鎖結合部位に同時に結合するような3-way junction糖鎖修飾DNAを合成した。このDNAは、シアリルラクトース基単独に比べ、80,000倍親和性が向上した。この化合物は、高感度・迅速にインフルエンザ感染を診断するシステムや治療薬としての応用が可能であると期待される。
著者
樋野 公宏 柴田 久 雨宮 護
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、地域住民が自発的に公園、通学路などの屋外環境を改善するためのプログラムを実践的に開発するものである。松山市久米地区では公園の環境改善を支援し、公園の利用状況や犯罪不安感に関するアンケートから子どもの移動自由性の高まりを確認した。福岡市の警固公園では「防犯と景観の両立」をコンセプトに改修デザインに協力し、園内での補導件数減少などの成果を上げた。また、足立区および東京都と協働して屋外環境改善プログラムを開発した。足立区では「防犯まちづくり推進地区認定制度」が創設され、東京都は「地域の危険箇所改善ガイドブック」等を作成、公開した。
著者
竹下 秀子
出版者
滋賀県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

ボノボ(Pan paniscus)を対象とし、複数物体による道具の構成が必要とされる場面で、当該の道具使用に関して、ヒトによるモデル行動がある場合を設定し、実験を実施した。チンパンジーのヤシの種子割りにみられるような、ユニットメソッドによる道具の構成が可能かどうかを、明らかにすることを目的とした。11頭の飼育ボノボを対象とした第1実験の結果、3頭のおとなのボノボは、1本の棒をかき寄せ棒として使用した。1頭のおとなオスは1本の棒をプラスチックケースに投げつけた。1頭のおとなメスと8歳と4歳のオスは棒ではなくウッドウールをプラスチックケースにむけて差し出し、引き戻した。おとなのうち2頭は、棒を使用して、多様な対象操作をおこなった。第1実験でもっともアクティヴで多様な行動を示したおとなの2頭を対象として、集中的なモデル行動の提示をおこなう第2実験を実施した。その結果、1頭は、幾度か2本の棒をつなぎ合わせることができたが、そのたびに、即座に分解してしまい、できあがった長い棒を道具として使うことはなかった。もう1頭も、一貫してアクティブであり、1本の棒でなんとかプラスチックケースをかき寄せようとした。利き手である右手は、4本の指の協調で精緻な操作が可能であり、左手は常に補助的に有効に使用されていた。両手使用の対象操作技能は非常に高いレベルにある。また、1本の棒使用ではより長い棒を選択していた。使用していた棒をケージの外に手放してしまうと、それを取り戻すために、短い棒を使用し、それも手放した場合には、ウッドウールを利用するというように、複数物体を、順次利用する行動も出現した。しかし、両対象個体とも、90試行を経ても、2本の棒を組み立てて、新たな長い棒を構成し、刺激の食物をかき寄せる行動は出現しなかった。
著者
木崎 治俊 太田 一正 谷本 豊
出版者
東京歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

超螺旋構造を持つクロマチンDNAのトポロジーをDNAトポイソメラーゼ(I,II)の阻害剤により変化させ,初期に変化する遺伝子を検索し,二つの遺伝子が特異的に減少することを明かにした.一つは,hnRNPA1であり,mRNAのプロセッシングに関わるタンパクhnRNP A1をコードしていた.もう一つは新規の遺伝子であり,トポイソメラーゼ阻害剤により特異的に抑えられることからTISと命名した.本遺伝子の構造を明かにし,唾液腺癌細胞(HSG)をトポイソメラーゼ阻害剤や,レチノイン酸(tRA),ジブチリルcAMP(bt2cAMP)によりそれぞれ異なった細胞群に分化させ,その過程での本遺伝子の機能について解析した.tRAによりトポイソメラーゼIのmRNAの発現は抑制され,トポイソメラーゼIタンパクはわずかな減少がみられた.bt2cAMPではそのmRNA,タンパクの発現には大きな変化は見られなかった.トポイソメラーゼIIαのmRNAの減少とタンパクの減少がみられ,特にtRAの処理により顕著にみられた(図2).分化誘導剤によるこの酵素の減少は,増殖抑制と分化のトリガーとなるとも考えられる.トポイソメラーゼIIβはタンパクレベルでは検出できず,mRNAの発現も極めて低く,その機能はトポイソメラーゼIIαに比べて明かではなかった.TIS遺伝子の発現は分化誘導剤により初期に抑制され,非常に初期の遺伝子発現の制御に関与していることが示唆された.HSGは多分化能を有する細胞であるが,均一に全ての細胞が分化していくのではなく,分化初期の変動遺伝子を今回のような方法で確認するにいは難しい細胞系といわざるを得ない.そのため,トポイソメラーゼIIβやTISの変動が明確に観察されなかったのではないかと考えている.今後は均一な細胞系で,分化マーカーの確立細胞系を試料としたトポロジーの変化と分化との関連性を明かにする必要があると考える.今回は、トポイソメラーゼの阻害とアポトーシスとの関わりが示唆され,その際の新規なPKCδアイソホームを確認することができ,その機能の解析の重要性が示唆された.
著者
宮本 正喜 平松 治彦 仲野 俊成 仲野 俊成
出版者
兵庫医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

今回、セマンティックウェブ技術を応用して、保有するデータベース技術を駆使して医師の養成等に利用できる学習システムの構築を行った。上部内視鏡の診断所見における語彙と語彙の組み合わせの強度により、「撮影方法」「基本部位」「基本所見」「診断」の関連についてオントロジ-技術を使ったデ-タベ-スの構築を整えた。症例画像デ-タベ-スの基本を作り、オントロジ-デ-タベ-スに組みこみ、問題作成や答え合わせが可能となる学習システムを構築した。この3年間で、何名かのIT技術者や医学生、研修医にテストユ-ザ-として使用をしてもらい実証実験を行った。その結果いくつかの問題点はあるものの、比較的良好な評価が得られた。
著者
福留 和人 齋藤 淳
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は,セメントの水和率が所要レベルに達するように合理的に養生計画を立案する手法を開発することを目的とする。養生条件がセメントの水和反応に及ぼす影響を解析的に予測する手法を開発するために,養生条件の影響に関する基礎データの取得および各種養生工法の養生効果を評価する実験を実施した。得られた結果を用いて,解析プログラムによる水和解析の検討を行い,養生条件がセメントの水和に及ぼす影響の評価手法を確立した。これらの結果の取りまとめを行い,「セメントの水和解析に基づくコンクリート構造物の養生計画の立案手法」の提案を行った。