著者
紀平 知樹
出版者
兵庫医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

研究課題では、現象学の手法を用いて持続可能な開発の倫理のための基盤を形成することを目的としている。そのために本研究課題では、持続可能性という概念の意味を明らかにすることに取り組んだ。ことに、経済学における持続可能性に関する論争をたどることによって、新古典派の理論を土台にした持続可能性の理解の限界と、サブシステンスな意味での経済のあり方がオルタナティブな持続可能性概念の基盤として考えられることを明らかにした。
著者
檜皮 瑞樹 久留島 浩 伊達 元成
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、19世紀に北海道へ集団移住した武家家臣団(亘理伊達家家臣団を中心に仙台伊達家家中を対象とした)に関する基礎的な資料調査を実施するとともに、資料群の目録化作業を行った。また、有珠郡をモデルに移住者と先住者(アイヌ民族・先住和人)との接触と軋轢に関して、蝦夷三官寺の一つである有珠善光寺の果たした役割、及び有珠郡の領主権力としての亘理伊達家の果たした役割について明らかにした。
著者
菊野 春雄
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

第一に、本研究では、これまでの目撃記憶の研究を評論した。目撃記憶の研究を予防的研究、診断的研究、回復的研究の3つのタイプに分けて考察した。さらに、これらの研究を展望することにより、予防的研究と診断的研究は多く行われているが、回復的研究が少ないことを考察した。特に、モンタージュ法や似顔絵法が、回復的研究の手法のひとつと考えられることを示唆した。第二に、幼児と大人を対象に顔認識の実験を行った。この研究の目的は、似顔絵を描くことが顔の再認にどのような影響を及ぼすのかを発達的に検討した。そこで、被験者にはビデオでターゲットの登場人物を呈示した。ターゲットの記銘は、偶発記憶課題であった。被験者がビデオを視聴した後で、半分に被験者である似顔絵呈示群には、実験者が顔を描いて、先程見たターゲットの顔を思い出すように促した。残り半分の被験者である統制群には、家の絵を描いて、家を思い出すように促した。その後で、数枚の顔写真を見せ、その中からビデオの人物がどれであるのかを再認させた。その結果、幼児では、統制群よりも似顔絵呈示群で、再認成績が有意に優れた。他方、大学生では似顔絵呈示群よりも統制群で、再認成績が優れた。この結果は、幼児と大学生で似顔絵が顔記憶に及ぼす効果が異なることを示している。幼児では、似顔絵を呈示することによって、ターゲットについて視覚的リハーサルが促されたのであろうと仮定された。他方、大学生はターゲットについて自発的に視覚的リハーサルを行っているが、似顔絵を呈示することによって妨害されたのではないかと仮定された。このことは、事件を目撃した後で、犯人についての似顔絵を描くことが、大人にとっては負の効果があるが、幼児には促進的効果があることを示唆している。
著者
市田 公美 細谷 龍男 細山田 真 松尾 洋孝 中村 真希子
出版者
東京薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

URAT1/SLC22A12とGLUT9/SLC2Aは近位尿細管における尿酸再吸収に働くトランスポーターで、この欠損は腎性低尿酸血症を引き起こす。URAT1/SLC22A12とGLUT9/SLC2A9の変異で、尿酸輸送能に影響を与えないと報告されていた変異を検討し、アフリカツメガエルの卵母細胞を用いた輸送実験の条件を変更することにより、変異による尿酸取り込みの減少を示し、腎性低尿酸血症を惹起する可能性を明らかにした。ABCG2は尿酸の分泌に働くトランスポーターであり、この機能低下や欠損を認める一塩基多型により高尿酸血症を来たしやすくなる。血清尿酸値における、ABCG2の機能の重要性を示した。
著者
玉川 英則 野澤 康 市古 太郎 河村 信治
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は,東日本大震災の津波被災地であり,研究メンバーが発災直後から支援調査活動を継続し「顔の見える関係」のある岩手県野田村を対象に、現地での復興シャレットワークショップ(CWS)の実施をとおして、復興空間パターンを抽出し、周辺他都市との機能連携でのコンパクトな居住復興モデルを実践的かつ理論的に導出しようとしたものである。3年の研究期間(プレスタディ期間を含めれば4年間)において、素朴で物的な計画を中心とした提案から、期間途中から民泊プログラム等を組み入れることにより、当地のなりわいを体験し被災地に寄りそう中で、より地域に密着した提案を考案していくプロセス構築がなされていった。
著者
加藤 和生 丸野 俊一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

2年間の研究を通して,次のような実績を得た:1.甘えタイプの理論化と尺度構成Kato(1995)の甘え過程モデルを展開しながら,甘えタイプのモデルを提案した.理論では,自己観と他者観のポジティブ・ネガティブの組み合わせにより,4つのタイプを区別した:甘え上手タイプ(A),甘え難いタイプ(B),気兼ねする甘え屋タイプ(C),混乱型甘え屋(D).これらのタイプを測定するために,甘えタイプ尺度を構成した.次に,自己観・他者観の測度の得点の違いから,理論的妥当性を検討した.2.甘えタイプによる甘え行動・交流での態度,認知過程,感情の違いの検討Kato(1995)の甘え過程モデルにもとづき,甘え態度,認知過程,情動体験を測定するための尺度を構成し,理論化した4つの甘えタイプによって甘え行動・交流の間で甘え態度,認知過程,情動体験にどのような違いがあるかを検討した.AタイプとBタイプは,多くの要因得点で対局をなしていた.C・Dタイプは,その中間に来ることがおおく,それらのタイプに特徴的な幾つかの要因得点では,独特の反応を示していた.3.甘え・甘えさせの素朴概念の分析従来の甘え研究者は限られた観察から甘え行動の一側面について議論することがおおく,甘え・甘えさせが実際にどういう行動や心理的過程を含んでいるかを分析していない.そこでそれらの素朴概念(自由記述)の内容分析をすることにより,一般の人が甘えや甘えさせることをどのように理解しているかを質的に分析した.4.大学生の愛着行動の質的分析甘えの研究意義を明らかにするために,類似概念と思われている愛着行動の分析を通して,逆に甘えの特徴を明らかにすることを試みた.そのために,Kato(1995)の甘え過程モデルの枠組みを用いながら,愛着行動の内容,動機,状況,および対象を自由記述の質的分析をとおして解明を試みた.
著者
岡村 太郎 篠田 邦彦 古西 勇 竹下 安希子
出版者
千葉県立保健医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

認知症の転倒について行動や日常生活生活の要因について、横断調査により検討した。結果は日常生活活動と認知症の行動障害が関係が認められた.さらに、認知症の転倒予測について追跡調査をした.結果は,衣服の着脱動作から転倒予測ができることが判明した.次に、認知症の転倒予防について2施設による比較介入試験を行った.結果は運動プログラム・転倒予防の環境調整・注意喚起のプログラムの介入により転倒の減少が認められた.
著者
佐藤 嘉則 島津 美子 木川 りか
出版者
独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

インド共和国にあるアジャンター石窟寺院には貴重な壁画群が存在する。しかし、石窟内部で広く確認される黒色物質が、壁画上に粘着して土壁そのものを溶解して壁画を消失させるという深刻な被害をもたらしており大きな問題となっている。本研究では、現地から採取した黒色物質の微生物および理化学性解析から、①黒色物質は微生物バイオフィルムであり、②黒色物質のある土壁ではセルロース量が減少していること、などが明らかとなった。かつて石窟内にいたコウモリの糞尿による水分や有機物の供給が微生物バイオフィルムの基となり、バイオフィルム内の微生物がスサを分解して壁画の剥落(消失)が引き起こされていたのではないかと考えられた。
著者
鈴木 恵二 川村 秀憲
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

大規模計算の能力を活用し,意思決定手法の活用において,利用者の負担を軽減し簡易にかつ素早く意思決定を行なうための理論開発をおこなった.具体的には,意思決定手法としてAHP(Analytic Hierarchy Process)を取り上げた.AHPの利用における問題としては,評価項目間や,各評価項目における代替案間の全ての一対比較をしているため,評価項目数,代替案数が多いと一対比較数は膨大となるという弱点,すなわち,多数代替案問題がある..本研究では,この問題点に対するアプローチとして,多数代替案問題を一対比較の順序決定にかかる探索問題と考え,大規模並列計算を使った先読み探索手法の開発を行った.
著者
COORAY Nawalage
出版者
国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

二年間にわたる"かけんプロジェクト"が今年の三月に終わりました。二年間のプロジェクト期間に、様々な国々の様々な様相の紛争について考慮しながら、紛争の根本的要因やどの様に国際社会が紛争の解決に関与できるかなどの重要な問題について研究がなされました。世界の様々な国の研究者から委託した論文を遅れずに受け取る事ができました。何人かの研究者は著名な大学教授であり、彼らは多くの論文を出版していました。多くの研究者はNepalやCambodiaやSri Lankaといった紛争によって影響をうけた国で働いた経験があります。現段階では、すべての原稿を委託した研究者から受け取った段階で、これらの原稿を一つの論文として編集しているところです。この原稿の編集が終わった後、Conflict formation,Development of International Cooperationというタイトルの本の執筆に取りかかろうと考えています。この本は全部で10程の章から構成され、それらはこれまでに提出されたレポートに基づいたものにしようと考えています。これらの活動に加えてdissemination conferenceという会議が2007年11月にUniversity of Colomboとの協力で開かれました。また、私個人としてもdisseminating seminarsをカンボジアとネパールで行いました。
著者
川端 基夫
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

外食企業の海外進出については、一般にメニューや味を進出先の食文化にいかに適合させるかに関心が集まる傾向が見られる。しかし、本研究では、海外進出の成否はむしろ現地で効率的なオペレーションシステムを構築できるかどうかが鍵を握ることが明らかとなった。オペレーションシステムとは、すなわち食材調達、店舗開発、人材育成の3つをさす。それらを各企業が単独で構築することは困難を極めるが、近年では、それらのシステム構築を支援する多様な日系企業が海外進出を進めているため、中小の外食企業であっても比較的容易に海外進出が可能となっている。このことが、外食グローバル化を促進させる要因となっていることも明らかとなった。
著者
鍛代 敏雄
出版者
國學院大學栃木短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

平成22年度は、本研究課題の基盤調査研究と位置づけ、両八幡宮の古代・中世における祭祀関係史料を蒐集・調査し、データを集積した。平成23年度は、展開的な研究を実施し、研究会を開催し歴史的な意義を究明した。平成24年度は、総括的な研究と位置づけ、調査・研究した史料データの公開を前提に、本研究を促進するための研究に入った。当該の祭祀儀礼関係史料と神国関係史料の網羅的なデータベースを構築した。
著者
磯部 健一 難波 正則 日下 隆 今井 正 河田 興
出版者
香川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

我々は3波長の近赤外光時間分解分光装置(TRS)を用いて、脳の吸収係数、散乱係数、ヘモグロビン濃度、ヘモグロビン酸素飽和度(SO2)を測定した。新生仔豚を用いた基礎的研究としてdifferential pathlength factor(DPF)に影響するヘモグロビンの酸素化状態の検討と新生児の脳におけるこれらパラメータの発達的変化を検討した。(1)新生仔豚低酸素負荷での脳の光学パラメータの基礎的研究吸入酸素濃度を100%から4%まで段階的に変化させて頭部内(12頭)、の平均光路長と動脈血(SaO2)および矢状静脈血酸素飽和度(SvO2)との関係をDPF=平均光路長/Dで検討した。761、795、835nmのDPFは,各々5.02±0.36(mean±SD),5.31±0.32,4.92±0.34であった。761nmと795nmのDPFとSaO2およびSvO2との間に有意な正の相関が認められ,DPFは脳内ヘモグロビンの酸素化状態によって影響を受けることが判明した。(2)未熟児・新生児における脳の光学パラメータおよび脳内ヘモグロビン酸素飽和度(SO2)と脳血液量(CBV)の測定対象は在胎25-41週の新生児19例。761、795、835nmのDPFは,各々4.9±0.52,5.02±0.53,4.64±0.46で,散乱係数は,各々6.30±1.30(mean±SD)、6.04±1.11、6.37±1.45/cmであった。CBVは2.2±0.6ml/100gで、phase-resolved spectroscopyによる報告と同様であった。SO2は,7.26±3.9%で、修正在胎週数との間に有意な負の相関を示した。これは脳の発達に伴う酸素消費量の増加によると考えられた。これらによってTRSはベッドサイドで簡便に脳の光学パラメータ、SO2、CBVをモニターできることが証明された。
著者
橋爪 和夫 山地 啓司 山地 啓司
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的はスポーツ選手の喫煙が短時間最大運動及び回復期の自律神経調節能に及ぼす影響を検討することであった。喫煙習慣のある青年スポーツ選手では,1回心拍出量には特異な現象が確認できないが、筋疲労の回復が緩慢であった。青年スポーツ選手の喫煙は短時間最大運動の作業成績には影響しないが、回復期の体調が悪くなるという影響が認められた。青年期の喫煙は、交感神経の調節能よりも副交感神経の調節能への影響が大きいとの結論を得た。
著者
宮本 友弘
出版者
聖徳大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、中学生の健康領域における「誤った認識」の実態と原因について検討した。その結果、中学生の「誤った認識」の典型的な事例は、「鼻血」や「つき指」の手当ての仕方であった。その原因として、健康に関する情報を収集、理解、活用する能力(健康リテラシー)に着目したが、関連性は弱かった。一方、中学生の健康領域における「正しい(科学的な)認識」の情報源は教師であり、学校における保健学習の重要性が明らかになった。
著者
池田 祐子
出版者
独立行政法人国立美術館京都国立近代美術館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

1867年に設置されたベルリン工芸博物館は、まずカール・グロピウスが造った「グロピウスのジオラマ」を展示施設として開館した。そしてマルティン・グロピウスの設計によって独自の博物館建物が完成した。ジオラマは19世紀にヴァーチャルな視覚体験を可能にした画期的装置であるが、本研究では「グロピウスのジオラマ」には展示機能や教育機能も備わっており、それが未体験の時代や国の応用芸術作品を展示する工芸博物館の展示戦略に受け継がれたこと、そしてその際にグロピウス家が重要な役割を果たしたことを、当時の新聞資料などを用い、具体的に明らかにした。
著者
浜島 京子
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

小学校児童用の健康生活ナビを作成するため、1年目は小学校養護教諭を対象に調査を実施するとともに台湾の小学校における家庭生活関連学習内容を精査した。2年目は前年度の調査内容等をふまえて試作本(低学年用)を作成、3年目は養護教諭と共に試作本の内容を再検討し、それをふまえて完成本(低学年用)を作成した。この完成本は2013年度に健学社より出版の予定である。
著者
浜田 吉則 海堀 昌樹
出版者
関西医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

平成23年度の実施計画では、まず最初にIschemic preconditioning (IPC)施行ラット同系異所性小腸移植モデルの作製を行うことであったが、移植モデルの作成ができない状況になったため、腸管のIschemic preconditioning(IPC) として、上腸間膜動脈の第1分枝を10分クランプしたあと30分再灌流した腸管の作成実験を施行した。また適切なEGF投与のタイミング、投与経路などについて種々の条件設定を試みたが再現可能なデータはまだ得られていない。
著者
小野 清美 飴野 清 原 量宏 奥田 博之 秋山 正史 柳原 敏広
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

成育医療は妊娠中から出産後まで、母親から胎児、新生児、小児、キャリーオーバー、思春期、成人に至る一連のサイクルに係わる疾患に関する医療であり、これらを一括し連続で診ていく医療である。この成育医療の中では専門家の壁はなく対象者のニーズに応じた医療となってきている。しかし、周産期医療のレベルではわが国でも極めて高くなっているが、母親と子どもをとりまく環境はこの20年の月日の中で、技術の革新、情報化に伴い大きく変わってきた。女性の高学歴化、自立、家事労働の合理化、ライフスタイルの変化、相対的な労働人口の減少などにより、働く女性の増加に伴って、多様性のある女性の健康と人権(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)やりプロダクションサイクルの問題にも対応する必要性が生じ、総合的な施策が言われるようになってきた。こうした成育医療の観点から妊娠と車の問題は、乳幼児の事故防止や救急医療体制などからチャイルドシート(以下CRS : child restraint system)は大きな社会問題となり、ついに2000年(平成12)4月1日から着用の義務化となった。そこで、本研究は法制化の前年の状況・法制化された年・その後の状況(平成11年から13年まで)までのCRSを取り巻く状況を考察し、緊急時および母子保健の視点で"母子保健システムの支援体制"の私案を発表し助産婦の取るべきマネージメントの重要性を導いた。具体的な展開の一例として母親学級にアプローチし、「命」と「心」に向けた模擬授業の実践を本学助産婦コースの学生に実施し、バーチャルリアリティの授業の開発をした。
著者
SI Si
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

偶然現象の確率論的研究においては、その現象を記述する確率変数のシステムに対して、それと同等な情報を持つ「独立」な確率変数系を構成し、扱う現象をそれら関数として表し、その解析を行って、与えられた偶然現象を解明する。独立確率変数系には時空のパラメータがつくが、その確率分布は、パラメータに関して定常性など好都合な性質を要求すれば、ガウス型とポアソン型の2種類となる。ガウス型の場合はよく知られているが、ポアソン型の場合、とくに空間パラメータのときは、解明すべき事が多い。安定性を持つ場合に、詳しい確率論的性質を調べ、その応用として安定過程の場合の不変性や双対性などについて研究成果を得た。