著者
岸田 泰浩
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本課題は、アルメニア語のe-ラーニング教材の開発と電子版辞典の編纂を目的として遂行した。研究期間前半で作成したデータベースから学習教材という視点で文法項目や基礎語彙を抽出して再整理し、特にアルメニア文字の提示方法に重点をおいて教材サンプルを作成した。電子辞書については、単なる語彙集にならないように、品詞・不規則活用・構文情報等を記載し、アルメニア語学習に役立つ情報を積極的に取り入れた。また、基礎資料として蓄積した文法データベースそのものも、今後のアルメニア語研究に活用できる付随的成果となった。
著者
林 虹瑛 林 俊成
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

E-ラーニングは現代教育の新しい方法である。しかし、マルチメディアの使用だけは学習者に著しい学習効果をもたらした要因ではない。この研究の目標は国際間語学協働講義の有効性を示すことである。ターゲット言語を使用して、工夫された教室活動のリアルタイム参加することによって、学習者はさらに交流的かつ実践的な言語学習を経験できることが分かった。
著者
佐藤 健 鈴木 明夫
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、マルチメディアを用いた外国語としての英語教育の効果を最大化することを目的とし、文字、音声両方における英語テキストの意味理解を促進するために開発したアプリケーション(2次元/3次元アニメーションを用いた語彙学習アプリケーションと、解答時間制限機能が付いた語彙学習アプリケーション)が、実際に利用者のリーディングやリスニング活動を通した英語テキスト理解を促進するかについて、研究期間中様々な設定の元で実証的に検証を行ってきた。結果としては、1)イメージを用いた語彙学習アプリケーションは、語彙学習そのものを促進するだけでなく、学習した語彙を含むリーディング、リスニング両方のテキスト理解を促進するが、イメージのマルチメディア化による差異(2次元アニメーションと3次元アニメーション)は見られなかった。また、2)英単語の意味想起の自動化を補助する時間制限機能付き語彙学習アプリケーションは、単語の意味想起の自動化を促進するだけでなく、学習した単語を含むリーディングのテキスト理解も促進することが分かった。これらの研究成果は国内外の学会で発表し、また研究論文として公表することができた。実際の教育利用を想定した上での教材開発と効果検証を行った結果、マルチメディアの言語教育が持つ意義を再度認識させることが出来たという意味で、本研究は成功であったと判断することが出来る。
著者
西垣 知佳子 中條 清美 砂岡 和子 隅田 英一郎 内山 将夫 徳井 厚子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

グローバル化の進展に伴い,世界の外国語教育は多様化の方向に進んでいる。本研究では多言語教育のための語彙学習教材の開発を行った。研究成果として,1)ペーパー版の英語語彙学習教材を開発し,試用効果を小・中学校で検証した,2)英語教材をもとに中国語,韓国語,日本語学習のためのペーパー版語彙学習教材を作成した,3)ペーパー版教材の成果を踏まえ,iOSを使ってモバイル英語語彙学習教材を開発し,Apple Storeにて公開した。
著者
篠崎 大司 小沼 俊男 吉岡 泰夫
出版者
別府大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、上級日本語学習者に対する聴解力育成を目的に、オンライン教育とオフライン教育を融合したブレンディッド型授業モデルを構築するとともに、学習者の履修管理から教育の提供、学習状況の把握までを一括管理できるコースマネージメントシステム「Moodle」をベースに、約1000問の音声問題と13本の動画解説で構成される上級日本語聴解eラーニングコンテンツを開発した。
著者
堀 恵子 江田 すみれ 李 在鎬
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

日本語教師支援のために文法項目の用例文を,話し言葉と書き言葉の複数のコーパスから抽出し,データベースを構築し,web上で公開する。文法項目は,日本語教育で教えられ,評価基準に用いられているものを1,884項目選んだ。文法項目に対し,日本語教育経験者による主観判定実験を行い,6段階レベルづけを行った。用例文は,5種の書き言葉コーパス,4種の話し言葉コーパスから抽出した。文解析システム「学習項目分析システム」と用例文データベースを公開する。
著者
本郷 智子 山崎 真弓 広田 妙子
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

留学生を対象とした日本語教育において、会話を言語行動、非言語行動を含む総合的なコミュニケーション活動と捉えた教育活動実践記録のデータベース化を行った。それにより、各学習者が会話授業で何をどのように学んでいるかを教員間で共有化することが可能となり、教育改善に向けたシステムが構築された。
著者
椎名 美智
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、現在ではわからない近代英語期の口語表現の特徴を、コーパスを使って歴史語用論的視点から質的・量的に探ることである。主に扱うコーパスは研究代表者が編纂に関わった『イングリッシュ・ダイアローグ1560-1760』で、ドラマコーパスと法廷言語コーパスで使われた談話標識に注目し、その形態と語用論的機能の特徴を比較し、近代英語期の口語表現の全体像を捉え、これまでの研究を総括した。
著者
家入 葉子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

4年間の研究期間に、パイロット版のEarly Modern English Prose Selections (EMEPS)(1500年から1700年の英語の史的コーパス、約800万語)を構築し、その有用性を確認するために、これを利用して、英語の動詞の構文の発達を中心に言語分析を行った。研究から、さまざまな動詞が不定詞や動名詞の構文を徐々に発達させていく過程を明らかにすることができたと同時に、EMEPSをほかのコーパスと組み合わせて利用することにより、より有効な分析が可能になることを明らかにすることができた。
著者
大名 力
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

"ユーザーフレンドリー"な環境の普及によりコーパス,手法等のブラックボックス化が進む現状を踏まえ,コーパス研究における基礎データの信頼性等に関して検討を行った。実際の研究を基に基礎データとして示される頻度数に問題がないか検証し,問題があるものについては誤りが生じた原因について考察し,分類を行った。また,心的実在物として文法を捉える立場から,言語研究資料としてのコーパスデータの性質について検討を行った。さらに,コパス(デタ)の代表性,対象の選択・提示方法,統計値の解釈と検定,"コロケーション"という用語の多義性,語の共起関係に関する計量的指標(主としてt-scoreとMI-score) の信頼性と妥当性等について考察を行い,それらの成果を論文,書籍等で公開した。
著者
福田 薫
出版者
北海道教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

言語の中の本来語彙的な表現が文法的要素へと機能変化する文法化と呼ばれる現象がある。英語のno doubt は本来の名詞句に加え副詞的用法を獲得している。本研究は、近代および現代英語の膨大な電子化テキストを対象にした調査と統計解析に基づいて、副詞的用法のno doubt を類義表現と比較して、量的な特徴づけを行った。頻度が言語変化の主要因との立場から、no doubtの頻度推移と語法変化の関連を検討した。
著者
村田 菜穂子 前川 武 山崎 誠
出版者
大阪国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

今昔物語集・(1)キリシタン資料(天草版平家物語・天草版伊曽保物語・日葡辞書)、(2)狂言(天正狂言本、狂言六義、狂言記、虎明本狂言集、虎清狂言本)から形容詞を採取する作業を行い、抽出した各見出し語の認定についての検討および用例数の再点検を行うとともに、新たに採取された形容詞については造語形式や結合タイプ・副次結合の度合い等の語構成論的分析を行った。そして、これに基づき、語彙表を作成した。また一方で、これまで取り上げてきた上代形容詞および中古形容詞について、いくつかの計量的分析を行い、これらの実態の考察を深めた。
著者
尾形 こづえ
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では意味概念「変化」を表す他動詞のうち,特に頻度の高いchanger の他動構文をコーパスの検証に基づいて検討した。その結果,changer のN_0-changer-de-N_1 構文における間接目的は限定を受け容れない点で他の動詞の間接目的とは区別されること,また,統辞・意味の観点からN_0-changer-de-N_1 構文は均質でなく,N_1 のタイプにより,間接目的として分析される場合と状況補語と捉えられる場合が認められることが明らかになった
著者
山本 秀樹 乾 秀行 松本 克己
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

研究代表者等は、世界諸言語の言語特徴の地理的分布を示す、GIS(地理情報システム)によって電子化した世界言語地図を作製してきた。これは、種々の言語特徴の地理的分布に対する微視的および巨視的な考察を可能にするものである。本研究では、これらの地図システムをより充実させるとともに、研究代表者による語順データの言語名とGIS 地図上の言語名をより正確に照合させることによって、データの多くを地図に組み入れることができた。そして、研究代表者の語順データを組み入れた結果、研究代表者の論じてきた分布が実際にそれらの地図上に反映されることを実証した。
著者
鈴木 利彦 水島 梨紗 辻 建一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

[I]英語母語話者が用いるスピーチアクト遂行のための語彙、文法、会話レベルの方策の研究を進め、[II]日本の英語教育に応用するための教材と教授法の研究・開発、そして本テーマに関する中高英語教員の現状と意識の調査を行い、[III]大学英語教材と既存の英語コーパスでのスピーチアクトの扱いに関して研究を実施し、[IV]日本人の英語(中間言語)スピーチアクト遂行能力の調査を[II]に付随する形で実施し、[V]日本語スピーチアクトに関してデータを収集し、その特徴を解明するための研究を行った。
著者
ハンドフォード マイク
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究における第一件目の成果は建設業におけるインタビュー、各種文書を含む様々なデータを収集したことである。国際的な環境で発生する多様な技師の談話の録音データは集積され、国際的建設業におけるコミュニケーションデータコーパスとなる。過去三年間に収集したデータは、アジアおよびヨーロッパ諸国で収集された、設計段階から建設過程を含めたものとなっている。収集データ内容は小規模プロジェクト、国際的大規模プロジェクトを含む、多様な組織から多数の技術者が参加したもので、英国その他の国際的建設現場における非言語コミュニケーションの使用、国際設計ミーティングの意見対立時における論証的理解等の発見がみられる。本研究の第二件目の目的である研究成果の学術出版については、2011年にJournalofEnglishforSpecificPurposesにおいて最優秀賞を受賞した。本研究の第三件目の目的は、本研究成果を東京大学大学院の生徒および国内の技術者のコミュニケーション能力向上教育に使用することであるが、この目的についても既に成果をあげており、内容は東京大学大学院社会基盤学科教授陣対象の講義、技術者を対象としたワークショップに使用され、学術記事として出版された。
著者
山崎 真克
出版者
比治山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

江戸後期類題和歌集に付された「作者姓名録」や、島根県立図書館蔵『雲陽人物誌』など、出雲歌壇の実態解明に必要な関連歌書の調査・収集を行い、出雲歌壇を構成する歌人について「姓・別称・身分・所在地・血縁関係・師弟関係」などの人物情報を抽出した。二次的資料により情報を整備し、データベースシステムに実装して、江戸後期出雲歌壇を構成する歌人データベースを構築し、これを用いて出雲歌壇の実態に関する研究を行った。
著者
山本 卓 高橋 圭一
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

鳥取県立博物館(中島家文書)・国立公文書館・国文学研究資料館・関西大学図書館などに所蔵される実録を詳しく調査して、その書誌事項・目録(目次)をとり、その成果を「データベース『実録所在目録・目次』」(DVD版)に纏めて、公開した。また、『近世実録翻刻集』と題して、『厭蝕太平楽記』・『田宮物語』・『白川根笹雪』・『享保太平記』『播磨椙原』新出本の実録を翻刻して刊行した。この作業は『新編 近世実録全書』公刊の地ならしに相当する。
著者
玉城 司 平林 香織
出版者
清泉女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

松代藩第六代藩主・真田幸弘の文芸について調査研究した。幸弘が一座した点取俳諧資料九万句の内、約三分の一の三万句を翻刻して、その一部を研究成果として作成したホームページ「松代藩第六代藩主真田幸弘の文藝」に写真と共に掲載した。これは、語彙索引機能を備えているので、点取俳諧資料として利用できるだけでなく、江戸時代の語彙を検索することができる。なお、ホームページは、幸弘の全体像を理解できる構造にした。
著者
山中 秀夫
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

NACSIS-CATに蓄積した書誌情報の分析をもとに,著作典拠コントロールとしての統一タイトルの課題を研究した。日本古典籍目録では,著作典拠コントロールは必要不可欠なシステムであるが,その際の課題を考えた。次に,共有する情報として出版者情報の分析を行った。識別情報としての出版者情報の重要性を確認するとともに,出版者名と時代,所在地,書名をキーとして探索できるシステムを試作した。