著者
喜多 千草 出口 康夫
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、コンピュータの導入によって科学的方法に変化のみられた具体的な事例に関する歴史研究から、哲学的考察に進める手順をとった。まず、1940年代に行われていたパンチカード式計算機の天文学分野での科学計算への応用、また、医学分野におけるEBMの普及の課程、全国共同利用機関としての大型計算機センターで行われた初期の科学計算などを取り上げた。このうち、初期の科学計算に関してはウェブサイトにデータを公開した
著者
鈴木 誠 大須賀 昭彦 後藤 正幸 須子 統太
出版者
湘南工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

文字N-グラムに基づく言語独立なテキスト分類手法である蓄積手法を提案した。蓄積手法は、索引語を形成する際に文字N-グラムを使用するので、言語固有の文法構造に依存しない。テキスト文書がUnicodeで表現されてさえいれば、蓄積手法は異なる言語に対しても同一のプログラムを用いて文書を分類することができる。そこで、この蓄積手法を用いて英語と日本語と韓国語と中国語のテキスト文書の分類実験をした。その結果、英語のReuters-21578は94.5%、日本語の毎日新聞の実験データは88.5%、韓国語のハンギョレー新聞の実験データは90.2%、中国語の人民日報の実験データに対しても92.6%の精度で分類することができた。このように、蓄積手法が様々な言語で比較的高い精度で分類できることを確認した。さらに、蓄積手法の数理モデルを構築し、その数理的な意味を解明することができた。
著者
新谷 虎松 大囿 忠親
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

Web情報は、意味的な構造を持たないテキストであり、計算機を用いて情報の統合や検索をするためには、多くの課題を解決する必要がある。本研究では、既存のWeb情報を閲覧者の観点で構造化し、効果的な情報閲覧を支援するための新たな技術として、HTMLを意味的な構造へと変換するための新たなWebページ分割アルゴリズムを開発した。本アルゴリズムの応用として、エージェント技術に基づく知的Webブロック管理機構を実装した。本技術により、Webページから特定のWebコンテンツを高い精度で収集可能になり、また、既存のWebコンテンツの再利用性を向上させ、Webページの閲覧性を効果的に改善できる。
著者
村上 晴美 辰巳 昭治
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

研究の目的はWeb上の人物を選択するためのインタフェースの開発である。主要な成果は以下の2点である。(1) 人間がWeb上の同姓同名人物を分離する過程を認知科学的に明らかにし、Web上の同姓同名人物の分離モデルと知識構造モデルを提案した。(2) Web上の人物にNDC9を付与する手法を提案してNDC人物ディレクトリを開発し、評価実験を行って提案手法とディレクトリの有効性を確認した。
著者
福田 智子 矢野 環 田坂 憲二 岩坪 健 黒木 香 竹田 正幸 深川 大路 波多野 賢治 南里 一郎 宮崎 裕子 坂田 桂一 藤井 翔太
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

古今和歌六帖』と『源氏物語』を研究対象として校本システムを開発し、平安朝文学の伝本と表現に関する考察をおこなった。和歌用デジタル校本システムについては、伝本の墨付きの現状を、より論理的に表記するタグ付け規則を案出した。また、散文用校本作成支援ツールは、『源氏物語』の伝本4本のデータ処理をほぼ完了し、計算機を用いた異文箇所の数値化、およびSplits Treeによる本文系統の視覚化といった、本文異同を把握する一連の手法を確立した。
著者
有川 正俊 藤田 秀之
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

現在の商用の地理空間サーチエンジンは、一般に住所や電話番号を点幾何オブジェクトに変換する枠組みとして実現されている。点空間関係よりも高次元である、方向、つながりなどの地理空間語彙を扱う体系とはなっていない。本研究では、人間の労力によって作られた品質の高い地図データを辞書として利用し、テキストコンテンツと映像コンテンツなどに対して高次ジオタギングを行う枠組みの体系化を行った。
著者
高井 正三 藤本 幸夫
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

国際標準のAjax技法を使用した日本現存朝鮮古書原文画像データベース・システムは,Microsoft 2008 Server R2 OSのサーバー上に,Apache HTTP Server 2.2,Apache Tomcat 7.0,Postgres SQL 9.0,Enterprise Apache PHPをインストールし,JSP,Java Framework JSF,JavaScript,HTMLを使用して,画像の閲覧システムを構築し,画面遷移を伴わず,画像の拡大・縮小表示操作,画像の上下左右移動をスムーズに実行できるようになった.しかしながら,原文画像の著作権取得の遅れ,大学情報基盤センターの大規模な情報システムの更新に伴う,10年以上使用してきたデータ処理用Unix OSサーバーとソート/マージ・プログラムがシステムの全面的に入れ替えにより,使用できなくなるという環境の変化などの要因が重なり,原文画像のメタデータ・データベースとの整合および,現行の日本現存朝鮮古書データベース・システムDOKBとの結合を実現するには至らなかった.
著者
池内 慈朗
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

ハーバード・プロジェクト・ゼロとレッジョエミリアによる共同の研究Making Learning Visibleプロジェクトにみられる記録法を授業分析に活かすための調査を行った。具体的には、学習過程を視覚化するために「文脈状況を考慮した評価」を使う方法としてドキュメンテーションとポートフォリオの用い方、学習の可視化について調査した。この調査に基づき、見えない学習過程を具体的に「可視化」する問題解決を処理する方法について授業分析の支援システムの構築、学びをどのように可視化することができるのかをMLVProjectから得た知見と、ガードナーの「文脈状況を考慮した評価」の知見をもとに検証を行った。研究成果として授業研究の分析方法として応用できる支援システムの実践化の試行を行い、他教科とは異なった図工科・美術科特有の発想や構想を働かせる場面での<文脈><場>及び<状況>を考慮した多様な評価方法とパフォーマンス評価の特殊性と「可視化」というアプローチの方法の開発の必要性があるという結論を得た。
著者
金子 朝子
出版者
昭和女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

英語母語話者が子供の頃に聞いた物語を語ってもらい、それらを収録した物語コーパスをWEB上に公開した。同じ物語が、様々な英語圏の年代の違う話者に語られているが、大まかな物語の構造は共通で、語りで用いられるレキシカルフレーズにも細かな差違があるものの、物語の構造に関わる表現やフレーズはその物語の特徴を示すものであるため、語り手の所属する英語圏と年齢要因にはほとんど左右されていなかった。物語は主人公を中心として展開され、同じフレーズの繰り返しが頻繁であることから、多くの話者が子供の頃に聞いた語をその特徴的なフレーズと共に記憶しており、入門期の英語指導の補助教材としての物語の有効性も明らかにした。
著者
吉村 富美子
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、近年英語圏において「剽窃」および「他人の文章の借用」がどのようにとらえられているかを整理し、その理解に基づいて日本の大学において英文ライティング指導をどのように行うべきかについて理論的研究を行うことであった。この研究は、平成 25 年の 6 月に『英文ライティングと引用の作法-盗用と言われないための英文指導』というタイトルで研究社から出版される予定である。この本の中で、英語圏における引用と盗用(剽窃と同意)の考え方を紹介し、学生が盗用の指摘を受けないように日本の大学で英文指導をどう行うべきかを提案した。
著者
石川 有香 小山 由紀江 カレン ブライアン 浅井 淳
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、東海圏の工業大学の初年次学生を対象とした英語教育システムTEEE(Tokai English Education for Engineering Students)の開発を目的とする。東海圏の英語教員によるネットワークを作成し、現在のESP教育の問題点を明らかにし、開発した新しい教育方法と教材を実施する。研究の結果、工業大学の初年次学生は、工学や英語の知識は乏しいが、概して工学への強い学習動機が備わっているため、TEEEによるESP教育は効果的である可能性が示唆された。
著者
堀内 裕晃 淺間 正通 桐山 伸也 杉山 岳弘 竹林 洋一
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、英語のスピーチと会話の中から聴衆や聞き手を説得する際に用いられる表現・構文の語彙的・構文的特徴、韻律的特徴、身体言語的特徴、さらには、話し手、聞き手の属性、社会的身分・地位に伴う相対的上下関係、心的態度の特徴を抽出・蓄積し、知識データベース化を行った。これにより、話し手と聞き手の発話状況時における相対的身分・地位関係を基準とした表現の抽出が可能になり、身分・地位の異なる者同士あるいは対等な者同士が会話をする際にどのような状況でどのような心的態度である場合に、どのような表現を用いて相手を説得しているかを明示化することが可能になった。また、このマルチモーダル知識データベースを用いた英語説得術獲得のための学習支援システムの構築を行った。
著者
COOPER T・D 塚田 章 山口 晃史 成瀬 喜則
出版者
富山高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

外国語教育において,教員と学生の対話時間は教育効果に非常に重要な要素である.大人数のクラスに対する教育にIT技術が効果的である.本報告では,学生の面接テストを評価するためのVirtualInterviewingSystem(VIS)の開発と実践について述べる.本研究の目的は,学生の将来を決定する就職面接やスピーキングテストのために,学生の実践を支援し英語コミュニケーションスキルを高めることである.
著者
名木田 恵理子 板谷 道信 田中 伸代 小林 伸行 重田 崇之
出版者
川崎医療短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、医療関係のESP(EnglishforSpecialPurposes)教育として、「医学用語(英語)」と「医療英文読解」において、eラーニングに協調学習をブレンドした授業モデルを設計・実践し、その教育効果を検証することである。対象者の前提条件やモチベーションに応じて、知識獲得型プログラム学習のためのInternetNavigwareとインタラクションに適したMoodleの、2つの学習管理システムを用いた。その結果、協調学習は、どちらの学習管理システムを使っても導入可能であり、学習者意識にプラスの効果をもたらすことや前提条件、学習者特性に対する配慮が有益であることなどがわかった。
著者
三枝 裕美
出版者
長崎外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

1 iPhone SDKによるiPhone用アプリケーションの開発。いつでもどこでも学習できる多機能型携帯電話iPhoneでのモバイルラーニングのための教材として、昨年の「パンダと学ぶ中国語初級編」(全10課)「パンダと学ぶ中国語旅行会話編」(全20課)中国語発音の基礎」に引き続き「現代中国語で聴く漢詩」を開発し、Apple社のApp Storeに登録した。これは「パンダと学ぶ中国語漢詩編」をiPhone用アプリケーションにしたもので、中国語の原文、ピンイン、訓読を切り替えながら音声を聞くことができる。特に最近普及しつつあるiPadでは文字が大きく読みやすいので、使い勝手がよくなった。2「パンダと学ぶ中国語文法編」の開発。名詞述語文、形容詞述語文、動詞述語文、主述述語文、特殊な動詞述語文、疑問文、連体修飾語、連用修飾語、アスペクト、語気助詞の了、"是…的"構文、様態補語、結果補語、方向補語、可能補語、動量補語、時量補語、助動詞、兼語文、存現文、"把"構文、"被"構文、比較、複文の24課を音声とともにWebにアップした。モバイル端末からも閲覧できる。ただ、iPhone用アプリケーション開発にも取り組んだが、複数音声の再生が困難で、成功しなかった。3 ドラッグ&ドロップでiPhone用アプリケーションを開発できるHandbookでの試作を行い、空欄補充・多択式・並べ替えなど各種のクイズも作成した。ただ、正式導入には至っていない。
著者
与那覇 信恵 牛江 ゆき子 阿佐 宏一郎 棚橋 サンドラ ギルナー リア
出版者
文京学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、高い効果が確認されている語彙指導法に基づき、英語カリキュラムに連動した語を、大学生の生活実態に合った方法で学習することを可能にする語彙学習システムを開発することを目的として実施した。 本研究により、部品を用意すれば、 ダウンロードして使用できる語彙教材とテストが自動生成されるシステムと、4つの英語授業の指導内容と連動した計1680語分の語彙教材コンテンツが完成した。
著者
藤田 智子
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

日本の大学英語教育プログラム評価を効率よく有効に行う方法を検討するために、事前事後テストに焦点を当てた。項目応答理論(IRT)の利用により、事後テストは事前の14%の被験者数であっても被験者能力値(θ)の平均値変化が推定可能となる。また、事前事後テストを最適の等化の方法(IRT モデルと等化方法)を選択して実施する重要性を研究した。さらにθとニーズアンケート結果を用いて分析し、プログラム評価のさらなる証拠とすることも提案する。
著者
陳 淑梅 亀田 弘之 しゃ 錦華 大野 澄雄
出版者
東京工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,個人適応role-playing手法を組み込んだ実践的技術中国語学習システムを構築することを目的とし,以下の研究成果が得られた。〓Web集合知という概念を本研究に適用し,予備テスト問題の自動作成手法を提案し,それをもとに,個人適応専用教材の構築手法を提案した。〓Role-playing型会話スキットの作成において,学習者が仮想的な対話者とインタラクティブに対話ができる環境作成を検討し,未知語の処理手法を提案した。〓学習者の発話を分析し,その感情変化や発話意図を推定する手法と精度を検討し,学習者の疲労度や感情をより適切に表現できるようになった。
著者
内田 充美 山内 真理 小島 篤博
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

大学英語教育が取り組むべき課題のうち習熟度の低い学習者に対象を絞り,整った英語の文章を書くことができるようになるために何が問題となっているのかを明らかにすることを主たる研究目的とした.そのために,まず,中間言語資料(大学生の書いた英文)を継続的に収集し,自前の学習者コーパスとして利用できる手順を確立した.作成した資料の分析から,日本語の文法に引きずられたと考えられる誤用(母語の干渉)を幅広い範囲で確認した.これらの特徴はいずれも対照言語学的に見ても意味深いものであり,英語と日本語のように言語間距離が大きい場合においては特に,言語学の知見に基づいた指導が有効であることを示しているといえる.
著者
清原 文代 田邉 鉄 浦山 あゆみ
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

音声などマルチメディアを含む、モジュール式中国語電子教材を開発・試用し、有効性を確認した。こうした教材を、教員が誰でも簡単に利用・作成できるように、語彙集などのリソースや、作成上のTips等をまとめ、その利用方法を学会等で紹介した。全ての研究成果は原則としてWebで公開した。本研究によって設備や教員のスキルに依存しないでe-Learningを導入する可能性を示すことができた。