著者
橋本 修 角 和俊 横川 英広 伊藤 晶彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.90, pp.53-59, 2001-05-18
被引用文献数
11

抵抗皮膜を用いたλ/4型電波吸収体は, 構造が簡単でしかも設計等が容易にできることから, 室内無線LANなどの利用を考えた場合, その利用が期待されている. しかしながら, このタイプの電波吸収体は, 使用するスぺーサ内の波長の1/4より薄くできない欠点がある. そこで, 本研究では, λ/4型電波吸収体のスペーサ部にFSS (Frequency Selective Surface)を吸収膜としての抵抗皮膜と並列に挿入し, スペーサ内の位相を変化させることにより, 吸収体の厚みを薄くすることを試みた. この場合, 設計周波数領域における使用するFSSのインピーダンスを把握する必要があるが, 本研究では, 測定したFSSの透過特性からFDTD法を用いて, インピーダンスを求め, これを電気的等価回路に代入することにより, 吸収特性が最大となるFSSの挿入場所や抵抗皮膜の面抵抗値を決定した.
著者
郭 斑 松本 哲也 古城 則道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.94, no.23, pp.123-130, 1994-04-23
被引用文献数
2

従来のCAIシステムでは、学習者へ提示する問題はあらかじめ教材の作成者が用意している場合が多い。これは、常に学習者の能力状態や認知状態を把握しなければならない知的CAIシステムにおいては不十分である。本稿では、教材記述ための課題説明文や関連用語説明文から質問やテストに適切な問題を自動的に生成する方法について検討する。本手法は、学習者の現在の認知状態や学習履歴や設問目的や学習能力などを考慮し、問題生成を行うため、適切なテスト問題によって学習意欲を維持しながら学習を円滑に進めることができ、少ない設問のやり取りによって学習者のさまざまな固有特性や能力などが把握できる。本手法で用いる問題の型としては、各学習形態に利用しやすい多肢選択、穴埋め問題にしている。
著者
美濃谷 直志 川上 覚 円福 敬二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SCE, 超伝導エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.383, pp.31-35, 1997-11-20

傾角30゜のバイクリスタル基板を用いて高温超伝導SQUIDを製作した。T=77Kにおける傾角30゜のバイクリスタル接合の特性は接合幅W=2μmで大きな抵抗(R_s=10Ω)、高いI_oR_s積(I_oR_s=250μV)を示した。また、この特性は今回製作した17個の素子で再現性良く得ることができた。SQUIDの変調電圧では、インダクタンスがL_s=60pH、100pH、160pHでそれぞれΔV=85μV、50μV、20μVと非常に大きな変調電圧が得られた。雑音特性ではL_s=60pHのSQUIDでΦ_n=6μΦ_o/Hz^<1/2>(白色雑音領域)、f=1HzではΦ_n=110μ_o/Hz^<1/2>であった。そして、f=1Hzでの1/f雑音から求められる臨界電流の揺らぎの割合はδI_o/I_o=1.7×10^<-4>であった。この値は従来の傾角で報告されている値と同じであり、傾角に依存しないことがわかった。以上の結果は傾角30゜のバイクリスタル接合がSQIDの高性能化に有効であることを示している。
著者
二本 正昭 稲葉 信幸 平山 義幸 木本 浩司 宇佐美 勝久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MR, 磁気記録
巻号頁・発行日
vol.95, no.383, pp.35-42, 1995-11-23
被引用文献数
3

CoCrTa薄膜媒体の組成的微細構造を解明することを目的に、分析機能を持つ高分解能電子顕微鏡法により、面内および垂直磁気記録媒体として検討されているCoCrTa媒体の微細構造を調べた。高い基板温度で形成した媒体では、面内および垂直磁気記録媒体のいずれの媒体でも、結晶粒界に25at.%を超えるCrの強い偏析層が観察された。このCrに富んだ偏析層の厚さは、1.5〜2nmと解釈された。CoCrTa面内媒体のバイクリスタル結晶粒界のCr偏析量は通常の結晶粒界の組成に比べ、若干低い値が得られた。結晶粒内のCr量は膜の平均組成より低く、しかも6〜12%程度の範囲で揺らいで分布していることが分かった。膜の形成基板温度、磁気特性および組成偏析構造の関係を調べた結果、Cr偏析構造と保磁力には密接な関係があることが確認された。
著者
新妻 弘崇 石井 信 伊藤 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.2375-2384, 1999-12-25
被引用文献数
2

本研究では,ニューラルネットワークに基づく新しい組合せ最適化問題の解法を提案する.特に2次割当て問題に対して適用する.本手法は,順列のλ個の要素を同時に入れ替えるλ-optヒューリスティックスのアナログ版とみなすことができる.λの値として中程度の値を使うことができるため,中距離サーチを実現できる.この中距離サーチは,浅い局所最適解を乗り越えることができる.比較的大きな(N=80&sim;150)2次割当て問題に対してこの手法の計算機実験を行った結果,我々の新しい手法は今までのチャンピオンのアルゴリズムと同程度に良い近似解を計算できることがわかった.また,二つのべンチマークについては,現在のチャンピオンのアルゴリズムよりも良い解が計算できることがわかった.
著者
新堀 英二 高木 幹雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.9, pp.1932-1940, 1993-09-25
被引用文献数
39

離散的コサイン変換(DCT)を用いたGerchberg-Papoulis(GP)の反復法を適用した画像拡大法"IM-GPDCT"を提案し,その特性を評価した.従来用いられてきた補間法による拡大画像は,観測過程において失われた空間的高周波成分を復元することが原理的に不可能なため,画質劣化が避けられなかった.IM-GPDCT法は観測時に失われた空間的高周波成分を復元する概念を用いることにより拡大画像の画質を改善する.IM-GPDCT法では,周波数帯域拡張の基本原理としてGP反復法を用いており,画像をDCTにより正逆両方向に変換する過程において,画像の広がりが有限であることと空間的低周波成分の正しい情報が既知であることの二つの拘束条件を用いて空間的高周波成分を復元する.提案手法と3種の従来法(補間法)を再生誤差と拡大画像の画質の観点から比較した.その結果,IM-GPDCT法は再生誤差の観点から補間法よりも優れていること,また,拡大画像の画質は鮮鋭さ,ジャギーのないエッジ再現やテクスチャの再現性に優れていることが示された.
著者
早川 正士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.89, no.7, pp.1036-1045, 2006-07-01
被引用文献数
13

近年地震に伴って各種の電磁気現象が発生することが報告されている.すなわち,地圏から直接放射する電磁気現象や地震に伴う大気圏や電離圏のじょう乱などである.本論文では,地震の短期予知の観点から極めて注目されている二つの観測項目;(1)ULF電磁放射(地圏から直接放射される極低周波電磁放射);(2)電離層じょう乱(VLF/LF送信局電波の伝搬異常として検出)を取り上げ,その計測手法や最新の成果までをレビューする.
著者
近藤 功 アンドレア クティチ 田中 宏征 坂野 鋭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.573, pp.13-18, 2005-01-14

画像検索性能向上を目的とした, スティーラブルフィルタによるテクスチャ記述方法を提案する.従来のテクスチャ記述方法として, ガボールフィルタリングにより得られる画像の方向・空間周波数構造を利用したテクスチャ記述方法がある.ただし, ガボールフィルタリングにより得られる方向性は, 実用上, 特定の方向に限定される.そのため, 従来のガボールフィルタによるテクスチャ記述方法は, 方向性特徴を十分に活用できていない問題を持つ.この問題を解決するため, 我々は, 任意方向に指向性を持つスティーラブルフィルタを採用した.また, テクスチャ記述性能の向上のため, 方向に加え, 空間周波数, エッジ種類の解析を行った.予備的な実験により, 提案手法の可能性を検討した.
著者
梅林 健太 藤井 威生 ザカン タン 小野 文枝 阪口 啓 鈴木 康夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.246, pp.65-72, 2009-10-15
被引用文献数
1

本稿では,プライマリシステム(無線LANシステム)と周波数共用を行うセカンダリシステム(Cognitive MIMO Mesh Network:CMN)の評価用シミュレータの紹介を行う.筆者らは,周波数共用を行うセカンダリシステムとして高速高信頼な無線分散ネットワークとしてCMNの検討を行ってきた.CMNは時間,空間軸で既存の無線LANシステムと高効率な周波数共用を実現する.このとき,環境認識技術として協調センシング法,占有率推定法を用い,効率的な周波数共有のためにダイナミックMACプロトコルとダイナミックルーティング法をCMNは備えている.さらに,CMNは,双方向MIMOやネットワークコーディング技術をとりいれることで,より高い周波数利用効率を達成できる.本稿では,特に環境認識技術である協調センシング法,占有率推定法と,周波数共用技術であるダイナミックMACプロトコル,ダイナミックルーティング法の紹介を行う.さらに,それらを統合したCMNの紹介と,トータルパフォーマンスを評価するために評価用シミュレータを開発したのでそれを紹介する.
著者
青木 美奈 藤田 昌彦 町澤 朗彦 皆川 双葉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.10, pp.2338-2345, 2001-10-01
被引用文献数
1

サッカード中には, 網膜に写った外界の像は激しく揺れ動いているにもかかわらず, 我々はその動きを知覚することはない.このサッカード抑制という現象について, 従来から様々な実験が行われてきており, その要因には中枢性の抑制説, マスキング説などが考えられてきた.本論文では, 水平サッカード中に色縞のパターンを垂直, 水平にして瞬時呈示し, その判別をさせる実験を行って, サッカード中にも視覚が成立していることを示した.また, 背景輝度を様々に変化させた実験も行い, 輝度差によるマスキングの効果を確認した.これらの実験結果より, サッカード中の知覚が低下する要因として, 主にマスキングが働き, 更に網膜像の濁りや中枢性の抑制も多少なりとも存在し, それらが合成されていることを単一の実験手法で確認できた.
著者
岡田 清
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.1030-1032, 1997-06-25

最小位相数列のフーリエ変換の振幅スペクトルが与えられたときに, その位相スペクトルはヒルベルト変換を用いて求めることができる. これまでのところ, それは積分の形でしか与えられていないが, 本論分ではその積分を解き, 位相スペクトルの厳密解を与える.
著者
岡 隆一 西村 拓一 張 建新 伊原 正典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.86, no.6, pp.764-775, 2003-06-01
被引用文献数
21

語彙に依存しない音声の検索方式を二つ取り上げ,それらの性能を比較する.検索方式の二つとは,検索対象の音声データベースと音声クエリー波形の双方について,各フレームの表現が分析フレーム特徴そのものとしてそれを用いるものと,フレーム特徴から音素々に変換したものを用いるもの,である.フレーム系列表現された検索対象の音声データベースと音声クエリーとの間では連続DPによるスポッティング処理が適用される.連続DP値のローカルピークを検出し,それの抽出する音声データベース中の重なりのない音声区間を検索出力とする.日常会話の発話音声を検索対象者音声データとし,音声クエリーによる検索実験を行った.より高い検索性能を与える方式は各フレーム特徴を音素記号に変換した方式であることが明らかになった.
著者
和田山 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. D-II (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.170-187, 2005-02-01
被引用文献数
11

本論文は, 記憶性の通信路の一種であるバースト誤り通信路に適した反復復号法の原理, 並びにこの分野の研究動向に関する紹介を目指したものである.論文の前半では, バースト通信路モデル, 既存のバースト誤り訂正手法, LDPC符号の基礎などについて述べる.後半では, Belief Propagationに基づく記憶性の通信路に適した反復復号法の原理を紹介したのち, 具体例としてギルバート通信路, 二次元バースト通信路に適した反復復号法についてその詳細を示す.
著者
矢口 悟志 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.633, pp.39-46, 2001-02-15
被引用文献数
10

本稿では, 未校正の多視点カメラシステムからの自由視点画像を作成する手法を提案する.多視点カメラのうち, 2台の基底カメラ画像によりエピポーラ幾何を利用して射影グリッド空間を構成する.そして, 各カメラのシルエットに射影グリッド空間内の各点を投影することによって, Shape-From-Silhouette(SS法)の原理に基づいて3次元モデルを射影グリッド空間内に再構成する.この3次元モデルから, 各視点の画像間の対応点関係が密に得られるため, この対応点関係を用いて2枚の入力視点画像からその中間にあたる自由視点画像を得る.本手法を大分県別府市ビーコンプラザで撮影した多視点映像に適用したところ, 良好な画質の自由視点映像を合成することができた.
著者
下川 裕太 村上 真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.412, pp.37-42, 2013-01-17

近年日本では、単身者・病院の入院患者・共働きの両親を持つ子供などが増加しており、孤食と呼ばれる1人で食事をする行為が増えている。そこで、本研究では、遠隔地にいる人同士が同じ食卓を囲んで食事をしながらコミュニケーションをとっていると感じられる遠隔共食コミュニケーションシステムの構築を目指す。複数人の対話では顔の向きや視線の情報が重要であるため、本研究では、顔の向きの情報を相互に送受信可能で、家庭や病室等で利用できる程度に小規模な遠隔コミュニケーションシステムの構築を行う。具体的には、卓上に設置されたXtionセンサを用い、リアルタイムでユーザの上半身の3次元情報と色情報を取得し、ネットワークを介して送信する受信側では、ユーザはカメラとヘッドマウントディスプレイを頭部に装着しており、カメラから得られた映像に受信した遠隔ユーサの3次元情報と色情報を拡張現実技術を用いて合成し、ヘッドマウントディスプレイに表示する。また、ヘッドマウントティスプレイのセンサによりユーザの顔の向きを推定し、顔の向きに応じて遠隔ユーザを適切な位置に表示できるようにしている。評価実験の結果、提案システムでは従来の在席型システムと比較して誰が誰に話しているかという情報を伝達することができ、同時発話が減少することが確認された。
著者
戸崎 哲也 河田 佳樹 仁木 登 大松 広伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.8, pp.1327-1338, 1999-08-25
参考文献数
22
被引用文献数
82

近年, ヘリカルCT技術の開発により, 3次元CT画像診断に大きな関心と期待がもたれている. この中で, 計算機を活用した3次元CT像を解析する手法が求められている. ここでは, 肺がん診断に有益な情報を提供する胸部3次元CT像の解析法について述べる. 肺野領域は気管支, 肺動脈, 肺静脈などの臓器から構成され, 肺がんなどの病変が存在しているとそれらが複雑に絡み合った状態となっている. そこで, 胸部3次元CT像から解剖学的知識と3次元画像処理手法を用いて気管支, 肺動脈, 肺静脈を抽出して分類し, これらと肺がん候補との関係を呈示する手法について述べる. 肺野内臓器の抽出は, バイアス成分除去, 気管支・肺血管の抽出2気管支と肺血管の分離, 肺血管の肺動脈と肺静脈の分離からなる. また, 肺がん候補とそれに接触する肺野内臓器との関係を数値的に呈示する. これらを健常肺及び肺がんの3次元CT像に適用して有効性を示す.
著者
黒岩 崇 後藤 貴裕 河野 真也 横山 節雄 宮寺 庸造 中村 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.464, pp.157-164, 1997-12-20
参考文献数
4
被引用文献数
8

本学は, 付属学校のほとんどが遠隔にあるため, 大学と付属学校との連携した学生指導を行うことは難しい. そこで, ネットワークを利用し, 大学の教官が遠隔から研究授業を参観し, その後研究会に参加する形態を実施した. 本稿では, アンケートとインタビューから, 遠隔授業参観を行った際の有効性や課題について考察し, 遠隔参加型研究会のよりよい方向性を与える.
著者
朝比奈 成年 堺 浩之 山地 一禎 石榑 康雄 臼井 支朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.489, pp.67-74, 2000-12-01
被引用文献数
3

瞳孔反応, 眼球運動, 焦点調節は, 眼球システムの3機能として協調的に動作することで網膜へ投影される外界像を制御している.こうした協調動作メカニズムの解明は, 視覚情報処理の研究において重要な課題の1つであるが, 同時計測の困難さから未だ顕著な成果は挙げられていない.最近では, CG等の映像刺激が人体へ与える影響の客観的な評価指標としても注目されており, 人間工学の分野においても簡便な計測装置の開発が望まれている.そうした背景の下, 本研究では, 一般的なビデオ計測装置にナイフエッジ光学系を組み込んだ, 眼球システム3機能の両眼同時計測装置を開発した.この光学系により, 瞳孔領域に調節量に応じた勾配を持つ濃度分布が生じるため, この勾配を眼球画像から求めることで焦点調節計測を可能とした.瞳孔径と調節量の異なる模型眼を複数個用いて行ったキャリブレーションの結果, 分解能は, 瞳孔径0.045mm, 水平, 垂直眼位0.3deg, 0.6deg, 回旋角0.50deg, 焦点調節0.15D程度であることがわかった.また, 典型的な協調動作である近見反射応答をうまく計測できることを確認した.
著者
永田 亮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.5, pp.1346-1355, 2013-05-01

本論文では,英文における主語と動詞の一致に関する誤りを検出する手法を提案する.提案手法の特徴として,誤り検出の際に必要となる主語と動詞の関係を構文解析を利用せずに抽出するということが挙げられる.構文解析を利用する代わりに,英語の性質に基づいた規則により近似的に主語と動詞の関係を抽出する.その際に必要となるのは品詞解析と句解析のみである.抽出された主語と動詞の侯補に対して検出規則を適用することで一致誤りを検出する.評価実験の結果,提案手法は構文解析を利用した手法より性能が良く,比較的文長が短い学習者の英文に対して特に有効であることを確認した.
著者
川原崎 雅敏 澁谷 充俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.602, pp.31-36, 2006-02-09
被引用文献数
1

ユビキタスネットワークは、ユーザが置かれた状況をコンピュータが理解して、サービスをそれに適合させるコンテキストアウェアサービスを目標としているが、状況理解の方法論は明確になっていない。本稿では、IETFのプレゼンス情報やMPEG-21の利用環境メタデータなど国際機関が規定しているコンテキストに関するメタデータと、RDFやオントロジーといったセマンティックWebや知識表現の技術を組み合わせ、スキーマの異なるメタデータ相互間の意味的関係を記述することにより、高度な検索や推論を可能とする「コンテキスト理解プラットフォーム」の提案と実装について述べる。