著者
小熊 博 福田 啓一 山形 文啓 福與 賢 浅野 安良 山崎 吉晴 亀田 卓 中瀬 博之 高木 直 坪内 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.97, pp.7-12, 2007-06-14
被引用文献数
4

我々は、次世代広域モバイルブロードバンド無線通信システムのアクセス方式として非常に注目されているOFDMA(Orthogonal-Frequency-Division-Multiple-Access)方式を実装した方式の一つであるFLASH-OFDMを活用し、仙台市内をフイールドとした実証実験を展開している。本研究では、2GHz帯の電波伝搬特性を中心に評価した。その結果、LOS(Line-Of-Sight)環境であるかNLOS(Non-Line-Of-Sight)環境であるかが伝搬特性に非常に大きな因子であるとともに、測定点の海抜高が非常に重要であることがわかった。さらに、アンテナ地上高が低い基地局においての実測結果では、LOSとNLOSにおける受信電力強度に約20dBの差がみられ、約1dB/10mの損失量であることがわかった。
著者
古賀 禎 田嶋 裕久 小瀬木 滋 坂井 丈泰 塩見 格一 白川 昌之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.222, pp.23-26, 2003-07-18
被引用文献数
2

本稿では、ACAS(航空機衝突防止装置)から送信される信号を用いた新しい航空機測位方式を紹介する。本方式は、航空機からのACAS信号を複数箇所で受信し、それらの到着時間差を求め、GPSの電波伝搬方向を逆にした測位計算を行い航空機の位置を求める。本方式の特長としては、航空機側に新たな装備を必要としない、高精度の測位が期待できる、航空機の識別符号が容易に行えるなどが挙げられる。電波無響室、羽田空港および当研究所グラウンドで実施した測位実験の結果を紹介し、本方式の測位精度、空港面における測位誤差等について述べる。
著者
熊谷 智明 小林 聖
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

各ブランチの検波出力にそれぞれのブランチでのS/Nに比例した重みを乗算して合成する検波後最大比合成ダイバーシチは伝送品質の大幅な改善が可能である. しかし, 従来提案されている方法は, 重み係数の算出や重み付けのために乗算器等が必要となりハードウェア量が大きくなる. 本報告では, 位相検波を用いる場合に乗算器を用いない簡易な回路構成により2ブランチ最大比合成ダイバーシチを実現する方法を提案する.
著者
澤頭 寛 鎌倉 功弘 大槻 知明 笹瀬 巌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.81, pp.43-49, 2000-05-19
被引用文献数
6

本研究では, グループ符号を拡張Prime符号系列の前に付加した拡散符号を用いる干渉キャンセラを適用した直接検出光同期CDMA方式を提案する.グループ符号は, 素数Pから成る拡張Prime符号系列のグループkに対して(k+1)番目のチップのみを1とした符号長Pの符号で構成される.提案方式は, 所望ユーザが属するグループ以外のグループ符号を用いることで, 従来方式より少ない2個のブランチで, P個のブランチを必要とした従来方式と同じ多元接続干渉(MAI)量を見積もることができる.そのため, 各ブランチにおける光パワーを従来方式よりも大きくすることができる.アバランシェフォトダイオード(APD)出力にガウス近似を用いた提案方式の特性解析を.理論的に行った結果, 提案方式は, 従来方式と比較して受信光パワー及びチップレート一定の下でビット誤り率特性を改善できることを示す.
著者
鈴木 俊明 大久保 一彦 山中 康史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2, 1999-03-08

マルチドメイン(ドメイン: カスタマ、サービスプロバイダの管理領域)環境において、サービス実現形態に依存しないフロースルー・オペレーション方式を確立する必要がある。本稿では、トラブルチケット(TR:Trouble Report)管理を例題として方式検討を行う。
著者
陳 履恒 土肥 浩 石塚 満
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎
巻号頁・発行日
vol.97, no.449, pp.33-40, 1997-12-12

より自然的な3D CG人物像を生成するため、我々はCGヘアスタイルの生成手法を研究し、ヘアスタイルの生成システムを開発しました. このシステムは、Trigonal Prism Wisp Model、Hair Distribution 2D Map、Shadow Mask等の手法と、ヘアスタイルのエディタを利用して、色々な3Dヘアスタイルを作成し、自然度の高いイメージを生成することが出来ました.
著者
井上 武 朝倉 浩志 佐藤 浩史 高橋 紀之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.458, pp.191-196, 2009-02-24
参考文献数
17
被引用文献数
2

現在のWebアーキテクチャは,RESTと呼ばれるアーキテクチャスタイル(設計指針)に基づいて設計された.しかし,RESTには,サービスのパーソナライズに欠かせない「セッション」についての設計指針がない.このため,セッションに関連する技術は指針なく開発され,整合性を欠いたまま利用されている.本稿は,RESTにセッションのための設計指針を追加し,サービスのパーソナライズに必要な特性を導く.この指針に従って設計されたアーキテクチャは,パーソナライズの基礎であるユーザの区別から,柔軟な認証手続きやサービスの連携までを実現する特性を備える.設計指針により現在のセッション実装の課題を明らかにするとともに,今後の開発の方向性を示す.
著者
花岡 誠之 中原 成人 矢野 正 吉澤 聡 平田 哲彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.395, pp.5-10, 2006-11-22
被引用文献数
15

移動通信システムにとって使い勝手の良い6GHz以下の帯域については,第3世代携帯電話や無線LANを始めとして稠密に利用されており,深刻な電波の逼迫状況が生じている.電波の利用状況は時間や場所に応じて異なっており,逼迫している電波をより有効かつ効率的に活用するため,複数の電波利用システム間における電波の高度な共同利用の実現が求められている.報告者はこれまでに複数の無線システムを統合するコグニティブ無線システムについて無線環境認識技術やコグニティブ無線を実現するためのシステム構成について検討してきた.本報告では端末に対して単一のIPアドレスを付与しつつ複数システムの切り替えを高速に行う方法について提案し,その制御シーケンスやパケットフォーマットについて述べる.
著者
高沢 潤 星野 准一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.515, pp.7-12, 2003-12-11
被引用文献数
1

対話型3D映画においては,仮想俳優が静止して利用者と対話するのではなく,ストーリーや会話と連動して,仮想空間中を移動しながら対話できることが必要となる.本稿では,対話型3D映画のための階層的動作生成法を提案する.本手法では,仮想俳優の動作生成機構を階層化することで,ストーリーと連動した会話動作,歩行動作,注意動作の生成を並列的に行う.更に,仮想俳優が空間記憶を持つことで,利用者と注意を共有したり,視野に入っている物体やある場所で起きた出来事について話すことを可能にする.プロトタイプシステムを利用した印象評価によって,仮想俳優が3D映像空間中を移動しながら会話をすることで,ストーリー空間への没入感が高まることを確認した.
著者
俵石 泰樹 井谷 弘志 小澤 孝夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-08-13

手話をコンピュータにより表示する手話アニメーション・システム構築に関する研究は数多く発表されているが、手話アニメーション・システム構築においては、単語に対応する手の動きの辞書、すなわち手話単語辞書の作成が多大の労力を必要とし、実用的なシステム構築における課題となっている。 手の動きのアニメーションでは、多角形等で表現された人体の肩、肘、手首、指の関節角を変化させて動きを作る方法が一般的であるが、この部分に含まれる関節角の数はかなり多く、動きに応じた関節角の決定をどのように行うかが大きな問題である。一口に手といっても、手のひらと5本の指からなる手の先端部分は関節数が多く、複雑な形をとりえると同時に、関節角に対する制約もある。また、動きも肩、肘、手首までのいわゆる腕の部分とは異なる。したがって、手の先端部分と腕の部分とは分けて取り扱うのが得策であり、多くの研究でこの方策が採用されている。 本研究における手の動きの3D-CG作成もこの方策に沿っている。手話アニメーションヘの応用を視野に入れ、腕の動きと指の形を能率よく作成するためのツールを構築した。
著者
竹田 玄洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.81, no.11, pp.1174-1177, 1998-11-25

20年以上前, ピンポンゲームでTVを使った遊びが始まり, そして日本のファミコン, さらにスーパーファミコンが世界中で愛用されるようになった.これらすべての基本技術は画面を移動する物体や背景の平面上の衝突という同じものである.時代とともにゲームソフト制作者の更なる飛躍にこたえる今までの方式とは異なった「新しい仕掛け」が要望されるようになった.そんな中弊社は, 当時の最先端の0.35μm半導体技術をもとに, コンピュータグラフィックスを駆使したビデオゲーム機「N64」を開発した.ここではそれを例にとったシステムLSIについて述べる.
著者
ゲイツ ジョン 長谷山 美紀 北島 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.512, pp.73-78, 1999-12-16

この論文は高精度に実時間で多角形を抽出と分類するアルゴリズムを示す。このアルゴリズムは複雑な入力画像から凸形、凹形両方の多角形を抽出することできる。このアルゴリズムは三角形を五つの種類に分類することできる。四辺形を六つの種類に分類することできる。アルゴリズムが450MHzのペンティアムIIプロセッサでたくさんの256×256の8ビットを実験した。その実験の平均のフレーム率は一秒で69フレーム以上である。このアルゴリズムの高精度を証明するために実験の結果を示す。
著者
峯松 信明 志甫 淳 村上 隆夫 丸山 和孝 広瀬 啓吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.98, pp.9-12, 2005-05-20
被引用文献数
19

音声に不可避的に混入する静的な非言語的特徴を表現する次元を有しない, 音声の構造的表象が提案されている(音響的普遍構造)。音声事象を全て分布として記述し, 全ての二分布間距離を正規化相互相関として求め, 事象群全体を一つの構造として捉える。得られた構造はアフィン変換でモデル化される静的な非言語的特徴によって歪むことがない。これは言語学的には構造音韻論の物理実装, 認知心理学的には音声ゲシュタルトとして解釈できる物理表象である。本稿では, 異なる2つの発声が各々構造的に表象された場合の距離尺度, 即ち構造間距離尺度の導出を行なう。まずユークリッド空間に存在する2つのN点構造間距離を導出し, 次にその近似解について検討する。
著者
須賀 良介 橋本 修 伊集院 太一 高富 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.504, pp.11-16, 2008-02-22

近年,品質劣化を抑え栄養価の高い食品を生産するために,短時間での加熱殺菌処理が望まれており,マイクロ波加熱による短時間加熱処理が期待されている.しかし,マイクロ波により食品の加熱殺菌を行う場合,加熱庫内に配置した食品に加熱ムラが生じ,加熱不足における殺菌不良や過加熱による食品の劣化が問題となっている.本研究では,マイクロ波を用い高粘度・固形食品の均一な加熱を目的とし,食品を水膜で覆う手法,蒸気とマイクロ波の併用加熱手法,円偏波を用いた手法の3つの均一加熱手法を提案するとともにその有効性について検討した.
著者
中山 一郎 天野 文雄 上畠 力 河内 厚郎 小島 美子 小林 範子 杉藤 美代子 高木 浩志 柳田 益造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.97, no.561, pp.47-54, 1998-02-20
被引用文献数
2

本稿は、筆者らが遂行している、日本語の歌唱表現法に関する学際的研究の紹介である。日本語を洋楽的唱法で歌唱する場合、日本語としてのニュアンスや自然さが失われ、"何を言っているのか解らない"という深刻な事態を招いている。その克服には、古来、日本話の扱いに工夫を重ねて発展してきた伝統芸能(広義の邦楽)との歌唱表現法の比較が不可欠であると考えられるが、そのための方法論すら無い現状である。本研究は、共通の歌詞を、多数の人間国宝を含む、各ジャンルにおける最高クラスの演者に"歌い分け"を行わせ、得られた高品質の音声試料を音響分析することにより、邦楽と洋楽における歌唱表現法の普遍的な差異、及び同一性を科学的に明らかにすることを目的とする。本稿では、研究の具体的な方法論、予想される結果、及び研究の展望について述べる。