著者
Shiraishi Shinichi Watanabe Yuka
出版者
九州大学
雑誌
九州大学農学部紀要 (ISSN:00236152)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.63-67, 1991-10

The anthocyanin pigments of red grapes Vi& vinifera cultivars, 'Kaiji', 'Sekirei', 'MorgenshBn', 'Mario' and 'Unicorn' were examined by thin-layer chromatography and reflection densitometry. Seven spots were separated, and they were identified to pigments by Rf values, molybdate shift and color reactions, except for one unidentified spot. In 'Kaiji', the pigments in decreasing order of concentration, were cyanidin-3-monoglucoside (92%), delphinidin-3-monoglucoside (8%), and traces of peonidin-3-monoglucoside and an unidentified pigment. 'Ruby Okuyama', 'Morgenshon and 'Sekirei' had constitutions similar 'to 'Kaiji'. Pigments of 'Rizamat', 'Mario' and 'Unicorn', in decreasing order of concentration, were malvidin-, cyaniden, petunidin-, delphinidin- and peonidin3mmonoglucosides, 'Mario' lacking peonidin-3mmonoglucoside. In 'Kaiji', the aglycones were cyanidin (92%) and delphinidin (8%). In 'Ruby Okuyama' and 'Morgenshijn', the aglycones were in about the same order, and plus petunidin in 'Sekirei'. 'Rizamat' and 'Unicorn' contained five aglycones, in decreasing order of concentration, malvidin, cyanidin, petunidin, delphinidin and peonidin, and peonidin was absent in 'Mario'.
著者
相良 節夫 大林 正直 壇上 光昭 村田 純一 和田 清 熊丸 耕介 三木 康臣
出版者
九州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

本研究では、(1)多変数線形システム(2)未知パタン変動システム(3)分布定数システム(4)電力システムの4種のシステムを対象としている。以下、各対象システムごとに順に研究成果の概要をまとめる。(1)一般化最小2乗推定値を得るための計算効率のようアルゴリズムを提案し、またバイアス補償最小2乗法を入出力に観測雑音がある場合に拡張した。最小2乗法の数値的不安定性のシステム・雑音特性との関連を解析した。さらに、多変数システムの表現法として、ベクトル差分方程式の重複形表現の有効性を明らかにした。(2)未知パタン変動として現れるシステムの故障の有効な診断法として、簡易診断部と精密診断部からなる階層的診断法を提案し、故障検出感度の事前評価法を考案した。また、診断の困難な適応制御システムを対象に、ファジィ推論法に基づく診断手法を開発した。さらに、分散形システムに対して、さブシステムごとに推定結果を統合して適切な診断を行うコ-ディネ-タの設計法を提案した。(3)分布定数システムの有限次元近似手法であるガラ-キン法について、座標関数の選び方と近似精度との関係を解析した。また、偏徴分方程式のパラメ-タ同定手法として、数値積分フィルタ・最適ディジタルフィルタを用いた手法を提案した。一方、高温金属面と沸騰水との境界の関度や熱流続の特性を、直接測定することなく分布定数システムの境界条件推定問題として求める方法を開発した。(4)複雑なシステムのモデル化が必要となる電力負荷予測について考察し、モデルを自動選択する1日先負荷予測、気温モデルによる負荷時系列の定常化処理を行う1週間負荷予測の各手法を開発した。また、発電機制御の新しい方式を提案し、簡単な構成によって制御性能・ロバスト性とも大幅に向上できることを示した。
著者
宮田 潤子 濱田 裕子 川田 紀美子 藤田 紋佳 森口 晴美 小幡 聡 桐野 浩輔
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

排泄障害が原因で女性としての自尊心に傷を負いながら成人に至る患者に対する支援を考える。その第一歩として、総排泄腔遺残症という排泄障害と性機能障害を合併する稀少難病の患者を対象として研究に取り組む。患者・家族、医療従事者が求める支援を明らかにし、全国的な支援体制構築の促進、支援の均てん化に繋げることを目指す。第一段階は患者・家族、医療従事者を対象にアンケート調査を行い、各々のニーズを明らかにする。第二段階として、第一段階の結果をもとに、患者・家族らによる闘病体験手記を出版する。患者の苦悩を広く公にし、現状に沿った情報が行き届かない全国の患者・家族へ患者側の視点による情報提供を行う。
著者
Chinachoti Noppawan 遠藤 直之 園元 謙二 石崎 文彬
出版者
九州大学
雑誌
九州大学農学部紀要 (ISSN:00236152)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.421-436, 1998-03
被引用文献数
2

Continuous fermentation was introduced to improve the nisin Z productivity of Lactococcus lactis IO-1. Free cells showed a good productivity at the dilution rate of 0.1 h^<-1>. However, nisin Z production was affected by cell wash-out at the dilution rate of 0.2h^<-1>. Continuous fermentation with the cells adsorbed on ENTG-3800 gel beads displayed an improvement in productivity at higher dilution rates. No enhancement of nisin Z production was observed during continuous fermentation at a high cell density employing a hydrophobic hollow fiber membrane. The polyolefm membrane adsorbed the produced nisin Z too much. Continuous fermentation at a high cell density employing a ceramic membrane displayed a good nisin Z productivity at high dilution rates. Nisin Z productivity could be increased if a ceramic membrane with an adequate and effective filtration area is employed. Nisin Z was separated from the fermentation broth using various kinds of adsorbents including Amberlite IR-120B, CM Sephadex C-25, Celite, and Sep-Pak cartridges. The Sep-Pak (tC_18, C_18, C_8, and tC_2) cartridges showed a substantial capacity for nisin Z adsorption. A moderate reversed-phase column, a Sep-Pak C, cartridge, was applied to integrate nisin Z fermentation with a ceramic membrane and product separation system. Nisin Z productivity was enhanced by the integration of the nisin Z adsorption cartridge. This result indicates the possibility of continuous fermentation with the integrated bioreactor system followed by high nisin Z productivity.
著者
河口 豊 日下部 宜宏 李 在萬
出版者
九州大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

ユスリカは高等真核生物中で最も過酷な環境に多様な形で適応している生物の1つであり、高温、乾燥、低pH、低酸素状態に強い耐性を示す種が存在する。1種で全ての厳しい環壌に適応出来る訳ではないが、温泉ユスリカと総称される一群の種は、幼虫期を50℃程度の高水温下で過ごすことができる。このため、温泉ユスリカ由来のタンパク質は熱に対して比較的安定であると考えられる。熱耐性生物由来のタンパク質は、その精製の容易ざ、結晶構造の安定さより、PCR酵素に代表される試薬として、また、構造生物学における材料として幅広く活用されている。本年度も、強い高温耐性のユスリカの採集を目的に、調査を行い、数種のユスリカを採集した。しかしこれらのユスリカは42-45度程度の水温の温泉に生息しており、50度を超える温水からは採取できなかった。これらのユスリカよりmRNAを調整し、cDNAを作製したが、野外より採取した個体から調整したため、逆転写反応の効率が悪く、長鎖のcDNAを含むクローンが少なかった。そのため、クローンを選択、配列決定後、ホモロジー検索によりcDNAがタンパク質の全長配列を含んでいると判断されたものの割合が研究室で継代したユスリカ由来のクローンに比較して少なかった。これらのクローンについては、バキュロウイルスを用いた昆虫細胞系を用いて、ヒスチジンタグ付きの組換えタンパク質としての発現を試みたが、中程度の耐熱性を有するクローンがほとんどで、非常に高い耐熱性を示す組み換えタンパク質は得られなかった。
著者
清水 洋 松本 聡 酒井 慎一 岡田 知己 渡辺 俊樹 飯尾 能久 相澤 広記 松島 健 高橋 浩晃 中尾 茂 鈴木 康弘 後藤 秀昭 大倉 敬宏 山本 希 中道 治久 山中 浩明 神野 達夫 三宅 弘恵 纐纈 一起 浅野 公之 松島 信一 福岡 浩 若井 明彦 大井 昌弘 田村 圭子 木村 玲欧 井ノ口 宗成 前原 喜彦 赤星 朋比古 宇津木 充 上嶋 誠 王 功輝 ハザリカ ヘマンタ 矢田 俊文 高橋 和雄
出版者
九州大学
雑誌
特別研究促進費
巻号頁・発行日
2016-04-22

2016年熊本地震について、地震活動や地殻変動、活断層、火山活動への影響、地震災害の特徴などを調査した。その結果、熊本地震は布田川・日奈久断層帯の右横ずれ運動によって発生したが、複数の断層面と複雑な断層形状を持つことを明らかにした。また、建物被害や土砂災害の地盤との関係、特に、地盤の過剰間隙水圧が地すべりの発生要因であることを明らかにした。さらに、災害情報や災害過程、被災救援、エコノミークラス症候群などについての調査から、広域複合災害の問題点と対応策を提示した。
著者
高田 仁 加藤 浩介 松橋 俊彦 中川 功一 松行 輝昌
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

科学技術商業化の類型として、実践的教育プログラムの有効性に着目する『教育モデル』を確立するために、その教育効果と商業化促進効果、満たすべき要件等を明らかにすることを試みた。その結果、プログラムをきっかけにステークホルダーへの働きかけと共感の獲得が商業化プロセスの前進に有効である可能性を見出した。また、プログラム受講者の教育効果を分析した結果、異なるバックグラウンドの受講者が受講を通じて活発な知識交換を行うことを明らかにした。以上から、科学技術商業化の『教育モデル』の概念化を試みたところ、Galison(1997)の提唱する「トレーディング・ゾーン」を援用して説明できる可能性を見出した。
著者
松元 賢
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

我が国の食用アスパラガス病害の90%以上は植物病原菌による病害で、中でも、アスパラガス茎枯病は一旦罹病するとその根絶は極めて困難であるにも関わらず、食用アスパラガス種内には病気に強い品種が見つかっていない。アスパラガスでは耐病性品種の育成が強く望まれているが、本植物は多年生で交雑しにくく、品種育成には多大な年数がかかり、かつ、アスパラガス品種内には耐病性形質が存在しないなど、耐病性品種育種のハードルは極めて高い。申請者らの研究チームは、日本産アスパラガス植物の一種であるハマタマボウキと食用アスパラガスとの交雑種が、茎枯病に耐性があることを世界で初めて明らかにした。研究対象となるハマタマボウキは、日本固有種の一種で九州北部沿岸のみに自生する希少種であるため、生息域は限定的で非常に狭く、本植物の病害記載が存在しないことから、病害に強い植物であると認識されていた。しかし、近年の現地調査と昨年度の病害調査から、罹病化したハマタマボウキを発見しており、複数種の植物病原菌類によって複合的に感染している背景を明らかにした。これらの結論は、従来のハマタマボウキがもっている病気に強いという認識を覆すことを示唆した。同様に、ハマタマボウキ自生地近隣は、九州の食用アスパラガスの大生産地であることから、アスパラガス属植物間の相互感染による新規病害の発生や病害の進展化、希少種の生息域の減少が懸念される。さらに、ハマタマボウキの持つ耐病性のポテンシャルから、育種研究を目的とした乱獲や国外への流出が耐病性品種の育種の障害となる可能性が示唆される。そこで、本年度は、ハマタマボウキの植物病原菌によって発生する病害の生物的防除を目的に、ハマタマボウキの根圏に生息する微生物を分離し、根圏微生物の拮抗性を利用した生物的防除の可能性について検討した。
著者
石井 明 東 大輔 竹之内 和樹
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

地面効果翼機は、地面又は水面等の上を滑空する輸送機器である。航空機が上空を飛行する場合は、翼の両端から翼端渦と呼ばれる大きな渦が発生し、これが抵抗となってエネルギーロスに繋がっている。この翼端渦を減少させるため、ウィングレットという翼端を折り曲げた翼も出現しているが、地面効果翼機は大きな燃費改善が可能である。