著者
清治 真人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.I_637-I_642, 2011 (Released:2012-03-14)
参考文献数
8
被引用文献数
1

Flood control administration is facing the turning point of policy. The new directions are the following: 1)a shift towards policies that "reduce dependency on dams," 2)addressing issues associated with climate change, including excess flooding from localized torrential downpours, 3)proper maintenance, intensive use and improvement of existing infrastructure, 4)advanced flood control using advanced technologies from various fields, and 5)alteration of zoning toward creating a region that permits flooding in cooperation with the administration in charge of land use. In this study, I comprehensively analyze the history of flood control administration in Japan toward proposing permanent flood control measures, including those that provide for altering the land use of floodplains. The study aims to support the development of flood control principles for next-generation.
著者
倉上 由貴 二瓶 泰雄 安井 智哉 桜庭 拓也 佐藤 佑太 入江 美月
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_1261-I_1266, 2018 (Released:2019-03-30)
参考文献数
17

河川堤防における地震・洪水の複合災害の実態解明やその技術開発を行うべく新たに導入した地震・洪水複合災害用水路を用いて,加振・浸透実験を行い,浸透条件下の河川堤防の耐震性や浸透対策工の耐震効果を検討した.まず,基礎地盤のみ浸潤させたケースと表のり面に河川水として一定水位与えたケースでの加振実験を行い比較したところ,表のり面の河川水が押え盛土のような効果を発揮し,基礎地盤のみ浸潤させたケースよりもはらみだしや沈下を抑制した.また,堤体の変形が生じるとともに過剰間隙水圧の値も上昇することが分かった.裏のり面薄層ドレーン工では,ドレーン工が過剰間隙水圧を消散し,天端沈下を抑制し,浸潤面低下のみならず加振時の過剰間隙水圧上昇を抑制していることが明らかとなった.
著者
秦 吉弥 一井 康二 土田 孝 加納 誠二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C (ISSN:1880604X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.401-411, 2009 (Released:2009-05-20)
参考文献数
34
被引用文献数
1

盛土の耐震性については,排水溝の整備状況によるが,降雨の浸透等により盛土の地盤物性が変化することを考慮する必要がある.そこで本研究では,盛土地盤の粘着力の低下を飽和度に応じて設定する方法を提案し,既往の人工降雨による盛土の振動台実験を対象として,有限要素法を用いた再現解析ならびにパラメトリックスタディを実施した.その結果,地下水位が生じない程度の降雨による盛土の耐震性低下については,提案手法により表現できることを示した.またパラメトリックスタディにより,盛土表層のみならず盛土内部の粘着力の値が耐震性に大きな影響を及ぼすことを示し,盛土の耐震性評価において特に粘着力の値が重要となる領域を示した.
著者
秦 吉弥 一井 康二 土田 孝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C (ISSN:1880604X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.677-690, 2007 (Released:2007-07-20)
参考文献数
23
被引用文献数
1

盛土構造物の耐震設計法においては,地震時におけるすべり破壊の有無の判定あるいは地震後における残留変形量の評価に主眼をおいたものとなっており,斜面の崩壊範囲については検討の対象となっていない.一方で,自然斜面は耐震設計の対象ではないが,各都道府県の崖条例によって崩壊の危険による建築の禁止範囲が存在する.そこで本研究では,2001年芸予地震により崩壊した宅地を対象として,法肩から天端におけるすべり面の位置までの水平距離に着目した検討を行った.そして解析結果と崖条例による規定を比較検討することによって,現在の日本国内の崖条例で用いられている崩壊範囲の評価法の問題点を明らかにし,その問題点を踏まえた新たな提案を行った.
著者
吉野 純 中田 勇輝 古田 教彦 小林 智尚
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.I_493-I_498, 2017 (Released:2017-10-17)
参考文献数
6
被引用文献数
1

台風1610号は,2016年8月30日午後6時頃に北西進することで統計開始(1951年)以降初めて東北地方太平洋側に上陸した.本研究では,このような特異な進路をとった台風1610号の進路形成メカニズムを解明することを目的として,渦位部分的逆変換法に基づいて,台風周辺の擾乱が励起する指向流ベクトルを渦位偏差毎に分解することで推定した.台風1610号が岩手県大船渡市付近に上陸した時間帯には,台風の西側に位置した上層の寒冷渦が作り出す南東風に加えて,それに伴う積乱雲活動(非断熱加熱)により発達した下層低気圧(湿った正渦位偏差)が作る南風や上層高気圧(湿った負渦位偏差)が作り出す東風が同時に作用することで,約20 m/sの南東風の指向流ベクトルにより北西進したことが明らかとなった.
著者
石原 孟 榎木 康太 高原 景滋 荒川 洋
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.360-373, 2011 (Released:2011-08-19)
参考文献数
23
被引用文献数
1

本研究では電柱損傷度曲線,台風ハザード曲線および期待総建設費最小化原則に基づく配電設備のリスクマネジメント手法を提案した.台風0314号による被害データ分析および数値流体解析に基づく宮古島全域の瞬間風速の推定を行うことにより,1度の台風被害データから電柱の損傷度曲線の作成を可能とした.また台風シミュレーションと気流解析を組み合わせることにより,宮古島に設置されたすべての電柱位置における台風ハザード曲線を作成することを可能とした.最後に期待総建設費最小化原則に基づく最適設計風速を電柱の損傷度曲線と台風ハザード曲線を用いて求めた.その結果,全ての電柱に各々の最適設計風速を用いた場合では現状の設計風速を用いた場合の期待総建設費用に比べて,13%のコストを削減できることを明らかにした.
著者
難波 匡甫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:21856532)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.50-60, 2013 (Released:2013-04-19)
参考文献数
32

地盤沈下を背景に,東京と大阪では防潮堤,防潮水門等による高潮対策が講じられてきた.東北地方太平洋沖地震以降は,津波への対応強化が進められている.また,東京や大阪では近年の水質改善等にともない,河川や臨海部での水辺利用による地域活性化が積極的に図られている. こうした新たな社会状況下において,今後の高潮対策では防潮方式の多角的かつ抜本的な検討が必要であると考える.東京と大阪では,高潮対策における防潮方式に違いがあり,東京では陸地を防潮堤で囲い込む「輪中方式」が,大阪では河川本川に大型防潮水門を設置する「防潮水門方式」がそれぞれ採用されている.本研究は,高潮対策事業の経緯等から東京と大阪における防潮方式に違いが生じた要因を探ることにより,今後の防潮方式の抜本的な検討に寄与することが目的である.
著者
片岡 正次郎 白戸 智 牛島 由美子 高宮 進
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.1-19, 2013 (Released:2013-01-18)
参考文献数
44
被引用文献数
2

地震等の災害によりインフラに被害が発生すると,被害がインフラ相互に,さらには社会・経済活動にも波及し,損失が拡大する場合がある.本研究ではシステムダイナミクスに基づいて,インフラが災害により被災した場合の復旧過程をモデル化し,首都直下地震を対象とする震災復旧シミュレーションを実施した.各インフラの復旧速度が電力,情報通信,交通インフラに依存するモデルを構築し,これらの被災によってインフラの復旧がどの程度遅れるかを定量的に算出した.
著者
秦 吉弥 矢部 正明 枦木 正喜 高橋 良和 葛西 昭 松崎 裕 秋山 充良
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:1881820X)
巻号頁・発行日
vol.63A, pp.251-264, 2017 (Released:2018-06-08)

下記の論文は撤回されました.記秦吉弥,矢部正明,枦木正喜,高橋良和,葛西昭,松崎裕,秋山充良:臨時余震観測に基づく2016年熊本地震における九州自動車道沿いの被災橋梁に作用した地震動の評価,構造工学論文集,Vol. 63A,pp. 251-264,2017.撤回の理由2019年3月15日に大阪大学より公表された研究活動上の特定不正行為に関する調査結果において,本論文に対して第一著者による特定不正行為(ねつ造)が認定されたため,撤回した.
著者
秦 吉弥 中村 晋 野津 厚
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:1881820X)
巻号頁・発行日
vol.58A, pp.250-263, 2012 (Released:2013-04-19)

下記の論文は撤回されました.記秦吉弥,中村晋,野津厚:2011年東北地方太平洋沖地震における藤沼ダムでの地震動の評価-海溝型巨大地震へのサイト特性置換手法の適用-,構造工学論文集,Vol. 58A,pp. 250-263,2012.撤回の理由2019年3月15日に大阪大学より公表された研究活動上の特定不正行為に関する調査結果において,本論文に対して第一著者による特定不正行為(ねつ造)が認定されたため,撤回した.
著者
月岡 桂吾 山田 聖治 室野 剛隆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.I_123-I_132, 2019 (Released:2019-09-24)
参考文献数
18

本研究では,インピーダンスの周波数依存性および上部構造物の非線形性を考慮した非線形時刻歴応答解析手法である佐藤の方法を対象として,その適用性の拡張を図った.具体的には,佐藤の方法では,インピーダンス虚部が低周波数域において一定値をとるような問題に対して適用性が担保されていなかったため,これを改善するような方法を提案した.その上で,SRモデルを対象として,インピーダンスの周波数依存性と上部構造物の非線形性を考慮した数値解析を実施し,低周波数域におけるインピーダンス虚部の再現性が上部構造物の非線形応答特性に与える影響に関して検討を行った.その結果,上部構造物の履歴減衰の影響が比較的小さい場合において,インピーダンス虚部の再現性の影響が顕著に表れることが示された.
著者
鍬田 泰子 山村 優
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.I_1-I_9, 2019 (Released:2019-09-24)
参考文献数
11

2018年6月18日に発生した大阪府北部の地震では,平日朝の通勤時間帯に地震が発生したため多くの通勤・通学の鉄道利用客に影響が出た.当日午後に一部の鉄道は運転を再開したが,関西の鉄道システムは運転見合わせや間引き運転により終日ダイヤが乱れた.本稿では,神戸大学の学生を対象に地震当日の行動についてアンケート調査を行い,帰宅困難の実態把握を試みた.本調査で通学中であった回答者の多くは大阪や阪神間の鉄道沿線にいた学生であり,列車に乗車していた学生の約3割は駅間停車した列車に1時間以上閉じ込められていた.徒歩帰宅の意思決定に自宅までの距離だけでなく,自宅が震源近くにあることが要因になっていることがわかった.
著者
和田 一範 福濱 方哉 木村 嘉富
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.511-515, 2006-10-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
2
被引用文献数
1 2

富士海岸の東端に位置する沼津工区 (通称千本浜海水浴場) では, 隣接する沼津港防波堤の影響による沿い波などにより来襲波浪が増大し, 砂浜の侵食が生じたことから, 人工リーフと養浜を用いた侵食対策が実施され1999年度に事業が完了している. 事業完了後の地形変化や波浪観測結果を基に, これらの効果を長期的視点から分析したところ, 当初計画どおりの保全効果を持続的に発揮していることが確認された. また人工リーフと養浜を複合的に組み合わせることによって, 人工リーフの規模の縮小を図れること, 5年以上にわたり維持養浜することなく安定な海浜を維持可能であることが判明し, 今後の海岸管理システムについての有用な示唆を得た.
著者
仲井 圭二 橋本 典明 額田 恭史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_318-I_323, 2016 (Released:2016-08-30)
参考文献数
3
被引用文献数
1

副振動は西日本での出現が話題になることが多いが,全国的に発生している現象である.しかし,全国での出現特性を調べ,その海域特性について検討された例は少ない.そこで,本研究では,気象庁の検潮所における観測資料を用いて,全国沿岸における副振動の出現特性を調べた. 副振動の出現回数の経年変化は,地点によって異なり,近傍の地点でも必ずしも良く似ているとは限らない.逆に距離が離れていたり,海域が異なったりする2地点でも,特性が似ている場合がある. 一方,出現回数の季節変化をみると,北海道や沖縄,内湾の一部を除き,全国的に非常に似た特性を示す.副振動の原因となる低気圧や台風の影響は,毎年局地的に変動するが,長期間を通してみると,全国的にほぼ同じであるということができる.
著者
宮﨑 文平 風戸 崇之 濵梶 方希 小濱 健吾 貝戸 清之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.I_175-I_183, 2013 (Released:2014-03-06)
参考文献数
10
被引用文献数
4

近年,高速道路では標準的な舗装路面として高機能舗装が採用されている.これに伴い,密粒舗装が主流であった時期に策定された従来の路面管理基準では,舗装路面の状態を十分に評価することが困難となってきている.本研究では,評価長と評価指標という観点から現在の路面管理基準の妥当性と,最適な路面管理基準について検討する.具体的には,現在の我が国の道路舗装の維持管理における,路面性状調査の結果による健全度評価と現場の補修要否判断の乖離の問題を説明する.その際,密粒舗装と高機能舗装それぞれの劣化過程の相違に触れ,評価長と評価指標という観点から現在の路面管理基準の問題点を指摘する.その上で,供用中の高速道路で獲得された路面性状データを用いた実証分析を実施し,最適な路面管理基準について検証する.
著者
中村 倫明 落合 実 鷲見 浩一 和田 明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_691-I_696, 2015 (Released:2016-01-29)
参考文献数
21

Object of this study is to predict distribution of radioactive contamination water in front of Fukushima by means of a 3-dimensional flow model linked with a diffusion model, released by Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant. It was confirmed that radionuclides(Cs-137,Sr-90,H-3) distributions in coastal areas can be predicted by means of nesting form the whole Pacific Ocean model. Results were compared to the published observation data in order to examine applicability of the used models. As a result, the impossibility of the influence humanities was suggested to be with in front of Fukushima.
著者
中村 洋丈 横田 聖哉 吉村 雅宏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.156-175, 2013 (Released:2013-08-20)
参考文献数
35
被引用文献数
6

震災害時には高速道路は緊急交通路の機能を有し,“線”として早期に道路機能が確保される必要がある.したがって盛土構造も耐震性が求められるが,既設盛土は効率的かつ合理的な照査手法がない.本論文の評価手法の骨子は,盛土基本情報の評価点法による一次評価,変形量の簡易予測図による二次評価,復旧土量から算定する許容変形量の設定から成る.この手法を用いて過去の被災区間や実際のモデル路線で適用し,実際の路線においても評価対象箇所の合理的な抽出が可能であること,復旧体制の規模によって目標時間内での復旧可否が判断可能である等の手法の有効性を確認した.これらより対象盛土の選定から残留変形量の算出,許容変形量の設定等を体系化した合理的で実務的な手法を構築した.
著者
羽田野 袈裟義 多田羅 謙治
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.11-21, 2014 (Released:2014-03-20)
参考文献数
13
被引用文献数
3

堰を有する河川の水面形計算では堰直上流の水位を境界条件として用いるが,洪水時の流れに対しては堰公式の精度が問題となる.本研究では,運動量の定理を通して堰を越える流れの流量と水位を関係づける無次元パラメータを求め,既往の実験データを用いてパラメータ間の関係式を求めてその適合性を調べた.まず,完全越流のデータを解析して越流水深/堰高比と限界水深/堰高比の間に普遍的とみなされる一義的な関係を見出した.そしてその結果を潜り越流における関係式の定式化に用いた.潜り越流では,下流水位を変化させた時の上流水位の変化としてまた別の一義的な関係を見出し,これを定式化した.既往の実験データを用いて検証した結果,本研究で提案された評価法は従来式に比べてより広い水理条件の範囲で適合性が良好であることを確認した.
著者
長坂 康史 下里 哲弘 田井 政行 玉城 喜章 日和 裕介
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集H(教育)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.35-47, 2019

<p> 鋼橋の維持管理において,適正な点検を実施するためには,その知識と技能が要求される.しかし,現状の学習法は継続的な知識の積上げと実務経験に委ねられる部分が多く,点検技能を効率的,且つ確実に向上させる学習法が必要となる.本研究では,代表的な劣化現象である鋼材腐食に焦点をあて,実橋梁で生じた腐食を3DCGにて可視化し,鋼橋の腐食と点検をデスク上にて擬似体験できる腐食点検学習システムを開発した.本学習システムは,腐食部位にあらゆる角度から自由にアプローチでき,パソコン画面上で,腐食特性や点検技能を効率良く,且つ実践的に習得できることである.アンケート結果より,各橋梁の実腐食データで3DCG化され,自由な可動を特徴とする本学習システムは,腐食点検技能の習得に有効であるとの一定の評価が得られた.</p>