著者
山内 匡 清宮 理 横田 季彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.300-315, 2012 (Released:2012-11-20)
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究は,ホタテ質量の約50%を占めている貝殻の大量にリサイクルできる方法としての確立を目指し,機械的に破砕したホタテ貝殻(シェルサンド)をコンクリート用細骨材として活用することを目的に実施した.ホタテ貝殻を細骨材として適用可能な性状まで破砕することは通常難しいため,回転式破砕機を採り上げ,その破砕性能について検討を行った.そして,シェルサンドをJIS規格を満足する細骨材として活用したシェルコンクリートについて,基本性質を把握するための各種室内試験や,実用化に向けた問題点の検証を目的とした実証試験を実施し,その一連の研究成果から,シェルコンクリートの基本性質は普通コンクリートと同程度であり,また実用化についても普通コンクリート以上の配慮事項はみられないことを確認した.
著者
桑野 将司 藤原 章正 塚井 誠人 張 峻屹 岩本 真由子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D (ISSN:18806058)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.54-63, 2010 (Released:2010-03-19)
参考文献数
17
被引用文献数
2

本研究では自動車の保有期間と年間走行距離の相互依存性を考慮した自動車保有・利用行動の同時決定モデルの開発を行った.具体的には,2変量間の非線形な相互依存性を取り扱うことができるコピュラ関数を用いた多変量生存時間モデルを構築し,保有期間と走行距離の間に異なる依存構造を表現する正規コピュラ,ガンベル・コピュラ,クレイトン・コピュラ,フランク・コピュラの適用を行った.2006年10月に中国地方の5県を対象に行われたアンケート調査のデータを用いた実証分析の結果,保有期間と年間走行距離の間にクレイトン・コピュラを適用したときモデル適合度が最も高く,利用行動と保有行動の間に負の相互依存性が存在することを明らかにした.開発したモデルの現況再現性は従来の分析手法よりも高く,その有効性が実証された.
著者
阿保 勝之 坂見 知子 高柳 和史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1211-1215, 2002-10-10 (Released:2010-03-17)
参考文献数
8

アサリ増殖場造成地において現地調査に基づく窒素・リンの収支計算を行い, アサリによる造成地の水質浄化機能 (懸濁態N・P除去量) を明らかにした. アサリ生息数の少ない現状では, アサリによる懸濁物除去よりも一次生産の方が大きく, 造成地は懸濁態窒素, リンの供給源となっていた. また, アサリの摂餌, 代謝, 排泄を数値モデル化することにより, アサリの稚貝放流, 増殖, 漁獲に伴う懸濁態窒素の除去量を定量的に評価した. 造成事業計画に従って放流・漁獲を行った場合, 海水中からの窒素除去量は年平均で41mgN/m2/dayあると見積もられた.
著者
高山 百合子 国分 秀樹 上野 成三
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B (ISSN:18806031)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.139-150, 2008 (Released:2008-07-22)
参考文献数
38
被引用文献数
1

三重県英虞湾において,浚渫ヘドロを用いた干潟実験区を5つ造成し,3年にわたり底質,底生生物の追跡モニタリングを実施した.その結果,砂質土干潟より浚渫ヘドロを混合した干潟の方が底生生物の種類数,個体数がともに増大することが分かり,浚渫ヘドロは干潟材料として有用であることが確かめられた.また,底生生物が増大する底質の最適条件はIL4∼6%,COD3∼8mg/g,泥分20∼30%となった.適度な有機物を含む底質で底生生物が増大するこの特性は,他海域の調査結果とも同様であったことから全国の海域で共通することが確認された.以上より,底生生物の増大を目的とした干潟設計条件として浚渫ヘドロの混合割合の設定が可能となり,浚渫ヘドロを処分するのではなく干潟表面の造成材料に有効利用する新しい資源循環型の干潟造成方法が確立された.
著者
株本 啓佑 田中 皓介 宮川 愛由 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.1-17, 2020 (Released:2020-01-20)
参考文献数
40

適正な公共インフラ政策についての世論形成やそれに基づく政策判断を促すためには,公衆一人一人の事実情報の認識形成のプロセスについての知見が重要な基礎的知見となる.本研究ではこうした認識に基づき,「公共政策におけるキッチュ」の存在についての心理実証実験を行った.これは,「明らかな危険性を含んだ公共政策を,崇高にして達成可能な美しい理想のごとく絶対化し,そのような姿勢をとるうえで都合の悪い一切の事柄を,汚物のごとく見なして排除したがる態度」という,特定事実を無視する不合理かつ不条理な態度を意味する.本研究では「公共事業の縮小」「緊縮財政」「新自由主義的な改革推進」の三つの政策について「キッチュ」の存在を確認する心理学実験を行い,その存在を実証的に示した.
著者
亀井 陸史 鮎貝 崇広 金川 哲也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_499-I_508, 2019 (Released:2020-02-06)
参考文献数
34
被引用文献数
4

多数の球形微細気泡を含む水中において, 波長の長い平面圧力波の弱非線形伝播に粘性と熱伝導性が与える影響を理論的に調べる. 多重尺度法を用いて, 粘性と熱伝導性を考慮した気泡流の基礎方程式系から低周波数の長波の長距離伝播を記述する KdV–Burgers 方程式を導いた. 気泡流全体の粘性と熱伝導性を無視した先行研究(金川ら, 機論 B, 76, 1802, 2010) との対比から, 液相粘性と熱伝導性の影響は散逸性のみに現れ, 気泡内気体の熱力学的過程が非線形, 散逸, 分散の全性質に影響を与えることがわかった. さらに, KdV–Burgers 方程式を数値的に解き, 非線形性, 分散性の順に波形に対して性質が発現することがわかった. 本研究と先行研究の数値解を比較すると, 本研究の方が散逸性と分散性が強いことが波形からも確認できた.
著者
天野 弘基 中川 啓 河村 明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.I_127-I_135, 2016 (Released:2017-02-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1 3

島原市の地下水水質を対象として,4種類の多変量解析手法を適用し,どの分類結果が当該地域の水質特性を説明するために適しているかについて検討した.5つのクラスターに分類した場合のそれぞれ特徴は,ほぼ同様であったが,各クラスターの空間分布については手法間に違いが認められ,主成分分析を利用した手法は,硝酸性窒素濃度が比較的高い採水地点を,汚染クラスターに分類した.クラスター数を10とした場合においても主成分分析を利用した手法がより適切な結果を与えうることが明らかとなった.
著者
松田 楓 星野 裕司 円山 琢也 吉海 雄大
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D1(景観・デザイン) (ISSN:21856524)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.12-27, 2019 (Released:2019-04-20)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

熊本大学では「熊本復興支援プロジェクト」の一環として,熊本地震で最も被害が集中した益城町にサテライトラボ「熊本大学ましきラボ」を設置し運営している.その「ましきラボ」は益城町の秋津川自然公園内に設置されており,住民が気軽に立ち寄り教員や学生と意見交換するオープンラボや,そこで得られた住民の意見を活かしたイベント等をおこなっている.大学が主体となり設立され,被災した益城町を拠点とし活動している「ましきラボ」を対象として,その設立までの経緯や運営実態を詳述するとともに,ラボの役割や継続的に運営していくうえでの課題について考察した.
著者
呉 修一 Bambang WINARTA 武田 百合子 有働 恵子 梅田 信 真野 明 田中 仁
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_183-I_190, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
20

2006年5月,インドネシア・シドアルジョ市で泥火山が噴出した.噴出に伴い,2011年6月の時点で6.5km2の範囲が泥水で覆われ,高速道路や鉄道が影響を受け,3万人以上の近隣住民の生活に影響が及んだ.堆積・貯蔵限界を超えた泥水は,隣接するポロン川へ導水路を通じて排出されている.噴出した泥には硫黄などの有毒成分が含まれるため,河川・海洋の環境汚染および汚泥の堆積による河川の洪水疎通能力の低下が懸念されている.本論文は,ポロン川における汚泥の堆積・流出状況を評価するため,河川横断面データを収集し河床形状の時間的な変化を解析した.解析結果により,ポロン川への汚泥の流入に伴い,乾期に汚泥の堆積が顕著に進むが雨期には流出し, その堆積量は年々減少していることが明らかとなった.
著者
山嵜 高洋 石川 重雄 長坂 貞郎 笹田 勝寛 河野 英一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.183-195, 2013 (Released:2013-12-20)
参考文献数
32
被引用文献数
1 1

印旛沼流域の低平地水田において,T-N(NH4-N,NO3-N,NO2-N,Org-N),T-P等の水質浄化を水管理と農地利用の相違から検討した.1)水田における灌漑用水の浄化は,灌漑用水濃度が高濃度の場合,灌漑用水量を多く必要とするが,連続的な浸透掛流灌漑が効果的であった.2)水田への流入水(灌漑用水)の水質濃度が高ければ浄化,逆に低くければ流出負荷量が勝り汚濁の排出となる.このことは,水田における水質浄化は流入水の濃度により左右されることを示し,本調査で浸透掛流灌漑を行うことで浄化機能が発揮されることを,より明確化できた.3)水田を畑に利用転換すると,還元状態で機能する脱窒作用が減少し,降雨によりNO3-Nが流出して,印旛沼(閉鎖性水域)の劣化を助長することが危惧された.
著者
有田 守 青木 伸一 片岡 三枝子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.201-205, 2005-10-07 (Released:2010-06-04)
参考文献数
9

インレットの固定化という大規模な土木工事によりエスチャリーの環境が長期的にどのように変化してきたのかを詳細に調べ, 物理環境の変化と生態系の応答の因果関係を明らかにすることは, 人為的な環境インパクトの影響を検証する上で重要である. 本研究では浜名湖を対象に, 物理環境のうち最も重要な要素であると思われる潮汐に着目し, 湖の潮汐応答特性とその経年変化を明らかにするとともに, 潮汐による外洋と湖との海水交換特性の変化について検討した. その結果, インレットの固定化工事は浜名湖の長期的な環境をもたらしていることが明らかになった.
著者
草柳 俊二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.I_127-I_136, 2014 (Released:2015-02-28)
参考文献数
22
被引用文献数
1

2006年4月に日本土木工業協会(土工協)が「透明性ある入札・契約制度に向けて-改革姿勢と提言-」を公表した.提言内容は実施的な談合離脱の宣言であり,建設産業は「競争の原理」へと動き出した.その結果,発注者側の設定した「予定価格」を大幅に下回る金額で契約が成立するケースが全国で発生し,追加費用精算への落札率の適用問題が浮かび上がってきた.国土交通省を始めとして,ほとんどの公的発注機関が追加費用精算への落札率適用をルール化しているが,その論理基盤は確かなものか.これまで,入札・契約方式といった調達方式の改革が進められて来たが,契約条項に基づく適正な追加費用精算システムの確立は「競争の原理」に基づく産業基盤を作る上で極めて重要なものとなってくる.
著者
大石 博之 小林 央宜 尹 禮分 田中 浩一 中山 弘隆 古川 浩平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.107-118, 2007 (Released:2007-03-20)
参考文献数
3
被引用文献数
1

斜面の災害危険度を評価することは,効率的に防災事業を進めるための重要な課題である.これについては詳細な調査や安定解析に基づいた評価を個別に行うことが望ましいが,対象数が膨大であるため困難となることが多い.そこで,本研究では数理的手法のひとつであるサポートベクターマシンを活用し,各斜面の諸元データと災害履歴を学習することで災害危険度を評価することを試みた.道路沿線斜面のデータを例とした分析では,従来法以上の高い精度で危険度が評価できることが判明した.また,既に対策済みの斜面については,無対策斜面データのみの学習結果に基づく評価と対策済み斜面のみでのそれとを比較することで,対策工効果の指標値を得ることを発案した.これらの成果は,防災事業を進めていく上で大変有効なものと考えられる.
著者
山中 亮 神谷 大介 内藤 郁 内海 泰輔 多田 俊也 新垣 康明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_651-I_657, 2019

近年,訪日外国人の増加とともに,訪日外国人のレンタカー事故が急増している.しかしながら,具体的な対策はほとんど行われておらず,早急な安全対策が必要とされているが,危険個所自体が明確ではない.本稿では,沖縄本島を対象として,道路区間別交通事故件数と,ETC2.0プローブデータを用いて危険個所の比較を行った.県民ドライバーの急制動箇所は一般プローブとし,日本人及び訪日外国人レンタカ ードライバーの急制動箇所は特定プローブを用いることで比較を行った.結果,訪日外国人ドライバーが運転している中で危険な区間が,事故件数が多い区間とは異なる区間にも存在することが明らかになった.特に,事故件数が相対的に少ないが急制動が多い区間では,訪日外国人ドライバー対策を優先的に行うことが効率的であると考えられる.
著者
伊藤 康佑 片木 聖樹 水上 純一 熊谷 健蔵
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_307-I_312, 2019
被引用文献数
4

<p> 台風201821号は大阪湾を直撃し沿岸部に甚大な高潮・高波被害をもたらした.人工島である関西国際空港においても甚大な浸水被害が発生し,空港機能が麻痺する事態となった.本研究では再度災害の防止を目的とし,空港機能を有する人工島の特性を踏まえ,台風来襲時の気象・海象,現地の被害状況等から推定された護岸からの越波等を含む4つの浸水要因について定量的評価を行った.その結果,浸水の主要因は1期島の東側および南側の護岸からの越波であり,その量は約225万m<sup>3</sup>であることがわかった.さらに,浸水は東側護岸から開始したが,特に,台風通過時における対岸からのS~SSW方向の強風に伴って発生した想定以上の高波浪によって,越波が護岸延長の長い東側護岸で発生したことが浸水被害を増大させる要因となったことがわかった.</p>
著者
吉川 泰弘 阿部 孝章 平井 康幸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_416-I_420, 2012 (Released:2012-11-15)
参考文献数
6
被引用文献数
2 3

The tsunami of 2011 Tohoku Pacific-Coast Earthquake broke river-ice, and generated ice jam in Hokkaido, Japan. This study aimed to clarify the phenomenon of ice jam generated by tsunami in ice covered river. We built the river-ice calculation model. In order to check the accuracy of this calculation model, we conducted ice jam experiment and a calculation value reproduced an experiment value. We understood that it was important to set up "the conditions to generate of ice jam" and "the allowable stress of river-ice" appropriately in this calculation model. This following phenomenon was found by Simulation of Ice Jam. At the time of tsunami intrusion to ice-covered river, River-ice was destroyed and moved to the upstream. River-ice was deposited in narrow river-width. Ice jam was generated at this point.
著者
松下 岳史 木附 晃実 馬奈木 俊介
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_347-I_352, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
27

近年日本では,地方からの人口流出・東京一極集中が著しく,地方では生活利便性や経済面において様々な負の影響が生じている.政府は「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」の中で,高齢者の地方移住を支援するとし,高齢者が健康な生活を送れるまちづくりを目指す「日本版CCRC」に取り組む自治体がある.そこで本研究では,過去10年間に引越経験を有する回答者のアンケートデータの結果を用いて,65歳以上と他の年代で居住地選択の理由に違いがあるかを分析した.その結果,65歳以上では他の年代と比較して,自然環境を重視していることを明らかにした.また年代に関わらず,利便性や住宅事情に関する項目が重視されていることも明らかにした.地方自治体は豊かな自然環境の整備とアピールによって,高齢者の移住を促すことができると考えられる.
著者
田中 晃代
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.I_259-I_265, 2012 (Released:2013-12-25)
参考文献数
5

本研究は,市議会議員の「まちづくり活動」に着目し,まちづくり活動に関する活動実態と思考パターンをもとに「参加型まちづくり」における市議会議員の役割を提示するものである.議員の活動実態については,「都市」「福祉・保健」「環境」「防災・防犯」の分野が多く,7割が地域活動や市民活動に従事していた.また,行政が設置するフォーラムや協議会にも出向くなどして「参加型まちづくり」に関わりを持っている議員も3割存在していることがわかった.さらに,議員の思考パターンを分析したところ,6つの因子(地域性,開示性,専門性,市民力,用語性,合議制)を見出した.以上のことから,市議会議員は,市民の活動を育て,現場の経験を活かして議会に役立てる等の役割があることがわかった.
著者
白井 悠 石垣 勉 川上 篤史 寺田 剛 藪 雅行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.I_9-I_17, 2016 (Released:2017-01-31)
参考文献数
14
被引用文献数
3

本論文は,すべり抵抗測定車を用いたタイヤ/路面転がり抵抗(以下,転がり抵抗)の評価方法と,これより得られた転がり抵抗係数と自動車走行燃費との関係について検討した結果を報告するものである.転がり抵抗係数と自動車走行燃費は,国土技術政策総合研究所試験走路に施工した低燃費舗装を含む4種の試験路面で実測し,検討を行った.具体的な検討項目は,a)転がり抵抗測定時における影響要因の補正方法,b)転がり抵抗係数のタイヤ温度および車両の走行速度に対する補正方法,および c)転がり抵抗係数と自動車走行燃費との関係である.その結果,提案する評価方法から求めた転がり抵抗係数は走行燃費と相関が良いことが確認できた.