著者
向井 秀樹 新井 達 浅井 寿子 武村 俊之 加藤 一郎
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.84-90, 1995-02-01
参考文献数
14
被引用文献数
2 1

小児のアトピー性皮膚炎の治療に海水浴療法が行われており, その作用機序として紫外線および海水の作用が考えられている。そこで今回この海水の作用に注目して, その有用性を検討した。方法は自宅の入浴時に海水成分に近い自然塩を用いて塩水療法を行った。対象は, 従来の治療法に抵抗性で重症度の高い46症例(小児17例, 成人29例)。全体の有効率は60.9%であり, 年齢別にみると小児94.1%, 成人41.3%と明らかな有効率の違いをみた。臨床効果を要約すると, 止痒効果が高く, 湿潤局面の改善や保湿効果などが認められた。副作用として, 使用時の刺激感および長期連用により乾燥肌の出現がみられた。比較的かゆみのコントロールしにくい症例に対して, 本療法は容易で有用性の高い補助療法になりうると考えた。
著者
笠谷 和比古
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
no.3, pp.p35-63, 1990-09

徳川幕府体制の下での特異な政治的問題の一つとして、「大名改易」のあったことは周知の通りである。それは軍事的敗北、血統の断絶、法律違反などの諸理由に基づいて、大名の領地を幕府が没収し、当該大名がそれまで保持してきた武家社会内での身分的地位を剥奪してしまうものであった。徳川時代にはこの大名改易が頻繁に執行され、結果的に見れば、それによって幕府の全国支配の拡大と安定化がもたらされたこと、また改易事件の幾つかは、その理由が不可解に見えるものがあり、それによって有力大名が取り潰されてもいることからして、この大名改易を幕府の政略的で権力主義的な政策として位置づけるのは定説となっている。そしてまたそのような大名改易の歴史像が、徳川幕府体制の権力構造、政治秩序一般のあり方を理解するうえでの重要な根拠をなしてきた。 しかしながらそのような大名改易の歴史像は、幕府に事後的な利益をもたらしたという結果的な見地から導き出されたものであって、個々の大名改易事件がどのような事情と経緯に基づくかの、事実関係の面での研究は多くないのが実情である。それ故に本稿では、この大名改易の二大疑獄とされる広島藩四九万石の福島正則と熊本藩五二万石の加藤忠広の両改易事件について、福島正則自身の書状などの同時代史料に依拠して事態の事実確認を中心に考察する。そして本稿の続編(次号掲載予定)において、自余の改易事例をも踏まえながら、徳川時代の大名改易という歴史事象の一般的な意義解明を試みる。
著者
矢野 正基 大賀 隆裕 大西 正輝
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J102-D, no.2, pp.34-52, 2019-02-01

深層学習の分野はAlexNetの登場により画像識別精度が大幅に向上して以来,毎日のようにarXivに新たな手法が提案されるなど発展のスピードは著しい.しかし深層学習は学習に膨大な計算時間を必要とし,更なる精度向上のためには多くのハイパパラメータやData Augmentationなどを調整しなければならない.本論文では深層学習を用いた画像識別タスクにおける識別精度を向上させるためのテクニックとしてData Augmentation,学習率スケジューリング,アンサンブル手法に注目し,サーベイを行うとともに網羅的な検証実験を行うことで,できるだけ多くの知見を読者と共有することを目的としている.最後に特に精度向上に貢献したものを選択し,複合実験を行うことで定量的に評価を行い,今後の展望を述べる.

95 0 0 0 OA 官職要解 : 修訂

著者
和田英松 著
出版者
明治書院
巻号頁・発行日
1926
著者
松野 哲男 巽 好幸 島 伸和 鈴木 桂子 市原 寛 清杉 孝司 中岡 礼奈 清水 賢 佐野 守 井和丸 光 両角 春寿 杉岡 裕子 中東 和夫 山本 揚二朗 林 和輝 西村 公宏 古川 優和 堀内 美咲 仲田 大地 中村 崚登 廣瀬 時 瀬戸 康友 大重 厚博 滝沢 秀明 千葉 達朗 小平 秀一
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

We started integrated marine investigations of Kikai Caldera with T/S Fukae-maru of Kobe University on October, 2016. Aims of our investigations are to reveal the structure of the caldera, the existence of magma reservoir, and to understand the mechanism of catastrophic caldera-forming eruption at 7.3 ka and a potential for a future catastrophic eruption. We conducted multi-beam echo sounder mapping, multi-channel seismic reflection (MCS) surveys, remotely operated vehicle (ROV) observations, rock sampling by dredging and diving, geophysical sub-seafloor imaging with ocean bottom seismometers, electro-magnetometers (OBEMs), some of which equip absolute pressure gauge, ocean-bottom magnetometers, and surface geomagnetic surveys.The first finding of our investigations is lines of evidence for creation of a giant rhyolite lava dome (~32 km3) after the caldera collapse. This dome is still active as water column anomalies accompanied by bubbling from its surface are observed by the water column mapping. Chemical characteristics of dome-forming rhyolites akin to those of presently active small volcanic cones are different from those of supereruption. The voluminous post-caldera activity is thus not caused simply by squeezing the remnant of syn-caldera magma but may tap a magma system that has evolved both chemically and physically since the 7.3-ka supereruption.We have been conducting integrated analyses of our data set, and have planned the fourth research cruise with T/S Fukae-maru on March, 2018, consisting of MCS survey, ROV observation, OBEM with absolute pressure gauge observation, and bathymetric and surface geomagnetic survey. We will introduce results of the data analyses and the upcoming cruise in the presentation.
著者
濱野 千尋
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第51回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.C10, 2017 (Released:2017-05-26)

本発表の目的は、ドイツにおける動物性愛者の任意団体「ZETA(Zoophiles Engagement fur Toleranz und Aufklarung/ Zoophiles Commitment for Tolerance and Awareness/ 寛容と啓発を促す動物性愛者委員会)」に属するメンバー8名へのインタビュー・データをもとに、人間と動物の関係、特に獣姦(Bestiality)および動物性愛(Zoophilia, Zoosexuality)を考察することである。
著者
三村 敬司 藤岡 高弘 三丸 敦洋
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.277-280, 2010 (Released:2010-12-05)
参考文献数
9
被引用文献数
8 7

陸上自衛隊員を対象に二酸化塩素放出薬のインフルエンザ様疾患に対する予防効果を検討した.低濃度の二酸化塩素放出薬介入群と非介入群を設定し,介入した期間のインフルエンザ様症状の有無やワクチン接種の有無などについて検討した.その結果,二酸化塩素放出薬の介入でインフルエンザ様疾患の患者数の有意な減少を認め,二酸化塩素放出薬がインフルエンザ様疾患の発生を減じる可能性が示唆された.
著者
田村哲夫編修
出版者
マツノ書店
巻号頁・発行日
1980