著者
高橋 秀俊
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, 1960-07-30

91 0 0 0 OA 国癌切開

著者
金振九 著
出版者
名古屋出版社
巻号頁・発行日
1936
著者
鶴田 燃海 石川 啓明 加藤 珠理 向井 譲
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.94, no.5, pp.229-235, 2012-10-01 (Released:2012-11-22)
参考文献数
24
被引用文献数
2 4

ソメイヨシノはサクラを代表する園芸品種の一つで, 日本で古くから親しまれてきた。近年, 植樹を行う際には周りの野生種の集団の遺伝的多様性に配慮することが求められるようになり, ソメイヨシノにおいても適切な植栽のために野生種との交雑範囲の特定が望まれる。本研究は分子マーカーを用い, ソメイヨシノとサクラ属の野生種との花粉を介した遺伝子流動の実態を明らかにするとともに, 交雑に影響する要因の推定を行った。ソメイヨシノを結実させた花粉親の95%は, 母樹からおよそ300 m以内の野生種個体に同定された。このとき, 交雑には距離や個体サイズに加え, 開花の重なる日数が重要な要因であると一般化線形モデルから判断された。一方, 野生のサクラから採取した種子において検出された, 最も長いソメイヨシノからの花粉散布は約190 mであった。野生種個体がソメイヨシノと交雑する割合は, 周りのソメイヨシノの密度に加えて開花の重なる期間が影響することが示された。ただし, ソメイヨシノとの開花の重なる期間は種・年によって異なり, それによって交雑範囲も変動すると考察された。
著者
松本 吏樹郎 長谷川 匡弘 市川 顕彦
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History
巻号頁・発行日
vol.73, pp.1-5, 2019-03-31

大阪市南港中央公園における訪花性ハチ目昆虫のモニタリング調査の過程で,これまで日本から記録のないワタナベツチバチScolia watanabei( Matsumura)(ハチ目ツチバチ科)が発見された。本種は,大型で顕著な斑紋を持つにもかかわらずこれまで記録がないこと,また本種の分布が知られている中国,台湾を含む海外からの大量の貨物が運び込まれる港湾地区でのみ見られることから,外来種であると考えられる.本種が確認されているのはごく狭い範囲に限られているため,侵入の初期の段階にあると考えられる.
著者
齋藤 慈子 篠塚 一貴
出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.187-197, 2009 (Released:2010-01-22)
参考文献数
86
被引用文献数
2 1

Compared with dogs (Canis familiaris), the social cognitive abilities of cats (Felis catus) have not received much research attention, probably because cats are not considered to be as social as dogs. However, cats have in fact developed sociality in conspecifics and, needless to say, cat-human relationships after their domestication. This paper initially considers the reasons behind the underestimation of cats' social abilities, and then reviews social behavior among conspecifics and in the cat-human relationship. Several studies have provided evidence that cats possess social intelligence. Since their intelligence is considered to be expressed in different context from that of dogs, methods different from those used to study dogs are therefore needed for investigating their social abilities. Appropriate experiments or devices will undoubtedly unravel the high social intelligence of cats.
著者
森山 優 森 茂樹 宮杉 浩泰 小谷 賢
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

(1)日本、アメリカ、イギリス、オーストラリアの文書館を調査し、外交・インテリジェンス関係の一次史料を収集した。従来の研究では見逃されてきた多数の貴重な史料を発掘できた(2)これらの史料を整理して、その一部をデータベース化した。(3)先行研究を収集して、問題点を検討した。(4)収集した史料を総合し、日本の情報戦に関する理解を深化させた。(5)成果の一部を学会報告・論文・書籍、マスコミ取材等で発表・発信し、学界のみならず一般社会に向けて研究の意義を強調した。
著者
岡部 和代 黒川 隆夫
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.743-751, 2006-11-15
参考文献数
7

ブラジャーは女子の肌に密着するファンデーションとして,消費者の感性的ニーズをデザインに反映させる必要がある.消費者の好みや感性をデザインに活かすには,評価した人の特性を評価し,類型化することが必要となる.そこで,本研究では日本人若年女子193名にタイプの異なるブラジャー5種を対象として官能評価を行わせ,ブラジャーの特性を明らかにした上で,判定者の類型化を行った.ブラジャーに共通した因子として,ズレ感,揺れ感,圧迫感,整容感,背面・脇押え感を抽出した.特にズレ感や揺れ感の因子は寄与率が高く,また総合的な着心地との相関が高かった.タイプ別に導出した判定者の因子スコアを原データとしてクラスタ分析を行い,判定者を4クラスタにパターン分類した.クラスタごとに官能評価結果を分析することにより,評価の深層を浮かび上がらせることが可能になるということが示唆された.さらに評価結果は,判定者がブラジャーについてどのような感覚が強いか,ひいてはブラジャーに何を要求しているかを表すものと考えることができる.判定者が多ければ,判走者のクラスタはそのまま消費者のクラスタと考えられ,官能評価分析の結果をニーズに基づく商品設計に応用できるはずである.しかし,官能評価の判定者の反応が多様であることから,官能評価の方法や商品設計について考えさせられる点が多かった.本研究では4クラスタに分類したが,ほとんどの項目に中間の評価をするクラスタ1の判走者が多く含まれる官能評価では明瞭な結果が得られない可能性が高くなるし,クラスタ2とクラスタ3のように反応差が大きい判定者が混じっている場合も平均化されて暖味な結果に終わることが考えられる.消費者の感性を商品に反映し,質の向上を図るためにはクラスタごとに官能評価結果を分析して深層を浮かび上がらせることの重要性が示唆された.
著者
杉本 絢奈 本元 小百合 菅村 玄二
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.150-160, 2016 (Released:2016-09-07)
参考文献数
47
被引用文献数
1

「首を傾げる」ことで,疑問や不審を抱くだろうか。大学生82名が箱に空いた角度の異なる穴を覗くことで,右傾,左傾,無傾の3種の姿勢をとり,対人認知,リスクテイキング,論理的思考という3課題を行った。姿勢操作はカウンターバランスされた。その結果,首を右に傾げると,傾げない場合よりも,社会的に望ましい人物の仕事への関心を低いと評価しやすくなり(p=.002, d=0. 9),また男性は首を左に傾げた場合,傾げなかった場合に比べ,危険な行動をとると判断しやすかった(p=.014, d=0. 8)。論理的思考には差が見られなかったが,仮に疑い深くなっても論理性の判断はつきにくいからかもしれない。対人場面では提示された人物描写を字面通りに受け取らなかったと解釈でき,首傾げ姿勢が慎重な情報処理を促すという仮説は,右傾に限って支持された。右傾で仮説通りの効果がみられた理由は,大半の人は生まれつき首を右に傾けやすいからかもしれない。左傾によって軽率な行動傾向が高まったが,これは不自然な姿勢を取ったためと考えられ,右傾によって慎重になるという結果と矛盾はしない。今後は姿勢の個人差を考慮した上で,参加者間計画にし,追試をすることなどが求められる。
著者
佐藤 芳樹 菅谷 なえ子 中川 友夫 森田 昌敏
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.135, no.4, pp.631-642, 2015-04-01 (Released:2015-04-01)
参考文献数
41
被引用文献数
1 3

We established an analytical method for the detection of seven phthalates, dimethyl phthalate, diethyl phthalate (DEP), benzyl butyl phthalate, di-i-butyl phthalate, dibutyl phthalate (DBP), diethylhexyl phthalate (DEHP), and di-n-octhyl phthalate, using an ultra high performance liquid chromatograph equipped with a photodiode array detector. This method is quick, with minimal contamination, and was applied to the analysis of aromatic and deodorant aerosol products. Phthalates were detected in 15 of 52 samples purchased from 1999 to 2012 in Yokohama. Three types of phthalate (DEP, DBP, DEHP) were detected, and their concentrations ranged from 0.0085-0.23% DEP in nine samples, 0.012-0.045% DBP in four samples, and 0.012-0.033% DEHP in four samples. No other phthalate esters were detected. Furthermore, we estimated phthalate exposure via breathing in commonly used aromatic and deodorant aerosol products, then evaluated the associated risk. The estimated levels of phthalate exposure were lower than the tolerated daily limit, but the results indicated that aromatic and deodorant aerosol products could be a significant source of phthalate exposure.
著者
廣瀬 正幸 平川 昭彦 丹羽 若菜 東口 貴彦 田島 康介 加藤 貴大 山田 成樹
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.141, no.12, pp.1389-1392, 2021-12-01 (Released:2021-12-01)
参考文献数
13
被引用文献数
4

We discuss the current status of, and possible countermeasures for, acute drug poisoning among adolescents using OTC drugs. In the last 10 years, 36 patients aged <20 years who overdosed on OTC drugs were examined for the type of drug ingested, its active ingredients in cases of lethal dose intake, and the relevant place of purchase. Patients aged <20 years accounted for 30% of all the cases. The ingestion of multi-ingredient common-cold medication was the highest at 23%, and no ingestion of any first-class OTC drugs was observed. Caffeine accounted for 54% of the cases of lethal dose intake. At 80%, the most common method of drug purchase was from drugstores and other OTC vendors. In recent years, the number of adolescents patients who take lethal doses of OTC drugs has been increasing, and new measures are needed to avoid such cases. School pharmacists and vendors play a major role in reducing the incidences of drug poisoning. As drugs can be easily purchased over the counter, increasing the vendors' awareness of the problem throughout society may be the quickest way to reduce the incidences of acute drug poisoning among adolescents.
著者
平石 界 斎藤 彩乃 西尾 眞紀 藤井 那侑 森 峻人
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.244-261, 2019 (Released:2021-02-28)
参考文献数
28
被引用文献数
3

After Buss (1989) initiated research in the field, sex differences in individuals’ preferences for long-term mates have been extensively studied in evolutionary psychology. Numerous studies report robust sex differences such as (1) men have a stronger preference for a younger mate than do women, (2) women have a stronger preference for an older mate than do men, (3) women more highly value traits associated with resource acquisition (e.g., economic status and educational attainment) than do men, and (4) men more highly value physical attractiveness than do women. However, our replication of the study by Bech-Sørensen & Pollet (2016) did not show a significant sex difference in the preference for physical attractiveness among a Japanese sample; however, the other sex differences (e.g., age difference and resource acquisition ability) were significantly different (Study 1). We designed Study 2 to test whether the nonsignificant findings were an artifact of the item used to measure the preference for physical attractiveness. Study 2 showed that sex differences were not statistically significant. In addition, the effect of sex was significantly smaller than the pre-determined smallest effect size of interest (SESOI).
著者
遠山 日出也
出版者
日本女性学研究会
雑誌
女性学年報 (ISSN:03895203)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.23-40, 2020 (Released:2020-12-19)
参考文献数
54
被引用文献数
1

家族賃金・年功制、能力主義、競争原理、均等法、個人単位化といった概念・制度・政策には、いずれも複数の意味や方向性があり、それらの背後には複数の社会的な力(新自由主義の力、フェミニズムの力など)が存在している。しかし、日本の左派やフェミニストは、しばしば、こうした複数の意味や方向性、背後にある力を十分区別できなかった。そのために、新自由主義に対する評価が甘くなったり、フェミニズム運動の意義を十分評価できなくなったりした。以上のことと表裏一体の問題として、左派やフェミニストが、しばしば資本主義と家父長制とを統一的に把握していないという問題がある。また、「前近代」「近代」といった歴史的段階だけに注目して、それぞれの社会内部の矛盾やマイノリティの視点を軽視することも、以上のような問題と結びついている。「近代家族」概念にも複数の意味が存在しており、その真の乗り越えは、新自由主義によってではなく、公共領域と家内領域の分離をより高い段階で統一する方向性を有するさまざまな闘いによってのみ可能になる。新自由主義に対抗するためには、今後、家族賃金や能力主義といった概念の複数性についてさらに丁寧に論じていくことが必要である。
著者
北村 紗衣
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.127-133, 2020-03-01 (Released:2020-03-01)

この論考においては,ウィキペディアにおいて女性科学者の人物記事が比較的冷遇されてきた経過と,それに対して現在行われている対策を検討し,今後の改善のための方策を指摘する。ウィキペディアに存在するジェンダーバイアスについては,既にさまざまなところで指摘がなされおり,女性科学者に関する人物記事についてもその貧弱さが指摘されてきた。本論では女性科学者に対するウィキペディアのバイアスの例としてよく知られているマリ・キュリー,スミソニアンアーカイヴズでのエディタソン,ドナ・ストリックランド,ケイティ・バウマンの記事をめぐる議論を検討した後,ジェンダーバイアス改善のための対策を示唆する。