著者
高瀬 孝次
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
鐵と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.107-120, 1936-02-25 (Released:2009-07-09)

Owing to the marked increase of aero-engine power, number of revolution, compression ratio, etc., crankshaft should inevitably biar the vibrational and duplicated over-stresses. The crankshaft should, therefore, not only be of the best chemical composition, most properly heat-treated, the latest metallurgical procedure being applied, but also of the most perfect design, in addition to the minimum weight and size.The writer has published a part of this investigation in the "Tetsu To Hagane" Vol. XIX, No.4 In this paper, in order to select the most suitable steel for the future, the notch effect in regard to the endurance properties and the influence of heat-treatment of these steels have been investigated.An investigation of crankshaft steel on the relation between the mechanical test results and the endurance properties by fatigue test have also been executed, and the writer has introduced a new method for determing the endurance limit in stead of laborious fatigue test.As a conclusion, the writer has suggested future requirements for the aero-engine crankshaft steel, considering all the facts above mentioned.
著者
八木澤 ちひろ
巻号頁・発行日
pp.1-34, 2016-02-01

『KURA HOUR』 研究スキルアップ講座. @Learning Commons, Kyoto Univ. 2016-02-01 (Mon) 13:15-14:15.
著者
渡辺 正仁 早崎 華 由留木 裕子 渡辺 克哉
出版者
保健医療学学会
雑誌
保健医療学雑誌 (ISSN:21850399)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.112-125, 2018-10-01 (Released:2018-10-01)
参考文献数
95
被引用文献数
3 2

マリファナは古代より治療に用いられているが,マリファナに含まれるカンナビノイドの主成分として向精神作用を持つΔ−9 tetrahydrocannabinol (THC)と持たないカンナビジオール(cannabidiol; CBD)がある.近年,向精神作用を持たないCBD が様々な治療効果を示すことから注目されている.カンナビノイドは多様な受容体を介してその作用を発揮する.カンナビノイド受容体としていずれもG 蛋白共役型受容体であるCB1 とCB2 があるが,CB1 受容体は主に神経細胞に発現しており神経伝達を調整している.CB2 受容体は中枢神経外の非神経細胞,特にリンパ球やマクロファージに発現している.CBD はこれらの受容体以外にGPR55,TRP,5-HT,およびPPAR 受容体を介してその作用を発揮すると考えられており,抗炎症作用,鎮痛作用,制吐作用,抗不安作用や糖尿病,癌,アルツハイマー病などの予防や治療の有効性が報告されている.ここでは,CBD の治療効果とその作用機序について述べる.
著者
Hiroaki Kawano Nobu Yamamoto Hirokazu Kurohama Shinji Okano Masaya Kurobe Tomohiro Honda Ryohei Akashi Tsuyoshi Yonekura Satoshi Ikeda Koichi Izumikawa Koji Maemura
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
pp.0680-22, (Released:2022-11-23)
参考文献数
37
被引用文献数
3

A 19-year-old Japanese man was hospitalized for cardiogenic shock 28 days after receiving a second dose of the COVID-19 mRNA-1273 vaccine. He had had a high fever for three days with vomiting and abdominal pain before arriving at our hospital. The patient visited a local hospital and was diagnosed with heart failure and acute appendicitis. An endomyocardial biopsy specimen showed myocarditis. Thereafter, Impella CP left ventricular assist device implantation and venoarterial peripheral extracorporeal membranous oxygenation were initiated immediately along with inotropic support and steroid pulse therapy. Given these findings, he was finally diagnosed with multiple inflammatory syndrome and fulminant myocarditis.
著者
西田 公昭
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.131-144, 1994-03-25 (Released:2016-12-02)

This paper is intented as an investigation of process of belief-system change by means of a religious cult mind-control. This study analyzed the process by mainly using a questionnaire survey administrated to 272 persons of the cult exiters, with content analysis of text books of the dogma, videotapes of the dogma, recruiting manual, seminar's manuals and interviews to exiters from the religious cult supplementary used. It should be concluded from the analysis that the cult recruiters take advantage of camouflaged religious recruiting, interpersonal attraction, group attraction, personal and social reality operations for recruiter's mind control. In the process, to begin with, the recruiter are attracted by the recruiter's warm regard and they begin to learn the dogma without knowing that it is a religious recruiting. As the next step, recruiter come to believe the dogma through influence of reality operation and interpersonal attraction. And finally, the recruiters tell the truth of their own group to the recruiters and ask them to be the members of the group.
著者
縄田 健悟 大賀 哲 藤村 まこと
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.si5-4, (Released:2023-03-14)
参考文献数
21

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関しては多くの陰謀論が存在する。COVID-19の陰謀論を信奉することで,感染リスクを軽視する認知を高め,個人としても感染リスク行動を取るようになるとともに,政府による感染防止政策を支持しなくなることが予測される。欧米ではこうした社会心理過程が指摘されており,本研究では日本でも同様の過程が見られるかを検討していく。研究1では,2021年1月に質問票調査を実施し,構造方程式モデリングによる分析を行った。その結果,仮説どおりに「COVID-19に関する陰謀論を信奉している人ほど,感染リスク軽視を通じて,個人として感染リスク行動を行うとともに,政府が感染対策政策を行うことを支持しない」と仮定したモデルの妥当性が確認された。次に研究2では,研究1の調査回答者に対して,2022年1月に縦断調査を実施した。その結果,SEMにより影響過程モデルが同様であることを確認した。また,縦断データに対する同時効果モデル及び交差遅延モデルの分析結果から仮説の因果は妥当性が高いことが示された。以上の結果は,COVID-19の陰謀論を信奉することが,COVID-19のリスク軽視をもたらし,個人や政府の感染症対策を阻害する影響がある可能性を示唆している。

74 0 0 0 OA ヒモムシ学入門

著者
波々伯部 夏美
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.19-30, 2022-08-31 (Released:2022-08-31)
参考文献数
105

Nemertea is one of the spiralian phyla, consisting of about 1350 species from all over the world. Nemerteans are commonly known as ribbon worms, occurring in a wide variety of marine, freshwater, and terrestrial ecosystems. Although about 100 species of nemerteans have been reported from Japan, recent studies in limited areas involving molecular phylogenetic techniques have uncovered high species diversity in the area, suggesting that there are a significant number of yet-to-be-discovered species in the entire Japanese waters. In this paper, I present a step-by-step introduction to collection, observation, and identification of nemerteans principally for systematic studies. In addition, the present paper briefly reviews recent progress in molecular phylogeny and systematics in the Nemertea.
著者
池田 敬 児玉 大夢 松浦 友紀子 高橋 裕史 東谷 宗光 丸 智明 吉田 剛司 伊吾田 宏正
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.47-52, 2016 (Released:2016-07-01)
参考文献数
18

ニホンジカ(Cervus nippon)を効率的に捕獲する際に,給餌に醤油を用いた場合の選択効果を実証することを目的として,採食試験を実施した.調査は北海道洞爺湖中島において,4地域9地点の給餌場所で2012年11月7日~17日に行った.醤油区と牧草区,醤油を散布した牧草区(醤油牧草区)の3種類の給餌区を設定し,期間中に3回~5回給餌し,自動撮影カメラを利用して各区に対するシカの選択頻度(1時間当たりの撮影頭数)を算出した.各給餌区の選択頻度は(1)調査期間を通しての各給餌回後および全体についてと,(2)各給餌後24時間以内の時系列データに再配列したデータセットでの2時間毎の頻度の二つの区分で別々に評価した.醤油区の場合,二つの区分の両方で選択頻度が低かった.給餌後の変化を見ると(1)の区分では,牧草区と醤油牧草区の選択頻度は1回目の給餌で少なく,回を重ねるごとに増加した.醤油牧草区の選択頻度は,5回目を除いて他の2区と比べて有意に高かった.一方,(2)の区分では,醤油区の選択頻度は他の2区よりも明らかに低く,醤油牧草区の選択頻度は全体的に牧草区よりも高かった.結果的に,醤油単体を給餌した場合はニホンジカに選択されにくいものの,醤油を散布した誘引餌は通常の餌よりもニホンジカに選択されやすいことが示された.
著者
斉藤 憲治 三塚 牧夫 麻山 賢人 藤本 泰文
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.107-120, 2021-06-30 (Released:2021-06-30)
参考文献数
47
被引用文献数
1

池干しによる駆除の2 年後に見られたオオクチバスMicropterus salmoides 稚魚が駆除の失敗によるものか再度の違法放流によるものなのか推定した.繁殖,成長,死亡についての過去の資料を参照しつつ,池干し時の残存個体または違法放流個体のサイズと数を逆算した.池干し時の捕り残しと仮定した場合,全長35cm 程度の成魚であれば8 尾弱または体長14cm 程度の0 才魚であれば 90 尾弱と推定された.池の干し上げの状況からこの数の捕り残しは現実的でない.池干しのおよそ1 年後の違法放流と仮定すると,調査で確認された稚魚が出現するには,全長38cm 程度を約5 尾または22cm 程度を約8 尾が放流されたと推定された.

74 0 0 0 OA 古紙処理と薬品

著者
平岡 誠
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.297-304, 1989-03-01 (Released:2009-11-16)
参考文献数
11
著者
西条 昇 木内 英太 植田 康孝\n
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
vol.26, 2016-03-15

2015 年は,アイドルシーンにとって画期的な年であった。ジャニーズやAKB48 を中心としたアイドル・ブームはまだまだ堅調であったが,これが「仮想空間」にも拡大,一般化して「アイドルアニメ」がエンタテインメント市場を席捲した。現実のアイドルは近年,ちょっとでも容姿や体型が落ちるとインターネット上で「劣化」と騒がれてしまうが,アニメのアイドルは「劣化」せず純粋にグループのために頑張る理想の集団としてファンに映り,「ラブライブ!」「アイドルマスター」「うたの☆プリンスさまっ♪」の3 大作品が大ヒット,「ラブライブ!」から派生した声優9 人組によるユニット「μ’s(ミューズ)」が2015 年末の「第66 回NHK 紅白歌合戦」に出場,2015 年流行語大賞の候補に熱狂的ファンを表す「ラブライバー」が選ばれるなど社会現象化した。「ラブライバー」が成立した背景には,「ヴァーチャル空間」拡大による「ファン母数増加」と「ファンコミュニティ内つながりの緊密化」の2 点が挙げられる。現代アイドルの魅力は,具体的な素の存在に基づく「現実空間」における「キャラクター」性と,アニメやマンガのキャラクターに通じるように,類型化されたイメージの中から選び取られた「仮想空間」における「偶像」性の二重構造を持っていることにある。「現実空間」における「キャラクター」と「仮想空間」における「偶像」が合致した時,アイドルの魅力は一気に高まる。一方,その乖離が露呈すると,虚構性が興ざめ感を惹起する危険性も兼備する。かつて安室奈美恵やSPEED などアーティスト志向が強かったグループはアイドルとして捉えられることに対し拒絶する動きを見せたが,SNS や動画配信な「ヴァーチャル空間」が拡大してファンとの距離が近く感じられるようになった現在においては,アーティスト然と振る舞うことは逆にカッコ悪く映り,身近に感じさせられるアイドル的行動がファンを増やす点で効果的になっている。ファンになってもらうためには,SNS やイベントを通して「人となり」を伝えることが求められる。アイドルはイベントで握手や写真撮影に応じることに加え,公式サイトやFacebook,Twitter でグループや自らの現況を積極的に発信して,実際に触れ合う「現実空間」とネットを通じた「ヴァーチャル空間」の両空間において,ファンに「楽しみ」を提供している。また,新曲が出るとPV の動画が「ヴァーチャル空間」に流れるため,ファンは無料で身近にアイドルに接することが可能となっている。男性ファンは女性アイドルに対して,潜在的に疑似恋愛的な視線を向ける傾向がある。可愛い女の子が一生懸命全身全霊でファンのために人生の応援歌を歌い踊り演じる。アイドルが頑張るから,自分も一緒に頑張ろうという意識の下,アイドルを応援する。AKB48 で有名な「恋愛禁止」ルールは,個々のメンバーが切磋琢磨し高め合うことに一生懸命であれば恋愛している暇なんてないだろうという意味づけであり,結果として男性ファンの疑似恋愛を守ることに成功している。一方,女性アイドルファンにとって,ジャニーズアイドルを中心とする男性アイドルは理想の恋愛相手という存在に留まらず,別機能を備えた存在となっている。ジャニーズアイドルは,「わちゃわちゃ感」と呼ばれる男性同士の親密さや絆を有する「現実空間」における「キャラクター」をアピールして,アイドルに付随する女性の存在を無化する「偶像」になることに成功している。以前の女性を救い上げる男性イコール王子様,選ばれる女性というジェンダー役割は変質して,男性アイドルは,身近な自分の好みと合致させやすい「キャラクター」であると同時に,自分とは異性愛関係を結べない「偶像」(仮想空間における「偶像」)でもある。女性ファンにとって,男性アイドルは手の届かない遠い「偶像」ではなく,現実空間に極めて近いところにいる「キャラクター」として認識されている。
著者
森 功次 林 志直 野口 やよい 甲斐 明美 大江 香子 酒井 沙知 原 元宣 諸角 聖
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.496-500, 2006-09-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
13
被引用文献数
3 11

ノロウイルス (NV) による集団胃腸炎は事例数患者数ともに毎年上位をしめ, その予防対策の構築が求められている. しかしNVは現在培養系が確立されていないため, その不活化の条件などに不明な点も多い. そこでノロウイルスと同じカリシウイルス科に属するネコカリシウイルス (FCV) が培養可能であることに着目し, 手洗いによるウイルス除去効果についてウイルス感染価と遺伝子量を指標にアルコール, クルルヘキシジン, 第四級アンモニウム塩, 成分としてヨード化合物, トリクロサン, フェノール誘導体を含むハンドソープを用いて検討を行った. その結果, 流水によるすすぎのみでもウイルス量が100分の1程度に減少することが明らかとなった. 手洗い時にハンドソープを使用することにより, さらにウイルス量の減少傾向が強まったことから, 手洗いはウイルス性胃腸炎の発生予防および拡大防止に非常に有効な手段であることが示唆された.
著者
今泉 允聡
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.257-283, 2021-03-05 (Released:2021-03-05)
参考文献数
47

本稿では,深層学習の原理を説明する汎化誤差の理論を概観する.深層学習は,多層ニューラルネットワークをモデルとして用いる統計的手法の一つで,その高い性能から脚光を浴びて久しい.しかしながら,その多層モデルがもたらす複雑な性質により,高い性能を発揮する仕組みの解明は未だ発展途上である.本稿は,この性能の原理を説明する試みのうち,特にモデルの近似誤差や推定量の複雑性誤差に焦点を当て,解明された部分と未解明な部分を議論する.
著者
前野 悦輝
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.175-176, 2019-03-05 (Released:2019-08-16)
参考文献数
16

談話室Leggett教授から物理学若手研究者へのメッセージ――傘寿を祝う研究会にて